なんか俺のヘイロー砕けてね?   作:つヴぁるnet

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第53話

 

俺がアビドス生徒会のオブザーバーとして加入して三週間が経過した。

 

未だ眠りは深いが神秘の回復は順調だ。

動ける時はちゃんと動けるので問題なし。

 

 

さて、俺以外の話。

 

ユメは相変わらずアビドスの未来に一途で毎日奔走する。ただ行動する度に何かしらトラブルを起こしてはホシノに助けられる始末。

 

出来るなら俺もユメの隣で助けたいところだがあまり街中に出れない状態かつ、列車砲シェマタに関して調べる必要があるため基本的には人目の無い砂漠地帯やちょっとした外出の時以外は同行できない。

 

ちなみに俺の行動範囲は梔子ユメの家とアビドス高等学校、あと砂漠地帯やその区域にある旧校舎、そして列車砲シェマタが格納されている生徒会の谷くらいか。

 

そんな訳で俺自身このくらいしか行動範囲が取れないため生徒会長となったユメにはもう少し危険予測とかした上で活動して欲しいところさん。ホシノの負担が大きくて心配になる。

 

 

あ、ホシノと言えば関係は……良好かな?

段々と打ち解けていると思うが。

 

それでも相変わらず年上に対しても遠慮なく当たりが強い振る舞いをするが、しかしあの学年なら良くありげな生意気な小娘って感じなので気にはしない。SRT特殊学園でもそういった活きの良い後輩は何人も相手にしてきたし、その度に水上戦でわからせてあげたりと先輩として可愛がってやったもんだから慣れてる。

 

しかし彼女は本当によく頑張っている。

 

アビドスは自治区として機能してないため、インフラが集中している中央区を除いて他区域の治安が悪化し続けている。

 

それでもヤンチャしている奴らを一つ一つ摘み潰せれているのは毎日パトロールを続けているホシノの努力があるから。そしてそれらを一人で相手できる彼女はとても強い。

 

もし小鳥遊ホシノがいなかったらアビドス自治区は間違いなく完全無法地帯として姿を変え、まだなんとか全期の8%だけ残っている住人も1%未満になってしまいそうなると手がつけられないだろう。

 

ユメがホシノのことを誰よりも頼りにしてる理由がよく分かる。

 

 

さて、そんなアビドス自治区を支えている最後の砦と化したアビドス生徒会。

 

ここ数日の成果はあった。

それもかなりでかい成果だ。

 

数日前にホシノと共に旧校舎から拾い上げたアビドス生徒会の過去データを基に俺とユメとホシノは再び大オアシス駅の近辺にある採掘ポイントまで向かった。

 

次は座標を間違えずにちゃんとした場所…と、言っても前回同様オアシスだった場所には変わりないが、今回はちゃんと記録をもとに座標を計っている。

 

あ、もちろんスク水は禁止して動きやすい体操服姿での採掘作業。

 

そして掘り起こせたソレらは貴重な鉱物だったり、鉄類だったり、あと金属だったりと、金になりそうな採掘物が砂漠に埋もれていた。そうやって二回目の宝探しは成功という形で収められた。やったぜ。

 

しかしこの採掘作業は1日だけで終わらず、全ての採掘物を回収するために3日連続で大オアシス駅に向かったりとなんだかんだで長い重労働になった。まあ喜びが優ったので筋肉痛は嬉しい痛みだろう。ともかく金策は出来た。

 

ただコレを即換金して借金返済に充てるか、もしくは俺の読みを当てにして今よりも価値が高騰するまで待ってみるかの二択であるが、選択を急ぎすぎても仕方ないのでとりあえず保留という形で盗人が手を出しづらい奥の教室に隠して保管してある。

 

 

さて、それからのことだ。

 

季節は秋の真っ只中。

 

本格的にアビドスは寒くなり、砂漠の方面も日中は灼熱だが日が落ち始めるとすぐに気温が下がってしまい環境状態が良くない。油断すると極寒地。

 

ホットドリンクを飲まないでも体をブルブルする程度で済ませるモンスターハンターは正直頭おかしい。あとラギアクルスを許すな。

 

しかしそんな砂漠地帯だが、俺は相変わらず足を運んでいる。

 

もう既に70%ほど砂に埋もれてしまったアビドス高等学校旧校舎だが、そこに残された資料室や記録室はアビドス自治区の重要な情報源、ついでに図書館も掘り起こした。

 

図書館内の全部を掘り起こせたわけではないがアビドスの歴史が詰まっている本棚は運良く手前にあったのでそこだけ掘り起こして、ランタンを片手に調べている毎日。

 

そんな散策漬け状態も、アビドス生徒会二人に列車砲シェマタの存在を明かしてから一ヶ月以上が経過している。

 

色々と金策となり得るデータや資料は幾分か拾えたが、列車砲シェマタに関しての内容は何一つ見つからない。それほどに秘密裏で作り上げようとした兵器なのか。

 

こうなったら雷帝の出身地であるゲヘナに向かって直接聞いてくるのはアリか??いやでもアビドス自治区を出ることはハイリスクだ。良いとは思えない。いやそもそも雷帝に関してゲヘナはどこまで把握してるのか?と、いうよりも雷帝の遺産に関しては基本的に雷帝の入れ知恵であってゲヘナが直接造った訳じゃない。

 

過去に子ウサギ公園駅のサイロにアハト砲が隠されていたが、それもゲヘナが造った訳ではなくその他自治区が開発し、雷帝は入れ知恵した程度だ。だからゲヘナに直接向かったところで手に入る情報はおそらく皆無だ。

 

なにせアハト発見当時の現場担当してた鬼方カヨコでさえ表面上は雷帝のことは情報皆無。ただの危険人物としての認識。それ故に雷帝の遺産は破壊しなければならないという情報のみで彼女達も動いてただけ。影響力があるのに己の記録を残さない辺りかなりやり手だ。直接会ってみたいほどだ。

 

 

 

「うおスッゲ。当時の軍力がトリニティの5倍かよ。すげーな全盛期のアビドス。文句無しで旧SRTよりも強いぞコレ」

 

 

列車砲シェマタそっちのけで気になるデータベースが残されている。

 

なので目的忘れてつい目を通してしまう。

 

こうして何度も()()して__

 

 

 

「…………脱線??」

 

 

 

あれ??

 

俺今なんか……見落としてないか?

 

なんか今、言ったよな??

 

脱線……?

 

脱線…

 

 

あれ??

 

そういや列車砲シェマタって……

 

線路の上で稼働する移動兵器だよな??

 

列車の砲台??

 

それは、見ての通り。

 

列車だ。

 

うん、列車…だ。

 

あれは、列車………

 

 

 

 

「___!!!!」

 

 

 

 

待て、まてよ。

 

ちょっと待てよ????

 

何か見落としてないか???

 

 

 

 

「列車……線路………開発……あ、れ??」

 

 

 

 

そういや、アビドスって…何かあったよな?

 

この自治区を支えていた、とある企業が。

 

それはアビドス自治区発祥の大型企業。

 

砂漠横断のために線路を敷いた会社が。

 

しかし深刻な砂漠化によって計画は頓挫した上にそのまま大破綻して、それでアビドスから撤退することになってしまった歴史。

 

それは、確か___

 

 

 

 

___セイントネフティス???

 

 

 

 

 

__っ!!!

 

言葉に出して、脳裏に電流走る。

思考を回そうと脳は活性化する。

 

手に持っている資料から目を離し、そのまま自然とテーブルの上のランタンに視線が移る。

 

 

 

「そ、そうだ。砂漠にある線路はセイントネフティス社が敷いたんだ。そして…」

 

 

 

天井を見る。

 

それはとある方角。

 

採掘に向かった大オアシス駅の方面。

 

 

あの場所は【生徒会の谷】と呼ばれているアビドス侵入禁止区域だ。

 

でも、それにしては…

 

 

 

「あの辺は岩礁地帯として地盤はかなり安定しているし、証拠として線路も敷かれている。砂漠地帯に行くよりも安全だ。なら何故、侵入禁止区域なんだ?どうしてそう扱われている??」

 

 

この1ヶ月間、3日に1回の頻度で旧校舎まで足を運びアビドスの情報を集めている。

 

もしかしたら今の俺はユメやホシノよりもアビドスに詳しいかもしれない。

 

だから段々と纏まる。__考察が。

 

 

 

「仮に__だ」

 

 

大オアシス駅に続いた路線、そして大オアシス駅から先に続く路線、それら全て含めてセイントネフティス社がアビドス横断計画として敷いたのなら、その奥に辿り着く砂漠奥の格納庫。

 

雷帝の遺産___列車砲シェマタにもセイントネフティス社が手を伸ばしていたとしたら?

 

 

 

 

「アビドス自治区を古城としていたセイントネフティス社が列車砲シェマタに携わっていた??」

 

 

 

 

 

 

__ッッ!!

 

あり得るっ!!

 

あり得るぞッッ!!?

 

 

 

 

「そもそもアビドス自治区のインフラ整備ってネフティスが主に関わっていたよな??ならアビドス関連の大体は何かしらあの会社が噛んでるとして構想できるなら、列車砲シェマタを作れるほどの財力と技術はアビドス自治区だとセイントネフティス社以外に考えられない…!?」

 

 

 

かもしれないっ!

 

いや、かもそれないっ!

 

 

だって、そうだ!!

 

そうだよっ!!

 

よく考えたら列車じゃないか!

 

砲弾ぶっ放せるけど線路の上じゃないか!

 

なんなら砂漠の横断兵器だ!

 

だとしたら造ったのそういうことになる!

 

横断鉄道っ!!

 

つまりセイントネフティス社…!

 

この線はあり得ると言い切れるっ!!

 

 

 

「回り道をしたが進展ありだ。さてそうなると次はどう動くべきか?やはりココはネフティス社とコンタクトを取ってみるべきか?その場合は俺自ら行くべきか?それともユメかホシノに頼むか?」

 

 

いや、ココで考えても仕方ないな。

 

戻ってから考えるとしよう。

そろそろ暮れてしまうだろうから。

 

 

砂まみれの図書館を後にし、荷物をまとめて旧校舎を出ようとし__

 

 

 

 

ゴォォォォォオオ!!!

ゴォォォォォオオ!!!

 

 

 

 

「は?」

 

 

 

旧校舎を出ようとしたら外は大砂嵐だ。

 

うわー、このタイミングで?

 

勢いありすぎて口に砂入ってくる。

 

 

 

「おいおい……マジかよ」

 

 

とりあえずブルーシートを広げて入り口に砂が入らないよう道を確保する。放っておくと入り口が砂で埋められちまうからな。

 

ちなみに移動手段のジープも停車中はシートを被せているので砂による損傷は無い。

 

それにしても…

 

 

 

「なんだこの砂嵐?やばすぎんだろ…」

 

 

もしかして過去最高か??

 

アビドス自治区に来て3ヶ月目になるがこんなの見たことないぞ。

 

いやー、この嵐の中で歩いたら迷うわ。

 

目も開けられない、方角も分からない、電波も恐らく届かない、なにもかも最悪だ。

 

普通に死ねる。

 

 

 

「ユメ、すまん。今日は帰れそうにないわ」

 

 

一応、こんな時のために携帯食と水は用意してるし、ランタンも予備を用意してある。

 

過酷な砂漠地帯だからな。

 

ちゃんと準備しないと幾らキヴォトス人でもこの砂漠で普通に死ねるぞ。

 

ちなみに携帯電話は持ってない。

 

 

 

「ヘイローで瞬間移動でも出来たら楽なんだけどな…」

 

 

もう叶わない力だ。

 

なんとか残ったヘイローも濁り切って、そのための力も失っている。

 

だから飛雷神の術はもう使えない。

 

なのでそれ前提で今をなんとかする。

 

 

 

「かなり便利だったから、いざ使えなくなると不便だな……まったく…」

 

 

前任者(カナタ)が俺の背中を追うことで手に入れてきた能力だ。

 

それが色彩(願い)の中で浮き出た。

卒業祝いってヤツかな。普通は逆だけど。

 

 

しかし今は琥珀色から錆色に濁ったヘイロー。

 

もう使えない。

 

 

 

「ま、生きてるだけマシか」

 

 

俺は入り口のブルーシートを背にして図書館に戻り、椅子を引っ張り出して座る。

 

ランタンはまだまだ光を灯してくれる。

 

なら嵐が収まるまで。

もしくは翌日の朝になるまで。

この旧校舎で引き続き記録漁りでもしよう。

 

もしセイントネフティス社の考察が外れたら振り出しになる。

 

そのため更に情報を集めて次に備えよう。

 

回復段階から抜け出せない俺はそのくらいしか出来ないのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

苛立ちのまま、翌日を迎えた。

 

 

しかし感情は無限じゃない。

 

故に、頭が冷えた。

 

 

__言い過ぎた。

 

 

何より彼と【比較】してしまった。

 

その背中は頼れるから。

 

でも私の先輩はその背中とは正反対。

 

あまりにもお粗末で……何事にも弱すぎる。

 

 

だから、なんでこの人は…!と、何度も怒った。

 

でも、違う。

それは違う。

 

私だって……お粗末な生徒だ。

 

己の強さに自信があった。

 

でも過去に助けられた。

 

そして余裕が無かった。

 

衰退するアビドスの現状が焦燥感を煽り、また井戸の中の蛙だった己の弱さと不甲斐なさに怒りが収まらず、それが段々とコントロールが効かなくて私の癇癪癖はひどくなる。

 

そして制御できない感情は不甲斐ない先輩の姿をトドメとして弾けた。

 

私は怒った。

怒りだけが言葉になっていた。

 

 

 

分かっている。

 

分かっています。

 

貴方も必死なんだ。

 

アビドスの未来に一途なんだ。

 

 

それでも笑顔を絶やさず、奇跡を愛する。

 

だから前を向いている、いつでも。

 

ならばその責任感は立派なんだ。

 

生徒会に入った程度の私なんかよりも。

 

でも…

でも…

 

この心はあまりにも___子供過ぎた。

 

 

 

「ユメ先輩??どこですか???」

 

 

 

先輩は遅刻をしても休む日は一度もない。

 

だから一向に登校しないユメ先輩に私は違和感を抱いて学校を飛び出す。

 

何処にいる??

何処に先輩はいる??

 

それともまた何処かで騙されている??

でもそれならSOSの通知を送るはず。

 

しかし……なにもアクションが無い。

 

 

 

「カナタ先輩も家にいない…?」

 

 

 

鍵が閉まっていた。

 

誰もいない??

 

何回も押したインターホンは反応してくれない。

 

何よりユメ先輩の家から神秘を感じ取れない。

 

つまり…二人は朝から不在。

 

 

 

「カナタ先輩は……そうだ。旧校舎!」

 

 

 

もしかしたら…!

 

ああ、もしかしたら…!

 

カナタ先輩が帰ってこないことを知ってユメ先輩は砂漠地帯に向かったかもしれ__

 

 

 

「いや、でも、ジープはカナタ先輩が使っているはずだから……っ、まさか、徒歩で??」

 

 

 

考えたくないことを、考えてしまう。

 

何故なら…

 

 

 

 

「き、昨日は夜から砂嵐ですよ??それもかなり大規模の……それに、砂漠地帯は今もだって荒れているのに……そんなはずは…」

 

 

 

流石にユメ先輩もあんな砂嵐の中で移動など考えないはず。

 

だって危険すぎるから。

 

そんな事はユメ先輩もわかっている。

 

アビドスに何年もいるんだ。

 

そのくらいのことを……

 

 

 

「___さ、探さないと、っ!!」

 

 

 

警告音が鳴り響く。

 

体内のアラートが喧しい。

 

最悪なケースが何百回と脳裏をめぐる。

 

臓器をひっくり返しそうな程の焦燥感。

 

それほどに背筋が凍りつく。

 

 

 

「カナタ先輩っ!!」

 

 

ユメ先輩もだが、完全に砂漠地帯と化したアビドス旧校舎にカナタ先輩もいるはずだ。

 

なにせ先週の採掘のような野外活動がなければカナタ先輩は基本的に情報収集のために旧校舎まで足を運んでいるから。

 

もし旧校舎に向かわなくともカナタ先輩の現状を考えて人気の多い場所には足を運ばない。そうなると残りはアビドス高等学校やユメ先輩の家くらいだ。今はそのくらい行動範囲が狭い。

 

だから消去法として、旧校舎。

学校にはジープも無かった。

ならまだ砂漠地帯に外出中。

 

でもそうなるとカナタ先輩もこの嵐の中で動けず未だ旧校舎に…??

 

そして、ユメ先輩は……いや、そんなはずは。

 

い、いくら何でも…

アビドス出身の先輩が…

 

でも…

でも…

 

けれど…!!

 

いや、けれどっ!!

 

 

 

 

「ッッ!!」

 

 

 

 

走れっ!

 

 

走れっ!!

 

 

走れっ!!!

 

 

 

 

 

「何処にっ!?何処に、ですかっ!!?」

 

 

 

 

 

探せっ!

 

 

探せっ!!

 

 

探せっ!!!

 

 

 

 

 

「嘘ですよ!!そんなわけはッッ!!」

 

 

 

 

 

先輩を!!

 

 

先輩達を!!

 

 

私の大事な先輩達を!!

 

 

 

 

 

「ユメ先輩!!カナタ先輩!!」

 

 

 

 

 

寂れた自治区に子供の必死な声、一つ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの日の苛立ちから、3日が経過した。

 

ユメ先輩は見つからなかった。

 

学校にも訪れず、消息も掴めない。

 

携帯のGPSも反応も無いまま。

 

街では誰も梔子ユメを見ていない。

 

嵐が静まった街近くの砂漠地帯を探す。

 

しかし、何一つ見つからない。

 

ならさらにその奥にいるのか?

 

そんなの考えたく無い。

 

あ、あんな嵐に巻き込まれたら…

 

 

でも、ユメ先輩は見つからない。

 

そして砂漠地帯の奥地は未だ荒れている。

 

私はその先に踏み出せずにいた。

 

早く、収まってほしい。

 

私の怒りは静まったから。

 

だからお願いします。

 

先輩を返してください。

 

私は謝らなければならない。

 

しさし砂漠の嵐はまるで苛立ちに任せた私のように今日も明日も大地を削る。

 

生まれた後悔は砂埃を被り、乾いていく。

 

 

 

 

 

 

そして同時にカナタ先輩も姿を見せない。

 

ユメ先輩と同じように消息を掴めない。

 

 

 

あの後ろ姿は、何処に??

 

私の…

私の…

 

あの日見た憧れは何処にあるの??

 

 

 

 

 

どう、して……

 

わたしは……

 

こんなにも愚かなんだ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

探した。

 

探した。

 

アビドス中を探した。

 

 

 

 

けれど。

 

けれど。

 

何処にも見つからない。

 

 

 

 

 

「ぅ、ぁ…」

 

 

 

 

学校に…戻っているだろうか。

 

そう希望を抱いて……生徒会室にいない。

 

あるのは修復されたポスターだけ。

 

この場所に私一人だけ。

 

何も…

何も…

 

何も出来ない愚か者が一人だけ。

 

 

 

 

「ぅ、ぅぅ……せん…ぱい……」

 

 

 

 

 

ごめんなさい…

 

 

 

ごめん…なさい……

 

 

 

ごめん……なさい……

 

 

 

 

 

 

「ユメ…せん、ぱい……」

 

 

 

 

 

 

わたしは、そんなつもりは…

 

 

 

ただ…

 

守りたくて…

 

守りたかったんです…

 

どうでもなんか良くないです…

 

勝手にしろなんか思ってないです…

 

 

 

ただ、ただ…

 

 

わたしは貴方が心配なんです…

 

 

だから、あんなに言ってしまった…

 

 

あんなに、強く当たってしまった。

 

 

 

 

 

「カナ…タ……せん、ぱい…」

 

 

 

貴方がもし、あの日のままならば、どうかまたこの肩に手を置いて現れてください。

 

その背中を安心を抱かせてください。

 

 

おねがいします。

おねがい、します…

 

 

わたしでは…

 

こんな程度の、わたしなんかでは…

 

守りたい者を、守ることができない。

 

だから、どうか…

 

姿を見せてください。

 

それだけで…

それだけで……

 

それだけで良いですから…

 

 

二人とも…

 

わたしを、置いていかないで…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  そうだ、英雄。

  お前が、殺した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「_________ ぁ」

 

 

 

 

 

 

 

 

心が、砂になって乾く。

 

__ああ、そうだお前のせいだ。

 

 

 

 

 

 

「ごめん、なさい…」

 

 

 

 

 

 

 

後悔が、過ちを突きつける。

 

__そうだホシノ、お前が原因だ。

 

 

 

 

 

 

 

「ごめん、なさい……」

 

 

 

 

 

 

 

ああ、既にこの過ちは取り返せない。

 

__そうとも、お前は弱くて愚かだから。

 

 

 

 

 

 

 

「ごめん、なさい………」

 

 

 

 

 

 

 

ごめんなさい。

 

 

ごめんなさい。

 

 

 

 

心が弱くてごめんなさい。

 

 

強くなくてごめんなさい。

 

 

 

 

ごめんなさい…

 

 

ごめんなさい…

 

 

 

 

 

 

わたしは…

 

 

 

 

 

わたしは…

 

 

 

 

 

わたしは…

 

 

 

 

 

わたしは…

 

 

 

 

 

 

 

「わたし、は…………………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

___ピピピッ。

___ピピピッ。

 

 

 

 

 

「ぅぅ…??!!」

 

 

 

 

 

 

ポケット中にある携帯電話が鳴る。

 

 

枯れていく意識を引き戻す。

 

 

涙を滲ませながらもその音を拾う。

 

 

手を伸ばし、画面の電源を入れた。

 

 

そこには___探してた者のメッセージ。

 

 

 

 

 

 

 

 

『突然で悪い。カナタだ。

 ユメの携帯を借りて送る。

 今すぐに家まで来てくれ。

 砂漠地帯でユメを助けた』

 

 

 

 

 

 

「ッッ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

生徒会室を飛び出して、私は走る。

 

奇跡はある。

 

 

 

 

 

 

つづく

 








し っ て た 。







曇らせは…… キャンセルだ。




あと明日(18:00)も投稿することになった。
新年の錠前サオリだ、よろしく頼む。
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