空想の竜を降ろすモノ   作:ホンビノス貝

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評価‥フエテ‥ウレシイ

赤白バイクはいいぞ


第九話 戦いとは

「領域展開 竜世界」

 

2つの領域がぶつかり合い、押し合いを始める。片方は花畑、もう片方は竜を形どった遺跡。初めは完全なる拮抗。領域の完成度は竜崎の方が高いがそれも微々たる差。花御との呪力出力の差で十分釣り合いは取れていた。

 

だがそれもこれまでだった。

 

「俺の領域展開‥竜世界は必中必殺じゃない。単純に術式の解釈を大幅に上げるのと環境変化によるステータスの向上のみだ。」

 

竜崎が領域の設定を開示をすることにより術式の強度が上がっていく。

 

「俺の術式は竜を降ろすことができる竜装呪法。本来は何の竜でも出せそうだが俺のイメージのせいか炎に関係していそうな竜しか出せない。」

 

遺跡の口が開く。そうそれはまるで、

 

ナニかを呼んでいるような。

 

「だがここなら別だ。なぜかは分からんがそれ以外もイメージできるようになる。」

 

花御の領域はもう残り少ない。思わず苦悶の声を上げる。

 

「jheyekfkcictmvgr(何なんですか!このチカラは!)」

 

それを聞いていないような、聞こえていないような表情で言い放つ。

 

「さあ‥行こうぜ。」

 

「憑依 大樹王 ギガンディダノス。」

 

突如人型から植物で型どった竜のような見た目になった。

 

両者の領域が崩壊する。

 

片方は竜崎の領域に飲まれたから、もう片方は憑依が完了したら崩壊するという縛りを設けていたから。

 

花御にギガンディダノスの根が迫る。

 

蹴りで迎撃しようとするがまるで効いていないように突っ込んでくる。幹のような根による攻撃は先ほどの呪力出力の差を感じさせないような痛みだった。

 

「こいつの能力は一定以下の攻撃力の直接的な攻撃を全部無効にするんだよ!」

 

そういうや否や二撃目、三撃目と根による殴打を加える。

 

「植物の呪霊たるお前に大樹王で相手するのは皮肉に思えるかもしれんがこれはランダム!恨まないでもらいたい!」

 

攻撃を耐え、かろうじて近づいても根は追ってくる。

 

「hgeidhsjsbsk(その根に攻撃しても意味がない‥ならば狙うのは本体!)」

 

それでも渾身の呪力による殴打を加える。

 

だがそれも

 

彼の力には

 

「近接戦には対策してるわ。」

 

届かない。

 

根よりも硬い皮膚によって受け止められ鞭のような殴打で再度吹き飛ばされる。

 

花御の呪力は残り少なくなっていた。それこそ死にかけるほどに。だが、花御はまだ戦う気でいた。

 

(戦いの楽しみは愉悦だと思っていた。鍛え抜いた術式で相手を殺そうとすることこそが戦いの楽しみ方だと思っていた。だが違った。格上相手でも食らいつき、自分の成長できるインスピレーションを受ける。それもひとつの楽しみ方だと。ああ‥真人‥私は今、猛烈に戦いというのを味わっています!)

 

アイデアを出し切る。目の前の同じ攻撃手段たる相手を観察する。呪術というのは確かな才能と努力、わずかなヒラメキで成長することができる。それは術師も呪霊も変わらない。

 

(やばいな‥やっぱり領域展開すると呪力がごっそり喰われる。あと数回攻撃することが限界だぞ。)

 

一方有利そうな竜崎骸は決定打を決めることに苦心していた。あと攻撃数回でつきそうな呪力、ここまでやっても祓えない相手の耐久性能。どうやって決めるかを考えていた彼にとって油断はなかった。

 

両者同じことを考える。

 

((次の攻撃で決める。))

 

竜崎は呪力を限界まで練り始める。数回を一回に。根を纏めて圧縮し、槍のようにする。

 

花御は対照的に地面に手を置いていた。土壇場での術式の拡大解釈。建物も元は木、地面でさえも元は木、それらを生贄にすることでの呪力出力の限界突破。

 

その時、帷が弾ける。

 

それを合図にしたように竜崎は槍を発射する。応戦するように肩から呪力砲を打つ花御。

 

数秒の拮抗。

 

 

 

槍が壊れる。

 

呪力砲が竜崎を襲う。その隙に追撃をしようとする花御。

 

だが直ぐに撤退を始める。木を纏わずに地面から直接の撤退。

 

(五条悟と戦いを成立できると思えるほど血迷ってはいない。勝利条件があるところで戦わなくてはそれは戦いとはいえない。一方的な虐殺だ。今は逃げに徹する。)

 

そこには意識を失った竜崎だけが残った。

 

 

足跡が響く。

 

「おーお、こーはいやられちゃってるじゃんウケる。取り敢えず硝子のところに連れて行きますか。」

 

彼を背負い五条悟がこう呟く。

 

「やっぱり訛っているね‥まあ仕方ないとはいえ‥。」

 

「極の番をあそこで出せないのは衰えてるとしか言いようがないかな。」

 

よっとという声と共に去っていく。

 

そこにはもう何も残っていなかった。

 

 

 

呪詛師集団による高専交流会襲撃の報告書

 

天元様の護衛準一級術師一名、二級術師三名の死亡。

 

呪詛師 組屋鞣造の捕縛。尋問をし、情報を得ようと試みるも失敗。死刑とする。

 

特級呪霊による木造建築、一部の地面の消失を確認。至急復元する。

 

 

 

追記

 

竜崎骸元一級の呪術師への復帰。今後は会社にも勤めつつ、休日に任務を受け持つ模様。

 

以上で終わりとする。




竜崎骸
敗者
今後は失った勘を取り戻しつつ更なる実力向上を目指す。

花御
勝者
周囲の建物、地面、植物を消失させることで莫大な呪力出力の向上を得た。それは漏瑚の極の番に匹敵すると思われる。原理的には冥冥さんのばーどすとらいくとおなじ。だがこれは地球を愛する心あってこそ、これを多用し、犠牲もやむなしと考え始めたら威力が下がる。

五条悟
竜崎の極の番をくらった経験がある。
あの発想はすごいとのこと

作者
龍世界を使っている時に「これって領域じゃね?」となってこれを作った。
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