オルフェノクになったので敵全員●す 作:スターク(元:はぎほぎ)
仮面ライダーは2003年だけ歯抜けとなってる状態です
後ビルドも無くなってます
『カフッ──!!』
全身から火花が散る。放たれた銃弾が俺の装甲を突き破り、蜂の巣にしているからこそ起こる現象だ。
圧倒的劣勢の中で、俺は吠えた。
『グゥッ…ォオオオオオオッ!!』
右腕から骨ナイフを射出。切り払うなんて映画みたいな真似は出来ねぇから、ナイフをそのまま肥大化させて大剣とした。
モンハンでよく見る大剣ガード、それをしながらにじり寄る!!
(つーか連射力おかしいだろあの連射力!リボルバーとガトリングを勘違いしてねぇか!?)
『………』
ただでさえコンクリートどころかビル1棟を余裕で貫通する威力の銃弾が、コンマ1秒に2発*1ペースでブッ放されるって頭おかしいだろ!?こちとら防いでるだけでむしろ後退しそうな衝撃に襲われてるんだが!
ええい耐えろ、凌げ!とりあえず俺が受けてる間は銃口が茈に向かう事は無ぇんだ、怯むな──ッ。
(機か!)
弾幕が止み、剣が重圧から解放される。
次の瞬間には懐へ潜り込んでいた敵を認知した。
(誘い込まれた!?)
そう思った時には遅い。鳩尾への掌打により九の字に折られる胴体、それで降りてきた下顎をアッパーカットが襲う。理解が追い付けないまま、俺はいとも容易く地に転がされる結果となった。
……強い!
(これまでの奴らとは桁違いだ!)
朦朧とした意識の中で、微かに拾い上げたリロード音が俺を救った。飛び起きるように退避した俺、一瞬前まで寝転がっていた地面がズタズタに穿たれる。こんな格上と戦り合うんじゃ、命が幾らあっても足りやしねぇ!!
(判断を誤るな!いずれにしても勝機は接近戦のみ!)
遠距離は二丁拳銃、近距離は徒手空拳。大剣は前者を防げるが、肝心の間合いに入ると逆に詰め寄られて機能不全を起こしちまうだろう。
ならナイフだ。走り回って銃弾の雨を躱し、途切れたタイミングでこっちから仕掛ける!さっきみたいなヘマはもうしねぇ!
『シッ!』
『───!』
馬脚に任せての高速移動。不規則な軌道で狙いをバラし、相手にとっての致命的な瞬間を待ち続ける!いつまで続く?どこまで耐えれば成功する?
脇腹に被弾。痛ぇ。
横頬に被弾。口を貫通。
片目に被弾。視界半分真っ暗。
果たして、その瞬間は来た。
(もらっ……たッ!!)
再装填のタイミング!今度こそ逃がさない、絶対に決める!
ドスのように構えての突貫、だが相手がどんな動きをしようとナイフ故の小回りで対応できる!獲った!!
(ケジメじゃオルァァァ!!!)
勝利を確信した俺の目の前で、悪足掻きとばかりになんとか1発だけ装填された弾が放たれる。だが照準が中途半端、俺を捉えるどころか遥か上方向に消えていった。瀬戸際でパニクったか?
いずれにせよ俺の勝ちだ。初撃のナイフが奴の肝臓へ突き刺さり、勢いのままに引き裂いた。返す刃で首、ここで相手も反応して腕でガード。それでも衝撃と痛みでか、拳銃一丁を手放させる事に成功する。
まだ俺のターンは終わらせねぇ。三撃目は逆手に持って、太ももに突き立ててやった。大腿骨二本の間にしっかり刺さって抜けないよう、入念にねじ込んで!
『ガッ、アアアアア!!』
『ッッ!』
やっとこさ聞けた悲鳴に口角が上がる。この体じゃ口らしい口無いけど、飽くまで内心で。
しかしここでとうとうターンエンド、無事な方の足で蹴られて距離取られちまった……が、戦果としちゃ十二分!肝と左腕と右足、それぞれ生命維持・戦闘能力の半分・機動力を奪ったんだ。代償にナイフは刺さったまま持ってかれちまったが、ここからどう転ぼうと俺の優位は動かない。
(すぐ楽にしてやる…!)
いつあのテレパシー女が介入してくるか分からない以上、確殺は急務。抉れた横っ腹から他の臓物をほじくり出してやろうと、まっすぐに手を伸ばし。
……その手は空を切った。
『ギャッ───!?』
突如俺の脳天に、背中に、全身に。前触れなく襲い掛かってきた衝撃が、俺をその場に押し潰したからだ。
何があったのか。数瞬遅れて俺は、先刻に敵が行った謎行動に思い至る。
(野郎、あの時撃ったのは──)
──
(チクショウ!!)
墜落してきた構造物を即座に粉砕しながら毒づく。千載一隅のチャンスをスカされちまった、再生されたら振り出しだ。
一刻も早く立ち上がって、奴を補足して殺す!そうしなきゃ……!
『…ギ…ィ…』
やられた。
8連弾。両肘関節、両膝関節、首、心臓、肺、横隔膜、背中からブチ抜かれた。
意識レベルを保てない。立って……いられ、ない。
(死ぬなコレ……よく考えなくても……)
頭以外の全急所を射られてるんじゃ、常識的に考えて助かりようが無ぇ。こんなの無理ゲーだろ。目覚まし時計で朝からやり直すとか出来ねぇかな?
……ある訳ないだろ。俺みたいな奴に、そんなチャンスが。
(そもそも……生きてて、何になる?)
置いてきたアイツらに、せめて人並みに胸張れるような生き方をしなくちゃって思ってた。茈を守らなきゃって思ってた。
だが結果はどうだ?俺の手はとっくの昔に穢れ切ってて、そして茈を逆に危険の渦中へ巻き込んだ。全てが手遅れで、全てが逆効果。
俺の存在は、いつだってアイツらを不幸にする。
(もしかしてだけど、ここで
そんな考えが脳裏をよぎる。理性が冷静にそれを肯定する。
やがてこめかみに冷感を覚えた。銃口か?今度こそその時って訳だ、あーやだやだ。
……流石に“次”は無い筈。ここまで落ちぶれた命を、二度も拾ってくれる神はいない。
けど。
けど、もし生まれ変われたら。ここで死んで、真っ
その時こそ……───
「白騎士さんっ!!!」
夢見心地は終わった。彼女に終わらされた。
声と同時に発砲音。瞬時に発生した俺の焦りを否定するように、白い粉塵が俺達を包む。
(茈!?)
恐らくだが、俺と同じように小麦粉を投げつけた。何の為に?決まってんだろ、俺を助ける為だ!!
「諦めないで!!死なないで、生きてっ!!」
(ばっ…か野郎…!!!)
なんで逃げなかった。なんで俺なんかの為に戻ってきた。なんで、応援なんかするんだ!
お前が渦中にいる内は死ねないだろうが!お前に応援なんかされたら……!!
『
『?!!』
嗚呼。踏ん張っちまった、力んじまった。もうやめられない。やめなかったところですぐ撃たれて終わりなんだけど、もう
だって、茈を二度と裏切れるか。例え
(立て!立てよ俺、死んでも立ちやがれッ…ェェええええ!!!)
無意味でも止まれない。強引に止めさせられるその時まで、最後まで。
果たしてその無様な足掻きに、“勇敢”の女神サマが情けを掛けてくれたのかも知れなかった。引き金を引くその寸前で、化け物の身体が。
(……は?)
突然の出来事を前に動揺を隠せない。何があった、何が来た?
化け物を蹴り飛ばし、俺の傍に着地したコイツは──誰だ?
その答えは、小麦の粉塵が晴れた事で示された。
『……あー。ちょっとミスったかな。まぁ茈には良いとこ魅せられただろうからいっか』
『ッ………!?!』
昼間、陽光に照らされているにも関わらず輝きを放つ黄色の光流。それを全身に帯びて、紫の複眼を煌めかせる鎧。
まるでそれは……子供向けの、あのヒーローみたいな。
俺ですら過去に憧れた、人と異形の狭間を往く戦士のような。
空想の中、もしくはTV画面の向こうにしかいない筈の。
(
『とりあえず、だ』
複眼が俺を捉えた。這いつくばる俺を見下ろし、そして動いた。
腰に吊っていたX字状の武器を、しっかりと照準して。
……あー、うん。別に楽観視してたわけじゃねぇよ?十分予想は出来てたもん。うん。
ただそれはそれとして、な?敵の敵をどう見るかって話で、話が分かるタイプの変身者ならそれは“味方”としてみてくれるのが通例で、ズタボロ瀕死なこの有様じゃ感情論抜きでもそれを期待して当たり前で。
まぁ。率直に言って残念だよね、って話。
(“敵の敵も敵”ってタイプだコイツー!!!)
『疾く死んでくれないか、薄汚いオルフェノクッ!!』
【プロフィール】
火伽真也。♂
もしかしなくても:草加