なんか俺のヘイロー砕けてね?   作:つヴぁるnet

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悲報 : アリウス終了のお知らせ



第22話

 

 

「肉離れしようが神秘で無理やり補強して走るって、どれだけ生存本能を働かせていたんだよ…」

 

「うぇ、へへ……でも、死ぬ気でやると、案外できるものなん、ですねぇ」

 

「神秘に可能性があるのは分かるが、命懸けな展開で可能性を見出すのはちょっと遠慮してほしい限りだな…」

 

「でも、仮に足が千切れても……後悔は無いって何故か思いますから…」

 

「……とりあえず、もう大丈夫だ。ココは将来的にめちゃくちゃすごい場所になる予定の部隊だから安心しろ」

 

「えへへ…」

 

 

やはりキヴォトス人だけあって回復力が高いのかあの重症で4日で目覚めた。

 

もしくはSRT最新の医療機器があるからこそ回復を早めてくれたのか、まあともかくヒヨリが目覚めてくれてホッとしている。

 

それでも目覚めた時のヒヨリはかなり攪乱していた。

 

鎮静剤を打とうとしていたがヒヨリは「お兄さん!お兄さん!カナタお兄さぁん!うあああああん!」と俺の名前だけをハッキリと叫んでいた状態で、それで医療スタッフから槌永ヒヨリに月雪カナタを会わせる様にと、慌てた通信メッセージが入る始末。

 

それで教官から許可をもらい訓練中に抜け出すとヒヨリが眠っていた病室に向かい…

 

そして俺の顔を見た瞬間ギャン泣きである。

 

そんで制服が千切れるかと思うほどにしがみついて泣き喚いてた。めちゃくちゃびっくりしたわ。ここまで泣き荒れるのかと。

 

 

それから1時間くらいして落ち着き、会話できる程度に安定したが、安心したヒヨリのお腹が鳴り響く。そしたら空腹に対してヒヨリがまた泣き出しそうになったのでロールケーキをお口に打ち込んでやった。SRT式荒療治。

 

まさか前日にウリエと組み合ったCQCの経験がここで活きるとはね。

 

確かにお口にロールケーキぶち込まれると何も叫べなくなる。実際に経験してその効力は知った。喉詰まるかと思ったけど。ヒヨリはどこか幸せそうに頬張ってた。餌付け中のコイツはどこかかわいいよな。リスかよ。

 

 

そして___

 

 

 

 

「アリウス?」

 

「はい…」

 

 

 

それからヒヨリはココまでの経緯を詳しく説明してくれた。

 

 

彼女はアリウス分校の生徒である事。

 

またスクワッドのメンバーである事。

 

そのアリウスは人権が存在しない事。

 

あとアリウスを支配するマダムの事。

 

ソイツが俺に対して嫌悪している事。

 

将来俺に危害を加える存在になる事。

 

一つ一つを、教えてくれた。

 

だから理解した。

 

アリウスから始まるソレは凡ゆる出来事を巻き込んで大きくなることを___

 

 

 

 

「わたしは…お兄さんに伝えるためにアリウスの虚しさを裏切ってココまで来ましたが。で、でも…それは…恐らく、自分のための建前であって、本当の私はあの世界が辛くて苦しくて虚しくて、ただ光を求めたいが、ために…っ、サオリ姉さんすらも…」

 

「わかってる。わかってるよ。大丈夫だから。ヒヨリ。ありがとう。色々と伝えてくれて」

 

 

布団を強く握りしめる。

 

ただ助かりたいがために、自分の弱さを、自分の愚かさを、自分の卑しさを、アリウスはともかくとして幼少期から共にした家族を置いて来てしまった事実にヒヨリは震える。

 

 

でも…

 

 

「ヒヨリ、自分を責めるな。どんな理由であれ虚しさに朽ちず、勇気を持って支配者(おとな)から抜け出した。なら君は強い子供だよ」

 

「っ…!」

 

「ありがとう。そして良く言ってくれた。君の言葉も想いも全て伝わった。ならば君を知ったこの俺に任せろ。そうなれば子供の言葉を聞き届けた大人(おれ)としての責任を果たすべく、月雪カナタはその【後悔】を拾い上げようとするから」

 

「!」

 

 

もし、それが個人的な理由とするなら。

俺は『兵士』として失格だろう。

 

なにせ責任(エゴ)を理由に私情を優先しようとしているのだ。

 

しかし子供(ヒヨリ)が助けを求めようと俺の神秘を辿ってココまで来てくれた。

 

ならそれに応えないで何が大人か?

 

月雪カナタを拾い上げた『俺』であるか?

 

 

それは否_____俺は()()()()()追憶を元に役割を果たすべきだろう。

 

この子供を助けるべきだと。

 

 

それが、例え___始発点の彼女、が。

 

俺をこの場に導いた『白鳥』が「SRTで待っていて欲しい」と刹那主義な花火の下に浮き出る始発点の上で願われたとしても、俺はヒヨリを助けることを選ぶ。

 

 

 

___なに、大丈夫さ。

 

 

 

 

 

「俺はトロッコ問題に収まらないよ、白鳥」

 

 

 

 

 

どちらを救う?

 

 

どちらを切る?

 

 

____くだらない。

 

 

そんなのどちらも選び取れよ。

 

 

それが月雪カナタ。

 

 

箱舟を箱舟と理解した憑依者(プレイヤー)

 

 

選択の『はい』も『いいえ』も選び取る強欲さ。

 

 

なら___

 

 

 

 

 

「全部丸ごと、正当化してやる」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ええ、それでこそ『解』の元に選ばれた人」

 

 

 

突如、もう一つの声が病室に広がる。

 

俺もヒヨリも気づかなかった。

 

するとその声の主は、姿を現す。

 

 

 

「久しぶりですね、月雪さん」

 

「連邦ちゃ……いえ、生徒会長!」

 

「ふぇ…?せ、生徒、会長?」

 

 

腰まで下ろした金色の髪を靡かせる彼女は連邦生徒会長だ。白い制服がその証である。

 

 

 

「初めましてアリウスの生徒さん。私は形だけでもキヴォトスの連邦生徒会の会長をやらせて頂いている者です。よろしくね」

 

 

「ふぇ………うぇぇぇええ!?」

 

「なーにが形だけだ。超人の癖によぉ」

 

「たかが超人です。そんなのお弁当についてるマヨネーズみたいなものですよー、だ」

 

「そうかい。それで?あまりにもタイミングが良すぎて俺はかなり困惑気味なんだが」

 

「そこまで身構えなくても良いですよ。別に死神とか、全身黒タイツのカボチャ頭が来るわけでもないんですから」

 

「いやそれ寧ろコッチが連邦に促す側では?」

 

「あら、それはもしや倍速で踊ってくれるって事ですか?ふふっ!それは良いですね。でしたら今回の"威力偵察"が無事に終わったら是非SRTには連邦生徒会に反省を促すダンスでも踊ってもらいましょうか」

 

 

と、あまり緊張感が感じられない。

 

そんないつもの会話を繰り広げる俺たち。

 

もちろんヒヨリは困惑している。

 

だってキヴォトスの治安を守る連邦のお偉いさんがこんなオープンスタンスだからな。

 

更に言えば俺は連邦ちゃんの年下なのにタメ口でこの関係だ。そりゃ目を疑うだろう。

 

 

ま、それよりも…

 

 

 

 

「今回の、威力偵察…とは?」

 

 

 

その問いかけに生徒会長は笑みながら視線を窓に移し、病室はコツコツと足音が鳴る。

 

そして外の遠くを眺めながら告げる。

 

「超人なんてのは本当にオマケです。鉄道からキヴォトスを眺めるあの子よりも私はお粗末な生徒会長なんです。しかしそれでもキヴォトスの生徒会長として選ばれた身故に、私でもなんとなく分かる時があるんです。今日はココに来る必要があるんじゃないかと箱舟に揺れる。だから足を運んできましたが、どうやらこの選択は私のミスでは無いみたいですね。ならば与えられた【役割】を果たすべく伝えましょう」

 

 

 

金色の髪を靡かせて振り向く。

 

真っ白の会長服がコチラに威光を示していた。

 

だから俺はしっかりと連邦生徒会長と向き合い、その役割をこの身に受け止める。

 

そして彼女は__託した。

 

 

 

 

「連邦生徒会の会長として、月雪カナタさんに命令を下します。キヴォトスに住まう生徒(こども)が助けを求めた場合、SRTの兵士であるならば【責任】を持ってその声を拾い上げるよう全力で努めなさい」

 

 

 

 

___威力偵察、の意味を知った。

 

これまで連邦生徒会の目に入らなかったアリウスに協力者と潜り込み、偵察するように。

 

 

ただし、威力(たてまえ)を持って俺が把握する。

 

 

それはSRTの為でもあり、また俺自身のためでもある。それに今回の件については連邦生徒会側も未知数だったアリウスを知るチャンスでもあるからだ。

 

しかし、それらは__あくまで建前として俺のために連邦生徒会長が許してくれたのだ。

 

優先してくれたのだ___俺の心を。

 

この人にはいつまでも頭が上がらない限りだ。

 

 

 

「ただし、責任(おとな)の意味を知る者だけが生徒(こども)を助けるように」

 

「それはつまり……俺だけってことか?」

 

「ココの責任者(リーダー)がそう思うのなら、それはつまりそうなるでしょう」

 

「そうか…」

 

 

 

それはつまり、俺が責任者になると言う事。

 

今回の件で、多大な権限が一時的に付いた。

 

兵士を率いても、戦車やヘリを導入しても構わないと言う事だろう。何せ連邦生徒会長が了承したようなものだからだ。けれど…

 

 

 

「責任の意味を知る『俺』が果たします」

 

「お兄さん…っ」

 

 

 

俺はヒヨリの方に視線を向ける。

 

先ほどまで目の色を不安げに染まらせていたヒヨリだが、キヴォトスを代表とする連邦生徒会長の言葉に頷いた俺の姿にヒヨリの目は見開かれ、ヘイローも少しだけ強く光る。

 

まるでアリウスの暗がりから抜け出したような純粋な眩さだ。

 

ああ、電車の中で出会った彼女らしい姿だ。

 

 

 

「ヒヨリ、明日には動けるか?」

 

「っ…はい…!あ、でも、流石にあまり全力では走れなさそうですが…けれどっ、家族のためなら動けますっ!」

 

 

 

と、覚悟を決めるヒヨリ。

 

虚しさに溺れない姿だ。

 

けれどまだどこか、震えを残す。

 

それもそうだろう、彼女はまだ中等部。

 

大人とは程遠い、子供の中の子供。

 

 

 

だからこそ__

 

 

 

 

「心配するな。ココには俺がいる」

 

「!」

 

「電車の時のように俺が前に出てヒヨリに背中を任せる。なら何も怖くないだろ?俺たちは同じ釜の飯を食った、仲なんだ。互いに知ってるんだ。なら怖くなんかない…だろ?」

 

「ぁ………」

 

 

家族のために恐怖を飲み込もうとする彼女の姿は何とも眩しい事だろうか。

 

それでも不安はあるだろうから、その気持ちを少しでも和らげようと思い、その頭をポンポンと叩いて、ヒヨリには俺がいることを伝える。

 

 

「決まりのようですね、月雪さん」

 

「ああ、決まりだよ。生徒会長」

 

う、え、へへへぇ……かなた、おにいさ、ん……

 

 

決まったからにはすぐに準備しよう。

 

まずは情報整理かな。

 

その後は武装も揃えないと。

 

 

 

「ヒヨリ、明日の俺は非番なんだよ。だからその時に向かいたい。それでさ、カタコンベはまだ切り替わってないんだよな?」

 

「ぅぇ?あっ、はい!ええとですねぇ。現在は月の周期を頼りに使用するカタコンベを管理している状況です。ただ私もそこまで多くを知っている訳ではないので最後の状態から切り替えられていると分からなくなりますねぇ…」

 

「そっか。でも向かってみるしかないな」

 

「はい…!」

 

 

 

俺は手元にナースコールがあったのでそれ押してSRTの医療スタッフを呼び、ヒヨリのために何か服を貸して欲しいとお願いしてみると了承してくれた。医療スタッフに頼むのは管轄外かなと思ったけど手が空いてたので色々と任されてくれた。

 

あと内緒にするよう伝えたら「リーダーを信じてます」と笑ってくれた。本当に助かる。

 

そして俺は格納庫から武器を調達しようと向かうと連邦生徒会長もついてきた。

 

 

 

「責任を果たすように言いましたが、あくまで貴方が拾い上げた生徒(ヒヨリ)を優先に動いてください」

 

「ヒヨリの家族を助けるって事だな?それは当然だが、しかしアリウスを支配しているマダムとやらが俺に対して強烈な嫌悪感を持ってるらしい。ヒヨリの思い込みで無ければ俺の命を狙ってくる可能性は高い…と、言うよりヒヨリは元からそれを伝えるべく組織を裏切る形で来てくれた。なら虎の穴に入る身としてはそれ以上の責任が伴いそうだな」

 

 

ヒヨリの動向に詳しいなら後に俺が来ることを予想しているかもしれない。

 

ま、それはあくまでヒヨリが生きていることを前提にした判断だろうが。

 

ヒヨリの背中に数発の弾丸___それは『錠前サオリ』と言われる人物から撃ち込まれた銃撃。

 

何発か胴体を貫通していたが、しかし急所を全て外していた。そのため臓器には何一つダメージは入っていない。

 

なら()()()()()()()()()サオリのみがヒヨリの生存を知ってるか、信じている可能性がある。

 

ただマダムって奴がサオリに対してどこまで眼を光らせているかだ。それともヒヨリを逃す芝居を既に察しているか。

 

ならヒヨリがアリウスに戻ってくる可能性を考慮して待ち伏せているかもしれない。

 

そこに同行者がいようが居なかろうがアリウスは武装しているはず。

 

なら戦闘の可能性は大いにある。

 

 

 

「教官ってさ、めちゃくちゃ俺を虐めるんだ」

 

「あら、ココでパワハラの報告ですか?」

 

「厳しい訓練がパワハラ扱いなら武装組織なんて存在しないよ、連邦ちゃん」

 

「なら愛情いっぱいなんですね」

 

「この二ヶ月間みッッちりとな。それも特に、生存者を保護した時の状況を重点的にだな」

 

「あら?」

 

「片手でロープを掴んで錘付きの状態で遠くのターゲットを撃ち抜く、そんな訓練を入校からすぐ叩き込まれてね。正直に言うと軍隊を知らない荒削りな状態で投じた訓練に対して俺はそれなり戸惑っていたんだよ。でも教官は俺たちSRTに『意味』を落とし込んでくれた」

 

「ふむ」

 

「これはある日、マンツーマンの訓練時に教官が語ってくれたんだ。ヴァルキューレの機動隊所長として活動していた頃は始末書を覚悟で役割を果たそうと現場に赴いていた。それは黒歴史として恥ずかしそうに語っていたけれど、でも俺は理解した」

 

 

 

ガチャ、カチッと、使う装備を点検する。

 

どれも質が良く、取り回しも最高級。

 

隣にいる連邦ちゃんが全て用意してくれた。

 

そして点検を終え、カチャンと鳴らし。

 

 

 

「そこに信念(せきにん)が灯されたから、今を教えれる先駆者(おとな)()れたと」

 

 

 

 

俺たちは良い教官を持った。

 

だから皆、その【大人】に着いていく。

 

その背中に【責任】を知っているから。

 

 

 

「俺もそうなる。だから__連邦ちゃん」

 

 

頭のヘイローが琥珀色に淡く光る。

 

砕け散った先に__月雪カナタはいる。

 

その月雪カナタは『俺』であるようにして…

 

 

 

「任せろ」

 

 

 

ただ簡単に。

 

それだけを子供に伝える。

 

 

そして、それはとても良く伝わるから。

 

彼女は笑みんで____

 

 

 

 

「はい、月雪さん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

生徒たちを___よろしく、お願いします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

" 応える "

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「会長。本当に…良いんですか?」

 

「大丈夫です__と、彼を根拠にします」

 

「随分と焼かれてますね、あの彼に」

 

()()()が私に勧めたいほどには、それはもう、こんがりとジューシーに」

 

 

遠くにある格納庫。

 

そこには一人の青年が準備を進める。

 

二人はそれを見守る形で夕暮れを背に。

 

 

 

「責任…です、か。私もまもなく成人する身ですが、しかし彼ほど責任の意味を背負う、そんな後ろ姿が似合う人はあまり居ません。正直、彼が年上に見える時があって私も困る時がありますよ…」

 

「彼はソレを知ってる側ですね。だからまだ子供な私たちは大人の意味を知る彼なら大丈夫なんだと寄り添う。ああ、本当に…出来ればもっと早く彼に会いたかったです。今になってあの子が羨ましく感じます」

 

「たらればを言ってる場合じゃありませんよ。落とし所はどうするんですか?彼に先陣を任せたのは良いですがアリウス分校はこれまで姿を見せなかった未知数の学園。現在の連邦生徒会でコントロールは効くんですか?」

 

「いくつか伝手はありますよ。なにせアリウスは元々トリニティの分校ですからね」

 

「……なに?」

 

「長くなるので説明は省きます。ですが、彼が責任の元に動いてくれたからと言っていつまでもバカ共(トリニティ)が駄々こねる理由にはなりませんね。なので少し強めにほじくり回しますか。あ、どうせならウリエさんにも協力願いましょう。たしか彼女は私と同じトリニティから来てくれた人でしたね。ならSRTとしてトリニティの尻拭いに出向いた月雪さんを材料に協力を申し込みますか」

 

「……なんか怖いですよ」

 

「だって私の『母校』の後始末ですよ?それもトリニティとしてではなく連邦生徒会の会長としてコレからアリウスの処置に勤しむ。現在の私の所属は連邦生徒会なのにトリニティの問題に直面しているこの現状。別にこの問題に紐つかせてくれた月雪さんを責めたいわけではありませんが、でもなんかすごーくすごーい腹立たしくありませんか?」

 

「まぁ、理解はしますが…」

 

「はい、なのでコレまで飾りのままだった生徒会長の権限をふんだんに使ってトリニティに強制を掛けましょうかね。世代じゃなかろうがトリニティ名乗るならテメェらの最後くらいは後始末はテメェらで解決しろと」

 

「……」

 

「あ、もちろん連邦生徒会側も介入する正当性はありますよ?公言だけですが情報の限りだとアリウス分校に居座る悪い大人。キヴォトスに生きる子供を子供として扱わない責任皆無な捨ておけない存在。その鎮圧はキヴォトスの治安維持に繋がるとします。だから…」

 

「彼の威力偵察の建前がどこまで意味をもたらすかですか。やれやれ。タイミングというのは本当に残酷ですね。出来ればもっと鍛えてから巡る刻はそうであってほしかった」

 

「でもそれが彼のストーリーテラー。そして責任を知る者の選択。ならコレで間違いない。私が思う根拠はそこにあります」

 

 

もうすぐ空も暗くなる。

 

そして0時になれば格納庫で準備を進める青年は非番を理由にSRTを出発するだろう。

 

それはいまココの二人だけしか知らない。

 

 

 

「ま、月雪さんなら大丈夫でしょう!なんかすごく強いって聞いてますから」

 

「非常識かつ規格外、そんな言葉が似合う」

 

「ならいっそ彼には『アリウス潰すゾ!!』って感じの規格外(クソボケ)な活躍を願いましょうか!そうすれば風穴も空きやすくなり介入余地も増えてコチラもやりやすくなるのでトリニティもその方が腰も軽く…なるの、かな?」

 

「さて。それは頷かせる生徒会長次第と」

 

「ならトリニティ形式でお口にロールケーキでも打ち込んで言うこと聞かせますか。時には肉体言語で訴えるのも手ですね」

 

「恐怖政治(物理)ですか?」

 

 

 

良い笑顔で語る彼女は生徒会長。

 

金色に__まるで大天使(トリニティ)のように輝く金色の長い髪を幻想的に靡かせる。

 

 

そして同時に__

 

 

 

「貴方が『解』なんですね、月雪カナタ」

 

 

 

今やっと、連邦生徒会の【会長(せきにん)】として座に着いた意味を彼女は理解したから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、そうだ(唐突)」

 

「いや…まだあるんですか?あとキヴォトスでその語録は恥ずかしいことですからね?」

 

「あら。それで…ええとですね。一応報告として私も聞いてますが、前にSRTの方で連邦生徒会まで荷物を受け取りに来てくれました日がありましたよね?荷物受け取り後にその輸送車はヴァルキューレの急な増援として脱獄者の確保に向かわれたと聞ききましたが…?」

 

「5日前の話ですね。確かにその輸送車にはSRTの生徒が乗っていました。そして何かのイタズラなのか非番中の月雪も途中乗車してたので急な任務として駆り出されてくれましたね。あの時は非常に助かりました」

 

「うん、それ聞いてめちゃくちゃ笑いました」

 

「ヴァルキューレの体たらくは笑い事じゃないですよ、まったく私の母校は…」

 

「それを言いましたらアリウスの問題に直面することになる元トリニティの私も会長として笑い事になりませんよ……ぶぅぅ」

 

「役柄故に苦労が尽きませんね」

 

「ええ本当にです。で、それでですね。その特段苦労…と、言うほどの話にはならないなのですが、改めて考えるとふと思ったんですよね」

 

「思う、ですか?」

 

「5日前の事件は急な助太刀ということで半ばボランティア立ち位置での仮稼働。言わばSRTの任務として扱うべきか非常に微妙なラインなんです。私も幾分かSRTに運営は任せていますが、しかし連邦生徒会長としての指令はまだ一つも起こせてない現状を思うと、やはり特殊部隊として本稼働した事にはならないんですよ」

 

「生徒会長がそう思うのでしたら、その認識は正しくなりますや。なにせSRT特殊学園の生徒は貴方の私兵ですから」

 

「はい。だからこそ。ココで私は一つ見落としに気づいてしまいました」

 

「?」

 

「いま月雪さん、私の勅令にて動いてる事になりますが、コレってSRTの正式な任務なんですよね?」

 

「まあ、そう扱われます…ね?会長自ら私兵を動員したのなら、全くもってそうなります」

 

「じゃあそうなりますと………え、これマジ?」

 

「あの、どうしました…?」

 

「いや、そのですね?冷静に考えると…」

 

「はい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

__コレってSRTの『初任務』ですよね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これは後に、SRTで伝説となった逸話。

 

 

アリウス分校の調査。

 

もとい、威力偵察による__鎮圧。

 

これを一人の青年が果たしたと言う記録。

 

しかもそれをSRTの【初任務】として取り扱われていた目を疑う様な『規格外』の始まり方。

 

それ故に連邦生徒会上層部は恐れ慄き、トリニティのティーパーティは戦慄し、アリウスの生徒は思わず猫ミームと化してしまったりと、旧SRTも真っ青な大記録が現在のSRT特殊学園の歴史に刻まれる。

 

 

そしてこの記録と成果があるからこそ脳をこんがりと焼かれた連邦生徒会長は【責任】の元で子供に寄り添う先駆者(おとな)に存在意義を見出し、その前身となった『彼』の姿を参考にとある独立組織の創設を決定した。

 

 

責任を果たせる人間のための組織。

 

その名は__連邦捜査部S.C.H.A.L.E(シャーレ)

 

これは後に誕生する大人(せんせい)の超法規的機関である。

 

 

 

 

 

 

 

だから__これは青春物語(ブルーアーカイブ)のための序章。

 

あまねく始発点に続く浮き出た物語。

 

別の【世界線(かなた)】に視た『(こたえ)』なのだから。

 

 

 

 

 

つづく

 








以下、とある大人の視点。




ベアトリーチェ「は?遠征訓練を設けたい?どうせ妹分(ヒヨリ)のために外を見せたいんだろ?別にええよ。小さな飴と大きな鞭で虚しさ叩き込んだるし」


ヒヨリ希望中


ベアトリーチェ「楽しんだ分失望してもらうから。そしたら虚しいだけやろ?ん?どうなん?どんな気持ちや?てか僅かに感じるソレ誰の神秘や?めっちゃ嫌いやねんソレ。虫唾が走るわ。なんか腹立つから刑罰増やすね。オラ堕ちろ!堕ちたな(慢心)」


ヒヨリ絶望中


ベアトリーチェ「子供は大人の言うこと聞いてればええんや。それよりとっとと軍拡進めろ。これも全部トリカスが悪いんだよ。復讐心を原動力に動いて。ホラホラホラホラホラホラホラ」


ヒヨリ逃亡中


ベアトリーチェ「ウッソだろお前wwwwwなんで虚しの中に反抗心があるん?w徹底的に洗脳した筈やんけ!…てか、は?さりげなく子供の反抗心が大人である私の真理を否定した訳?え?なにこれ?意味わからん。とりあえず捜索はするけどあれだけのダメージならどこかでくたばってるやろ。アリウスとか誰も助けんし。それより僅かに感じ取った忌々しい神秘が重要や。私の確立を否定するような存在。相容れん__」


コンコン


ベアトリーチェ「外部からの来報者?アリウスに?なんで?説明が欲しいんだが___」







カナタ「ア リ ウ ス 潰 す ゾ」






ベアトリーチェ「」
トリニティ「」
白鳥「ふぁーwwwww」



いまココ(デデドン)




いやー、あの作品の前描きに書いてある通りに作者の心にも『クソボケ酒泉くん』がいましてね。アリウススクワッドを絡ませたら潰すべきだと訴えるんですよ。でも潰す対象がスクワッドじゃなくてアリウスその物でしたァ!って展開になってしまってね、でももうここまで書いちまったからこのままやりますね。ぐへへへ。



また来週の更新でな!
じゃあな!あばよ!!
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