・・・前書き書くことねぇ(泣)
「アヤネちゃん、電話どうだった?」
「だめです・・・出ません」
その日の夜は、風が強かった。アビドスは砂漠地帯だというのもあり窓も音を立てていた。
「どうしよ・・・セリカちゃんがいなくなっちゃったら私・・・ッ!」
「・・・ッ!」
アヤネが異変を察知してから数時間後、月歌含め全員がセリカの捜索へと動いた。だが、一向に見つからない状態が続いた。
「店主に聞いてみたけど、バイトは定時に帰ったって」
「家にも帰っていない・・・ということは、やはり」
誘拐・・・キヴォトスでは日常茶飯事なことだ。治安が安定していないこの都市では誘拐だって不思議ではない。
「・・・ただいま」
「先生!」
「セリカちゃんは?!」
「落ち着いて、こういう時に焦っちゃうと、かえって悪化するから」
月歌は、全員に落ち着くように促す。その時の月歌は戦術指揮よりはるかに緊迫感を感じる声だった。
「はい・・・すいません」
「ううん、わかるよ・・・だから今は、助けることに集中しようぜ」
「そうそう、あの後こっそり連邦生徒会管理のセントラルネットワークにアクセスしたから」
「そんな権限あるんですね」
「まー、ね?」
「うへ~バレるか不安だったけどね~」
「え、それって・・・」
「大丈夫、大丈夫。リンリンなら許してくれるって・・・多分」
「ばれたら始末書ものだけどね~」
「先生・・・」
だが、事態は一刻を争う。月歌は持っているシッテムの箱で地図の映像を見せた。
地図からは、ある一点に赤いランプが点滅していた。
「クロミーのからの反応はここで途切れている・・・聞いてみたところ、市街地の端で砂漠化が進んでいるんだよね・・・」
「はい、そのせいで住民がいなく不良生徒が拠点していて、確かカタカタヘルメット団もここを・・・ッ!」
「やっぱり・・・」
「学校の襲撃じゃだめだから、誘拐して脅迫ってか・・・舐めやがって」
窓ががたがたと教室のありとあらゆる場所から鳴り響いている。それに奇跡というのか、月明かりが月歌の赤い瞳をどす黒く照らし、光っていた。
「どうします?」
それにこたえてか、ノノミがまるで相図をするように語り掛けてきた。
「ああ、出撃だ!」
「・・・・はい!!」
「もちろんです!」
「ん、了解した」
「じゃ、いっちょやりますか~」
◇◇◇
「ん・・・ここは」
気が付いたときは、トラックの中だった。荷台・・・なのだろうか。暗くて、熱くて・・・なんも音が聞こえない。
「痛ッ・・・!頭も・・・」
考えがうまく回らない。くらくらする。今、どういう状況なの・・・?
ただ、うっすらと光が見えていた。外につながるようであったので、何とか痛い体を動かして穴を覗く。
「線路・・・ってまさか!」
すでに廃れた鉄道。それがあるのは、度重なる砂嵐でどうしようもなくなった郊外の砂漠しかない・・・
「これじゃあ・・・連絡も取れない、仮に脱出できたとしてもどうやってみんなに伝えれば・・・」
どうなるのか、自分も分からない・・・埋められる?このまま死んじゃう?分からない。はっきりしているのはこのままじゃみんなともう会えない。
(・・・このまま、みんなに誤解を与えたまま死んじゃうのかな)
(見捨てたって・・・思われるのかな)
「いやだなぁ・・・・」
恐怖がつたう。そんな中、思い浮かんだのが先生とのやり取りだった。
思えば、楽しかったなぁ・・・まだバイトだけだったけど今までの先生と違って月歌先生との時間は、まるで同級生とのやり取りだった。
実際あの人はそんなに大人じゃない・・・って言ってたっけ?もしかしたら私たちと年、近いのかなぁ・・・聞いてみたかったな・・・
人を守ってきた、って先生は本当に軍隊出身なのかな・・・でもそれじゃあどこから来たんだろう・・・ああ、今になって先生を考えらずにはいられなくなっちゃった。
もっと、知りたい・・・
もっと・・・あの人のことを知りたい。あの人としゃべって、遊んで、冗談言い合っていたい。
こうなるんだったら・・・こうなるんだったら・・・
「受け入れなくて・・・信じられなくて、ごめんなさい・・・せんせぇ・・・」
(ドガアアン!!)
「え…?」
◇◇◇
見つけた・・・チンピラ同然だったからか、案外人質への対応がずさんで難なく居場所が分かってよかった。
「みっつけたー、クロミー」
「せん・・・せい」
「泣いているセリカちゃん、発見です☆」
「・・・ッ!うっさい、泣いてなんかいないわよ!!」
「嘘、私この目で見ていた」
「あたしも見てたぜ☆」
「・・・ッ!もぅうううう!!」
良かった、軽いけがはあるけど、骨折とか、何かされているわけじゃないっぽい。
(先生、敵の増援が来ます)
もう、お出ましか・・・案外早かったな。
「先生、顔が怖いよ~」
「でも、わかります。だから先生の怒りも、私たちが代弁しますね♧」
「ああ、じゃみんな!」
「「はい!(ん・・・)」
「片づけようぜ!!」
◇◇◇
「なんなんだ、こいつら!?」
今回の彼女たちはいつもと違った。装備も例のグループから特別なものを大量に提供してもらった。
そう、人質を気にかけなければいけない彼女たちにとって戦力は以前より低下してこちら側はかなり強化されたも同然・・・のはずなのに、ヘルメット団は現在おされていた。
「ン…敵、発見」
「がぁ・・・ッ!」
(ノノミン、3㎞先から敵戦車が来ている)
「了解しました☆」
「クソが、舐めやがって!!」
数人のヘルメット団が戦車の後ろに移る。いくら何でも、戦車を簡単には撃破されないとしていったん体制を整えようとしたのだろう。事実、その方が有効であることは誰もが分かっていた
「そんなんでいいのかな~?」
「なっ!!」
だが、そんな判断は月歌の前では無力。学習しているはずだったが、それでも対応できず次々と撃破されていった。
「っく、来るな!!」
「バカ、前!!」
「よそ見は、めっ!ですよ~☆」
「しまったっ!」
だがそのすきを見て、ノノミのミニガンが炸裂する。いくら戦車だとは言え、ノノミのミニガンは高威力だ。そんなのが大量に連射されれば一体どうなるか想像に難くない。
(ドガァアアン!)
「ぐぁああああああああ!」
クルセイダー戦車は、あっけなく撃破された。その戦車の乗員も、衝撃で吹き飛ぶ。
「クソッ!」
「はい、動かないで~」
吹き飛んだ乗員に向かってホシノは一気に近づいた。と、同時に持っているショットガンを彼女に向ける。
「おじさんね、先生から、伝言を扱っているんだぁ~聞いてくれないかなぁ」
「何を・・・ッ!」
それと同時に雰囲気が変わる。顔は笑っているが目が笑っていない。ただ・・・
「覚悟はできているんだろうな・・・ってさぁ~」
その目は、今の月歌の感情をそのまま表しているようだった。怒り、今までに体験したこともない、神を敵にしたような怒りが彼女を襲った。それは、月歌の感情だけではない。アビドスメンバーの怒り、小鳥遊ホシノの怒りすべてを体現したようなものだった。
「ひっ・・・!」
それを見たヘルメット団の少女はただしりもちをつき・・・
「す、すいませんでしたぁあああああああああああああ!!」
ただみっともなく、逃げるしかなかった。
・・・戦闘シーン、やっぱり難しいよぉ~(泣)
次回はちょっと短くなると思います・・・それでは、また!