転生したら直斗のお兄ちゃんでした   作:どけ!俺はお兄ちゃんだぞ!

8 / 8
決着

直斗のシャドウは腕から光線を放ち侑斗を追い詰めようとするが、侑斗はそれらを容易く躱して直斗のシャドウへと迫るが、シャドウは紙一重で後退する。

 

《……っく、どうして》

 

シャドウがポツリと呟いた。

そして、間をおいた後、ヒステリックに叫んだ。

 

《どうして当たらない!どうして届かない!どうして!どうして僕の手は兄さんに届かない!どうして振り向いてくれない!?》

 

侑斗は無言でシャドウへと肉薄し攻撃する。

 

《兄さん……兄さん!あなたは僕のたった一人の兄なんだ!僕を、僕を拒絶しないで!》

「──っ!」

 

侑斗の動きが一瞬鈍った。

その瞬間を見逃さなかったらシャドウは光線銃のような腕を侑斗に向けるが、侑斗はそれも構わずシャドウへ肉薄する。

 

《─────あはっ》

 

直撃の確信と共にシャドウは裕斗へと光線を放つ。

放たれた光線は奇しくも、侑斗のシャドウが放った弾丸が突き刺さった場所と同じ場所に突き刺さり、貫通した。

しかし、侑斗は勢いのままシャドウは突撃し……

 

 

 

 

 

剣を手放して、直斗のシャドウを抱きしめた。

 

《………………え?》

「へ?」

 

素っ頓狂な声を上げたのは、直斗のシャドウと、その戦いを何もできずに見守っていた直斗自身だ。

しかし、侑斗は何も言わずに直斗のシャドウを抱きしめ続ける。

 

《に、兄さん……やっと僕の元に……!》

「……俺は、元からお前の近くにいたつもりだった」

《……え?でも、兄さんは──》

「俺は別に結果が大事だと思っているわけではない」

《でも、僕と話している兄さんは、苦しそうで、兄さんは僕なんか》

「不慣れだっただけだ、年の離れた妹が居た経験がなかったからな」

 

一つ誤解を解くたびに、侑斗はより強くシャドウを抱きしめた。

そんな二人の元へ、直斗本人が歩み寄る。

 

「……兄さん、その言葉は──本当ですか?」

「あぁ、不甲斐ない兄ですまない」

「そんなことはありません。でも、一つだけわかるのは──そこにいるのは、本当にもう一人の僕だということ」

 

「幼い頃から、貴方は僕よりも遥か先にいた。その大きな背中を追ううちに、僕はいつのまにか、初めに抱いた気持ちを閉じ込めてしまった。『もっと兄と遊びたい』と、泣きそうになる小さな僕を」

 

侑斗が抱きしめていたシャドウを離すと、それは少しずつ姿を変えて元の白衣を着た直斗の姿へと戻る。

 

「そうして探偵をしているうちに、色んな小さな悩みやコンプレックスがそこに絡みついて、男になりたい、大人になりたいと思っていた。……でも、本当に僕が望んでいたのは、ありのままの君を受け入れること、ありのままの僕を兄さんに受け入れてもらうこと」

 

「……兄さんの言葉を聞いて安心したのがその証だ。君はいつだって僕の中にいた。僕は君で…君は僕だ」

 

その言葉にシャドウは頷くと、光となって消えていった。

 

「……直斗、無事か?体に異変は?」

「僕よりも兄さんです!脇腹に二度も銃撃を──あれ?」

 

直斗は、兄の脇腹からの出血が止まっている事に気がついた。

 

「……先程の戦いで見たように、俺はモノを創る力を持つ。それを応用して失った器官や組織を創り、結合させれば傷は癒える。……まぁそんなことは良い、お前に何事もなくて良かった。さて、帰ろう」

 

侑斗はそう言うと、直斗の手を引いてマヨナカテレビの出口へと向かった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

俺が死んだと思っている仲間と会うのが気まずい(作者:guruukulu)(原作:葬送のフリーレン)

何で死んだのが分身って誰も気付かないの・・・


総合評価:6048/評価:8.11/連載:6話/更新日時:2026年04月01日(水) 19:00 小説情報

学校に猫はダメだろ、常識的に(作者:Kaitei)(原作:ペルソナ)

▼将来の屋根ゴミの後ろの席に座っている一般転生者くんのお話。▼なお、原作知識はない模様▼この作品は以前投稿していた『旧:学校に猫はダメだろ、常識的に』のフルリメイクとなります。


総合評価:942/評価:7.6/連載:6話/更新日時:2026年05月28日(木) 11:00 小説情報

とある転生者の受難日記(作者:匿名)(原作:七つの大罪)

これは、ひょんなことから転生した男の、ありとあらゆる苦難が綴られた日記である。


総合評価:15779/評価:9.13/連載:27話/更新日時:2026年06月05日(金) 19:07 小説情報

英雄になれない元勇者(作者:ダンまち=スキー)(原作:ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか)

異世界に召喚されて邪神を討ち滅ぼした勇者。▼しかしそんな彼を待ち受けていたのは元の世界に帰れないという最悪の結末。家族にも友人にも会えず絶望していた彼に対し、それを哀れんだ女神が提案したのは、本来なら存在したナニカが失われた不完全な世界への転生。▼主人公(ベル・クラネル)の存在しない世界で主人公(ベル・クラネル)と同じ容姿を与えられた元勇者は、英雄を目指し迷…


総合評価:6005/評価:8.15/連載:26話/更新日時:2026年06月01日(月) 09:10 小説情報

余命一年なのでグレたアイドルの終活プロデュースして死にます(作者:はつぼし たろう)(原作:アイドルマスター)

ついこの間余命一年を宣告されたプロデューサーくんが、アイドル引退したいらしい賀陽燐羽さんの終活を全力でプロデュースしてから死ぬ話です。▼※賀陽燐羽さんの育成ストーリー的なやつです▼※学園アイドルマスターのストーリーの一部ネタバレを含みます▼※よくわかんないことが多いので作者の妄想で補完してたりします


総合評価:6813/評価:8.89/連載:21話/更新日時:2026年06月21日(日) 17:00 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>