なんか俺のヘイロー砕けてね?   作:つヴぁるnet

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12000文字だってよ!
これヒヨリのパターンで見たことあるわ!

つまりここから筆記が大変になるらしい。
やめてくれよ(白目)


第33話

 

 

 

それは、なんてことない【日常】から__

 

 

 

___灰色の【非日常】へと、反転したから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やぁ、ぼくはシャーレの先生だよ」

 

「先生…!?大人…!つまり…!生徒との恋愛対象…!!」

 

「へ?」

 

「へ?………あ、あ!あわわわ!?!ちち、ちちち、違います!違いますから!ほほ、ほ!本官が言いたいのは!キヴォトスでは先生と生徒が恋愛することは犯罪ではないというルールがありまして!ああいや別に!決してわたくし本官が先生とそうある内容とか決定とかじゃなくてですね!だからええと!だから!」

 

 

 

人間の大人ってのは全く見かけない。

 

見かけたとしても女性の大人ばかり。

 

しかし目の前にいるのは男性の大人。

 

外の世界でしか会えないとされる存在。

 

 

 

「あはは、キリノは面白い子だね」

 

「あぅぅぅ……」

 

「でも良かった。キリノちゃんみたいな素敵な子が最初に【募集】を受けてくれて」

 

「募集……あ、シャーレの当番の事ですよね?」

 

「そうだよ。初期メンバーに関しては成り行きでユウカやハスミがいることになってるけど、こうして募集の元に生徒が来てくれたのはキリノが最初だよ。もし募集で何も反応が無かったら悲しくてシャーレに引きこもるところだったけどキリノが来てくれて僕は救われたね」

 

「ほ、本官のような者でよろしければ大変光栄でございます!」

 

「うんうん、ありがとう。じゃあ早速キリノにお願いしたいことがあるんだけど…初めてくる当番の子のためにもマニュアルみたいなものを作っておきたいんだよね。なので今日初めて来たキリノ視点からして初めてシャーレに来たらまずはこの説明が欲しいとか、この部分が入り口になっていたらわかりやすいとか、コレは必要だとか色々と発言が欲しいんだ。もちろん何でも構わないよ!」

 

「ほ、本官を基準にマニュアルをですか!?ええと、なんと言うか…本当にわたしのようなヒラの者で…ですか?」

 

「身分や立ち位置は関係ないよ。ただ純粋にキリノが思う足りないを教えて欲しいんだ。真面目そうな君にしかできないマニュアル制作。だめかな?」

 

「いえ!ダメではありません!本官は喜んでお手伝いします!でも、ええと…でも何を言うべきでしょうか…あっ、休憩室のクッションが足りなそう…とか、そんな感じ…で?」

 

「うんうん!良いよ!そう言うのありがたいね!それじゃあキリノのアドバイス通りにクッションをもう何個か休憩室に用意しよう!ほらキリノも着いてきて!」

 

「は、はい!護衛ですね!本官にお任せあれ!」

 

 

 

それが先生との初仕事だ。

 

シャーレに初めて来る生徒のためにマニュアル作成にあたり、同時にシャーレでお仕事がしやすいように環境作りもする事。

 

と、言っても殆ど従前に準備されていたから私達の方で手を加える物はそう多くない。

 

けれど初めてくる生徒が不安にならないように迎えることは重要だから、先生と共に必要なモノを知り得る限り用意してきた。

 

 

 

 

 

私、なんかで良いのかな?

 

私程度の生徒で先生は良いのかな?

 

そんな疑問は少なくともあった。

 

私は所詮、ただの生活安全局の警察。

 

何千人と存在するその中の一人。

 

つまり、よくありげな警察官。

 

けれど…

 

 

 

「キリノが最初に来てくれて嬉しかったよ」

 

 

 

先生は最初の募集を受けてくれたわたしにとても喜んでくれた。

 

だから私も、こんな私に頼ってくれる先生に対して喜んでいる。だから先生のためにも頑張って沢山お手伝いをした。マニュアル作成も成果があった。募集に来た生徒も当番で不安無くシャーレお手伝いが出来たと、だからキリノには感謝していると先生が伝えてくれた。

 

だからこんな程度の私でも誇れた。

 

先生の最初に応えれたことを。

 

 

 

あ、もちろん本官としてヴァルキューレのお仕事も手を抜かない。

 

誇りある業務だから。

 

ヴァルキューレの部活も並行して頑張り、その頑張りは先生の耳にも届いている。

 

ある日はパトロールに同行してもらったり、ある日はライフセーバーとして活躍する私の姿も先生に見てもらったり、ちょっぴり失敗した姿も何度か見せてしまったけど、頑張り者なキリノって先生は褒めてくれた。

 

 

 

 

キヴォトスには___数え切れないほどの生徒が存在している。

 

正直に言えば、魅力的な生徒は多い。

 

強さでも、見た目でも、大人の心を惹くような、そんな魅力を秘めた生徒たち。

 

私なんかよりも興味を惹くような生徒はいる。

 

 

それは誰もが思うことで、私も思っている。

 

 

だから最初にシャーレの募集を受けた生徒という細やかな優越感はありしも、いずれは中務キリノの存在も先生の中で薄れていくんだと私は思っていた。

 

 

でも、先生はわたしを忘れない。

 

忘れないでくれている。

 

 

 

「キリノが最初だからね」

 

 

 

偽りのない言葉だ。

 

先生からしたら何気ない言葉だ。

 

でも私はそれだけで報われる。

 

 

 

 

「キリノちゃん、頑張るねぇ」

 

「キリノ、あまり根を詰めすぎるなよ」

 

 

ドーナツ好きの同僚と上官。

私を常に見てくれる優しい人達。

 

 

 

「いえ!本官はもっと頑張らなければ!」

 

 

 

致命的なんだ__銃の腕前は。

 

壊滅的なんだ__戦いの強さは。

 

劣悪的なんだ__私自身の神秘量は。

 

 

周りの生徒に比べたら中務キリノなんてキヴォトス人は、ソーシャルゲームで例えるならレア度の低そうなキャラ扱いなんだ。もしかしたら最低レア度のキャラクターにすら劣ってしまう程なんだと思う。それは私自身が自覚している。

 

 

だって何もかも最低ラインだ。

 

銃社会のキヴォトスであまりにも情けない。

 

 

けれど…

 

 

 

 

 

 

「それでもキリノが最初だからね」

 

 

 

私との追憶を先生は大事にしてくれる。

 

 

だから…

 

もっと、先生の役に立ちたい。

 

そう言ってくれる先生のためになりたい。

 

最初だからとそこに甘んじるのではなくて。

 

銃を握れるキヴォトス人らしく。

 

 

中務キリノ程度でも、先生の盾になり、銃になり、力になり、道になれる、そんな先生の最初でもっと誇らしくありたい。

 

 

だから中務キリノは頑張る。

 

どんなにへっぽこでも。

 

先生のために力になりたい気持ちは。

 

キヴォトスの誰にも負けてませんから。

 

 

 

 

そして、それは望まぬ形で、叶った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

でも、叶わないことだ。

 

 

 

 

 

 

「え?シャーレが……??」

 

 

 

シャーレで謎の爆発が発生した。

 

先生が持っているタブレットのバリアすらも貫通するような威力。

 

ヴァルキューレ警察としていち早く駆けつけたわたしは、ばら撒かれたガラスの破片の上で血を流す先生を見た。

 

その姿にわたしはひどく青ざめる。

 

その後やってきた厄災の狐も発狂するように悲鳴をあげ、そしてトリニティの救護騎士団から生徒が急に現れると応急処置を行い、先生はそのまま病院に搬送された。

 

 

 

「先生……どうして…」

 

 

 

それからキヴォトス中が混乱した。

 

特にシャーレの力を借りてきた学園は意識不明の先生にひどく動揺する。

 

すると次第にシャーレの爆破犯を突き止めようと学園中が憤りの中で動き出し、それは収まりを知らない。

 

皆の怒りは同じだ。

私も同じ。

 

絶対に許されないこと。

 

 

 

しかし、その中で誰かが言った。

 

 

 

 

 

__先生が、死んじゃうかもしれない。

 

 

 

 

 

 

その感情(きょうふ)は瞬く間にキヴォトスを埋める。

 

そして伝染するように、ソレを形作る。

 

 

 

__死ぬ?

__死んじゃう??

__死んでしまう??

 

 

 

急に芽生える負の感情。

 

不自然すぎる程に湧き上がる歪み。

 

それでも確かな恐怖心が生徒を追い込んだ。

 

故に次々と恐怖に溺れていく生徒たち。

 

 

精神が強い者は負を振り切ろうとする。

 

何処からともなく湧き上がる濁りを振り払う。

 

 

けれど時間の問題。

 

心を持つ者の弱さは苦しみを誤魔化さない。

 

だからその絶望は誰しも強引に飲み込む。

 

 

 

「何か、が、おかしい…」

 

 

 

ある者は気づく。

 

ある者は捉える。

 

 

何か…

 

何かが、おかしい。

 

 

内側からほじくり回されたような不快だ。

 

まるで従わされているような痛み。

 

 

頭を押さえつけられているような窮屈。

 

都合のために植え付けられる不適合な心。

 

そこに違和感を覚える。

 

 

何が起きている??

 

何を強いろうとしている??

 

何を生徒に理解させようとする??

 

 

先生の死を手前にしてキヴォトスで一体何が始まろうとしている??

 

 

 

 

 

 

 

 

 

__ええ。そうです。これは勝利者のキャンペーンです。 現実を突きつけられた肉体の限界はそこに抗えなかった者の末路として刻々と重なる不浄の連鎖。箱庭に住まう紛い物はいつまで大人を頼りきったまま子供を演じきれるでしょうか?ええそうともです。ご都合主義はもうありません。何故なら既に勝利者のみ刮目できるスタッフロールが流れている最中。決定ボタンはキャンセルを受け付けない。故に昇天を忘れていた天使にとっては画面奥にある無慈悲な設定に揺らされる舞台装置と化しました。さあ、終わりの始まりを申命とし告げる後日談を始めましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

隔離された世界から枯らされる箱庭。

 

だが、それはもう手遅れだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして___

 

 

 

 

 

アビドスの砂漠でナニカが起きた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミレニアムが、トリニティが、ゲヘナが、ありとあらゆる学園が、キヴォトスの崩壊に立ち向かった。

しかし、指導者がいない生徒が迫り来る理不尽に勝てるわけもない。

 

次々とキヴォトスに襲いかかってくる灰色の生徒に襲われてしまい、広がりゆく恐怖に飲まれてしまい、いつしかそこにいた全ての学園が滅んでしまった。あまりにも無慈悲だ。

 

 

 

この恐怖を止める手段は何もない。

 

この終わりにピリオドを付けれる救世主も存在しない。救世主は未だ深き眠りの中。

 

 

 

逃げ惑うキヴォトス人たち。

 

抵抗することも叶わず、連鎖する恐怖に心を喰われてしまい、そうして内側から体の全ての色を無くし、灰色に染まり切った偽りの姿へと変貌し、また逃げ惑うキヴォトス人を襲う。

 

 

出来の悪いゾンビ映画だ。

 

頭を撃っても、心臓を撃っても止まらない。

 

弾倉を使い切ってやっと足止めが出来る。

 

それほどに恐怖というのは人を押しつぶす。

 

 

 

__助けてくれ!うあああ!

__いやっ!やめてくれ!!

__そんなっ!そんなぁぁ!

 

 

 

ヴァルキューレどころか、SRTですらも抑止にならない恐怖の波。

 

手を伸ばしても助けられない市民がそこら中にいて、やっとの思いで手が届いても世界の恐怖に溺れてしまえば全て灰色に変わり果てる。

 

ワクチンすら許されない終末が絶望を呼ぶ。

 

 

 

「キリノっ……にげっ、て…!」

 

「いやっ、そんなっ!!?」

 

 

 

連鎖的に広がる恐怖によってわたしの同僚も灰色に沈んでしまう。

 

いつもドーナツを摘んでいるその手先から色を無くして行き、目からも光の色を失い…

 

___頭のヘイローが砕け散った。

 

 

 

 

 

___そして反転した。

 

取り返しのつかない堕天使として。

 

昇天すら許されない堕落天使として。

 

 

 

 

「こんな…こんな…こん…な、こと…」

 

 

 

世界を恐怖に埋めようと終末が動き出す。

 

救いきれず。

 

浮かびきれず。

 

助かることもできない。

 

この手はあまりにも無力だ。

 

 

 

 

 

「わ、た、し……は…っ!」

 

 

 

それでも最後まで私は市民を逃した。

 

本官に出来ることはこのくらいだから。

 

だって、市民のために力を尽くす私を先生は褒めてくれたから。

 

それが中務キリノだと。

 

だからそれを心に灯して最後まで抗った。

 

 

 

 

「……ほん…かん…は…」

 

 

 

市民を逃すために私は最後まで残った。

 

周りを見ればもう市民はいない。

 

残っているのは灰色に染まった同僚達。

 

そして残りは私だけ。

 

 

 

「せん…せ、い…」

 

 

 

口から零れ落ちる血液もわからない。

 

味覚も無くしたのか。

 

あんなにもグルメ巡りを楽しんだ舌も色を無くしてしまうんだ。

 

 

何も感じない……

 

ああ……これは、確かに恐怖だ。

 

 

何もなく、何も埋めれず、何も得れない。

 

砂漠の上で乾き切った失意の果て。

 

それは皆平等に終末を強いられる。

 

 

 

 

「せん……せ…い……わた、しは……ほん…か…ん……は……さいご…ま…で……つと…め…を……はた…し…ま…した……よ…」

 

 

 

 

間も無く、わたしも砕け散ってしまう。

 

 

そしたら反転して、恐怖を振り撒く。

 

 

堕落天使に染まり、何処までも沈みゆく。

 

 

そうやってこの箱庭を枯らしてしまうんだ。

 

 

コレが…

 

 

コレが…

 

 

中務キリノの終わり___

 

 

 

 

 

 

 

 

なのに…

 

 

 

 

 

 

 

 

「なぜ、わたしは…まだ意識があって…?」

 

 

 

 

 

空っぽだから。

 

中務キリノは空っぽだから。

 

反転させても、それ以上は望まれない。

 

だからこの身は枯れたままで止まった。

 

それでも灰色に色落ちた。

 

だから中務キリノは死んだ。

 

 

 

「あはっ…はは……あはは……あははは…」

 

 

 

反転(テラー)した灰色の体で乾いた笑を。

 

何もかも失った世界のど真ん中で。

 

ひび割れた街中の中央で絶望に哭く。

 

何故わたしなんかが、まだ生きてるの??

 

 

 

 

「おい、もしかしてまだ生存者が!?」

「えっ、嘘?だってもう要塞の外は…」

 

 

色を無くした私に対して、まだ色を保っている生徒が現れた。

 

わたしは立ち尽くしながら、まだ恐怖に裏返ってない生存者を見つけて放心していた、

 

 

「っ!こちらFOX3!生存者を発見!」

「アルちゃーん?通信聞こえるー?」

 

 

 

それからわたしは灰色に染まった体のまま救出対象として救われる。

 

最初は警戒されていたが、意思疎通可能でまだ原型を保っているキヴォトス人として保護されることになった。

 

それから移動した。

 

向かった先は要塞都市エリドゥだ。

 

 

 

「人が、まだ……」

 

「ああ、ここにはまだ生きてる者がいる」

 

「そうだよー、だから私達で守らないとねー」

 

 

 

そこにはまだ市民や生徒たちが残っていた。

 

その数はそう多くない。

 

 

けれど私は思わず涙を流す。

 

こんな中務キリノでも出来たことはちゃんとあったんだ。先生っ。

 

 

落ち着きを取り戻し、私はキヴォトスがどうなってしまったのかを改めて尋ねた。

 

どうやら私は反転してから二月ほど経過していることが分かった。それまで気を失っていたのか、もしくは自我を失っていたのか、とりあえず時間をかけて私は意識を取り戻したようだ。

 

でも反転したまま、私はここにいる。

 

 

 

「要塞都市エリドゥとオデュッセイア海洋高等学校が保持する学園島と数隻の大型学園船を残して全てが倒壊してしまったよ。そしてシラトリ区を始めとし表街は機能していないね。キヴォトス人の95%が恐怖によって反転してしまい、今残っているのはたったの5%未満のキヴォトス人と、延命中の先生だけだね」

 

「っ、先生はまだ生きてっ!?」

 

「生きてはいるけど延命中……っと、言うにはあまりにも不思議な状態だね。隔離されてると言った方が良いのかな?まあコレに関してはあまり口外はできない事なんだけど、でも君はシャーレで一番目の当番として信頼がある生徒だからね。真実は告げても良いかな。ここに部長がまだ居たのならそうしてたかもしれないし…」

 

「部長…?」

 

「天才美少女を自称してた寒がりさんだよ。反転しちゃってもういないけどね…だからビックシスターだけが頼り。あとそこにいるゲマトリアの残りカスも含めてね?」

 

「クックック、これは手厳しいですね」

 

「私は許してないよ。アンタの同族が引き金となったこの意味を」

 

「クックック、大人という枠組みならば私も同罪にあたるでしょう。しかしこの探究心は私が引き金とした話ではありません。コレは全て先生という大人がいて雪崩れ込んだご都合主義。わたしはそこに居たに過ぎません」

 

「だとしてもだよ。わたしはアンタ達のような悪い大人が大っ嫌いだね。ゲマトリアという虚栄心が無ければこの元凶を引き起こした大人もキヴォトスで余計な事をしなかったのに。コレが起こる時も。何ならその前も。ああ。何もかもだ」

 

 

 

協力関係と言うには険悪な雰囲気だ。

 

でも私にもわかる。

 

この黒服という大人は危険な人物だ。

 

 

 

「クックック、そうですか。否定も肯定もしませんが、この箱庭で結果がそう表されるなら私は非常に悪い大人なのでしょう。ですが悪い大人である私とて積み上げてきたこれまでの成果と先生をこのままにしておくことをあまり望みません。それに先生はまだ目覚めの可能性がありますから」

 

「先生は助かるんですか!?」

 

「死んではいません。そして生きてます。ただし先生の意識は隔離されています。シッテムの箱の中にですが」

 

「神経が焼き切れると人はその衝撃で死ぬ。その痛みを逃すためにシッテムの箱が先生の意識を肉体から切り離して箱の中に隔離した。ただ爆発によってシッテムの箱は壊れた。これによって先生の意識を戻すことができてない。だからシッテムの箱を直さなければない。けれど…」

 

「シャーレにあった機密製造機。それならばシッテムの箱は直ります」

 

「でしたら!!」

 

「残念ですが、その機密製造機__クラフトチェンバーもシッテムの箱同様に一部が損傷、つまり壊れてしまいました」

 

「!!??」

 

「クラフトチェンバー自体は持ち込みが可能だったためこの要塞都市エリドゥの奥地に厳重保管中です。シッテムの箱と先生も同様に。ですがクラフトチェンバーを修復しなければ事態は好転しない。私としてはシッテムの箱とクラフトチェンバーには非常に興味深い対象として見ていますが、どうもこの産物は特殊すぎるのか勝手がわからないもので…」

 

「まだわからないの?」

 

「ある程度は明かされました。コレはありとあらゆる神秘の集合体。ですがありきたりな物質を固体化させて浮かせているだけ。言わば3Dプリンターと変わりません。内蔵されているデータを元に精製するだけ。ただその内の一つが欠けてしまっている。それが無くなった場合クラフトチェンバーは機能しなくなる。これはそういった代物です」

 

「何が足りないの?」

 

「さて。それが分かれば苦労はしません。だから危険を冒しながらも要塞都市の外に出てらしいモノを探している。しかし金や銀でも無い。鉄でも紙でもない。骨でも血肉でもない。ならもっと不可思議なナニカを引き金とするのか、それとも否か。しかしその真実を知っているのはシャーレの先生のみ。だが先生の意識はシッテムの箱に隔離されたまま。ですがそのシッテムの箱を治せるのはクラフトチェンバーのみ。正直詰みですね」

 

「うーん…」

 

 

 

布面積が薄いミレニアムの生徒と、元ゲマトリアの黒服というオトナはクラフトチェンバーを眺めながら答えを探す。

 

しかし足りないそのナニカとやらの正体が何一つわからない。

 

だから二人は行き詰まりにある。

 

 

 

「…」

 

 

 

 

けれど___わたし、知っている。

 

コレに何が足りないのか。

 

 

 

 

「____【色彩】」

 

「え?」

 

「……なに?」

 

 

 

わたしは答えた。

 

 

 

 

「クラフトチェンバーには【色彩】があります」

 

「どういう…こと??」

 

「ふむ……詳しくお願いできますか?」

 

「はい、先生は言ってました__」

 

 

 

 

初めての当番係として私はシャーレの中を案内してもらった。

 

そしてクラフトチェンバーがある部屋にも案内してもらった。

 

本当はあまり周りに明かしてはならない機密製造機なんだけど、でも先生は「キリノが最初だからね」と特別にクラフトチェンバーの存在を教えてくれました。

 

かなりの製造パターンがあり、中身を覚えきることはできませんでした、が…

 

 

__キリノは休憩室にクッションがあったら良いなとか言ってたね。クラフトチェンバーなら【家具】なんかも造れるみたいだから【色彩】をノード設定にして製成してみようか。

 

 

 

先生と初めてやったお仕事。

 

それは今でも良く覚えている。

 

だから…

 

 

 

 

「【色彩】があれば、足りて動きます」

 

「……しき、さい…」

 

「ふむ、手に取れない……不可思議をですか」

 

 

 

このキヴォトスを脅かした恐怖。

 

または【色彩】と呼ばれる怪異現象。

 

それは鉄や金のように物質として存在しない手に触れることも叶わない概念。

 

それがピンポイントで破損している。

 

 

 

「色彩、手に取れるモノなの?」

 

「アプローチを変えれば【ソレ】を色彩として定義することも、ゴルゴンダのようにテクストとして強引に扱わせることも可能ですが、その本人も喪失、なんなら一時的な浮世絵に出来たはずのマエストロさえもこの騒動で亡くなった。観測者のわたし程度では無から生成など夢ですね」

 

「役立たず」

 

「クックック、私はあくまで大人の世界で絵踏みするだけの小物ですよ。契約の上で居座れても神になることはできません。事の次第を読み解くだけが精一杯です」

 

「……でも、色彩を何かに梱包してソレをクラフトチェンバーの色彩として扱うなら、可能性はあると見るべきかな?」

 

「ベアトリーチェの言葉を借りるなら、外から来訪する理解できないナニカは、この箱庭に於いて色彩として扱われる。ならその概念またルールに則って定義され、解釈されることが許されるのなら、色彩として扱われる… まあ、つまりこの部屋(はこにわ)に持ち込んだスプーンをフォークとして食卓で扱うと決めたのならそれはフォークとして理解と認識が変わる。到来する色彩とはそのような意味合いだ」

 

「なら…それになり得る価値を引き続き探すしかないんだよね。このキヴォトスで…」

 

「要塞都市にある物は全て利用しました。しかしそれは全て無意味だった。けれど中務さんの色彩の情報が正しくあるならばもうそれしか解は存在しないでしょう。ですが先ほど説明した通りに色彩の定義は非常に複雑な証明です。少なくとも視認し、観測できるものですが、手に取れる形にはならない。もし仮に手に取れるものとしての扱いならば、それは、世界が、倫理が、設定が、解釈が、何もかもが【ソレ】だと正当性を秘めた時。わかりやすく言えば世界遺産と同じ。人類の営みの中で取り決められた存在証明。だが私たちが求めるのは通常なら手に取ることが叶わないとされる証です」

 

「ッッ!!そんなのキヴォトスにあるわけないだろ!!」

 

「ええ、とても難しい話です」

 

 

 

現場主義の私には付いていけない。

 

でも、今は色彩が必要とする。

 

無い物ねだりだ。

 

得れるはずのない、モノを、だ。

 

 

 

「反転した私では、色彩になれませんか?」

 

 

 

ダメ元で聞いてみる。

 

反転し、けれど意識を保って戻ってきた。

 

ならソレ相応の……はず。

 

しかし__

 

 

「いえ、それは無理でしょう」

 

「!」

 

「貴方はあくまで色彩の影響を受けて恐怖に反転した末路です。それに…人が色彩として扱われるならばもっと【崇高】に至る。そのためには恐怖を理解し、または解釈し、もしくは恐怖を恐怖として扱わず、新たな意味として解釈し、その箱庭で受け入れられるように【正当化】を済ませた者のみが許される証。中務さんは砕け散らずにテラーのまま戻ってこれましたが、しかしそれは、それだけの話です」

 

「っ…」

 

 

 

わたしは変わるほどのモノが内側にない。

 

だから色が落ちた程度で済んだ。

 

空気の入ってない風船。

 

だから破裂することもなく色褪せただけ。

 

なら枯れ切った私に色彩としての価値は無い。

 

それは、その通りなんだ…

 

 

 

 

 

 

「じゃあ、わたしは何のために…戻って…」

 

 

 

 

 

 

 

___その、刹那。

 

キヴォトスの宇宙が揺れた。

 

 

 

「!?」

 

「え?なに?」

 

「これは…」

 

 

 

それぞれ反応を示す。

 

要塞都市が揺れるなんて相当だ。

 

すると。

 

 

 

『エイミ聞こえる!?今すぐモニターを見て!要塞都市の外が…いえ!キヴォトスの彼方(カナタ)に見える別の光!アレはこの世界にない色彩の光です!!』

 

 

「「「 !!、?? 」」」

 

 

 

恐怖に染まった空に。一瞬の光。

 

それは一眼見て違うモノだと誰もが悟り。

 

同時に___懐かしさを感じ取る。

 

 

 

 

そう、たしかアレは…

 

___とある人の背中と同じだ。

 

 

 

 

それは安心感だったり。

 

それは使命感だったり。

 

似たものが脳裏に駆け巡る。

 

 

 

ああ___何故だか、知っている。

 

これは___生徒だからこその既視感だ。

 

 

 

 

「せん…せい…?」

 

「せん、せぇ……」

 

『せ…ん…せい…』

 

 

 

わたしは確かめるように呟き、隣にいるミレニアムの彼女は震えたように声をこぼし、通信からも私達と似たような感情の声が届く。

 

そして、この部屋にはいない残っているキヴォトスの生徒も同じように、今この瞬間、キヴォトスの彼方に輝いた光を見て「大人(せんせい)」と言葉を溢していた。

 

 

 

 

「ふむ……これは………なるほど…」

 

 

観測者だからこそ黒服は理解があったかのように確信的に頷く。

 

照らし合わせは、この時点で終えたらしい。

 

 

それは私達も同じ。

 

同じだ。

 

無条件で、分かってしまった。

 

 

 

 

 

「ッ!」

 

 

 

 

 

もう____アレが【解】だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「行くんだね」

 

「はい。影響が少ないのは一度裏返ってしまった私だけですから。黒服さんがそう言ってましたので」

 

「そっか……強いんだね、キリノちゃんは」

 

「いえ。本官は和泉元さんみたいにもっと頭が回って、それでいて上手に戦える。そんなキヴォトス人でありたかったです」

 

「でも今こうして砂粒一つの可能性を生み出せたのはキリノちゃんが居たからだよ。クラフトチェンバーの謎も。恐怖に裏返っても砕け散らなかった意味も。今こうして先生を助けられるかもしれないのはキリノちゃんが初の当番生徒として先生の募集を受けたから。それは間違いなくこの瞬間に現れているよ」

 

「なら、本官のような者でも良かったと、警察バッジは無くしましたが胸は張れそうです」

 

「うん、そっか………キリノちゃん」

 

「はい?」

 

「ありがとう」

 

「!……いえ、自己犠牲で成り立たせることしかできない本官に礼は不要です」

 

 

転送装置が作動する。

 

過去ゲマトリアにいたとある大人が崇高に至るため色彩を呼び寄せようとしたらしく、その仕組みを応用してミレニアムの技術で開発した転送装置だ。

 

 

しかし、これは片道切符だ。

 

何故なら__

 

 

 

「その手錠、壊れたら動かなくなるから大事に持っててね。唯一の転送装置だから」

 

「はい。この手錠に色彩を嵌めて、それでそちらに送り込む、ですよね?」

 

「……正直、これは賭けだよ。色彩がマンモスのようなサイズだったり、コチラの想定よりも上回る性質だったら手錠如きではどうにもならない。かと言って大型の装置も送れない。だから手錠のサイズで精一杯。けど黒服が言うには…」

 

「アレは人の可能性が高い。そして色彩ならばソレを模った証を掲げているはず。もし可能ならばそれを……獲る」

 

 

わたしはこれからあの光を目指す。

 

あの光の元に飛び、色彩を手に入れる。

 

だかそれは、つまり…

 

 

 

「私達は助かるために、今から何かを奪う」

 

「…」

 

 

世界の滅びを止めるために、未だ眠りにつく先生を助けるために、私達はこの世界にない光を摘み取りに行く。それは場合によっては…

 

 

____奪い取りに行くんだ。

 

 

 

「けれど……いえ、それでもと言うべきだね。あの光が私達に知らせるように都合よく到来したと言うのなら、その光に応える権利も私達にある……と、惨たらしく正当化させてあの光に挑む。キリノちゃん。普段捕まえる側の警察の貴方には酷な役割になるね…」

 

「それでも……私にしかできない役割というのでしたら、もう…この世界はそれしかないです」

 

 

そして転送装置は動き出す。

 

光が見えた異質な座標に。

 

そこに今から目指す。

 

ホドの演算能力もある。

 

だから数字自体に信頼性はある。

 

だからうまく行くはず。

 

 

 

「この【責任】は私が全て背負います」

 

「!」

 

「それが一番最初に先生の募集に応じたシャーレ一番目の当番係です。ならばその入り口になること本官が勤めを果たします。だから和泉元さん。ここからは本官にお任せを。キヴォトスの市民はヴァルキューレだった私が必ずお救いしますから」

 

「キリノ…っ!」

 

 

 

光が私を包み込む。

 

反転したからこそ耐え切れる権利として。

 

 

でも、心にある痛みは耐えれるか。

 

だって、もう…

 

この先は…

 

 

 

 

 

「さようなら、先生」

 

 

 

 

 

そう願いを託して中務キリノは飛び込む。

 

小を切り捨て、大を救う。

 

それを体現するようにトロッコへ投じる。

 

もう外さない拳銃を腰に手を備えて。

 

寂れた箱庭を揺らした、光を求めるために。

 

 

 

 

「必ずッッ本官が【色彩】をこの錠にッ…!」

 

 

 

 

 

 

怯え切った身体(きょうふ)を引きずり。

 

しかし役割のために、心を【責任】で灯す。

 

外から捉えた正当化の光を求めるがため。

 

滅びゆく世界を背にして、私は急いだ。

 

それが片道切符による終着点だとしても。

 

折れた天使の羽で堕ちるがままに…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

でも、世界はそんなに都合良くない。

 

この反則行為を用いたとしても。

 

その正当化の色彩は甘くなかったんだ。

 

 

 

 

 

「飛雷神斬り!!」

 

「がぁっ!…はっ…」

 

 

 

 

 

 

私は色彩を持ち帰れない。

 

 

責任を背負うことすらも許されない。

 

 

罪悪感と共に冷たく沈みゆく。

 

 

 

 

 

 

「せ……ん…せ……ぃ…」

 

 

 

 

結局____嗚呼、結局…

 

中務キリノはこの程度だ。

 

 

 

 

 

ごめんなさい……

 

みんな…………

 

先生……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

♦︎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ひそひそ、寝てるわよ」

「ひそひそ、ぐっすりね」

「ひそひそ、可愛いわね」

「ひそひそ、羨ましいわ」

 

 

 

何かヒソヒソ声が聞こえるが無視する。

 

 

 

「にぁぉぉ…ごろごろ…」

 

「あぁい、あぁい…ごめんて………」

 

俺の膝下で勝手に寛いでいる猫の首筋を掻くように指で撫でてあげる。

 

そんな俺は訓練後の昼寝として連邦ちゃんが残してくれた人をダメにするクッションに背中を預けてくつろぎ中である。

 

ちなみに膝の上の猫は元野良猫だ。

 

訓練中に巻き込んでしまったところを保護したのが始まり。そしてそのまま居着いた。

 

それで現在は看板猫と化してこのエントランスに居座り、SRT隊員の癒し枠として人気中。

 

モフられ放題だ。

俺にもよく懐いてくれてる。

 

ちなみに俺の同期の猫耳っ子が「カナタん取られたー!」と叫んではフシャー!と威嚇したがこの看板猫ちゃんはスルー。

 

元野良猫だけあって強かやね。

 

 

 

「猫ちゃんも可愛いけど、それを膝の上に乗せて寝るリーダーも可愛くね?」

 

「それな!めっちゃ萌える!」

 

「ねー!いつもキリッとしてるリーダーが猫ちゃん乗っけて寝るのギャップもえ〜」

 

「やっぱカナタんしか勝たんな!」

 

 

 

「おめぇーらぁ、きこぉえてぇるぞぉー」

 

 

 

「「わー!?」」

「「くすくす!ごめーんねっ!」」

 

 

半分寝てるので声も威厳も半分。

 

なので気の抜けた返事だ。

 

 

くそぉぉ…

 

こう言う時は好き勝手言いやがって。

 

 

まあもう慣れたことだけど。

 

 

あー、でも。

 

あまりだらしないと二期生に示しが付か__

 

 

 

「わ、私達のリーダーは推せますね!」

「うんうん!それな!」

「ちゃんの肩の力抜いてるの見ると…ね?」

「だよね、安心しちゃう」

「猫ちゃん良いなー」

 

 

 

あー、うん。

 

手遅れだった。

 

じゃあもう良いや。

 

勝手にアイドルホースにしてろ。

 

でも訓練中と任務中。

その時はちゃんとする。

 

それ以外は学生であることを忘れない。

 

そう言ったの俺だもんな。うん。

 

 

 

「随分とお寛ぎね、リーダー」

 

「んぁ?…あー、ウリエか」

 

「ハーブティー、飲むかしら?」

 

「冷ましてくれてるのか。なら頂こう」

 

 

 

お行儀が悪いが、膝上の看板猫を起こしたく無いのでクッションに背中を預けたまま首だけは少しだけ起こしてハーブティーを頂く。爽やかな香りで少し目が覚めた。

 

 

「前日、大変だったわね」

 

「それな。急な襲撃犯だったし。非番中くらい平和を維持させてくれと愚痴りたくもなる」

 

「でもその襲撃犯、ヴァルキューレに引き渡さずSRTに連れて帰ってきたわね……もしかしてまたアリウス?」

 

「勘弁してくれ。もうアリウス関連はお腹いっぱいだが。去年時点で終わった。なんなら元アリウス生徒も半分以上が学生復帰目指して外に出てるから。彼女達は順調だよ」

 

「みたいね。けれど一個小隊のアリウス残党がキヴォトスのどこかに逃げてるの不安要素の一つね。見かけ次第ヴァルキューレと連携してSRTも動くことになっているわ」

 

「求心力を失っちまった残党だからそう動けないとは思うけどな。とっとと仮初の復讐心なんか捨てて表世界で二度目始めりゃええのに…」

 

「にゃぁぁ…」

 

「例えば元野良のコイツみたいにな」

 

「ふふっ、随分と懐いてるわね」

 

「可愛いよなぁ、猫」

 

「トリニティも猫愛好家は多いわよ」

 

 

ハーブティーを飲み切ってウリエに渡す。

 

それから再び目を閉ざして眠りに着こうとした時だ、少しだけ慌てた足音が意識を覚ます。

 

 

 

「リーダー!先ほど、前日の襲撃犯が目を覚ましました!」

 

 

 

その報告を受けて頭のヘイローがいくつかチカッと光り、意識は完全に目覚めた。

 

 

 

「悪いが、お昼寝タイムはここまでだ」

 

「にぁぉぉ?」

 

 

抱き上げてクッションの上に看板猫を下ろす。

 

それから背を伸ばして立ち上がり、首の骨を少し鳴らしながらくつろぎエリアから降り、靴を履いて応える。

 

 

 

 

「報告ありがとう。今から向かう」

 

「は、はい!」

 

 

 

 

 

さて___何者かな、ソイツは。

 

 

ただならぬナニカなのは確か。

 

普通とは言い難いイレギュラーの人。

 

それは俺と相応か、また別枠なのか。

 

戦いだけでは断定できないあの異常性。

 

治療室に繋いでる少女の元まで歩き。

 

その答えを探る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺の色彩?ええよ、一つ位ならやるよ」

 

 

「………………ふぇ??

 

 

 

 

それは非常に間抜け面な襲撃者だった。

 

 

 

 

つづく







Q_ 二度と戻れない片道切符だとしても先生のため命賭けて色彩を持ち帰ろうと覚悟決めたのに襲いかかった事情を話たらすんなりと色彩を渡してくれたスパダリ君に対して現在のキリノちゃんの気持ちを答えよ。


A_ チーズ蒸しパンになりたい。





ちなみにキリノ*テラー側の世界は『プレ先』とは関係ないが地下生活者の勝利ルートは変わらず、肉体の限界を試された先生は意識不明の重症。結果としてアビドスは救えず反転したホシノによってキヴォトスは恐怖の連鎖によって飲まれた。あとはゆっくり滅ぶだけ。しかしこの世界でイレギュラーだったのは中務キリノが先生にとっての特別であり、先生の意識はシッテムの箱の中で無事あり、何より月雪カナタの正当化の光が別の世界線まで届いちまったこと。ほんまコイツさぁ。


つまりヒヨリの時と同じね。
キリノだからこそ世界の流れを変えた。
これはそう言うこと。
先生初の【金色封筒】はそれだけの価値だった。


じゃぁな!
またな!
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