ポケットモンスター剣盾二次創作シリーズ 作:dwwyakata@2024
一回目の防衛戦を、圧倒的な実力で勝ち抜いたユウリ。新しいヒーローに、コロシアムは熱狂していた。
クリームは参戦しない。
ザシアンとムゲンダイナと一緒に留守番だ。
赤く染まった体はもう元には戻らない。だが、あれからユウリと一緒に、彼方此方を回った。
別の地方にも出向いた。
国際警察とやらに頼まれて、ポケモンを使う反社会的組織を叩き潰しにも向かった。クリームも手加減が出来るようになって来て、相手を殺さずに制圧する事が比較的容易に出来るようになっていた。
ザシアンやムゲンダイナが出るまでも無い。
アタッカーはカジリガメやエースバーンがやればいい。反社会組織が繰り出してくるポケモンなど、悉くねじ伏せておしまいである。クリームは防御を担当。常にユウリの側に控えて、敵の奇襲を防ぎ抜く。
銃弾だろうがロケットランチャーだろうが、或いは強力なポケモンによる狙撃だろうが。
クリームなら、反応して防ぎ抜くことは、難しく無かった。
ユウリが戻ってくる。
久しぶりのユニフォームだが、成長期だからもう寸が会わなくなって、試合前に調整したと笑っていた。
試合でもっとも活躍したエースバーンと。ユウリを守る要塞として動いたカジリガメ。どちらもが、既にマスコットキャラが作られるほどの人気になっている。
新チャンピオンユウリ、初防衛成功。圧倒的勝利。
そのニュースが、翌日には紙面を独占するという話だったが。クリームにはそれこそどうでも良かった。
「みんなお待たせ」
「我々を使わなくて良かったのか」
「ん、手伝いしなくて良かったかって? 良いんだよ。 みんなはちょっと力が大きすぎるからね。 私はあくまで対等の条件の試合で勝つ事で、チャンピオンである事を示したいの。 ダンデさんと同じようにね」
ユウリはこれから取材を受けて。
そしてすぐに出かける。
チャンピオンとしての仕事はいくらでもある。平和で穏やかとされるガラルだが。クリームの主であるカーネーションのように、迫害されているものはいる。
アイコンとしてのヒーロー。
チャンピオンになるべくしてチャンピオンとなっている。
それを示すために。
ユウリは動き続けるつもりのようだった。
「迷いが消えたな」
「ん、ザシアン、褒めてくれた?」
「……」
ザシアンが言う通り、ユウリは以前と比べて迷いが消えた。クリームが最初に見た時は、まだ不安定で。
チャンピオンとしての重責に押し潰されそうになっているのが、一目で分かった。
だから、隙を見てブッ殺し、逃走してやろうと思っていたのだが。
それも必要なくなった。
ザシアンに言われた通り。
受けた分の借りは返す。
主の名誉を完全に回復してくれた分くらいは働く。
その分守れというのなら守る。
相手がクズだろうが、別にどうでもいい。
ユウリがやった事に対して、此方も仕事をする。それだけのことだ。
スマホロトムが鳴る。
ユウリが受けると、頷く。すぐにブザーを鳴らしてシェフを呼び、食事を開始する。この様子だと、何か緊急の用事が入ったのだろう。
十中八九荒事だが。別にどうでもいい。
作業を前倒しで始めるユウリ。モンスターボールに、クリーム達を回収すると、すぐに取材を受けに出るという事だった。
さて、次は何をするのか。
別に何でもかまわない。
いずれにしても、当面はユウリにつきあってやるつもりだ。出来る事を、ちゃんとやって。主にかぶせられていた汚名を、きちんと払拭してくれたのだから。
主の事を思う。
自分のケーキが、今ガラル中で愛されている事を、きっと人間共が言う天国で喜んでいる筈だ。
クリームは人間共が言う地獄に落ちるだろうから、二度と会う事は出来ないだろうけれども。
そんな事はもういい。
絶体に無理だと思っていた、主の名誉回復が為されたのだ。
これ以上は、何も望まない。
ボールから出される。
ユウリの手持ちの主力が勢揃いしている。
どうやら、急いだだけあって、相当大きな仕事らしい。いずれにしても、相応に暴れるだけだ。
ユウリの指示に、クリームは頷く。
今の此奴は。
前にクリームを倒したあのダンデと同じ、いやそれ以上の。
チャンピオンと呼ぶに相応しい者だ。
(終)
復讐の果ての結末、如何だったでしょうか。
今後この二人が組み、力あるものが直面する様々な問題に対して行く事になります。
お楽しみに。