なんか俺のヘイロー砕けてね?   作:つヴぁるnet

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第41話

 

 

 

 

 

 

__月雪さんっ!!マエストロさんっ!!本官は貴方達を忘れません!!絶対に忘れることはありません!!だからっ!!ほんとうに!!本当にっ!!沢山をありがとうございました!!

 

 

 

バシリカにあるステンドグラスが見えるその下で外套を放り投げたキリノは俺とマエストロを抱きしめて、感謝を告げる。

 

短くも、分厚い刻を共にしたからこそ、彼女は別れを惜しんでくれる。

 

涙を流してくれる。

 

無論、俺もここに寂しさを感じている。

 

 

 

__あくまで私達は都合の良い予告編としてこの世界のプロローグを案内する舞台装置に過ぎない扱いだ。しかし堕ち征くだけと思われた片道切符のストーリーテラーは灰色に終えない快作だった。私はそこに携わる事が出来たことに感謝を告げたい。そしてどうか。貴女達に溢れんばかりのアーカイブが彩られる事を私は密やかに祈っておこう。

 

さらばだ__中務キリノ。

偽りのなき純粋たる色纏い。

貴女も__崇高に至れる成功者だった。

 

 

 

 

此度、裏方ではなく舞台本編に介入してしまった三流芸術家のマエストロだが、しかし終わりを得た先でその様子に後悔はなく、このインスピレーションを存分に愉しんだものとして受け取り、同時に同じ舞台を踏み締めた中務キリノに敬意を払う。

 

そしてバシリカのステンドグラスを解釈し、俺の神秘を引き出す。この世界から去る時。

 

目の前には中務キリノ。その目元に涙を溜めながらも元ヴァルキューレ警察として正しく敬礼した彼女の姿を最後に目にしながら、俺達は元の世界に到来する。

 

そして途中に見える、この世界を。

 

 

 

 

__透明な空だな、マエストロ。

 

 

__幾らでも色付けられる、キャンパスか。

 

 

 

 

灰色の空はネクストタイトルを迎えたことで透明に澄んだ青空に色変わり、近所迷惑な子供部屋から始まった世界規模の騒動は終わりを告げてくれた。

 

しかし色落ちたことで崩壊したモノは多く、それらを元の形に戻すのに幾度なく時間をかけるだろう。だが救世主とそこに集う生徒達がまだ箱庭にいる。ならば乗り越えられるはず。

 

 

彼らは___約束された勝利者達だから。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、俺たちは戻ってきた。

 

無事にバシリカの場所まで。

 

 

 

「助かったマエストロ、ありがとう」

 

「礼は不要だ。この身は芸術家としての本懐を忘れ、舞台に躍り出てしまった迷惑客だった。むしろ礼を告げるのはこちらの方だ。貴殿の溢れんばかりのストーリーテラーを特等席へと招いてくれた事に多大なる感謝を告げたい」

 

 

カタコンベを出ながらマエストロ感謝を告げると少しだけ汚れたタキシードを揺らしながら胸元に手を置き、腰を曲げて礼をする芸術家。

 

こういうところはしっかりと大人として礼節を通す姿に俺は小さく笑う。

 

 

「?」

 

 

するとそのタイミングで保留されていたメッセージを携帯端末が一斉に受け取ったのか腰からピロンピロンと連続で音が鳴る。通知は仲間からか。それともクーポンのメールか。まあ色々とだろう。数日分の喧しさ。

 

 

 

「じゃあ、この辺でな」

 

「さらばだ、また相見えよう…」

 

 

 

 

俺はマエストロとカタコンベの入り口で別れを告げるとD.U.シラトリ区まで歩みを進める。

 

マエストロも俺に別れを告げると道外れた場所に歩き出し、その気配は直ぐに消え去った。

 

恐らくゲマトリアの方に戻ったか。

 

 

 

「……地下生活者、か」

 

 

 

この世界では間違いなく生きている。

 

だからマエストロを通してゲマトリアに警告する事にした。

 

無論、地下生活者だけに対する警告じゃない。

ゲマトリアという、その者たちに対して。

 

 

__あまりこの箱舟で余計な事をするな。

さもなくば組織ごと正当化することになる。

 

 

脅迫変わりないこの警告メッセージに対してゲマトリアのリーダーに位置するだろう奇妙な大人、あの世界で命名されていた『黒服』とやらはどう対応を取るのかはわからない。

 

だが、今回の件を通してあの独りよがった結末を俺は許さないと再度心に決める。

 

ベアトリーチェの時のように…悪い大人に対してこの身は躊躇わない事を改めて牽制する。

 

マエストロはそれを仲間に伝えるだろう。

 

 

 

「…」

 

 

マエストロは今回とても頼りになる協力者であった。更に言えば今回の件は彼のおかげで打破できた事は多く、キーマン的な扱いだった。

 

 

しかし__心を許しきった訳ではない。

 

 

幾らか寄せられる信頼はある。しかしそれでもまだ警戒の対象である。何より俺を通して得てきたインスピレーションは芸術家としての力を増やした事になる。今も油断できない相手として俺は睨む。何せ奴は大人。

 

場合によってはこの先どこかで対立する事だってあるかもしれない。アイツらは良くも悪くも手段を選ばない探究心に生を費やす奴らだ。

 

ならばこの箱舟だって結果的に食い物にされてしまう未来もあり得る。

 

もし、それが訪れる、その時は…

 

 

 

 

「この俺が相手になる」

 

 

 

琥珀色と錆色それぞれを彩らせる砕け散った10個のヘイロー、月雪カナタとしての象徴を頭の上で回しながら改めてこの身体に役割を追加する。

 

俺はあの先生のように救世主たる存在になるつもりはないが、しかし大人が子供の未来を奪うような結末は絶対に許さない。絶対にだ。

 

 

 

 

ペロロン♪

 

 

 

「んん?? この通知音は、たしか…」

 

 

 

すこし変わった通知が携帯から鳴る。

 

しかし、そう設定したのは俺である。

 

森から街に出ながら、携帯を開く。

 

そしてメッセージを確認した。

 

お相手は……ふむ、なるほど。

 

 

 

 

「ちょうどトリニティだから、寄るか…」

 

 

このままSRT特殊学園に真っ直ぐ帰還と思っていたが、ちょいと予定変更だな。

 

久しぶりに会っておきたい人達がいる。

あの5人は元気だろうか??

 

 

 

「お土産の一つは持って…と、思ったが一つだけじゃ足りなそうだな。内一人は非常に図々しいかつ食いっ気だから多めに買って行くか…」

 

 

そう考えた俺はトリニティの街中にあるスイーツ店を探す事にした。

 

どうせならホールケーキにするか?

 

トリニティほどでかい街なら都合よく売っている店はあるはず。

 

そんな事を考えながらトリニティの歩き慣れない街を巡っていると…

 

 

 

「?」

 

 

何やら進行方向から騒がしい音。

 

キヴォトスらしく銃撃戦か?

…なんだかホッとするな。

 

何せ、この数日間あの灰色の世界では9割以上のキヴォトス人が消えてしまったせいで銃撃戦なんか起きず、学校の呼び鈴だけが街中に響き渡る不気味な雰囲気にいた。あれはまぁ怖かった。

 

しかしコチラに戻ってくれば銃撃やら爆発やらでドンパチ賑やかなキヴォトスクオリティーが響き渡る。

 

なんというか実家のような安心感。

弾丸はあまり安心できないけど。

 

ヘイローでダメージを浮かせられるからと言っていつまでも無敵とは限らないし。限界もある。

 

そうやってこのドンパチ賑やかな空気に懐かしんでいると、奥の曲がり角から黒いパーカーを揺らした一人の生徒が飛び出してきた。

 

しかも知っている生徒だ。

 

 

「!」

 

 

するとそのトリニティ生徒は両手に銃を握りしめながら口でマカロンを上に放り投げ、再度口の中にパクりと収めると途中ある障害物を飛び越えて爽快に走り出す。そしてスライディングしながらベンチに隠れてリロードする。

 

ほー??

 

数年前は百鬼夜行の箱入り娘に遅れを取っていた上に、その後の水上戦でも目立った活躍無く終えた不良娘かと思ったが、一連の動作を見る限り中々やる子みたいだ。不良だけあって流石に場数は多い。

 

 

まあ、とりあえず…

 

 

 

「よ、久しいな、杏山パスタ」

 

「キャスパ、だぁ!…って、カナタぁ!?」

 

 

俺の姿に驚くのは杏山カズサ。

 

ペロロジラvsペロゴリラvsダークライの映画を一緒に観た以来か。

 

数週間ぶりのエンカウントである。

 

 

 

「てか、なんでアンタがこんなところに!?」

 

「ちょいと近場で、遠方な用事があってね」

 

「近場で、遠方…?は、はぁ??」

 

「いやなに。VIPのみ視聴可能とした映画の予告編を楽しんできたんだ。いやー、カズサにも見せたかったなぁ。シン・ペロロジラ」

 

 

コイツは一体何言ってんだ…??と呆れたようにジト目になるカズサ。

 

いや、嘘じゃねえぞ?

セトの憤怒を舞台装置にした最高傑作だし。

 

内閣総辞職ビーム、もとい、憤怒鎮圧ビーム。

 

テーマパークの窓ガラス全部吹き飛んだぞ。

 

めちゃくちゃ(ヘリコプターが)揺れて臨場感半端なかった。

 

 

 

「まったく意味がわからんけど…とりあえずカナタは邪魔になるからあっちに行け!その…巻き込まれる、から!」

 

「わかったよ」

 

 

キャスパリーグの喧嘩(?)に巻き込むまいと離れるように促してくれたのでおとなしく離れる事にする。

 

不良の真似事してるけど根は優しいなこの娘。

 

 

 

「いた!キャスパリーグだ!」

「こっちだ!見つけたぞ!!」

「オラオラ!!コイツぁくらえやぁぁ!!」

 

 

そうしてカズサを追いかけてきた不良達なのだが、その内1人が何かを構える。

 

 

よく見ると砲塔が大きな兵器。

 

ロケットランチャーという武器だろう。

 

 

 

……は??

まさかこの街中でぶっ放す気か??

 

 

 

「おらぁぁああっ!!」

 

 

「!?」

 

 

 

うわっ、アイツまじで撃ちやがった!?

 

アホだろ!?

 

党派同士の抗争ならともかく小娘一人相手に流石にそれはやり過ぎだろ!!

 

 

「きゃっ!?」

「え、うそっ!?」

「何やってんのよ!?」

 

 

周りにいるキヴォトス人たちは目を見開く。

 

それはそうだろう。

 

屋外ならともかく街中で撃つんだ。

 

それも一人の小娘を仕留めるために。

 

ちぃ…!(ロンド・ベル並の舌打ち)

 

 

 

「そんなの街中で撃つんじゃねぇ!」

 

「!?」

 

 

俺は頭のヘイローを一つ掴み取ると街の真上に投げる。それから手元に神秘を纏わせながらロケットランチャーに踏み出し、手を伸ばす。

 

 

 

「カナタぁ!?」

 

 

後ろからカズサの声が聞こえる。

 

しかしロケット弾を相手にまっすぐ突貫。

 

自ら当たりに行くそれは自殺行為に等しい。

 

が、俺は躊躇わずに踏み込む。

 

…そして。

 

指先がロケットランチャーに触れた。

 

 

 

「飛雷神ッッ!!」

 

 

「!?!?」

 

 

 

街中から俺とロケット弾が消える。

 

すると街の上空に俺は躍り出た。

 

それは指先に触れたロケット弾ごと、そこに浮き出る。

 

 

 

「環境を考えろ!」

 

 

手のひらでロケットを滑らせるように動かして軌道を上に受け流す。

 

そして腰からハンドガンを取り出すと空中落下のまま銃口を合わせたロケット弾を狙撃。

 

鋭く放たれる貫通属性の弾丸。

それはカン!とロケット弾に直撃し。

 

 

 

ドガァァァーーーン!!

 

 

 

 

トリニティの街の上で季節早めの花火が打ち上がった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「たかが喧嘩でロケット弾を使うとかお前らトリカスもええところやぞ!わかってのかぁ!?」

 

「「「ずみまぜんでじだぁ…」」」

 

 

ボコボコにされて正座をする3人の不良。

 

SRTとして見逃せない過剰な攻撃だったのでカズサの喧嘩に介入してフルボッコ。

 

最初は「なに邪魔してんだテメェ!」と怒り向けられたが、ポケットからSRTのパスポートを取り出して所属先を見せつける。

 

すると3人の内の1人がSRTの存在を知っていたのか一気に青ざめる。

 

敵わない…と。

 

まあ青ざめたところで許す気はないので鎮圧を目的として武力介入を行い、それで不良3人を叩き伏せた。警棒でポコポコした。

 

それから街中まで駆けつけた正義実現委員会に不良達を引き渡し、ロケット弾の説明した。

 

どうやら格納庫から盗んだらしい。

 

キャスパリーグを潰すためだけに。

 

 

 

「はぁ、良くも悪くもキヴォトスだな…」

 

 

正義実現委員会に補導される不良達を眺めながら俺はため息を吐く。

 

とりあえずSRTとしての介入はここまでにしてあとはトリニティ側に任せるとしよう。

 

さて、お土産探すか……の、前に。

 

 

 

「カズサ、悪いな。手を出して」

 

「あ、うん、だいじょうぶ、です…」

 

「どうした?急に敬語になってよ」

 

「いや、その…まぁ……なんというかさ…SNS通して知ってたけどカナタって、ちゃんとSRTとしてめちゃくちゃ強いんだな、って…」

 

「まあ、弱いつもりはないな」

 

「……それで、いてさ…」

 

「?」

 

「ちゃんと強いまま…さ?好きな事とかしているし…あと、その…ともだち…とかも、ちゃんといて、カナタは謳歌しているんだな…ってさ…」

 

「なんだ、そんなことか。別に強い弱いとか関係無しにできる事だろ?」

 

………そう…かな…

 

「そりゃスタート地点によっては求めている事に対して難易度は幾分か高くなるし、理想から離れて行くかもしれないが、でも進路変更できる意志と覚悟があるならば誰だって可能だ。少なくともカズサの知り合いの宇沢レイサはそう努力して、過去に百鬼夜行まで道場破りしに来てくれたよ。最後は写真も撮った」

 

「!!」

 

 

杏山カズサにとって宇沢レイサはそれなりに意識している相手みたいなので例えとして出してみた。するとカズサも思い当たる部分があるのか目を見開き、少しだけ考え込む。

 

 

 

「なんか思い描くことでもあるのか?」

 

「別に……カナタには関係ない、から」

 

「そうかい。まあ時間を掛けていきな。生きている限り消化はできる。ああもちろん何かあったら相談に乗る。その時はパスタ専門店でも連れて行ってやるよ、杏山パスタ」

 

「なっ…!また隙あらばパスタって!バカにするな!って!おいコラ!こっち向け!無視すんなぁ!カナタァー!」

 

 

猫耳をピンを逆立てながらフシャー!と怒るカズサを背にひらひらと手を振りながらその場を去る。しばらく彼女の怒鳴り声が背から聞こえたけど放置プレイ。今は優先すべきお相手がいるのでね。さて…

 

 

 

「ホールケーキも良いけど、手軽なヤツも捨てがたいな。それならシュークリームか?」

 

 

 

歩き慣れない街中だが、とりあえずそれらしい店を探せば良いかと適当に歩いていると持ち帰り専門のスイーツ店を見つけた。

 

ガラスケースの中を覗けばシュークリームなりロールケーキなり色々ジャンルが多い。

 

 

 

「甘さの数だけ形も多いな」

 

「それもまたスイーツの哲学なのだよ」

 

「ほー、それはなるほど。しかし哲学ばかり唱えてると糖分が欲しくなるんじゃないか?」

 

「それはその通り。だから糖分を摂り、頭が回復したら哲学を唱え、足りなくなったら糖分を摂り、また頭が回復したら糖分を摂る…おお!もしや永久機関ができちまったか…!」

 

 

ガラスケースの中を覗いてるとなんか知らんが自称スイーツの哲学者を名乗るトリニティ生徒と同じ店で出会い、スイーツに詳しそうなので色々とアドバイスを貰い一通り購入。

 

アドバイスをくれたお礼に好きなスイーツを一つ買ってあげると目を椎茸のようにキラキラさせながら「親切な甘々お兄さんに敬礼!」と調子良さげに頭にビシッと敬礼したあと、背中の大型シールドを揺らしながら街奥に消えて行く。

 

おもしれー女。

 

 

てか、名前なんだっけ?

 

 

春だっけ?

 

秋だっけ?

 

冬だっけ?

 

 

 

「何故そこで(ナツ)を外しおる…!?甘々と思ったら苦々系男子だったか…!ぐぬぬ…これも人生は甘いだけではないというお告げ…!ガッデム!!」

 

 

 

なんか戻ってきた。

 

コイツおもしれー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「その、わざわざ済まないな…」

 

「気にするな。勝手に様子を見に来て、勝手に持ってきただけだからな」

 

 

 

うんぁぁぁんん!おいひぃぃですぅぅ!!

 

「もう、喉詰まらせるよ…」

 

「ふふっ、美味しいね」

 

「ふむ、これは中々…」

 

 

テーブルに広げたお土産に手を伸ばすのは元アリウス生徒であるスクワッドメンバー。

 

ヒヨリ、ミサキ、アツコ、アズサ。

 

リーダーのサオリは小皿をいくつか持ってくると4人を見守るように少し離れた場所に座る。

 

俺の分も持ってきてくれた。

 

 

 

「トリニティまで仕事でもあったのか?」

 

「仕事…まぁ表面上は出張扱いだし、仕事みたいなもんだな。うん。とりあえず無事に終わったのでシラトリ区に帰ろうと思ってたらヒヨリからメッセージを受けててな。それで顔を出そうと考えて来ただけだ」

 

「そうか。仕事帰りにすまないな、ヒヨリが」

 

「全然構わないよ。お元気ですか?ってわざわざメッセージくれたんだ。近くで寄れるなら顔くらい出すさ。お、これうまいな」

 

 

自称スイーツの哲学者がおすすめしてくれたシュークリームは確かに美味しい。

 

帰ったらウリエにこの店聞いてみるか。

 

元トリニティ生徒のウリエが太鼓判押してくれるなら来た時にリピートだな。

 

間違いないだろうし。

 

 

 

「なんか、雰囲気変わったな、サオリ」

 

「ふ、雰囲気…か?」

 

「ああ。肌色良くなった…と、言ったら栄養状態のことを指してしまうと思うが、俺が言いたいのは何というか…肌の手入れに力が入ってるというべきか?こう色々と綺麗になったな」

 

「!」

 

 

サオリは目を見開く。

 

すると聞き耳を立てていたアツコがふんわりと笑いながら麦茶を持ってきて答える。

 

 

 

「ふふっ、あのねカナタ。サッちゃんはとあるお友達ができてね。それでそのお友達のお陰でお化粧とかするようになったんだ」

 

「ア、アツコ!」

 

「へー、なるほど。そりゃ良い」

 

「カ、カナタ!その…あまり、揶揄うな…」

 

「ふふっ。でも本当に綺麗になったよ。あと数年したらサッちゃんはモデルさんって感じになるかもね」

 

「あー、わかる。確かにこの中で背が高いし、既にモデル体型に近いサオリなら将来的にもあり得るかもな」

 

「!?…べ、別にそういうのは…いい!その…わたしはあまり、そういった難しいことはわからないから……そう、変に備えたくはない…」

 

 

シュークリームを口元に押し込むことでサオリは言葉を止めて否定する。アツコは揶揄いすぎたと思い「ふふっ、ごめんね」と笑いながら俺の分の麦茶を渡すとヒヨリ達がいる元の席に戻っていく。強かな娘だ。

 

 

「ところで…住み心地は悪くないか?」

 

「住み心地か?それなら特に不自由はしていることはない。あの場所とは違って、綺麗な水も出て、お湯で体も清められて、夜は寒くなくて、柔らかい床の上で眠れる……最初はすごく慣れなかったが…」

 

「それはよかった。なら勉強の方はどうだ?」

 

「それも充実している。学生としてこれまで出来なかった勉強を頑張っている。もちろん私も頑張っている。最近は分数とやらに挑戦しているところだ。ヒヨリはまだ割り算も怪しいところだが頑張っている。そういやアズサは二次関数とやらに触れていたな」

 

「へ?二次関数?マジで?この一年間でか?勉強意欲が高いのは知っていたがもうそこまで手を付けるか…」

 

「ペロロ好きの友達から教えてもらって、それで勉強が進んだらしい」

 

「あー、ペロロ好きってことはアイツか。ヒフミか。なるほど。まあ堅実なあの子なら勉強を教えるのも上手そうだな。ほーん…この調子なら来年には因数分解とかも終わってそうだな」

 

「アズサは高等部になったらトリニティ総合学園に入りたいと言ってる。だからそのために勉強を頑張っている。ヒフミという子と共に学園を通いたいって、夢を抱いているんだ」

 

「そうか。立派だな…」

 

「ああ…」

 

 

絶望せず、虚しさに溺れず、ヒヨリと同じように明日を待っていた、アズサはそんな少女だ。

 

 

 

「む、それを言ったらサオリもトリニティ総合学園に行くのではないのか?それで将来的に()()()()()するという話ではないのか?」

 

「!」

 

 

話をすればなんとやら。テーブルいっぱいに並べてあったスイーツを追加で持ってきてくれたアズサ。よくみるとモモフレンズのキャラクターがプリントされたTシャツを揺らしながらお皿を渡してくれる。

 

 

 

「なに?エスコート?と、言うよりサオリもトリニティに行くのか?」

 

「っ!いや、それは…」

 

「ああ。サオリも私とトリニティに行く」

 

「ア、アズサ…!」

 

「カナタ、サオリの友達はめちゃくちゃ強いらしい。それでトリニティ総合学園に入学すると家柄の関係で…たしかパテル?って分派に招かれる。そうなると…」

 

「あー、なるほどね。アズサの言いたいことはわかった。主に実力主義で序列が決まるパテル派に招かれると将来的にティーパーティになるんだろ?それでサオリにはエスコートという名の【側近】を務めて欲しい…言わばティーパーティの近衛兵(ガード)として共にいて欲しいという友情告白だろ?へー、なるほどな」

 

「いや、その話は……まだ、私は…」

 

「サオリは強い。なら側近とやらになれる。友達のためにならないのか?わたしはヒフミと一緒にいたいからトリニティ総合学園に行く。友達のためなら何にもおかしくない筈だ」

 

 

と、アズサは豪語しながらスイーツを載せたお皿を持ってしれっと俺の膝の上に座り、久しぶりの定位置に「むふー!」と満足そうにしながらスイーツを頬張る。

 

俺もアズサの持ってきたスイーツに手を伸ばしてアズサから貰う。あと羽柔らけぇ。こちらも手入れが進んでいるな。表の生活に慣れてくれてホッとする。

 

 

 

「ふふっ、カナタは背が高いな。小さなわたしは膝上にすっぽりだ」

 

「アズサはもう二次関数の数学に手を出してるってな?意欲が高いのはかまわないが勉強ばかりやって遊び方がわからないとかになるなよ?」

 

「ヒフミが色々教えてくれる。だから大丈夫だ。前なんかブラックマーケットとやらまで遊びに行ったからな」

 

「ごほっ!?」

 

 

 

はぁ??ヒフミぃぃい??

 

おまっ…普通女の子のお前が何やってんの??

 

え?ブラックマーケット??

 

君が? 彼女が?

 

無害そうなあの阿慈谷ヒフミが??

 

な、何かの間違いだろ??

 

嘘だ……

僕を騙そうとしている……

 

 

 

「しかしブラックマーケットはトリニティよりも銃声がやかましかった。久しぶりに弾倉を二つも使ってしまった」

 

 

あ、これはダウトですね。

 

マジでブラックマーケットに行ってやがる。

 

一応アズサがいるから戦力的には大丈夫だと思うけどトリニティの令嬢がブラックマーケットなんかに遊びに行くなよ。

 

おじさん心配なるわ。

 

トリニティ生徒は身代金高い判定だし。

 

狙われて捕まるぞ。

 

 

 

「アズサ、ヒフミにブラックマーケットまで遊びに行くなと伝えてくれ。あそこはダメ」

 

「む、そうなのか?確かにトリニティよりは危険な空気だったが…」

 

「もし友達として止めれなかったら当分は膝の上は禁止な」

 

「っ!?そ、それは困る……いやだ…」

 

「じゃあ止めるんだよ友達のために。何かあったらトリニティに入学出来なくなるかもしれないから」

 

「それは…膝の上禁止より困るな…」

 

 

するとアズサは膝から降りると携帯端末を取り出してリビングを出る。

 

もうヒフミに伝えるらしい。

__判断が早い…!

 

 

 

 

「友達の……ため…か」

 

 

するとサオリはスイーツを手に持ったまま視線を下ろして考える。

 

 

「…カナタ」

 

「なんだ?」

 

「わたしは…良いんだろうか」

 

「何が?」

 

「こんなわたしが…あんな場所から…虚しさを引きずっていたわたしなんか、が……友と…トリニティに…」

 

「関係無いな。行けよ」

 

「!……即答なんだな…」

 

「当たり前だ。過去がなんだ。今のサオリには等しく生徒としての権利がある。なら行って友達のために友達して来い。かく言う俺もそれに近しい気持ちがあってSRT特殊学園に編入したし、それに…」

 

「?」

 

「SRTにいたからこそ、お前らを助けられた」

 

「!!!」

 

 

言うことは結果論だけど、でも俺はあの場所に居たからこそ、このストーリーテラーがあると考える。

 

アリウスの事だって、つい前日までのテラーワールドの事だって、今があるから巡り合った。

 

もちろんSRTに行かず、百鬼夜行のままならそこで何か起きて、これまでの追憶は無かったと思う。でもこれは選択。

 

結果論を紡いでも「これで良かった」と現在進行形で言える気持ちと、そうなれたら良いなと願える未来予想図は、少なくとも素敵な理想主義だろう。キヴォトスの生徒であるサオリにはその権利は大いにある。てか俺がこの子供にそうさせたい。

 

 

 

「誰かに必要とされている場所に向かうことは重要だと思う。分岐点としても、自身の成長のためにも、何かを得て、何かを失うことを知る機会だと思う。俺はSRT特殊学園に向かったことで百鬼夜行自治区に可愛い後輩2人を置いていった。でも選択した先で得たモノが幾つもある。サオリの生い立ちは光を得るものが許されなかった環境だったけど今は何もかもが許される。ヒヨリのように明日を得たことでサオリもお化粧してくれるくらいに親しい友を得て、次はその友達がサオリを求めている。ならそこに対する応えなんて別に資格とか関係なく、ただ自分はどうしたいかと紡げるか。つまり権利とか資格ではなく純粋な気持ち。サオリはどうしたい?どうしたらその友達にとって素敵なことが出来る?」

 

「…………」

 

 

サオリは俺の目を見て、目の奥が揺れる。

 

唇は……ほんのわずか、気持ちに揺れる。

 

すると、その気持ちは素直になる。

 

 

 

「………行き、たい………ミカ、と」

 

「なら行け。それで良いだろ」

 

「……うん…」

 

「はい、決まった。そんじゃ今は勉強とそのための社会経験を頑張らないとな?理想は込めてもそれ相応の努力は必要。戦いの強さだって同じ。それ相応の努力は必要。今のサオリは友達のために気持ちを想えてもそこに並べられるほどの信頼と強さを用意できる?」

 

「…できる………やる………やり、たい…」

 

「それが言えるなら大丈夫。だからもう今からそのために応え続けようかサオリ。用意しようとする自分の事と、用意した後の事も含めて、今日からその気持ちに注ぎ続けよう。サオリなら大丈夫。俺はサオリが強い事を知っている。あのような陽の当たらない過酷な場所で、どんなに苦しくても芽を閉ざさなかった錠前サオリをこの目で見たんだから。

保証する。

確証する。

何故ならアリウスを一人で倒壊させてやったこの『俺』がサオリはできると言ってやるんだ」

 

「!!………ふふ……根拠を述べるにしてはあまりにもめちゃくちゃだな…ふふっ…」

 

「実績は発言力さ。荒唐無稽な紐付けにしろ『自分は相応にできました』と言えるのは己にとっても他者にとっても後押しになるんだぞ?こんな奴でも出来る。なら私もできる。こんなやつが果たした。なら私も果たしたい。カナタがそう言うんだ。だったらやってみるか。今はこのくらい後押しでいいだろ。それとももっと確定的な何かがほしいか?構わないぞ。なんでも言ってみろ。この俺が納得するまで用意してやる」

 

「いや、大丈夫だ。私は…そうだな…無駄に悩みすぎていたんだと思う。でも、そうか…気持ちか…」

 

「その友達はサオリにとって大事な人か?」

 

「……ああ」

 

「なら、友としての『解』は縮まり込む理由付けよりも無条件な愛情で結構さ。ならスイーツでも頬張りな。スイーツの哲学者によると考えすぎた脳に甘さは最適解だとよ」

 

「そうか…なら、有り難くいただこう」

 

 

幾分か悩みが拭えたのか口にしたスイーツは美味のようで、サオリの頬は自然と綻ぶ。

 

……まだ中等部なのに横顔が美人だな。

 

間違いなく、モデルさんを出来るほどに。

 

 

 

「待たせた、カナタ」

 

 

するとアズサが戻ってきた。

 

どうやら友人に伝え切ったようだ。

 

 

 

「ヒフミにブラックマーケットには行かないように言った。だから、その…膝の上禁止令はこれで無しになるよな?」

 

「元から禁止令は出してないよ。でも今日は時間切れ…てか、夏場近くて熱いから膝上は勘弁してくれ……また涼しくなったらな?」

 

「そ、そうか…いやでも、まだ膝の上が空いてるならそれで良いさ」

 

「そうかい」

 

 

普段はキリッとしている娘だけど隙あらば甘えたがりになる白洲アズサ。まだまだ子供だな。

 

 

 

「さてと。人は言うだけならタダだけど、焚き立てる側が言うだけで終えるのはちょっと違うんだよな。発言にはそれなりの責任を持たないと」

 

「?」

 

 

首をかしげるサオリとアズサ。

 

俺は一度麦茶を飲み干し、二人と視線を合わせる。

 

 

「揃ったところで再度確認なんだが、トリニティ総合学園はサオリとアズサの二人が入学するんだよな?」

 

「ああ、そうだ……その、どうしたんだ?」

 

「まあなに、俺の同期が元トリニティ生徒だから入試内容を知ってる筈だ。なのでSRTに帰ったら聞いてみるよ。それで参考資料となるものを用意できるなら二人に送ろう。入学の近道になる筈」

 

「!?」

 

 

驚くサオリを他所に俺は椅子から立ち上がるとマットの上でくつろいでいるヒヨリたちの元まで腰掛ける。

 

 

「あ、お兄さん!お隣どうぞ、えへへ…」

 

「ありがとう、ヒヨリ。お土産は美味しいか?」

 

「はい!とっても美味しいでふぅ!うへへぇ」

 

「それはよかった。そんじゃあ唐突ですまないがそのまま3人に尋ねたいことがある」

 

「尋ねたいこと…?」

「なにかな?カナタさん?」

 

 

ミサキとアツコも首を傾げる。

 

俺は携帯を開いてメモ帳を開く。

 

 

 

「3人は高等部になったらどこに進学したいとか決めてるかい?」

 

「「「え??」」」

 

「俺はSRT特殊学園に通っているおかげで色んな学園からやってきた生徒を知っている。だからもし進学先に希望があるなら__俺が幾つか入試の内容を用意できる。君達の考える学園を」

 

「「「!!!」」」

 

 

 

それからそれぞれ尋ねた。

 

 

どこに行きたいか。

 

どこを希望するか。

 

どこを目指しているか。

 

 

まだ彼女達は二年生だから明確な目標や進学先、ましてや将来も決まっていない。

 

けれどスイーツの哲学者がアドバイスしてくれた通りか、甘いものを口に入れるとその場での考えも進むのか色々と意見がもらえた。

 

 

 

 

そして…

 

 

 

「またな、5人とも。どうか健やかにな」

 

 

 

「お兄さぁぁぁん!また来てくださぁぁい!」

 

「心配要らないと思うけど、まあ気をつけて」

 

「いつでも遊びに来てね、カナタさん」

 

「次は外でも時々会おう、カナタ」

 

「カナタ、感謝する…!」

 

 

 

 

明日も、その明日もある子供達。

 

彼女達のために出来ることがあるならば。

 

俺は喜んで力になろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

青年の願いは____いまだ尊いから。

 

 

 

澄み切った彼方へと____遍くから。

 

 

 

琥珀色のまま____透き通ったから。

 

 

 

それが絶えなくと__信じているから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アレが月雪カナタ……わが社(カイザー)の危険分子か…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「カナタ……くん?」

 

 

 

 

 

 

 

大人というのは唐突に奪わんとする、容易く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、時は流れ…

 

彼方先まで届いた高等部2年の時が終わり…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「選手宣言!我々一同は晄輪大祭を!!」

 

宣言が

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「SRT!ファイトー!オー!」

 

応援が

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんだ?この通信は…??」

 

困惑が

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇ…なんだか外が騒がしくないかしら?」

 

騒動が

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なっ!?そのガスマスク…まさか!!」

 

発覚が

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さぁ、中心部となる【(やつ)】を討て」

 

暗躍が

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「誘われたか…準備が良すぎるな」

 

思惑が

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「虚しいからこそ…あの男が憎い!」

 

憎悪が

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「SRT!バリアの破壊を急げ!!」

 

焦燥が

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「白鳥!?なぜお前が来ている!?」

 

歯車が

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「スズミ!手を伸ばすんだ!はやく!!」

 

子供が

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はははは!!子供は容易いことだ!」

 

大人が

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「カイザーァァァ!!貴様らァァァ!!」

 

情動が

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

衛星レーザー砲!!放てぇぇぇええ!!!

ヤツを消し飛ばせぇぇぇえ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その規格外は許されないとして…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして

 

 

 

 

 

そして

 

 

 

 

 

そして

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私のミスでした……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それは、共に潰えた…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

無慈悲な砂塵に渇いた、3年最後の(とき)が始まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「貴方はどこから来たの?…え、私?」

「私は…梔子ユメ!ユメって呼んでね!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あまねく始発点から……砕け散った終着点に…

 

それは、ある日の【解】である…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく

 

 






おまっ、こんな次回予告を残しといて作者くんはそれ相応にちゃんと書けるんだよなぁ!?


やってやらぁ!!(プロット無し)






ー その後 の 生徒達 の 後日談 ー


[錠前サオリ]
トリニティ総合学園に入学後、サオリはティーパーティの近衛兵として研鑽を積み、その後とあるパテル分派の友人がティーパーティに就任すると約束通りに側近を務めた。仕事中は頼りになる右腕として。それ以外は良き友人として終始付き合い続けた。またその友人の悪ノリによりモデルさんのアルバイトもするようになったらしが、それはともかくとして非常に美しい女性となったのは言うまでもない。


[白洲アズサ]
トリニティ総合学園に入学後、アズサはペロロ好きの友人と学園を謳歌する。これと言って特に大きな活動は無かったが、元々高かったポテンシャルとそこに注がれる頗る高い学習意欲はいつのまにか学園内で文武両道のトップとして君臨し、いつしか勉強を教える側になっていたりしていた。とある恩人の膝上を恋しくならなくなった頃には友人と共に新たなペロロを求めてブラックマーケットを出入りするようになったのは言うまでもない。


[槌永ヒヨリ]
ハイランダー鉄道学園に入学後、ヒヨリは定期的に担当する路線を変えながら様々なところに赴き、時折百鬼夜行のお祭り娘と出会いながらもキヴォトス中をその眼で見て回った。スナイパーとして車両から車両を狙撃して鎮圧するほどに能力が高いため戦力面での心強さ、なにより終始変化ない図太さと図々しさはある意味心強かった。昼ごはんの殆どが停車駅で購入できる駅弁なのは言うまでもない。


[戒野ミサキ]
ミレニアムサイエンススクールに入学後、ミサキは半ば強引ながらも真っ先に自傷行為で傷ついた肌を治療され、また花粉症もミレニアムならではの医療技術で改善されるなど、適当に選んだ学園にしては本人が思っていたよりも騒がしかった。部活には所属せず帰宅部として学生生活は送っていたが、盗聴好きなヴェリタスのとある生徒とはASMRを貸し出す中であり、交友関係はある程度あった。それでもスクワッドの中で誰よりも静かな生活を送り続けたのは言うまでもない。


[秤アツコ]
ワイルドハント芸術学院に入学後、アツコは元々好きだった花や草弄りの趣味を深めるために花芸や家芸などに手を出し、また高潔な血族としてのカリスマ性を秘めていたためか掛け持ちで部活の部長になるなど充実した学生生活を送る。しかし本人は己がロイヤルブラッドあることを知る機会も無いため、なんのしがらみのない普通の少女として謳歌したことは言うまでもない。



[キリノ*テラー]
灰色の世界を取り戻した後、忙しい日々を送りながらも市民達の命を守り続けるキヴォトスの天使となる。いつしか平和な時を得てグルメ巡りができたらと心待ちにする。そして先生とは生徒以上の関係になったのは言うまでもない。


以上が
作者がこの作品で得た【解釈】である。


じゃぁな!
またな!
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