一応、閲覧注意とだけ言っておきます。
これを読んで最初っから読み直すと印象が変わるといいな。
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これを聞くって事は…覚悟をしているって事だよな?
正直話したくはねーけど…お前には知る権利がある。
このどうしようもなくしょーもねー俺のオリジンを
…俺の始まりはつまらなかった。
俺にはヒーローはいなかった…嫌、正確には知らなかった。
「おい!!」
ドゴンッ!!
「ッ…?」
「てめぇのせいで負けたじゃねーか!!!」
いるのは画面に映る馬を見てキレる男と
ガチャッ
「……」
「…」
「おー帰ったか、なぁ金を貸してくれよ…」
「ねぇ…仕事は見つけたの?」
「あー?あー…探している、探しているぞ、それよりも金をくれよ」
「…」
「へぇ諭吉さん10枚か…へへへ…」
「ねぇ……正しく使ってね」
俺に興味すらなさそうないつも黒いスーツを着た女性だった。
「チッいちいちうるせー女だ…邪魔だ!!どけッ!!」
ドゴンッ
「……」
色んな暴力を受けた、けど、痛いとか怖いとかは感じなかった。何故なら俺は生まれつき痛覚がイカれていたからだ。強くたたかれても何も感じない…正直、ただつまらなかっただけだった。
それと視覚に優れていたからなのかそいつが考えてることが分かった。
この男もその女性も…誰も俺に興味がなかった。勝手に外に出ても誰にも怒られないし、外でも誰も気にかけらなかった。まるで自分が存在しないようだとも思った。
そんな時
「キャぁーー」
「おらッ!!おとなしくしろ!!おじちゃんと気持ちいことするんだよ!!」
「…」
男が襲われている女性を見た。…正直あの時の事は覚えてない。けど、俺は善悪もない奴だった事は覚えている。
強いて言うなら、体が勝手に動いたって事なんだろう
「あ?ドン…ぶばっ!!何だガキィ?!」
ガン
ゴン
ドガッ
めちゃくちゃな戦いをした事は覚えている。そして、いつの間にか男を倒していた。その後の事はよーーく覚えている
注意する警察、信じられない物を見る目をしながら感謝する女、俺を見つけた後なりふり構わず家に連れ戻そうとする女
誰もが誰も俺を見た。そんな時感じる事は一つだろう?
『あぁ…やっとみてくれたぁ』
ただその高揚だけを感じた。
その後は、勝手に外に出て『みてもらうほうほう』をただ覚えた
動きを止める方法を
力を奪う方法を
争いを止める方法を
…腕を折られても続けた…痛みを覚えられないんだから当たり前だろう?
そんなこんなでまぁ色んな事を覚えながら俺は14歳になった。
止めてくれる人はいたかもしれねーけど今の俺は覚えてないし、その手を悉く見逃した。
14歳の俺はなぜか満たされていない事に不満を覚えた。
誰もが俺を見てくれるはずなのに何故か満たされない、なんでだ?どうして?…なんてことを考えながら日々を過ごした。
そんな時、俺はビデオレンタルショップである存在と出会った。
店内で販促用に放送されていた物でみた。"ヒーロー"を
『私がぁ…来た!!!』
『さぁ…お前の罪を数えろ。』
『頑張れって感じのデクだ!!』
そいつは"笑顔で人々で助け"、みんなを笑顔にした
そいつは"街を守る風となり"、みんなの笑顔を守った
そいつは"頑張る姿"を見せて、みんなを奮い立たせた
…
……
………そうだ
これだ!!これがあれば俺は満たされる!!
初めて見るヒーロー達に俺はそう思った。その後、一年位、そいつらが書かれている本やそれに似ている本を読み漁った。
「ヒーロー…ヴィラン…ハイドープ…てんせい?」
授業で言葉や文字は知っていたが、こうやって本をしっかりと読むことも初めてだった。そうして、いろんなことを覚え実際にやった。
けど、今まで人を傷つけて来てしまった。何が起きるかおおよそ想像が付くだろう?
「ヒッ!!バケモノ!来るんじゃない!!!」
「来ないで!!」
「『俺はヒーロー』…だと?てめぇ…お前はヒ―ローなんかじゃぁない…ただのモンスターだ!!」
あるのはただの否定だった。
『なんでだ?なんで?…どうして?』不思議に思いながら目を開くと滲んでいた。
ポタポタ…
…初めて涙が出たんだ
その後も諦めきれず、バカの1つ覚えに意味のない事をしては泣いてを繰り返した。
そりゃぁもう一生分泣いたかも知んねーほどには。
そして、大体一週間経って、疲れ果てて立ち止まった。俺の頭にはいまだに疑問で埋め尽くされていた。
そんな時、俺は血に染まった自分の手を見た。
そして、気付いたんだ。
あぁそっか…
俺は"街を守る風"でも"人々を笑顔で救う者"でも"頑張るヒーロー"でもなく…
"街を泣かせ"”人々の夢を笑顔で奪い”"ただ何かを壊すだけ"の存在だったんだ…
これが俺にとっての"始まり"だった。3,4歳の子供ですら知っている、善悪の倫理に初めて気づき、自分のしでかした事の重さを感じ取れるようになった。
"始まり"だった。
その時、急に何かにぶつかった。
ドスッ!!
胸が熱くなった…初めて本当の痛みを感じた。
意識が薄れていく中、何があったのか、誰がこんな事をしたのか気付いた。
それをしたのは黒いスーツを着ていた女性だった。
そして、俺が最後に見たのは俺が一番見たい顔だった。
そうして、俺は超常黎明期に転生した。…正直個性が宿っていたなんて自分でも驚きだよ。
人間ってのは自分が壊れる音ってのを聞くと良くも悪くも変わるらしい
俺はその家からも外に捨てられてからは何とか生き残りながら知識を求めた。かつて何が当たり前で、何がおかしいのか理解する為に、15年、大してそんな事をしてこなかった頭はすんなりと入っていった。
超常黎明期で罪の数え方を覚えた。そして、与一と全…初代OFAとAFOに出会った。覚えたての倫理を教えたりした…まぁそのあたりは先に聴かせた通りだ
これが…俺のオリジンだ。
どうしようもなくしょーもねーよな?
これがオリジンなんだから、例え
誰かが感謝してくれても
誰かが認めてくれても
誰かが『ヒーローだ』と言ってくれても
俺の心のどっかが俺の首を絞めながら『お前は違うだろう?』と言ってくるんだ。
けど、与一や全やとっしー…お前らといた時は、お前とヒーローを目指していた時はそんな声が聞こえてこなかった。本当に楽しかったんだ、おかげで…いい夢が見れた。
こんないい夢を見せてくれたお前に止まってほしくねーんだ
お前と俺…このバカは対極にいる存在なんだ。
"無力"故に走り続けて、"全て"を手に入れたお前
"力"を持った故に立ち止まり、"全て"をドブに捨てたバカ
そんなバカのバカみてーな話なんかに
決して……折れないでくれよ
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「君は…馬鹿なんかじゃないよ」
この夜、私は枕を濡らした
「日録章太郎(死柄木ショウタロウ)」
闇落ち待ったなしみたいなオリジンを持っていた男。友達や色んな人とのつながりがあったから闇落ちしなかった。本編で見せたふざけた様子は紛れもなく本人なのだが、本性はもう少し獰猛だったりする。ちなみに第1話で本人が「人生をそれなりに謳歌していていつの間にか死んだ、死因も知らない」と言ったのは記憶に蓋をしていたから言えたことである。(メモリーの個性を手に入れてからは嫌でも思い出したのだが)前回や今回の様なメッセージを残していたのは俊典を困らせたいからという邪な気持ちはなく。純粋に知りたいなら教えるべきだと思ったからである。ここまでしゃべろうと思えた時点で大分救われたなとか思っていたりする。ちなみに個性『転生』に関しては本人がテキトーに言ってるだけ。
以下、作者のおふざけがあります。不快になるかもしれませんので、読みたい方は注意して文字選択で読んでください。
「日録章太郎ォ!」
「何故君が混沌の時代……超常黎明期を生きていけたのか。」
「何故倫理観を大事にするのか。」
「何故ハイドープに至れたのかァ!」
「その答えはただ一つ……。」
「ハァ……。」
「日録章太郎ォ!」
「君の、オリジンが、血に染まったヴィランだからだぁーーっははははははっ!」
「はぁーはははは!!」
「アーッハーッハーッハーッハッ!!!」
…はい、すいません。次回最終回です。