TS転生したらアマゾネスだったので、姉御を目指す!!! 作:リーグロード
朝起きたら下半身の息子が行方不明になっておりました。目撃者がいれば捜査にご協力ください。
「なんて、馬鹿な話に誰が手を貸すってんだい」
アタイの名はアンナ。家名はなく名前だけしか持ち合わせていない。
もうご存知だろうが、アタイは転生者で元男のアマゾネスだ。
生まれはオラリオで、両親は既にダンジョンの中でくたばっているらしい。
孤児となったアタイを拾ってくれたのは美を司る神であるイシュタル様だ。
なにやらお前の魂は面白いとかなんとかで拾われることになった。
まあ、悪いことではない。この世界【ダンジョンで出会いを求めるのは間違っているだろうか】でイシュタルファミリアは歓楽街を支配する大手のファミリアだ。衣食住だけじゃなく、ダンジョン攻略の際の支援にも手厚いだろう。
アタイもダンまちは転生前に読んだことあるが、最後に読んだのは社会人1年目で、深層へ落ちてジャガーノートと闘って勝ち残ったぐらいまでの知識しかない。
外伝編もあるようだが、アタイはベルの主人公らしい思いの強さに共感して読んでいたので、そちらには手を触れてはいない。
未来の知識は穴ばかりだが、それが人生だろ?というスタンスで生きていく。
何故なら、それが当たり前であり、それこそが人生を歩み上で一番楽しいと知っているからだ。
「なら、あがくだけあがいて、最後にアタイはやりきってやったぞ!と吠えてやるのさ!!!」
それがアタイの矜持だ。原作もクソも関係ない!誰よりも強くなる。それがアマゾネスと産まれ直したアタイの矜持だ。
♦
「なんだいアンタは?ゲッゲッゲ!!!」
イシュタルファミリアの本拠地に行くと、早速、おかっぱ頭の子供ながらに少々ブサイク面をした同じアマゾネスが気味の悪い笑い声を上げて絡んできた。
アタイが知る限り、こんな濃いキャラはただ1人だけ、未来のイシュタルファミリアの団長であるフリュネ・ジャミールだろう。
あのヒキガエルの子供の頃の姿は正直言って面影がある。
きっと、将来は原作同様に醜い姿のゲテモノへと成長するだろう。
だがら、アタイは無意識のうちに可哀想な者を見る目で見ていたのだろう。
「ゲッゲッゲ!!なんだい、その眼つきは!?イラつくね!!」
どうやらアタイの眼つきが気に入らなかったらしく、フリュネはアタイへと襲い掛かってきた。
所詮は子供の喧嘩、神は止めようとはしない。精々が怪我の1つや2つをする程度だと達観している。
フリュネは拳を握って殴りかかってくる。それをアタイは避けることなく顔面で受け止める。
その威力は子供の拳のそれではない。十中八九神の恩恵を受けた故の力なのだろう。
奥歯が砕けたような感触と痛みが顔中に広がる。
「喧嘩を売ったのはソッチだ。泣き言は垂れ流すなよ……」
だが、アタイは倒れること無く、逆にフリュネの腕を掴むとそのまま一本背負いで地面に叩きつける。
神の恩恵による力の差は覆せない。だが!魂に刻まれた技の経験値であればこの程度の青二才に負けるはずがない!!
中高で柔道部として鍛え上げ続けた柔らの極意を叩きつける。
「ゲヘェッ!?」
地面に叩きつけられ、フリュネの口から悲鳴とも呼吸困難とも付かない声が漏れ出る。
一応、大きな怪我をさせないように首にダメージがいかないようには手加減してやったが、それだけに耐久力もそれなりにあったフリュネはすぐさま立ち上がって再び立ち向かってくる。
だが、子供にしては速いという俊敏性では、前世で武術をある程度納めたアタイには通用しない。
相手の呼吸を読み、自分の呼吸を相手に押し付ける。それが柔の極意だ。
再び殴りかかってくるフリュネの拳を避けると同時に腕を掴み投げ捨てる。
今度は手加減もなく、全力で相手の力を利用して空へと投げ飛ばし、フリュネは受け身も取ることなくまた地面に叩きつけられる。
「がっ!?はぁ……はぁ……」
今度はダメージが抜けきれないようだ。地面に仰向けになったまま、痛みで呼吸を荒げながらこちらを見るフリュネ。
「なん……だい、お前……?」
「あん?そういえば自己紹介もせずに殴り合ったんだっけっか?アンタの小さい脳みそにきっちり刻んでおきな!アタイの名はアンナ!いずれこの世界で最強のアマゾネスの称号を天と地のあらゆる存在から認められる女の名だ!!!」
これは、元男だったアタイが最強のアマゾネスとして君臨する物語。
アマゾネスは女傑よりもメスガキ感があるタイプの方がムラっときます。