転生したら直斗のお兄ちゃんでした 作:どけ!俺はお兄ちゃんだぞ!
鳴上と名乗った少年と、その仲間が何かを隠していることはすぐにわかった。
だが、あくまで話していないだけで、こちらに話した部分に偽りがあったわけではないのだろうと察して、残った部分は八十稲羽の中で聞いて回ることにした。
そうすると、意外にもその情報はすぐに手に入った。
なんでも、マヨナカテレビに映った人物が、その次の日に失踪することが相次いでいるらしい。
なるほど、彼らが隠していたのはこれだろう。
マヨナカテレビは一連の事件の前触れとなっている、その事実を彼らはなんらかの意図を持って隠蔽したらしい。
……そして、彼らがテレビの中へと入るその瞬間を見た。
俺の推測が正しいのであれば、マヨナカテレビはテレビの中の空間を映し出しているからこそ彼らは隠蔽したのだろう。
今日はちょうど雨が降っている。
俺はマヨナカテレビを見てみることにした。
そして……
僕という人間が、ある日を境に、全く別の人生を歩み始める…、そんな記念日を、そして何より尊い結果を!皆さんと共に体験したいと考えています!どうぞ、お楽しみに!』
『………………見ていてね、兄さん』
直斗だった。
マヨナカテレビに映り込んだのは、白衣に身を包んだ直斗だった。
疑問と推測、そして焦燥が頭を埋め尽くした。
しかし、思うことがある。
俺が前世で死んだ直後現れた神を自称した者が、これを知らないはずがない。
ならば、俺は〝与えられて〟あるはずだ。
真夜中のジュネスにて、テレビモニターは想像通り俺の腕を飲み込んだ。
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(鳴上悠視点)
直斗の手がかりを集め終えた俺たちがマヨナカテレビの中へと入ると、クマがやけに慌てた様子でこちらへと駆け寄ってくる。
「センセイ!知らん人が一人で奥まで歩いてっちゃったクマ!」
「……?」
「ホントの事クマよ!黒いコートのイカつい男の人が一人で来て、クマは必死に止めたんだけど……、全く止まらんかったクマ」
「でも、この霧の中はお前の眼鏡なしじゃなんも見えないだろ?」
「イカつい人は見えるって言ってそのまま行っちゃったクマ」
花村とクマの会話を聞きつつ、その正体はおそらく侑斗さんだろうと推測する。
しかし、どうやってここへ?それがわからない。
とにかく、りせに急いで場所を特定してもらい、直斗の居場所まで走る。
そして辿り着いた秘密基地のような場所の内側からは、鉄と鉄がぶつかるような轟音と、身を焼くような熱が伝わってくる。
「……なんだよこの熱、真夏かよ!?」
「音もすごい…、まるで戦争みたいな……」
「と、とにかく入ろうぜ」
そう言って秘密基地の中を進んで行った先で俺たちが見たのは……
《おいおい、いつまでやる気だ?言ってるだろ?お前は俺だ。勝てるわけないだろ、諦めて死んでくれ》
「そういう訳にはいかない。俺には、兄としての使命がある」
《くくく、まともに接することすらしてやれなかった癖に兄と言い張るなんてなぁ──、酷く滑稽で無様だな、そう思うだろ?》
燃え盛る部屋の中、剣を片手に自らのシャドウと睨み合う侑斗さんだった。