俺のヒーローオブメモリーズ   作:にわかライダー

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今回の話は本編とはそこまで関係ないから幕間という扱いにしたい。


幕間 別れ

夢を見た

混沌が訪れた直後の記憶だ

『お父さん…なんでわかってくれないの?!ここは危険だって!!だから、避難所に一緒に行こう?』

娘夫婦が団地を捨てて避難所に向かう事を伝え、俺や妻も一緒に来てほしいと言っていた

『うるさい、ようやく念願の団地が出来たのだ離れるわけにはいかん』

『あなた…』

『そんな目に見るならお前ともここまでだ!あの女と行くといい!!』

…本当は危険なのはわかっていた。だから妻も一緒に連れて行かせた

だが土地を持って団地を建てる事が夢だった、そして団地を建てた矢先にこんなことになった。

夢の為に掛けたものを無駄にはしたくない。だから意地を張った。

俺以外には誰も残らなかった。わかってはいたが誰もいない団地は寂しい物だった。

それに、

『おい、こいつ一人だ』

『ここを根城にする為にも邪魔だな』

秩序もないこの世界では力なきものは力を持つ奴らに襲われる

そんなことも分かっていた

しかし、分からない事もあった

『…ヨシもういないな、なぁじいさん、俺をここに住ませてくれない?結構頼りになると思うよ』

子供が年に見合わない交渉を仕掛けてきた、これがこの団地に魂をもたらした

 

 

「…三人とも起きねーな」

俺は全を運んで避難所付近の所にいた

「もう起きてもいいはずなんだがな」

そう鳴海さんが言っていた

「鳴海さん、治療ありがとうな。」

「いいさ、脅威も排除してくれたからな。」

鳴海さん言っていた脅威とは俺と全を襲ったおっさんの事でどうやら避難所にも襲撃したらしい

そのおっさんについてもっと調べてみたいのもあるが実は気になる事が二つある

 

「なぁ避難所の人達にはバレていない?」

一つは個性持ちを保護している鳴海さんの立場は大丈夫なのかだ

「全員には知られていないが、一部は気づきかけている」

「…マジか」

「心配しているのか?」

鳴海さんは顔かオーラか察したかそう聞いてきた

「まぁそうだな…今日中に離れた方が良いか?」

そう返したら鳴海さんは暗い顔をしてこう言った

「…そうしてくれるとありがたい」

「そっか」

…団地も壊れたし、おっさんも守れなかった、鳴海さんにもこれ以上迷惑はかけられない

『潮時か』そんなことを思いながらもう一つ気になる事を鳴海さんに聞いた

 

「なぁ、鳴海さんはなんで俺にここまでしてくれんだ?…超常は危険じゃないのか?」

この人は初対面の時から腹をすかした俺に飯をくれたり、話しかけてくれたりと俺を助けてくれた、そこが疑問なのだ

鳴海さんは少し間を開けてこう答えた

 

「最初は可哀そうだったからかな、キャリーなんて話を知っていたが実際に腹をすかして困った子供を見て放っておけなかった」

 

哀れみから来てたのか…まぁ当たり前か、それはそれとして

「…食べ物を与えられた身で言うのもなんだけど考えなしの餌付けはよくねーぞ」

本当によくない、最近身をもって経験した(まぁ悪い事ばかりじゃねーけど)

そういったら鳴海さんは笑いながら「確かにな」と答えた

「けどその後、お前は子供らしからぬことを言い出した、確か『なんかしてほしいのか』だっけか?」

あーそいえばそうだったな

「あんときは手持ちの毛布をとりあえず渡したな」

「使い物にならなかったがな、けどお前はタダでもらえる物を返した、ここから可哀そうな子供という認識は消えたな」

「それで成り行きで色々と話したりしてお前という人間を知った」

「…へぇ、どんな?」

「お前は相手の情けは最低限しか受けないくせに相手に親身になって助ける、損しかしない良い人間だ」

そんな人間じゃねぇよ

「…近隣の避難所の火事場泥棒した奴が良い奴?」

「超常を持っていて人権がないお前にとっては仕方なかっただろう?それに聞いた話だが誰も殺していないし」

良かった、あの飛ばした人死んでないんだな。だが…

 

『ヒッ!!XXX!繝舌こ繝「繝 !!!』

 

「それでも、俺はいい人じゃない」

これだけは変わらない

「…お前が何を抱えていてそんな子供らしくないのか俺は知らないが、そういう否定的な所、直した方が良いと思うぞ」

せやろか

 

そして

「ううん」

大宿のじいさんが起きてきた

「お!良かったぁ起きた」

「ここは?」

「避難所付近、あんたは攻撃をくらったんだ」

大宿のじいさんは自分の身体を確認してさらに確認してきた

「団地はどうなった?」

…まぁ気になるよな、どう伝えればいいんだろうか

「…そうか」

オーラでバレたようだ、こういう時便利よな(?)

素直に謝るか

「ごめん、団地を護るって約束果たせなかった」

大宿のじいさんは黙ったまんまだ。

「この際、例え俺の小指がどうなろうとかまわない。だけど、全や与一には怒らないでほしい、あいつらは関係ない」

そんな言葉を受けて大宿のじいさんは

「…困った」

本当に困った顔をした

「お前の指を貰ってもな、というかお前は組の者か?」

「え?怒ってないの」

「怒ってはいるさ、ただお前は俺の命を出会った時も今回も助けてくれた。恩人にそんなことせんよ。」

じいさんが俺に優しい???????

「お前、誰だ?」

「おう、殴られたいのか」

返事はいつものじいさんだな

「…俺は照れ隠しをしやすい性分でな感謝よりも先に文句とかが口に出てしまう、ため込んだお前への感謝を言うには今しかないと思ってな。…お前はいてくれたおかげで俺はこんな時に夢を叶えられた、ありがとう」

…ふーんまぁ悪くはないな

「どういたしまして、ところでさなんで今しかないって思ったんだ?」

まぁ大方予想はつくけど

「…俺はこのまま避難所に行く、お前たちとはここまでだ」

「だよな、団地が壊れちゃったし」

「お前はどうする?」

「全、与一を連れてここから離れる、近くの避難所に世話になった人が居てさ、じいさんにもその人にも迷惑を掛けたくないからな。」

「…そうか」

まぁそんな会話をして夜が明ける頃に、与一も起きた。二人を担いでは無理だったが一人なら担げるので与一に色々説明して与一が良いならすぐにここから離れる事にした。

説明を聞いて与一は寂しそうに笑顔で「分かった」と言ってくれた。

 

「もう行くのか」

出ていこうとしたら鳴海さんが聞いてきた

「おう、鳴海さんが困りそうだからな」

「そうか、急かしたようですまないな」

鳴海さんは申し訳なそうな顔をしている…申し訳ないのはこっちなんだが

「また、いつでも…というわけにはいかないが会いに来い、運が良ければまた話し相手になってやる」

「え?大丈夫なのか」

「俺避難所の地位が高いし、避難所のみんなもそれどころじゃないから大丈夫だろ」

「あんた割とテキトーだな」

「へへ…じゃぁな」

「あぁ、またいつか」

そう言って俺達は暮らしていた場所を後にした。




「大宿 宿紗」
妻や娘がいる超頑固者のツンデレおじさん、団地を建てて色んな奴と暮らしたいのが夢である。最近団地を建てるまでしたのだが世紀末が起きてしまった。昔銃を扱った職業についていたらしい。ショウタロウについては大人ぶった生意気なガキだけど実際に頼りになる事が多いし、精神面の助けに大いになった恩人という認識。

「鳴海」
ショウタロウにとって1,2を争う頼れる大人。昔自衛隊をやっていて避難所の中ではとても戦闘慣れしている。情報はなるべく鵜呑みにせずちゃんと実物を確認するらしい。家族がいる。ショウタロウについては子供らしくないとても頼りになる少年。依頼人とそれを受け入れる人という関係なのだがいとこみたいなイメージがある。後、闇深い所があると思っている。

以上頼れる大人二人でした。
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