影縫人形   作:神代愛

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鬱な朝の嫌な予感と

月詠大学

 

僕、宮田優は大学では基本大人しい性格

大人しい、と言うか存在感がない

そんな奴

勉強はそこまでできるわけでもなく

運動も特別上手いわけでもなく

よく周りの女子からモテるわけでもなく

並外れた才能があったりするわけでもない

本当に、平凡な

「よーっ!宮田!」

ドンッ!と後ろからぶつかってきた男…

「わっ!…あ、安藤君か」

「何言ってんだ、俺以外お前に話しかける奴居ないだろ」

笑いながらさらっと酷い事言うんだよな

返せないのがちょっと悔しい…

「い、いや…いつもはバイクだかr」

「そうそれなぁ!聞いてくれよ~」

言ってる途中で肩をがっちり掴んできた

「昨日兄貴が彼女泊めてきたんだけど」

「明日バイク使いたいから借りてくって言ってさ」

「俺が大学までこうやって歩いてくる羽目にー」

安藤博臣君、彼は大のバイク好きだ

あんまり関わった事無かったんだけど

実は高校が一緒だったらしくって

それで向こうは何故か僕の事覚えてたらしく

何だか大学ではずっと絡んでくる

僕は全然覚えてないんだけどな…

正直、一人が好きだから鬱陶しい

「…ってか、元気ねぇじゃん」

「え?あぁ…多分昨日寝てないから」

目の下の隈を隠すように指で目を押さえた

「何だよまた知らない奴等と話してたのかよ」

「本当好きだよなーそういうの」

「アレだろ?出会いサイトみたいなのだろ?」

少しムッっとした気分になった

「ち、チャットって言って…そんな出会いを求めてるわけじゃ」

「あー分かったよ悪かったよ!」

察したのか言う前に謝ってきた安藤君

少し面倒臭そうな顔をしていた

「ん?あ、おぉ!おい!見ろよあの人」

「えっ?」

安藤君が急に小声になって興奮していた

その視線の先には一人の女性がいた

三島雛乃だ

僕とは一つ上の大学生

勿論安藤君ともだ

三島さんは華奢な雰囲気を見せつけながら

黒く長い髪を靡かせていた

周りの男子は揃って目で追っているような

結構人気者の人だった

「やっぱ美人だよなぁ…彼氏さん羨ましい!」

「えっ、彼氏いるんだ…」

「ん?いやあくまで噂だよ噂」

「何でも男と二人で休日歩いていたとか」

野次馬の男子が通り過ぎてから噂話をしていたのが聞こえた

そんな噂もあるんだ…

実際、僕は興味ないんだけどな…

「あーそっか、宮田って現実の女子に興味ないんだっけ」

急に安藤君が話し出した

「なっ!そういう訳じゃ…ただ」

「ただ?何だよもったいぶるなよー」

安藤君のキャラがそろそろ鬱陶しくなってきた

最初から鬱陶しいけど

「好みにあう人が居ないっていうか…その」

「あー…お前そういうの良くないぞ」

と安藤君が離れると話し出した

「女性に自分の完璧な理想を求めていたら駄目だ」

「まずは誰か気になる人に話しかけるところから始め」

「相手を知るうちに好きにならないとなんだぜ?」

何様だよ、と思いながら聞いていた

でも確かにそうかもしれない…

思えば高校も、中学も、小学も

いつも僕は理想的な女性を求めるがあまり

ここまで一度も彼女っていう問題より先に

恋に堕ちた事ない気がする…

せいぜい、チャットで話したアニメのキャラ程度…

…このままじゃ永遠独身も間違いなし

せいぜいアニメ好きの子とかとお知り合いになれたらね…

なんて一人考えていると妙な違和感が感じた

大学に近づくにつれて大学の外で何かいつもと違う雰囲気が

近くに公園があるのだがその辺り

やけに五月蠅いって言うか…騒がしい

見えたのは赤い何か

ランプだ、パトカーなのか

大量のパトカーが溜まっているのが見えた

「何だろ…事件?」

呟くと安藤君が話し出した

「ニュース見てないのか?」

「警察と一般人が死んだらしいぜ?殺人事件だよ」

その言葉に嫌な気分を覚えた

殺人

人が人を殺す

これ以上に最も醜く

最も酷い行為があるだろうか

宮田はこの言葉が大嫌いだった

小さい頃から…

そんな話をしている内に予鈴が響いた

 

 

 

 

 

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