俺はディオ!ジョジョの親友で、本当の紳士を目指す者さ! 作:バケギツネ
◇
俺はディオ・ブランドー、転生者だ。
ある日突然、よく分からんこの異世界へと転生してから、既に数日が経っている。
『いいかディオ。お前は頭がいいっ!誰にも負けねえ、世界で一番の金持ちになれよ!!』
「父さん...父さん!!!!」
この世界での俺の父親、ダリオ・ブランドーさんは、最期にそう言い残して亡くなった。
人の本性は死に際に分かるというが...
最期の最期まで息子である俺の幸せを願っていた(好意的解釈)辺り、彼はやはり立派な人物だな。
見ず知らずの貴族・ジョースター卿を、命懸けで助けるような人だし。(勘違い)
俺には自分が転生する前の、元のディオ・ブランドーさんの記憶が全く無い。
しかしダリオさんの話によると、彼は自らが稼いだなけなしのお金で、毎日お父さんにお薬()を用意していたらしい。
親子揃って聖人かよ...!!
そんな人物に転生した以上、下手な事はできないな。
よし、決めた!!
「このディオ・ブランドーには夢があるっ!」
暗闇の荒野に進むべき道を切り開くようにっ、俺はダリオさんの墓前で覚悟を決める。
「俺は、ダリオさんやディオさんのような、“本当の紳士”になる!!きっと、そうなってみせる...!!」
彼らのような高潔な信念を持ち、相手が誰であろうとソレを曲げる事はしない、そんな立派な男となる事。
それこそが、この世界における俺の夢だ。
「行ってくるよ、父さん。年に3回は戻ってくるからね。」
俺がダリオさんと一緒に過ごした時間は、1週間にも満たない。
だが、見知らぬ世界に転生したばかりで1人ぼっちだった俺にとって、自分を気にかけてくれたダリオさんは確かな心の支えだった。
俺は彼を本当の父親だと思っている。少なくとも、前世のあの人よりは。
「貴方の遺産、ありがたく受け取らせて頂きます。」
ダリオさんから託された、ジョースター卿への手紙。
俺はそれを握りしめて、ダリオさんの眠る場所を綺麗に磨き上げると、そこに背を向ける。
彼から託された遺産、それはきっとこの手紙だけではない筈だ。
ダリオさんや元のディオさんが持っていた、眩いほどに純粋な心、言うなれば黄金の精神。
それを確かに、俺は2人から受け継がなくてはならない...!
きっとそれこそが、ブランドー家に転生したこの俺の、運命というものなのだろう。
「よーし、早速この手紙を出しに行こう!ジョースター家、どんなところなんだろうな〜。」
◆
ジョジョの奇妙な冒険の世界に転生した、現代の少年。
彼はダリオ・ブランドーや、自身が憑依したディオ・ブランドーが、生まれついての悪だという事を知らなかった。
彼はある意味では、“自分が悪だと気付いていない最もどす黒い邪悪”だと、そう言えるのかもしれない。