透き通る青の仮面(ペルソナ)   作:仮面をつけた一般キヴォトス人

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お待たせいたしました!
youkuさん
評価9ありがとうございました!
早くエデン条約編に行きたいと感じていますw


"有馬コトネ"と言う少女

「それじゃあ、どこから話そうかな……と言うか、便利屋の皆も来たんだね」

 

カイザー理事達から街を守った後、アビドス高等学校にてコトネの現状について話す事になった。その代わりに学校に泊めて貰うのだが。

 

「一緒に戦ったしねぇー。それに風紀委員の手の内は気になるからねぇ。特にカヨコちゃんの顔に書いているし」

 

「私は……ううん。確かに気にはなってる。目覚めてからのこと、ヘイローが無いこと、記憶喪失っぽいことも、それに……」

 

カヨコがコトネの目を見ながら少し苦しそうな表情を浮かべ質問をしようとしたタイミングでセリカが

 

「ちょっと待って!記憶喪失っぽいってどういうことよ!?色々聞く前に先ずそこからじゃ……!」

 

セリカの疑問も当然である。色々と突っ込みたいこともあるが、何よりも『記憶が無い』とは一体、そう思うのは無理もない。

 

「そうね、その辺も教えてくれるかしら?貴女のこと」

 

アルがコトネに言うが、肝心のコトネは。

 

「……あー、まぁ、うん。鬼方さんの言う通り、覚えてないんだよねぇ、眠りっぱなしになる前のこと。起きてからの事とかペルソナ(アレ)については説明できるけど」

 

その言葉に空気が重くなる。

誰も口を開けない中、コトネは思い付いたように手を叩き

 

「そうだ、鬼方さん。昔の私……眠りっぱなしになる前の私の話、知ってる範囲で話してくれる?」

 

「私が?できるけど……いいの?」

 

「いいよ別に、知られて困ることもないでしょ。……多分」

 

ヒナにもマコトにも、何も言われてないしなぁと溢すと、その言葉に驚いたハルカが尋ねる。

 

「あ、あの……ま、マコトって、コトネさんは風紀委員ですよね?万魔殿のトップとも知り合いなんですか?」

 

「少し前に話して、そっから持ちつ持たれつの関係……っていうのかな?風紀委員会へのあれこれを抑えて貰う代わりに、時々だけど私が万魔殿の仕事を手伝う事で手打ちにしてる感じかな」

 

「風紀委員会と万魔殿……ゲヘナ学園の生徒会を兼任しているということですか!?」

 

アヤネが驚いたように言う。コトネはあははと笑いながらに言う。

 

「兼任と言うほど大したものじゃないよ。万魔殿の方は助っ人みたいなもんだし」

 

それでは面倒事が減るなら大したことは無いし、向こうとも交流出来て楽しいよと付け加えて。

 

「それじゃあ、鬼方さんお願いしてもいい?貴女の知っている私の話」

 

カヨコはコトネに促されて話し始める。顔色はそこまで良くはなく、それでも意を決して話し始める。

 

「私の知る有馬コトネは1年生の時の頃しか知らない。1年の時は、当時の風紀委員会でもトップクラスの実力者と言われていた」

 

「それほど強いの!?」

 

「1年で風紀委員会トップクラスですって!?」

 

セリカとアルが驚いたように声を上げる。カヨコは頷き

 

「多分、そのまま3年になってたらヒナと同等以上になっていたと思う。好戦的な所もあったから単純な戦闘能力だけならヒナ以上だったかもね」

 

それを聞いて先生とカヨコ以外が驚く。コトネ自身も驚く。それもそのはず、現ゲヘナ風紀委員長より強くなっていた可能性があったと言うのだ。

 

「アヤネが止めたあの風紀委員長よりも強かった可能性があったんだ。でも今はそうは見えない」

 

「あはは、私も過大評価だと思うなぁ」

 

シロコとコトネは二人揃って言う。カヨコはため息をつきながら。

 

「あくまで当時の話。そして、今から2年近く前に、風紀委員会を狙った不良生徒の事件があって結構風紀委員の被害もあった。その当時のコトネもそれに対応して犯行グループを追いかけていた。」

 

「やっぱりその当時のコトネさんは凄いですね」

 

ノノミが言った直後、カヨコが言う。

 

「その事件の最後、グループの犯行……ゲームってやつに巻き込まれた。時間内にグループ全員を倒してビル内の爆弾を解除すると言うゲームに……」

 

それを聞いたコトネ以外が顔を青くする。そんな悪辣な事件がゲヘナであったこと。同じ爆弾を使うことが多い、ムツキとハルカも顔を青くしていた。

 

「そんな中、当時のコトネは仲間を逃して、明月ランが率いる不良生徒達とビルの中で単独で交戦して……」

 

「はぁ!?何で独りでそんな事してるのよ!?」

 

「何をしてるの?」

 

「い、今の私に言われても!?」

 

セリカとシロコに問い詰められてコトネは逃げながらに答える。それもそうだ、そういう判断をしたのは当時のコトネであり、今のコトネは記憶が無いのである。厳密にはコトネでは無いのだが。

 

「えっと……それで……コトネはどうなったんだい?……いい辛いのなら話さなくても良いんだけど」

 

脱線しそうになったのを先生がカヨコに聞くが、辛いなら話さなくても良いと伝える。

 

「大丈夫……ラン率いる不良を単独で全員捕縛して外に投げ出した」

 

「本当に凄いわね。その当時のコトネは」

 

「……待ってください、コトネさんは?捕縛して外に出したと言うのは分かったんですが……まさか!」

 

アヤネがカヨコの話した所に尋ねる。カヨコは拳を強く握りしめてコトネを見据えて話す。

 

「そうだよ……その当時の有馬コトネは逃げ遅れて爆弾で崩落するビルに取り残されて瓦礫の下敷きになった。救出されたのも……3日後……何とか一命を取り留めたけど、目覚めるかは分からないと言われていた……。これが、私が知っている限りのコトネの過去よ」

 

話終えると凍り付くほどの空気になっていた。

 

「それは……それで、あの時風紀委員長のヒナさんが深刻そうに……」

 

アヤネは鼻血を出してふらついたコトネを思い出す。あの時の風紀委員会の焦りようは印象に残っていた。皆の様子を見かねたコトネ本人はわざとらしく咳をし、手を叩く。それに注目して皆がコトネに視線を向ける。

 

「それじゃあ、今度は私の番だね。目覚めてからの話とコレについて」

 

召喚機を取り出して手元で回す。そして、これまでの経緯、コトネとして目覚めてからの話を語った。続けて自らの力についても話し始める。

 

「そしてコレと私の神秘についてなんだけど。まずは、コレが召喚機っと言って、これで頭を撃ち抜くと……」

 

なんとも無いように自然に頭に召喚機を突きつけて息を吐いてから

 

「……ペルソナ!」

 

躊躇いなく引き金を引く。突きつけた反対側から血が吹き出るような出方で青白い光が出て、目は一瞬ハイライトを失う。そしてヘイローが出現しコトネの後ろにペルセポネが静かに現れた。

 

「こうして、ペルソナが出てるという訳。それに伴ってヘイローも出てるらしい」

 

「う、うん出てるね。でも」

 

先生が何かを言う前に、アヤネとムツキが

 

「出す前に出すこと言ってくださいよ!」

 

「メガネちゃんの言う通りだよ〜。アルちゃん白目むいてるし、カヨコちゃんも顔色悪くしてるし。ハルカちゃんも大丈夫?」

 

「は、はい!ほ、本当になんとも無いんですか!?」

 

二人に怒られながらハルカの質問に答える。

 

「弾は出ないからね、大丈夫だよ」

 

そう答える。先生はコトネの事を真剣な表情で見ながら尋ねる。

 

「ペルソナについて教えてくれるかい?」

 

先生がそう言った瞬間、この場の空気が変わった。先生は黙って、けれどコトネから視線を逸らさない。アビドス対策委員会、便利屋68も動かず様子を伺っている。

 

「ペルソナは簡単に言えば心の底に潜む『もう一人の自分』が実体化したもの。死の恐怖を様々な困難に向かって行く為の『仮面の鎧』。簡単に言えばもう一人の私と思って」

 

コトネは召喚機を見せながらに言う。先生は召喚機を受け取り見ながら、コトネに言う。

 

「弾がで無いと言っても……召喚器で頭を撃つのは」

 

何かを言いたいのはコトネは察して先に言う。

 

「私がペルソナを出すにはこれしかないんです。例外を除いて」

 

コトネはタロットカードを出して言う。シロコはタロットカードを見て拾ってカイザーと交戦する際にコトネに渡したものと思い出す。

 

「それを探しに来たんだよね」

 

シロコの言葉に頷きタロットカードを見ながらに答える。

 

「うん、そうだよ。このタロットカードは私が召喚機では出せない特異なペルソナを出す為に必要だからね」

 

その表情は大切な何かをそのタロットカードに見出している表情であった。事実、タロットカードからペルソナを召喚するという事は自分が追体験した主人公達の軌跡を使うことであり、元の世界の繋がりを示す物とも言えるし、対応するアルカナはコトネが繋いだ絆に準ずるものと言うのは直感で理解している。

 

「そ、その!ペルソナに代償とかあるのですか?以前も今回もかなり疲弊しているように見えたので……」

 

アヤネが心配そうにコトネに言う。コトネは思い返しながらも話す。

 

「うん?代償という程の代償は無いよ。まぁ、色々なことが出来る以上、使いすぎると疲れるし、消耗も他の人よりは少し激しいかな。ペルソナの受けたダメージも私に来る位からな。でも、基本的にペルソナ出さないとヘイロー……神秘が守ってくれないから」

 

出さないという選択は無いと言い切る。

 

「まぁ、出した後暫くはヘイローは出ている見たいだし動けるから極端にペルソナの能力を使わないように立ち回れば消耗は抑えられるだろうけど、そこは鍛えている最中かな」

 

と現状を話す。ペルソナを一度出せばヘイローが出現し、直前に出しているペルソナの特性が表に出る。ペルソナが姿を現して無くてもヘイローが出ている限りはその神秘はコトネを守っているのだ。

 

「現状、私が知っている範囲は以上かな」

 

「ありがとう、話してくれて。そして、今日は助けてくれて本当にありがとう」

 

「ううん、私もタロットカードありがとう。これからも大変だろうけど頑張って。それと今日はゆっくり休ませてもらうね」

 

「はい、ゆっくり休んで行ってくださいね」

 

ノノミがそういうと、布団等の寝具をコトネに出す。その様子を見ながらアルは号令をかける。

 

「それじゃあ私達も帰るわよ」

 

「鬼方さん、便利屋の皆、鬼方さん今日は色々とありがとう」

 

カヨコは頷いて静かに答える。

 

「また、今度」

 

そう言うと便利屋はアビドス高等学校から立ち去った。そして対策委員会のメンバーもそれぞれの住んでいる所に帰る。コトネはモモトークで

 

『思ったより消耗したからアビドス高等学校に一泊してからゲヘナに帰るよ。先生も一緒だから大丈夫!』

 

とヒナ、アコ、イオリ、チナツの秘密の特訓組にメッセージを送る。イオリとチナツからは

 

『『了解です!!』』

 

と返答が来る。アコは

 

『ご無事で何よりです』

 

と返信が来る。ヒナからは

 

『無事で良かった、帰ってきたらできる範囲でアビドスで何があったか教えて』

 

と来ていた。とりあえずは連絡を終えてコトネは一安心する。

 

「ふぅ……何とか終わった。心配かけたなぁ」

 

心配しているだろう風紀委員会のメンバーに少し申し訳なさを感じながらも布団に包まろうとすた時、先生の影が部屋の前を通り過ぎるのを見る。

 

「先生?なんだこんな時間に……」

 

見覚えがあるようなないような封筒を片手にアビドス高等学校を出るのを見てコトネはその後を追いかける。

 

(疲れているのに何してるんだろ……。でもあの模様どっかで見たことがあるんだよなぁ)

 

そう考えながら後を追いかけると見知らぬビルに入っていく。

 

「ここか……」

 

コトネはその後を追いかけて、先生が向かった階層ををエレベーターで見た後自身もエレベーターで同じ階層に向かう。かなり上層に向かってる中、召喚機を片手に目を瞑る。

 

エレベーターが止まる音を耳にする。目を開きエレベーターから降りると、先生が立っていた。

 

「コトネ!どうしてここに!?」

 

「先生が一人で外に出ていくのが見えたので。キヴォトスで単独行動は互いに危ない身なんですよ?」

 

コトネはため息を吐きながら先生の隣まで行く。その直後オフィスのテーブルから声がかけられる。

 

「……お待ちしておりました、先生。そしてゲヘナ風紀委員会、有馬コトネ。いや、有馬琥暁さん」

 

黒いスーツを身にまとい、その体は影の様に黒く無機質で、右目にあたる箇所には発光部があり、そこから顔全体に亀裂が走っている。しかしそんな人物の事はどうでもよくコトネ……琥暁は静かにその人物を睨みつけていた。




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