なんか俺のヘイロー砕けてね?   作:つヴぁるnet

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リアルが大変でしばらくは週一更新しか出来ないっす。仕方ないね♂


第30話

 

 

「貴方は慕ってくれていましたが、でも私は両手を叩いて褒められるほどそう万能な生徒会長じゃないんですよ。ただトリニティの環境に嫌気が差していたから都合よく届いた啓示を元に連邦生徒会長になっただけ。それだけなんです」

 

 

「でも、その意味は大いにあった」

 

 

「はい、私は意味がありました。この白き制服を纏えた役割を。でもですね。それは貴方がいたおかげ。私がココにいた意味はイレギュラーな貴方が確立させてくれたからこそ今こうして胸を張って卒業出来る。だから深く感謝しているんです。こんな私でも出来る事はあったと」

 

 

「そう言わないでくれ。俺は連邦生徒会長たる大役を背負った貴方に感謝している。SRT特殊学園の設立に乗り出した貴方だからこそ俺は月雪カナタとして成せることがあった。だからそう自身を卑下しないでくれ。俺にとってこの1年間は間違いなく連邦ちゃんがいたから成立したことなんだ」

 

 

「ふふっ、そう言われちゃいますと、わざと留年してもう一年くらい居座りたくなりますね」

 

 

「それは……ちょいと困るなかな」

 

 

「ふふっ、冗談ですよ。何せそれは許されません。私のピリオドは間違いなくココと決まっている。待ってくれている貴方を待っている新星がネクストタイトルとしてやっとゼロと言える場所からスタートする。ならばこのアーカイブは月雪カナタさんと、そしてまもなくこの座に着くことになるだろう新たな連邦生徒会長から紡がれようとします。私はそれを歓迎します」

 

 

「……連邦生徒会長、お疲れ様でした。そして。ありがとうございました」

 

 

「いえ、お礼を言うのは私の方です。貴方がイレギュラーだから私の存在証明にもこうして意味があった。だからもう一度貴方に感謝を告げさせてください。月雪カナタ。責任の意味を知る先駆者よ。この箱舟で琥珀色に彩らせる貴方と出会えたことを光栄に思います。私が連邦生徒会長としての座に着いた意味は大いにありました。だから。本当にありがとうございます」

 

 

 

横長いテーブルと椅子、その真後ろにはキヴォトスを見渡せる大きな窓ガラスが張り巡らされており、そしてそこから見上げた空には透明感溢れるキヴォトスの光輪が見える。

 

贅沢なその背景は今日を最後に映しながら金色の髪を靡かせた彼女はコチラに頭を下げ、俺はSRT特殊学園の兵士として連邦生徒会長だった彼女に敬礼を行う。

 

それから彼女は俺に見送られながらこの部屋を去る。コツコツと足音を鳴らしながら退出する生徒の背中は卒業の証だろうか。いつしか色彩の中で見た光景が重なる。キヴォトスの生徒がまた一人卒業するという刻の流れを。

 

 

俺はその姿を最後まで見送り、扉がカチャンと音を鳴らして閉まる。

 

その姿はとうとう見えなくなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして_____また扉が開く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「カナタくん、お待たせしました」

 

 

 

 

 

 

 

 

新たな連邦生徒会長が、姿を現した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、外は大体見て回ったな」

 

「はい。とても良い学園ですね!カナタくん」

 

 

 

前生徒会長が設立したSRT特殊学園を見て回る彼女は満足そうに頷く。

 

めちゃくちゃ気合い入れて作られた軍事施設だからな。何もかも金もかけてある。

 

 

「施設もほぼ完成している。拡張をするべきところも済ませているから兵士増員も可能だな」

 

「既に前会長がピックアップを済ませてます。あとは二期生となる新兵達がこの学園でどれだけ浸透するかですね」

 

「連邦生徒会長に選ばれるような人間が選別したんだ。俺は疑わない」

 

「信頼しているんですね」

 

「そりゃ最初の1年間を共にこの部隊と立ち会ってきたんだ。何が必要で何が不必要か。顔を合わせる度に話し合いながらSRT特殊学園の地固めを完成させてきた。同時に幾つかの騒動はご愛嬌としてだが」

 

「聞いてますよ。荒唐無稽な話でした。だがしかし()()()()()()()と言う無条件が私の記憶にあります。だから私の中ではその規格外は真実であり、疑いありませんでした」

 

「そうなんだ」

 

「はい。あっ!でもでも。カナタくん。これだけはちゃんと言わせてくださいね?」

 

「?」

 

 

 

ニコリと笑っていた白鳥。

 

しかし、急に真顔になって。

 

 

 

 

「誰がここまでやれと言いました?」

 

「あ、はい」

 

 

 

 

十中八九、アリウスの事だろう。

 

 

 

 

「いや白鳥。あれは不可抗力だって」

 

「うるさいです、この規格外バカ」

 

 

 

ひどい言われようだ。

 

俺はただ連邦ちゃんの命令の元で威力偵察を建前にスクワッドメンバーを救助したり、ベアトリーチェに関しては俺の独断で憤怒のまま消し飛ばしたりしただけなのに。

 

 

 

「カー、ナー、ター、くー、んー?」

 

「ごめんて」

 

 

 

 

大人しく『待て』をしなかった結果だ。

 

 

__振り返るべき去年の記録。

 

それはSRTの初任務として扱うにはあまりにも激動過ぎた稼働一年目、梅雨の季節。

 

ある日、たった一人の兵士が一つの自治区(くに)を制圧し、親玉ごと倒壊させたと言う前代未聞の任務報告。なんなら後に計画されていたキヴォトスの侵略も未然に防いだという功績。

 

そのためアリウス自治区を探し続けていた連邦生徒会は気づいたらアリウスが見つかった上に陥落していたという電報で大混乱になり、同時にトリニティが抱えていた負の遺産を過去イジメによって自治区を去った元トリニティ生徒が特殊部隊の兵士として解決してしまうというティーパーティも揃って白目を剥くような結末。

 

ウリエ曰くコレが頭が焼き鳥に(トリニ)ティーらしい。

 

なので白鳥も「お前はアタオカ *1 」だと、真顔になっていた。

 

 

 

「多大なる活躍は一人の友として大いに喜ばれる事だと思いますけれど、でも普通に目印で待っていられなかったんですかねぇ??」

 

「いやー、そのつもりだったんだけど、でも色々あり過ぎて……こう、ほら…ね?」

 

「お人好しのカナタくん。私はカナタくんのことを知っているから納得はします。でも普通に待ってくれないと私がカナタくんの扱いに苦労しちゃうんですよ?気持ち分かります?」

 

「それだけ頼もしい手駒がいる。それは喜ばしいことじゃないのか?俺は白鳥のために地固め世代たる一期生の兵士として日々奮闘し、同時に部隊作りに勤しみ、前生徒会長と共にSRTの質を確立させてきた。それは間違いなく生徒会長が満足の行くような特殊部隊だと思うんだけどなぁー」

 

「だぁぁああ!もぉおおお!!手加減しやがれって事だよバカヤロウ!!コノヤロウ!!」

 

「やばいぞ白鳥!俺のせいでアリウスが無いなった!」

 

「あああー!!事後確認が面倒すぎるぅぅ!!」

 

「ワロタ」

 

 

 

まあアリウス関連はほぼトリニティに任せている状態だから連邦生徒会がやるべきことはティーパーティからの定期報告をまとめるくらいだけど、でも連邦生徒会長となった白鳥が改めてアリウスの騒動を一から確認し直す必要があるので初手いきなり面倒ごとを背負わされたのは確かである。

 

だって国一つ消えたことになるもんね?

キヴォトス基準で考えたらどえらい事だ。

へけっ!

 

 

 

「まあそこら辺の記録は後でザッと見ます。それよりも……カナタくん!」

 

「?」

 

「本当にっ、本当にっ、ほんとうにっ!やっと一緒にこの箱舟を箱舟として認識した者同士とした同じ道を歩けるんですね!もう本当に嬉しいです!」

 

「!」

 

 

 

花火大会の時のように喜ぶ彼女。

 

一年待ったけどでもその姿に変わりない。

 

 

 

「そうだな。君に願われたあの日がやっと今日を始発点として次点に踏み出せる」

 

「はい、そうです!その通りです!」

 

「そうか……なあ?連邦生徒会長、白鳥団長……俺たちを連れて行ってくれるんだろ…?ねぇ?次は何をすれば良い…?俺は何をすればそこに目指せる??」

 

「止まるんじゃねぇぞ…」

 

「あ、今日のハイランダーは快速線なんだ」

 

「平日出勤のサラリーマン舐めんな。いちいち止まってると遅れます。特に営業マンは朝から命懸けなんですよ。区間快速の有り難み感じて今日も明日も出勤しやがれ。あと無賃乗車のゲヘナはくたばれやカス」

 

「サラリーマン強すぎんだろ…」

 

 

冗談を挟みながら、ピカピカの真っ白な連邦生徒会の制服を揺らしながらSRT特殊学園を見回る白鳥。ちなみに俺が一緒にいるのは純粋に白鳥の護衛かつ案内役である。

 

午前中の訓練は免除だし、この後そのまま明日まで非番になる。やったぜ。

 

 

あ、ウリエ達は絶賛訓練中だ。

 

あと一期生達は白鳥と挨拶済み。

 

今日の朝のブリーフィングで面識を済ませた。

 

 

 

 

「あれ?カナタくん…?そういえば頭のヘイローってそんなに数少なかった?」

 

 

「あ、これ?いま仲間に()()()()()だ」

 

 

「貸し…え?なんだって?」

 

 

「貸し出し中だよ。今仲間に渡している所だ」

 

 

「( ᐛ ) … ゑ ???????」

 

 

「なんちゅう顔してんだお前」

 

 

 

頭いちごミルク超えた、頭ココナッツミルクって感じの顔になっているが、それでもヘイローを貸し出し中ってのは本当の話である。

 

 

 

「俺のヘイローを通して他者の神秘濃度が遠隔で分かるんだよ。これはその練習だ」

 

「遠隔?」

 

「まず他者に俺のヘイローを重ねる。そうすると月雪カナタの神秘がアクセスを完了する。注いでいる状態だ。この場合注がれる側は月雪カナタ特有の神秘を利用することも可能になる」

 

「水の上に浮いたりとかですよね?花火大会で見せてくれたカナタくんだけの神秘」

 

「その通り。月雪カナタの神秘によってある程度の規格外(ルール)関与が可能となる。ゲームでいうバフ状態」

 

「なるほど。しかしルール関与ですか…」

 

「これに関しては一年の時点で大体完了した。なので次に俺が目指したのは注ぐ側から、注がれる側になる事だな」

 

「注ぐは分かりますが、注がれるとは…?」

 

「結論から言うと、俺のヘイローを使うことによって情報共有が可能になるんだ」

 

「情報共有、ですか」

 

「そうだな…例えば、現在俺のヘイローは6つほど仲間に貸し出している。その貸し出しているヘイローから今現状のカナタの神秘の濃度を一つの情報としてこの場まで感じ取ってみるとしようか」

 

「え?」

 

 

 

遠くにある俺のヘイローに意識を強める。

 

すると情報が注がれようとする。

 

 

 

「ふむふむ。いま4つほど騒がしいな。恐らく戦闘中か?二つは静かだから…待機中か?いや違うな。微かに緊張気味に感じる震えからしてこれは潜伏待機中なのか?もしかしたら現在は模擬戦中で、敵を待ち伏せてるのか。なら納得はいくな」

 

 

「え…?え??…え???」

 

 

「あ、結構神秘に揺れがあるな。あー、こりゃかなり動いてるな。あっ、一つ沈黙した。そうなると一人やられているのか。ほほう。てかこの瞬間的にブレた振動の伝わり方はウリエのCQCか?水上戦の成果が出てるな。おお?また一つ激しく揺れてるな。この鋭利ある振動はケモ耳っ子の神秘か?ウリエのCQCに対して速さで封殺するつもりか。あ、同時にもう一つも動いてるな。なるほど。ウリエに対して電撃戦を仕掛けるか!有効ではあるな!よしよし!良いぞ良いぞ!そのままやっちまえ!あの紅茶バカを倒してしまえ!逆にお口にロールケーキぶち込め!バカ!加減なんかするな!だってソイツはウリエだぞ!!」

 

 

「何その神秘の使い方……知らん、こわっ…」

 

 

重ねたヘイロー越しに模擬戦の状況を把握する俺を見て完全に引いちまった白鳥。

 

規格外もここまできたんだと感心しながら、しかしそれはともかくドン引きされてしまう。

 

解せぬ。

めちゃくちゃ頑張って神秘研究したのに。

 

 

ちなみにつらつらと実況解説を行ったが完全に視えている訳では無い。

 

ただそれでも、一年近くともに訓練してきた同期達の癖や戦闘パターンは把握しているためその都度その都度感じる揺れ具合で何をやっているのか大体なんとなくわかる。

 

 

いやー、弾力装甲ってのは便利だな!

 

俺のヘイローで仲間の防御属性を弾力装甲に変換させて、その揺れで把握できるもん!

 

 

 

 

「ここはエントランスですか?」

 

「俺たちの寮のな。かなり広いだろ?40人程度なら寛いでいられるスペースだ。大型の冷蔵庫もあるし、キッチンも備えてあるし、料理スペースの反対側には寛ぎのスペースも完備されたりとオンオフの切り替えが出来るように配慮されている。あとウマをダメにするクッションは前会長の趣味として用意してくれた。俺はかなり気に入っている」

 

「まるで家ですね」

 

「前会長はそれ意識して作ったみたいだぞ。お陰で俺たちも曜日を決めては各自治区から取り寄せた名品や茶菓子を振る舞うことで仲間達と交流するんだ」

 

「なるほど……交流を…」

 

「俺たちは別々の自治区からやってきた毛色の違う生徒だけど、SRT特殊学園では境のない仲間として強固に結ばれてる必要がある。だからまずは交流と言う場に力を入れた。そのお陰で俺たち一期生は蟠りもなく過ごせている。前生徒会長の仕事は偉大だよ」

 

「だから、地固め世代、と…」

 

「俺たち一期生は組織の先駆者として健在でなければならない。強さでも、それ以外でも、後に続いてくれる後続に大丈夫だと思わせる背中を見せておく必要がある。なので最初の1年間はそのため。しかしそれは白鳥も分かっていて俺をココに推薦したんじゃないのか?」

 

 

俺は冷蔵庫から冷茶を取り出し、適当な紙コップに並々注いで白鳥に渡す。

 

冷茶を受け取った白鳥は紙コップの中に浮かぶ水面を眺めながら応える。

 

 

「いえ。カナタくんは私の独りよがりから始まったんですよ。これから蓄えるべき正しさを得たいがために月雪カナタというイレギュラーからあまねく限りの『解』を求め続ける。それがこの場に招いた目的です」

 

「なんとなく察するけど、本当に俺で事足りるのか?」

 

「足りすぎた結果がアリウスの倒壊ですよ。貴方の証明はあまりにも充分過ぎます。まだ本格的に私が始まった訳でもないのに。この始発点はあまりにも異常です」

 

「なら説明書も無しに月雪カナタという追加MODを入れちまった結果だな。観念してプレイングを続けるんだな観測者(プレイヤー)。俺はただひたすらに月雪カナタをするだけ」

 

「はい、それで大丈夫です。それを望みます」

 

 

 

冷茶を飲み干し、席を立ち上がりってエントランスを出る。そのままSRT特殊学園の入り口まで白鳥を送り迎えをし、その背中を見送ろうとして、彼女は水色の髪を揺らしながらコチラに振り向く。

 

 

 

「カナタくん」

 

 

 

水色の髪の下に隠れた目が俺を視る。

 

 

「箱舟を箱舟と認識する月雪カナタによって始まったアーカイブを頼りに私も与えられたこの役割を果たします。そして。もっと多くの『解』を必要とします。だからどうか。いつ訪れるかわからないピリオドの時まで月雪カナタが健在であることを望ませてください」

 

 

 

俺は箱舟に収まらない【歯車】だ。

 

月雪カナタをしている憑依者であるが、その中身は先駆者として彩らせる。

 

白鳥はそこに『解』を求めようとする。

 

この俺が成さんとするストーリーテラーに。

 

ならば……もう、折れることも。

 

そして砕け散ることも無いように、背中を。

 

 

 

「任せておけ。俺の生徒から貰ったこの琥珀色が月雪カナタであることを許してくれた。ならこの赦しに責任を持つ。だから心配するな。こんな箱舟程度にカナタはもう負けん」

 

 

「ふふっ、頼もしいです」

 

 

 

そして、彼女は斜めに姿勢を折り曲げる。

 

俺も右手をスッと頭に翳して姿勢を正す。

 

 

この場にいるのは連邦生徒会長とその私兵。

 

今だけ、その関係に戻しながら…

 

 

 

 

「よろしくお願いしますね、リーダーさん」

 

「よろしくお願いします、連邦生徒会長」

 

 

 

 

 

手渡された切符は、パチンと切られた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ああ____実に興味深い選択をする。だが私達の裏側に位置する者が今や昏睡していることは非常に残念である。ああ何故?何故何故何故何故何故?ナゼ、何故??観測し損ねた後悔の先にシャーレの先生が選ばれてしまったのか。これも肉体の限界を試された故の結末としてのピリオドか?もしくはココではそう使わされる世界か?滅びゆく先に解などありはしない筈。ああだからどうか。その一途に変わりない正義心を己の正体として踏みゆくことを一人の観測者としてただ願う。ベツレヘムの光から遠のく裏側の天使よ。貴方自身は本当に大丈夫だと頷けるのですのね??」

 

 

 

 

それでも、私は___っ、■■ は。

 

残された者を守るために成すだけです。

 

それが先輩に対する報いにもなりますから。

 

 

 

 

「クックック、ならばその可能性を。ええ…生徒を信じ続けた先生の信条を今この瞬間のみ私も信じましょう。それしかない手段と片道切符ですが、これがこの箱庭に於ける最後の観測というのなら、羽の折れた天使が寂れた箱舟から己の意思で堕ちる時を眺める。ああ。マエストロよ。まだ貴方が健在であれば芸術はまだ完成に至らないと知れたはず」

 

 

 

 

貴方は……

 

キヴォトスを逃れないんですか?

 

 

 

「クックック。大人というのは責任が付きまとう生きものなのですよ。だから私はまだココに残りましょう。ああ心配なさらず。先生の後追いなど考えません。それこそ無責任です。だから崩壊してしまうギリギリまで天使の昇天を待ちましょう。さあ行きなさい。もう少しだけ役割と使命に生きなさい。それこそ責任を負う者になるのだから」

 

 

 

言われなくても、私がやります。

 

私が先生を助けます。

 

クラフトチェンバーさえ元に戻れば。

 

また構築できるはずです。

 

そうすれば…

 

シッテムの箱だってまた直る筈なんです。

 

そしたら…

 

先生は__目覚めるはず。

 

だから…

 

 

 

 

 

「さようなら、先生」

 

 

 

 

 

そう願いを託した一人の少女は飛び込む。

 

小を切り捨て、大を救う。

 

それを体現するようにトロッコへ投じた。

 

もう外さない拳銃を腰に手を備えて。

 

寂れた箱庭を揺らした、光を求める。

 

 

 

 

 

 

「必ずッッ■■が【色彩】をこの錠にッ…!」

 

 

 

 

 

 

怯え切った身体(きょうふ)を引きずり。

 

しかし役割のために、心を【責任】で灯す。

 

外から捉えた正当化の光を求めるがため。

 

滅びゆく世界を背にして、少女は急いだ。

 

それが片道切符による終着点だとしても。

 

折れた天使の羽で堕ちるがままに…

 

 

 

 

 

つづく

*1
『頭おかしい』の略






これにて 連邦ちゃん は卒業ですね。
なんだか寂しいね。
でも本当にお疲れ様でした。
貴方のお陰で生徒達の物語が始まる。



じゃあな!
またの更新でな!
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