透き通る青の仮面(ペルソナ) 作:仮面をつけた一般キヴォトス人
遅くなりました!今回は幕間でございます!
幕間
【コトネとシャーレでの一日】
「やあ、今日は君が当番なんだねコトネ。…… 琥暁さんと呼んだ方がいいかな?」
「どっちでも良いよ……と言いたいけど、もしも他の人に聞かれたら厄介だからコトネで通してくれると助かるよ」
ゲヘナ風紀委員会所属であり万魔殿にも席を置くことになった少女、有馬コトネはシャーレの当番としてシャーレに訪れていた。
「それで、仕事は?」
「ここの書類を分けて欲しいんだ。頼めるかい?」
その書類を見た時、コトネは目を見開いた。
「先生……!何時もこんなにも仕事してんの!?絶対一人で捌ける量じゃないだろ……期限のことも考えるだけでも気が遠くなりそう……」
「うん、まぁ……そうだね」
「ゲヘナ風紀委員会も大概とは思ったけど……ここはそれ以上にブラック企業だな……」
絶句する程の書類の量と、今回の人員がコトネだけということ。普通ならやってられるかと言って投げ出しても同情されそうな書類の山が積み上がっていた。
「とりあえず、仕分けしたらいいんだよな?」
「そうだね、私がサインや押印しないといけな書類とそうでない書類を分けて欲しいかな。あとはこんな風に……」
先生からシャーレでの仕事内容の説明を受ける。一応、振り返れるようにメモを取り、確認を行い、仕事に取り掛れるように脳内で流れを軽く作る。
「わかった、それじゃあ取り掛かりますか」
そこからは早かった。社会人としての経験、ゲヘナ風紀委員会での激務の経験は、シャーレの当番で真価を発揮してしまった。作業の間の会話なんて殆ど無く、黙々と進み、部屋に響くのはペンの走る音、紙の擦れる音、時計の秒針の動く音だけであった。淀みなく流れていく解決された書類、ペースは落ちることなく進んでいく。その甲斐もあって午前でシャーレの仕事の8割が終わり、かなり余裕ができた。
「流石に早いねコトネ……」
「うんーっ!まぁ、色々経験してるから……一応は……ね?それはそれとして、昼休憩くらいあるんだろ?先生」
「勿論。ここまで仕事手伝って貰ったし、お昼ご飯でも奢るよ」
その言葉を聞いたコトネは嬉しそうな表情になり
「本気?ラッキー!D.U.何て普段来ないからどういうのあるか知らないから楽しみ!」
「ははは、それじゃあ行こうか」
シャーレを出て二人はD.Uを歩く。しばらく歩いてコトネは目に付いた定食屋の前で足を止め
「先生ここ行こうぜ」
「ここで良いのかい?」
「ああ、リーマンの昼と言えば定食屋だろ?まぁ、毎昼定食屋行ってたらキツイけどな」
「そうか、コトネはそうだったね。なにか懐かしいものを感じたのかい?」
先生の言葉にコトネは頷きながらに答える。
「外にいる時は良く先輩に連れられて、定食屋に行っていたんだよ。それで俺も後輩が出来た時に連れていって、馴染めたかとか、悩みとか聞いていたからな。今でも風紀委員会内で相談を聞くことはあるけど、定食屋には行ってなかったからな。どうしても定食屋の定食屋が食べたくなって」
そう話すコトネ…… 琥暁はどこか寂しそうな、懐かしむような表情を浮かべて話していた。
「ま、今はヒナやアコ、イオリやチナツ、救急医学部のセナや万魔殿の面々と楽しくさせてもらってるからそれはそれで楽しんでいるんだけどな……"有馬コトネ"には申し訳ないけど」
「でも、それは今の君が築き上げたものじゃ……」
先生は琥暁に励ますように言葉をかけようとするが
「ああ、分かってるよ先生。それは皆との絆を否定する事にもなる。それはオレも望んでないし、何より彼女達への冒涜になる。何ヶ月も過ごして分かっている。ここはもう一つの現実であること、オレが"有馬コトネ"として生きる世界ということを」
少し誇らしげに言う姿を見て杞憂だと悟る先生。そんなことを話している内に腹の虫も鳴き出したのを感じ取り
「先生、そろそろ入ろう。お腹が空いて食べたくて仕方無いよ」
「そうだね、私もお腹が空いているし早く中に入ろう」
暖簾を潜り店に入る。「いらっしゃいませ!」の元気な声に出迎えられながら、二人は昼食の定食を楽しむのであった。昼食の後、シャーレに戻り、残りの仕事を片付けた後少しの時間が出来た。そこでコトネは先生にある頼み事をした。
「先生、悪いけど勉強教えてくれない?」
「それは良いけど……どうして?」
「いや、高校での勉強なんて何年も経ったら忘れるって。セナやアコ、ヒナに教えてはもらったけど……な?改めて先生からも教わりたいんだよ。勉強出来ないのは示しがつかないというか恥ずかしいというかで」
必死に懇願する姿は正しく子供で生徒だなぁと先生は内心思っていた。黒服と対峙した時とは異なる姿に親しみを感じながら
「そういう事なら協力するよ。どこからが良い?」
「ありがとう、先生!それじゃあ」
そして夕方までマンツーマンの勉強がシャーレにて行われた。
静かにコトネは夕日を見ながら呟いた。
「久しぶりだなぁ……こういうの」
懐かしげに呟いた言葉は夕日とペンの進む音に溶けていった。
【アビドスでの祝勝会】
日時は別の日、コトネはダートゴーグルを着用し、アビドスに再び足を運んでいた。理由は、アビドスのアヤネより小鳥遊ホシノの救出作戦の助力のお礼がしたいとの事で、是非ともアビドスに足を運んで欲しいとの事だった。
コトネは休みが近かったということもあり、それを承諾しアビドスに足を運んでいた。
「いやぁ、私も成長したなぁ。移動でヨハンナ出しても早々にへばること無くなったし、ヨハンナを出すと言うことはヘイローも出るから銃撃戦に巻き込まれても対応できるし」
ヨハンナを出し、指定されたポイントに向かっていた。コトネも経験を積み、ペルソナを使う錬度は高くなり、連携も機能し、何よりペルソナの維持と継戦能力が大きく上がっているのだ。それもイオリやヒナに鍛えられたり、温泉開発部や美食研究会と言う半ばテロ集団を相手していたら嫌でも鍛えられるというものだ。
「着いた着いた。アビドス高等学校」
校舎に到着し、敷地内に入るとアヤネが出迎えてくれる。アヤネは頭を下げながらに
「遠い所を御足労いただきありがとうございます!」
畏まった言葉にコトネも少し慌てながらに言う。
「畏まらなくていいよ!本当はお礼も良いのに……今日は呼んでくれてありがとうねアヤネちゃん」
「はいっ!こちらですどうぞ着いてきてください!」
案内されるまま着いていくコトネ。アビドス高等学校の校舎に来たのはこれで二回目である。そして、普段対策委員会が会議している会議室に到着すると、ささやかな祝勝会が開かれていた。
「コトネさんいらっしゃい」
「ん、時間通り」
「遠い所ご苦労さま!楽しんでいってよ!」
ノノミ、シロコ、セリカが出迎えてくれる。そして
「この度は助けてくれてありがとう、ええと、コトネちゃんでいいんだっけ?」
助けられた張本人であるホシノが礼を言う。何気に他校の同学年と初めて話すのだ。
「改めて、私はゲヘナ学園三年生有馬コトネです。風紀委員会では副委員長、万魔殿では外交官を務めてます。よろしくお願いします」
と自己紹介した途端
「風紀委員会の副委員長だったんですか!?」
「万魔殿の外交官も勤めてるんですねー」
「肩書きが増えた」
「この間万魔殿の方は手伝いって言ってなかった!?」
「こりゃ大物だねぇ」
四人に詰められて、ホシノは後ろで呑気に笑いながらその様子を見ていた。コトネは風紀委員会でのことを思い出しながら「デジャブだなぁ」と思っていたのは言うまでもない話である。
「風紀委員会の副委員長になったのも、万魔殿の外交官になったのもつい最近だよ。まぁ、両方とも今回の件が評価されてと言うか……万魔殿の方は何か向こうに思惑があるんだろうけどね。外交官の立場はまだ飾りで説明も引き継ぎも無いし、現状は風紀委員会の副委員長の仕事だけかな」
「そうなんですね……と言うことは!」
「副委員長に昇格したということですねー」
「すごいじゃない!」
「ん、おめでとう」
「うへー、これから昇進祝いだねぇ」
ホシノの言葉で更に盛り上がり、祝勝会から昇格祝いへと変わっていった。お菓子を食べたりジュースを飲んだりと楽しい時間が過ぎていく。そんな中、ホシノとコトネは屋上に行き話をする。
「本当にありがとねぇ、話を聞けばカイザーが街を襲っている時も通りすがりと言えど力を貸してくれたり、救出の際にも身体をはってくれたと言うし……本当にありがとうね、おじさんのために」
「貴女でおじさんと言われたら私のおばさんになっちゃいますよ?」
「そっか、同い歳だもんねぇ」
そんな軽口のやり取りを行ったあと、コトネが忠告するように言う。
「あんまり、後輩を悲しませるものじゃないよ」
「うへ〜……耳が痛いなぁ」
「アビドスで唯一の三年生の貴女がどんな思いでアビドスを守ってきたかは私じゃ推し量れない。自分を犠牲にしてまで守りたいというのは今回の件で分かったけど」
コトネはジト目で言う。その目は"本当に分かってるの?"と言う念が込められておりホシノは小さくなる。
「いやぁ……重々承知したよぉ」
益々小さくなったホシノを見てコトネは息を吐き手元の珈琲を飲み空を見上げながらに呟く。
「……失う辛さを知っているのなら、その思いを後輩に絶対にさせちゃダメだよ。そんな思いあの子達にさせたい訳じゃないじゃないでしょ?」
コトネの言葉を聞きホシノは先輩を失った日を思い出し、胸を握りしめ俯く。
「そう……だね」
「まぁ、私はヒナやアコ、救急医学部のセナに似たような思いさせたぽいけどね」
人の事言えないなよと苦笑いを浮かべてコトネは言う。ホシノはハッとしてコトネを見る。コトネの頭上にはヘイローが既に無く、自身と対峙した風紀委員会委員長を思い出す。
(……そういうことが)
何かを察しコトネの方を見る。それと同時にそう思わせてくれる機会を作ってくれた少女に感謝の念を抱く。
「改めて、助けてくれてありがとうコトネちゃん。お陰で私がやるべき事が分かった気がするよ。……何か困ったことがあったら遠慮なく言ってね、私が、アビドス対策委員会の皆が力になるから」
「ん、ホシノ先輩の言う通り」
「助けてくれたんですからその時がきたら私達が助けに行きますね」
「助けてもらったんだから私達も助けないとね!」
「はい!アビドス対策委員会はゲヘナ風紀委員会、ひいてはゲヘナ学園に何かあった際には駆けつけます!」
いつの間にかに来ていた皆の言葉を受けてコトネは頷き笑顔で
「その時はよろしくお願いするよ皆!」
コトネが差し出した手にホシノが応じる形でその手を握る。それと同時に脳内に声が響く。
『我は汝…汝は我… 汝、新たな絆を見出したり。 汝『剛毅』のペルソナを生み出せし時、我ら、更なる力の祝福を与えん…』
そう響いた。
「それじゃあ、続きを楽しもっか。せっかくだしおじさんも楽しむぞ〜」
「私も。こういう機会はないしね!」
全員が笑い合いながら再び部屋に戻る。賑やかで楽しい時間を過ごした。
【便利屋68への依頼】
便利屋が構える事務所にてある依頼が舞い込む。依頼人が電話越しでは無く、直接対面しての依頼だった。だが、問題なのはその依頼人と依頼内容である。
「便利屋の社長さんの腕前を見込んで依頼なんだけど、スナイパーライフルの使い方、戦い方を私に教えて欲しい。実戦でも使い物になるくらいに鍛え上げて欲しいの」
「は、はいぃぃぃぃぃぃ!?」
依頼人は有馬コトネである。風紀委員会であり、現在では副委員長の座に居る人物。一方の便利屋68はその風紀委員会と対立状態にある組織である。企業という性質を持つためゲヘナ外でも依頼の内容によっては他校の自治区で問題を起こす可能性が高いため、実態はともかく目を付けられて居るのである。しかも、風紀委員会に指名手配されている上に口座を凍結されているのだ。そんな、ある種敵対関係にこそある人物同士が机一つ隔てて依頼について話をしているのだ。
「風紀委員会の子が私たちに依頼って面白そうだねアルちゃん♪」
「し、しかもコトネさんからの依頼です……!凄いですアル様!」
ムツキとハルカは少しテンションが上がったように話す。社長であるアルは脳内にて
(風紀委員会に所属していて、あのヒナの親友で、元は一年で当時の風紀委員会のトップクラスだった人に何を教えると言うのよ!?)
若干の白目を剥きながらアルは内心頭を抱える。そんな時カヨコと目が合った。それと同時にカヨコがコトネと旧知の仲と言うことを思い出し
「ねぇ、カヨコ。コトネが過去に使っていた銃がどんなのだかったか覚えてる?それを知らないことには何処から教えるべきかという問題があると思うのよ」
カヨコは思い出すように上を見ながら考える。直ぐに思い出したのか溜息を吐く。そしてアルに話す。
「当時のコトネが使っていたのは二通りある。中近距離のバランスで選んでいたショットガンとアサルトライフル。もう一つが最も得意な距離、近距離ショットガンとサブマシンガンの組み合わせだった。でも、当時の戦闘では弾切れになったら、リロードせずに相手の銃を奪って撃ったり、狙撃手のスナイパーライフルを借りて狙撃して無力化したりと……その当時は銃に拘りなんて無かった。拳銃も使うし必要ならグレネードランチャーも使ってたと思う」
それを聞いたアルはドン引きしながら
「本当にその当時のコトネってそのままだったらもう一人ヒナ見たいなのが増える感じだったのね」
「ヒナより厄介だと思うよ。その当時の2、3年生を差し置いてだったからね」
二人で話し終えたあとカヨコが切り出す。
「社長、この依頼受けるの?まぁ、一緒に共闘した仲とは言っても、普段は向こうは風紀委員会。敵に塩を送るようなものだけど……」
アルは少し考えて
「依頼だもの。受けるわよ!私達を捕まえに来た訳じゃなくて、依頼人として来たのよ。なら、その依頼を完遂するのが便利屋68よ!」
と堂々と言って見せた。そしてコトネに向かって
「その依頼受けるわ!ビシバシ鍛え上げて、イオリより立派なスナイパーにしてみせるわ!」
堂々と言うアルにコトネは頷き
「よろしくお願いします!アル教官!」
「きょ!教官!?ええ!任せなさい!」
「アルちゃん教官だって頑張ってね〜。私も手伝うけど」
「アル様!わ、私も手伝います」
「社長が決めた事だし私も手伝うよ」
こうして、便利屋68総動員でコトネにスナイパーとしての技術を叩き込むことになった。訓練の際にはコトネはヘイローを出した状態で取り組む事になった。先ずはスナイパーライフルの射撃訓練から取り掛かることになり
「先ずは、500mからやって見ましょう。使い方はさっき説明した通りよ。今回は射撃訓練だからしなくてもいいけど、撃った後移動することも意識するようにね」
「狙撃手は場所を知られたら良くないから移動するだったよね」
「その通りよ!それじゃあ撃ち始めて!」
コトネは言われた通りにスナイパーライフルのスコープを除き、500m先の的目掛けて撃つ。的には当たるが中心から右にズレて着弾していた。二射目は左にズレ、三射目は上にズレていた。しかし的には当たっている。
(過去に使った事があるからなのか感覚があるみたいね。今の状態で初めて撃つにしては上場ね)
アルは頷きながら、射撃を見守る。
「それじゃあ、次は銃の最大射程距離で撃って見ましょうか」
「はい!」
先程とは打って変わって遠くなり、最大射程距離ということもあり、当てるのは何とかと言うレベルになる。
「真ん中全然当たらない」
「精度に関しては一朝一夕で身につくものじゃないわ。でも、筋がいいから反復練習を続ければ十分な腕前になるわよ」
アルは少し凹んでいるコトネを励ましながら、鍛錬に付き合う。
「で、聞きたいんだけど、どうして便利屋に依頼してきたの?確かに社長の狙撃は凄いし、外すことなんてほとんど無いけど、風紀委員会にはイオリもいるよね?普通に狙撃を教わるだけならそっちの方が色々とリスクは無いと思うけど」
カヨコがムツキとハルカを連れて差し入れを持ってきた際に質門をする。
「あー、そうなんだけどね。私、風紀委員会で副委員長になって、万魔殿でも外交官になっちゃってさぁ、準備とか業務でイオリとタイミングが中々合わなくてさ……。それで、私の知っている人で他に狙撃手と言えばアル教官が頭に浮かんで依頼したということなんだよ」
「副委員長ですって!?」
「しかも万魔殿で外交官ってすごいねぇー」
「そ、そんなにかけ持ちして大丈夫なんですか?」
「……」
アルは驚いたように、ムツキは面白そうに、ハルカは心配そうに、カヨコは何とも言えない表情を浮かべながら黙っていた。
「カヨコ?どうしたのよ?難しい顔して」
アルが首を傾げながら聞くとカヨコは首を横に振り
「大したことじゃないよ社長。少し、昔を思い出していただけ。変わらない所もあると思っただけ」
コトネを見ながらほんの少し哀愁を呆れで覆い隠したカヨコ。皆は首を傾げるのみであった。その後も鍛錬を続け、ある程度形になった所で本日の鍛錬が終わる。
「ありがとうございました、アル教官!」
「もう、教官と言うのはいいから!」
アルは恥ずかしそうに顔を赤くしながらに言う。
「でも、ありがとうね。本当に。最初受けてくれるか自信なかっただよ?私は一応風紀委員会でそっちは指名手配されている便利屋だからね。でも、受けてくれて良かったよ。だから、ありがとう」
面と向かって言われたアルは堂々と言う。
「当たり前よ!私達は便利屋68!どんな依頼でも受けるんだから。それに、貴女は堂々と依頼してきたじゃない。真っ直ぐに。そんな依頼人を私達は無下にしないわ。それに事情を知らない訳じゃないしね。だから、これからも頼ってくれたらいいわ。勿論捕まるのは避けたいけど!」
「確かにそれはそうかもね。でも、近くでやらかしたらそれはソレだからね」
そう言うと全員で笑いが溢れた。その時、声が響く。
『我は汝…汝は我… 汝、新たな絆を見出したり。 汝『節制』のペルソナを生み出せし時、我ら、更なる力の祝福を与えん…』
コトネはその声を聞き、改めて
「それじゃあ"またね"便利屋の皆!今度差し入れ持ってくるよ!」
「ええ!何時でも遊びに来なさい!」
互いに手を振り分かれる。
「アルちゃん、コトネは一応風紀委員会だよ〜。風紀委員長と一緒にきたらどうするの〜?」
「そ、そんなことしないわよ……流石に、多分」
ムツキのからかいに冷や汗を流しながら事務所に戻るとアタッシュケースが置かれており、その中身を見ると今回の依頼の報酬が入っていた。数十万が入っていた。手紙には
『これからもよろしく! 有馬コトネ』
と書かれていた。それと同時にカヨコが
「あの子、依頼料の相談もしなかったね。昼からの半日でこれだ出すのしっかりと相場を……社長?」
「ど、どどどどどうしよう!カヨコ!少し返した方がいいかしら!?」
動揺しているアルが居た。カヨコは溜息をつきながら
「大丈夫だよ、社長。その分、来た時に教えたらいいから」
そう言うカヨコの表情は少し嬉しそうに笑みを浮かべていたのであった。
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