俺はディオ!ジョジョの親友で、本当の紳士を目指す者さ!   作:バケギツネ

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じょなさん...?

 

 

 俺はディオ・ブランドー。転生者だ。

 

 俺の父・ダリオが昔、命を助けたというジョースター卿。かなりのお金持ちらしい彼が、俺を引き取ってくれる事となった。

 

 マジで感謝!!!

 

 俺は今、そんなジョースター卿が寄越してくれた馬車に乗り、ジョースター邸へと向かっているのだが...

 

「やっべえ、緊張してきた。」

 

 どうやらジョースターの一族は、かなりの名家らしい。前世でも、せいぜい一般人レベルの暮らししかしてない俺がやっていけるんだろうか...?

 

『ディオ様。少し、休みましょうか。』

 

「え、あ、はい。」

 

 俺の様子を慮ってか、御者さんは馬車を止めて俺を外へと連れ出してくれる。

 

『ここ、お気に入りの場所なんですよ。風が気持ちいいでしょう?』

 

「はい、すっごく!」

 

 御者さんが俺を下ろしてくれたのは、見晴らしの良い緑溢れる丘だった。鼻をくすぐる草木の香りが心地よい。

 

「いい場所ですね〜。」

 

『ええ、私の秘密の場所です。よくここで休憩を...おっと、旦那様には内緒でお願いしますね。』

 

 御者さん、態度がめっちゃイケメンじゃないか!俺なんかよりも、よっぽど貴族っぽいぞ!!

 

『おや、ここからだと少し小さく見えますね。アチラが、ジョースター卿の邸宅です。』

 

 御者さんが指を差した方向に、俺は目を凝らす。

 

「................クッソ豪邸!!もう城じゃん。」

 

 そこから見えたのは、ありえないサイズの建物だった。今からあそこに住めと!?本物のディオさんならともかく、この俺が!?

 

 無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理ぃ!!!!!!

 

『ディオ様、ひょっとして緊張なさっていましたか?』

 

 どうやら彼は、俺の気持ちもお見通しのようだ。

 

「ええ、正直チビりそうです。あんな素敵なお屋敷とは、縁がなかったものですから...その、ジョースター卿を失望させてしまっては、どうしようかと。」

 

 ジョースター卿が俺を引き取ってくれたのは、我が父さん・ダリオの恩によるものだ。

 

 きっとジョースター卿が期待している程、俺は立派な人物では無いのだ。父・ダリオや元のディオさんのような聖人に、俺は遠く及ばない。

 

『ディオ様、貴方がご不安になる気持ちも分かります。ですがジョースター卿は、貴方を本当の家族のように思っているはずですよ。』

 

「...え?」

 

『事実ジョースター卿は、貴方をジョナサン坊ちゃんと同様に扱うよう、使用人達に徹底しております。』

 

「ま、マジっすか...」

 

 そこまでしてくれるんですか!?ジョースター卿、どんだけ良い人なの!?

 

 なんか良い人すぎて、逆に怪しく思えてきた。実はとんでもない本性を隠してて、終盤で化け物に変身するみたいな...

 

 

*(イメージ)

『クククッ、ディオ。お前をこの家に引き取ったのは、“計画”に利用する為だッ。そうでなければ、お前のような貧乏臭いゲロカスなんぞ、相手にするものかぁッ!!』

 

 

 ハハッ、それはないか。多分、ただの聖人だよな〜。ジョースター卿って。

 

 そんな人がいるのならば、これから始まる屋敷暮らしも、少しは気が楽になるというものだ。

 

 あ、そうだ!名前が出たついでに聞いておくか。

 

「あの、ジョースター卿の息子さん、ジョナサン君って、どんな子なんですか?凶暴でオラついてる、ゴリマッチョだったりしません...?」

 

 引き取り先の貴族の実子とかいう、九割九部悪役である事が確定しているポジション!!

 

 

*(イメージ)

『ディオッ!お前を虐めるのにッ、罪悪感無しッ!!!ぼくの丸太のような足蹴りがッ、君の股間をつぶすッ!!』

 

 

 俺の中では、既にジョナサンに対するこういうイメージが固まっている。絶対に警戒しておかなくては!!

 

『ジョナサン坊ちゃんが、凶暴でオラついてるゴリマッチョ?ハハッ、まさか。寧ろその逆ですよ。』

 

「え、そうなんすか?」

 

『はい。多少無鉄砲なところはありますが、芯を持った心優しい方ですよ。ジョナサン坊ちゃんは。』

 

「は、はあ...そうですか。」

 

 あれれ〜?ジョナサンもいい奴かも?

 

 いやッ、俺は騙されないぞッ!!使用人たちの前では、邪悪な本性を隠しているという可能性も...でも、聖人らしきジョースター卿の息子さんだもんな〜。

 

 そっちの方も普通に聖人でおかしくないか。

 

「んん...?」

 

 いよいよ、この作品における敵キャラが誰なのかが分からなくなってきたぞ。あ、そもそも敵キャラなんて、登場しない作品なのか!?

 

 中世が舞台の日常系漫画みたいな?だがその割には、キャラデザの癖が強めだし...

 

「ん?なんだアレ?」

 

 

 

 

『この野郎ッ!!!女の子の前だからって、カッコつける奴ッ!!!』

『おれ、こーゆー奴は大嫌いだッ!!』

 

 

 

 ジョースター邸の手前に見える大きな木。その根本で、なにやら喧嘩が起きているようだ。

 

 事情はよく分からんが、紳士として見過ごせない!!

 

「すみませんが、先に屋敷へと戻っていてください!!」

 

 俺は御者さんにそう伝えると、一気に丘を駆け降りて行く。

 

『おやあ?なんでぇ〜。』

『こいつぅ〜、てんで弱いぞッ!!』

 

 ふむふむ。

 

 見るからにモブキャラと分かるキャラデザの男2人組が、スーツ姿の青年をフルボッコにしているようだ。

 

 2対1とは、紳士の風上にも置けない奴め!!この俺が成敗してやるッ!!

 

「君たち、暴力はやめたまえ!!」

 

 

 

 

 

 

 ジョナサン・ジョースターとディオ・ブランドー。数奇な運命に結ばれた2人は、原作とは全く違う形での出会いを果たすこととなる。

 

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