透き通る青の仮面(ペルソナ)   作:仮面をつけた一般キヴォトス人

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xm6さん
momumisoさん
評価9ありがとうございます!


覚醒と絆

目を覚ますとベルベットルームの椅子に腰をかけていた。

 

「……再びお目にかかりましたな」

 

イゴールの声でベルベットルームに居ると理解した。

 

「貴方は『力』を覚醒させたショックで意識を失われたのです。覚醒した力は『ペルセポネ』ですか。なるほど、興味深い」

 

イゴールは興味深そうに言う。そしてコトネはベルベットルームでの自分の姿を分かる範囲で確認すると、以前の男性としての姿ではなく、ゲヘナ学園、風紀委員の有馬コトネの姿だった。

 

(なるほど……もうこの姿は定着ということか)

 

ため息をつきながらイゴールの話を聞く。

 

「ペルソナについてお聞きしますかな?」

 

「そうですね、何となくは分かってますけど、これから向き合う力なのでお願いします」

 

「いい心がけです」

 

隣で立つサフィはさも当然と言った表情で言う。

 

そしてイゴールはペルソナについて話し始めた。

 

「ペルソナとは自分が自分の外側の物事と向き合った際に表に出てくる『人格』…。様々な困難に立ち向かっていくための『仮面の鎧』と言ってもいいでしょう」

 

(ここが、コミュによってペルソナを付け替える要因の一つという事だよな)

 

改めて説明を聞き、思い返していく。コミュをあげていく際にそのアルカナに対応したペルソナをつけて交友度を上げていく。それに伴い戦闘で役に立つ恩恵があったり、最後まで行くとそのコミュで最大の力を持つペルソナの作成が解禁される。

 

「『ペルソナ能力』とは『心』御する力。心とは『絆』によって満ちるものです。他者と関わり、絆を育み、貴方だけの『コミニティ』を築くのが宜しい。コミュニティの力こそがペルソナ能力を伸ばしていくのです。それは客人を見てきた貴方なら承知していることでしょう」

 

「ええ、まぁ、たしかに知ってる」

 

ペルソナ3からペルソナ5まで遊んだ事のある。つまり3〜5の主人公達の旅路を見てきた事にも繋がる。あの3人のようにコミュを築く事が出来るのかと少し不安そうな表情

 

「ですが、貴方には貴方のコミニティの築き方があります。前の客人は前の客人です。それを忘れないように」

 

隣に立つサフィは見据えて言う。そんな風に言われると思っていなかったため思わず面食らう表情を浮かべる。

 

「さて、貴方の居る現実では、多少の時間が流れたようです。これ以上のお引き留めはできますまい。今度お目にかかる時には、貴方自らここに訪れることになるでしょう」

 

「え?つまり、ベルベットルームへの扉が現れるということか?どこに現れるんだ?」

 

そう質問するとイゴールは答える。

 

「それは貴方の近くに現れることでしょう」

 

そして手を組み

 

「では、その時までごきげんよう」

 

イゴールがそう告げると眠気に襲われ目を閉じる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コトネが次に目を覚ますと見慣れた天井が目に入った。自身の姿を見ると入院着を着ていた。人の気配を感じたコトネが横を見るとイオリが立ち上がっていた。

 

「良かった…!目が覚めたんだな!本当に良かった……!」

 

心底ホッとした表情を浮かべているイオリにコトネは

 

「おはよう……でも、外は夕暮れかな?」

 

と挨拶をする。イオリはポカンとなりながら首を横に振り

 

「たく、アンタはマイペースなんだな。風紀委員の皆は心配していたというのに」

 

少し呆れた様にイオリは言うが、その表情は少々暗かった。それに気づきながらも確認したいことを確認する。

 

「ねぇ、私の状態について話は聞いてる?」

 

「体の方は少しの擦り傷程度。とは言っても、眠っている間に完治しているらしいけど。あとは、過労みたいなもんとは聞いてる」

 

話を聞き振り返る。あの時の戦い方は、確かに無茶しすぎたと。消耗が激しくなるような戦いは避けないと行けないと思ったし、意地になってブフを使い過ぎたと。

 

「なぁ、アレは何だったんだ?コトネ先輩」

 

考えていた所にイオリから質問される。コトネは直ぐに思い当たった。

 

(ペルソナのことだろうなぁ)

 

どう答えたものかと考える。難しい事を伝えても伝わらないと感じ

 

「アレが私の神秘だよ。初めて意識して使えたけど」

 

と答えた。イオリは

 

「アレがコトネ先輩の神秘?そうなんだ、でもなんと言うか、ああ言うのはあんまり使わない方がいいと思う。だって……あんな自殺紛いで使えるような神秘……誰も見たいなんて思わないだろうし……」

 

そのイオリの表情は弱々しかった。らしくないとコトネは言えなかった。知っている人物からしたらかっこいい召喚と言えるだろうが、全く知らない人からしたら拳銃の自殺そのものと言えるからだ。

 

「ごめん、また心配かけると思う」

 

イオリは顔を上げて何かを言おうとするが、それより前にコトネは

 

「私だって風紀委員の一員だよ。得意不得意はあれど、一緒に戦うことが出来るのに任せっきりにするなんて嫌だ」

 

その目を見た時にはイオリは何も言えなかった。

 

「そうか……。分かった、私からは何も言わない。それじゃあ、私は風紀委員の仕事があるから、救急医療部のセナ先輩曰く、目を覚ませば退院できるって。それじゃあな、また明日」

 

「待って、イオリ。ヒナは風紀委員の執務室かい?」

 

立ち去る前に質問をする。イオリは

 

「委員長なら執務室の筈だと思うから」

 

そう言うとイオリは部屋を出ようとする。その前にコトネは

 

「あの時は助けてくれて、守ってくれてありがとう。おかげでこの通りピンピンしてる」

 

そう言うとイオリは振り返り、少し明るくなった表情で

 

「1週間も寝てたくせに何がピンピンなんだか、でも、ありがとうございます。少し気が楽になりました」

 

そう言うと今度こそイオリは部屋から出る。コトネはそれを見送り、ベットの近くに置かれたテーブルの上の召喚機と自身の拳銃を見る。思わず苦笑いをしながら

 

(これからコミュを築くかぁ……難しそうだなぁ)

 

先のことを考えながら、ベットで横になる。そして、その後、セナが部屋に来て診察をして無事退院となる。コトネは自室に真っ直ぐに帰らず、風紀委員の執務室を見上げる。時刻は18:30を回ると言うのに明かりは煌々とついている。

 

「学生の領分じゃ無いでしょうに…」

 

コトネは風紀委員の執務室に向かう。執務室に到着するのには時間がかからず到着する。ノックをしようとも思ったが、普通に扉を開けて入る。ヒナが書類仕事に追われていた。目の下にクマを作りながら。それを見たコトネは走りヒナに駆け寄る。

 

「一体、何日寝てないんだよ!ヒナ!」

 

咄嗟のことで驚いたのかヒナは目を丸くしていた。がそれがコトネだと気づくと、感情が揺さぶられたような表情をして

 

「良かった……目が覚めて退院出来たのね……!目が覚めて本当に良かった」

 

書類の書く手も止まり、コトネに抱きついていた。コトネはヒナを安心させるつもりで、抱きしめる。そして、

 

「心配かけてごめん……。でも、もう大丈夫だよ」

 

ヒナは少し涙を流しながらに

 

「うん……」

 

頷いた。その後は互いに椅子に座り事の顛末を聞く。ランは風紀委員会の留置所にて収監中。ヘルメット団も同様の処理を行ったと。そしてヒナはその時のことを思い出し震えながらもコトネに聞く。

 

「ねぇ、コトネ。コトネが自分の頭を撃ち抜いて出てきたのアレは何?」

 

イオリの時と同じ説明をしようとしたが、ヒナ表情を見てペルソナについては自分の分かる範囲、イゴールに再度教えて貰ったことを踏まえて説明する。

 

「アレは、『ペルソナ』と言うものなんだよ」

 

「『ペルソナ』?」

 

「うん、自分が自分の外側の物事と向き合った際に表に出てくる『人格』…。様々な困難に立ち向かっていくための『仮面の鎧』と言うやつらしいんだよね。詳しいことは把握してないんだけど、要するに心の底に潜む『もう一人の自分』が実体化したものなんだよ」

 

「つまり、アレはもう1人のコトネということ?」

 

「そういうことになるね。そして、ペルソナを発現させることで魔法みたいなのが使えたりするかんじかな」

 

「だから、ランと戦っている時にヘイローが出てたんだ……」

 

納得したようにヒナは頷く。それを聞いてコトネは驚く。

 

「え!?俺、ヘイロー出てたの?」

 

「俺?」

 

コトネは咳払いをして誤魔化して

 

「続けて?」

 

「う、うん。ペルソナというのが消えたらヘイローも消えたけど……。だから、今度こそって思ってしまった……!」

 

それを聞くと心が痛むのを感じるコトネ。それは罪悪感なのだろうか。

 

「……心配かけてごめん」

 

ヒナの心情を推し量ることは容易ではない。ここまで涙して心配するのは友人、もしくは親友の域では無いかと考えた時に、それほどまでに大切に思っている人物が長い昏睡から目が覚めたのに今回の件で本当に……と考えた際にどれだけ辛かったかなんて想像にかたくない。だが、風紀委員である以上これからもこう言った事は起こりうる話でもある。

 

「ヒナ、今回はすごく心配かけちゃったよね。でも、次からは気をつけるし、強くなるよ。何度も心配かける訳には行かないし。風紀委員の有馬 コトネとしてもね」

 

そう笑って言うしかないと思った。ヒナはコトネに頭を持たれかけ来て

 

「約束だから」

 

と言う。

 

「うん、約束守るよ」

 

私もそう宣言する。すると

 

「約束したの聞いたわよね?」

 

ヒナが言う。コトネが首を傾げるとゾロゾロと人が入ってくる。

 

「私の言った通りでしたでしょ委員長!上手く行きましたね」

 

「アコちゃんの作戦なんと言うか人の心が」

 

「まぁ、それで目標が達成出来たので良いとは思いますよ。半ば嵌めた感じはありますけど」

 

入ってきたのは、アコ、イオリ、チナツの三名だった。

 

「え?は?……嵌めた!?」

 

「ごめん、少し嵌めた」

 

ヒナは少し笑いながらに言う。コトネは大きく肩を落とした。アコはクスッと笑い

 

「でも、ヒナ委員長の言葉は嘘偽りは無いですよ。運ばれるまで貴女の手を握っていたんですよ」

 

「アコ」

 

「はい」

 

余計な事を言うなと言わんばかりにヒナはアコを睨みつける。アコは少ししょぼんとした。ヒナは咳払いをしてコトネに向く。

 

「コトネの覚悟は聞いたわ。そのうえで私達はそれに協力する。時間がある時に戦い方を再度教えていわ」

 

「いいの?普段の業務に加えて私のトレーニングなんて」

 

コトネが言うとヒナは堂々と言う。

 

「風紀委員の仲間の為、友達の為だから。時間を惜しむ必要なんてないわ。そうでしょ?皆」

 

「そうですね、ヒナ委員長にこれ以上心労をかけさせない為にも、貴女自身が傷つかないためにも必要ですね」

 

「そういう事だから、覚悟しろよコトネ先輩」

 

「怪我したら手当するので、ご心配なく」

 

ヒナ、アコ、イオリ、チナツの順番で告げる。コトネはこれから起こりうることに少し身震いしたが、

 

「これからも、よろしく皆」

 

手を差し出して言う。その手をヒナが握り歓迎するように言う。

 

「言いそびれてたわね。ようこそ、ゲヘナ風紀委員会へ」

 

その時、コトネの頭の中に声が響いた。

 

『我は汝…汝は我… 汝、新たな絆を見出したり。 汝『愚者』のペルソナを生み出せし時、我ら、更なる力の祝福を与えん…』

 

その言葉が頭に響いたあと心に温かいモノを感じた。

 

(なるほど、実際にコミュができるとこんな感じなんだ。なんか心強い)

 

確かな繋がりができた瞬間でもある。

 

「それじゃあ、今日はこの辺で解散にしましょう。残りの書類は明日分だし」

 

ヒナの一声で解散となる。そして翌日から戦闘訓練が始まったのであった。




コミュの解禁です!
とは言っても個々人のコミュのアルカナは難航してます!
先生とイオリはなんとなく当てはまりそうなのはあるのですが、ヒナ、アコ、チナツ……ほかのコミュを誰にするかで迷ってます。

めっちゃムズいわw

次回もお楽しみに!
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