そろそろ、便利屋が来るかな?
「目立った傷はないね・・・一応、応急処置」
「ありがと・・・」
・・・少し寒い保健室。シップがとても冷たかったけど、先生の手はとても暖かかった。
「ねぇ・・・なんで、助けてくれたの?」
突然、聞いてしまった。助けてもらったのに、こんなことを聞いてしまうとか、どうかしていると思った。ただ、聞きたくなってしまった。
「何って、大切な生徒だから」
相変わらず、思い切りが良い。あってまだ数日なのに、どうしてかこれが先生だと思い込んでいた。
そして一緒に見せる、とてもやさしくて、かっこいい、そんな顔。
「私は先生に・・・ひどいことを」
「クロミー」
先生は、私の手を握ってくれる。とっても優しくて、とっても温かい。
「ごめん・・・」
「え・・・?」
「たかなっちから聞いてさ、だからまぁ信じられないのは仕方ないとあたしは思うし無理に信じろなんてあたしには言えない・・・無責任、だったよね」
「違っ・・・私は」
そんなこと言わないで、先生。私が悪いの・・・私が一方的に敵対して、一方的に突き放して。先生はなんも悪くない・・・悪くないのに・・・
「でも、あたしはやっぱり大事な生徒を見捨てるなんてできない・・・見たくないんだ。死ぬだけじゃない、その人の生きがいを失うのも、それで涙を見るのも、いやなんだ」
「だからさ・・・」
先生は、ぎゅっと手を握る。強くて、優しくて・・・そして・・・
「あたしも、対策委員会の仲間に入れてくれない?絶対力になって見せる、顧問とかそういうの関係なく、あたしはクロミーと対策委員会のみんなを助けたいんだ」
「・・・・・ッ!」
短い間だった、でもそれでも今目の前にいる先生はここに来た大人よりはるかに、大きく見えた。今まであってきた大人の中で、誰よりも・・・その笑顔に私は引き込まれた。
「うわぁ!!」
いつの間にか私は、先生の胸に飛び込んでいた。温かい、どこか安心できる・・・そんな感じがした。
「せん・・・せい、ごめんなさい!!ひどいこといって、ごめんなさい!!助けてくれて・・・力になるって言ってくれたのに・・・!!」
「はは、別に謝らなくていいのに・・・」
気が付けば、思いっきり泣いていた。なんでなのかは分からない。声、体温、先生のすべてが私を包み込んでくれる。同時に、私の、奥底にしまってあった何かがあふれ出した。
それから、私はこの夜は外のことなんか気にせず、ずっと先生の胸の中にいた。何度も、何度も泣いて、それに対して頭をなでながら受け入れてくれる先生。もう、今日だけはずっとこのままでいたかった。
◇◇◇
暗い夜の中、一人の大柄な男が報告書らしきものを見て部屋中が鳴り響くほど強く叩きつけていた。
「ち、チンピラどもが・・・あんなに武器をやったのに勝てないとは・・・ならばこちらも金はかかるが、エージェントを呼ぶとしよう・・・」