転生したら直斗のお兄ちゃんでした 作:どけ!俺はお兄ちゃんだぞ!
あれから、鳴上さんたちとは何度か話をした。
そして、何度聞いても鳴上さんから見た兄さんは、口下手な人物だったそうだ。
そう言われて、考えた。
きっと兄さんは、過程よりも結果をとても大事にしているのだろう。
だから、過程になる言葉は使わないんだ。
ただ、結果で示すだけ。
今までの僕に大した結果はなかった。
解決したと言われている事件は、警察の犯人の特定に大きく貢献したとか、そういうものだったから。
だから、僕が結果を出せば兄さんはきっと振り向いてくれる。
これはきっと、最後のチャンスだ。
だから僕は……
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「……現時点でまとめ直すなら、今の僕の考えはそれとは全く逆です。犯人なんじゃない、おそらく皆さんは犯人を追い詰める“手段”を持った人達。まったく、僕は皆さんが羨ましい」
そう言った直斗の目は、何らかの覚悟に満ちていた。
警察は事件を収束させることに必死だと語った直斗はさらに言葉を重ねる。
「この上は、何か確証を掴める行動が必要でしょう」
「確証を掴める行動……?」
「まぁ、これで何かしらの結果は出るはずです。……いや、出さなくてはいけません」
「おい、どこ行くんだ?」
すれ違った直斗の背中に花村がそう問いかけると、直斗は帽子を深く被り直して一言
「──これはきっと……僕に残された最後のチャンスなんです。僕は遊びのつもりなんて、ありません」
「直斗くん…?」
直斗はこちらに振り向きもせずに去っていった。
直斗はなにか、焦ったような様子だった。
直斗らしき人影がテレビに映ったのがその日の夜。
マヨナカテレビが明確に直斗を映し出したのが次の日の夜だった。
テレビの中の直斗は科学者のような白衣を身につけている。
『皆さんこんばんは、“探偵王子”こと、白鐘直斗です』
『“世紀の大実験・ゲノムプロジェクト”へようこそ』
画面の中の直斗は淡々と語り続ける。
『僕がこれから受けるのは、人体改造手術…禁じられた、素晴らしき秘法!あなたがたは今こそ目にするでしょう…、この僕の新たな旅立ち…新たな誕生の瞬間を!』
『僕という人間が、ある日を境に、全く別の人生を歩み始める…、そんな記念日を、そして何より尊い結果を!皆さんと共に体験したいと考えています!どうぞ、お楽しみに!』
画面が暗転する。しかし、マヨナカテレビ特有のノイズ音がいまだに鳴り続けている。
『………………見ていてね、兄さん』
今度こそ、マヨナカテレビの番組が終わったようだ。
完二から電話がかかってくる。
「──探偵だの手柄だの、最後には結果だのっつって、テメェが拉致られてりゃ世話ねえだろが……、とにかく、明日すぐメンツ揃えましょう!」
今夜のマヨナカテレビについて、明日話し合うことになった。