指輪の魔術師は幻想世界で希望を掴めるか?   作:鐘楼卿(ベル卿)ベルフェスティフ

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第6話「ファントムと遭遇する指輪の魔法使い」

「ハッ!」

 

チョーイイネ!キック ストライク!サイコー!

 

「ダラァッ!」

 

一応クエストボスの巨大なボアを炎の蹴りが貫く。

 

「ッフゥ!」

 

討伐ログが流れると同時に、クエストクリアのウィンドウが現れ、報酬が表示される。

 

《クエスト「狩人の道:3」をクリアしました》

《報酬:中級回復ポーション×5、3000Gを取得しました》

《クエスト「狩人の道:4」が解放されました》

 

「フー。これで一応はOkってとこだな。」

 

そしてクールタイムリセットのため、一時的に変身を解除したとき、【それ】は現れた。

 

「…お前が〘ウィザード〙か?」

 

「あ、うん。ソウダネ」

 

いやー…なんか怖いし変身しておく、か?

 

次の瞬間、背中に寒気が一気に走ったことでフレイムウィザードリングをドライバーにかざす。

 

フレイム プリーズ

 

ヒー ヒー ヒーヒーヒー!

 

 

変身エフェクトによって【それ】が行った突進しての角による一撃は防がれ、俺は難を逃れる。

 

「あっぶね!なんだよお前⁉」

 

「俺はミノタウロス…メドゥーサ様の命で、お前を殺させてもらう!」

 

何処からともなくミノタウロスは巨大な斧を取り出して構える。

 

「へぇ?良いぜ!かかってこい!」

 

コネクト プリーズ

 

亜空間よりウィザーソードガンを取り出し、守り重視の構えを取る。

 

「ハァッ!」

 

ミノタウロスは一気に距離を詰め、斧を上段より振り下ろしてくる。

 

「おっと。そんな大振りなら避けられるってもんだ、ぜ?」

 

体に違和感が生じ、手の先が攻撃にヒットしてしまう。

 

「ハ?」

 

ウィンドウが今の自分の状態を無情に告げる。

 

《残りクールタイム 0:59》

 

「クソッタレがぁぁぁぁーー!!」

 

仮面をつけていないことなど関係なく、本気の大声を俺は出す。

 

バインド プリーズ

ガルーダ プリーズ

 

「足止めしろッ!できれば1分稼げ!」

 

自分でそう言いはしたものの、無理なことはバインドをかけ続けることの負荷でわかる。

 

バインドは相手の強さと自分の強さの差分、常に魔力が消費され続けられる魔法だが、これまでに見たことのないスピードでMPが減少していくのが視界端で見える。

 

「ドラゴン!起きれるか!」

 

『ム?なんだ?何か用か?』

 

「暇だ」という身勝手な理由で自分から眠ってくれたドラゴンを脳内でたたき起こし、この現状への対抗策を問う。

 

『知らんな!我の力の一端に頼り過ぎた弊害ではないか?』

 

「困るんだよ!それだと!」

 

ドラゴンが適当な返答をした時点で俺の足は全速力でミノタウロスから離れ始める。

 

「とにかく何か策は…!」

 

走りながらそこまで話すと、視界端で魔力切れ表記がポップしているのに気が付く。

 

「魔力切れッ!」

 

後ろから地面を割っているかのごとき音が響いてくるのを感じ、俺はMP回復ポーションを走りながら飲み込む。

 

「残りクールタイムは…5秒!…ここで迎え撃つか?」

 

その少しの思慮の間に草むらから角がつきだされる。

 

「ゲッ!速すぎだろ⁉」

 

「殺す!ウィザード!」

 

ミノタウロスの攻撃が大振りだったためか、そこでクールタイム解除通知が来る。

 

「来た!変身!」

 

フレイム プリーズ

 

ヒー ヒー ヒーヒーヒー!

 

「ッシ!やってやるよ!」

 

上がった行動速度を生かし、直ぐに横に抜けて振り下ろしを抜ける。

 

コネクト プリーズ

 

森の中にほっぽり出して来てしまったウィザーソードガンをもう一度取り出し、振り下ろしを避けられて態勢を崩したミノタウロスの顔面に刃を叩き込む。

 

「ッシャァ!一気に決めるぞ!」

 

リングを手に嵌め、ドライバーにかざす。

 

ルパッチ マジック タッチゴー ルパッチ マジック タッチゴー

 

チョーイイネ!キック ストライク!サイコー!

 

「ブモォォォォーーー!!」

 

火柱に飲み込まれ、ミノタウロスは完全消失という様を呈すのであった。

 

「フゥー…あー!つっかれたー!」

 

『…あれはファントムか…?だがなぜこの世界に…』

 

少し考え込むような思念と共にその疑念が流れ込んでいる。

 

「ン?なんか知ってんのお前?」

 

『別に特段重要なことではない。それより貴様は変身時間を延ばす特訓でもしておくがいい!』

 

「んだとお前!勝てたんだから十分だろうが!」

 

『ハッ!殺されかけて我に助けを請おうとしていたのはどこのどいつだろうなぁ!』

 

「この俺だ!だが結果が良けりゃどうでもいいんだよ!」

 

そんな口喧嘩をしながら、ハルトは今日のログアウト用の宿を探しに街に向かうのだった。

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