俺はディオ!ジョジョの親友で、本当の紳士を目指す者さ!   作:バケギツネ

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ばけもの...?

 

 

 

 

 姿・形はあるが目には見えない力(パワー)

 

 名付けて「スタンド」

 

 それは いつでも どこの場所でも存在しているが見ようとしない人が見ないだけである。

 

 ────どこかの漫画家────

 

 

 

 

 スタンド。

 

 幽波紋とも呼ばれるそれが発現する条件は、実に様々である。

 

 矢、DISC、悪魔の掌、聖人の遺体、といった外部的要因によって目覚めるケース。

 

 血縁者からの遺伝によって目覚めるケース。

 

 スタンドに目覚めた血縁者との”共鳴“によって目覚めるケース。

 

 特定の分野を追究した超絶技巧の職人が、更なる技術の形としてして目覚めるケース。

 

 生まれ持った“精神や肉体が常人に比べて特殊すぎる”がゆえに、発現するケース。

 

 そして今回は.....

 

 

 

 

 

 俺はディオ!

 

 この世界への転生者であり、父・ダリオのような本当の紳士を目指す者ッ!!

 

 ジョースター邸へと向かう道中、ゴロツキに絡まれていたスーツの青年を助けに入った俺は、肉体(ボディー)の中身である俺の精神が貧弱貧弱ゥであったばかりに、窮地に立たされていた。

 

「撤回しろ!!!!我が父ダリオもッ、本物のディオさんもッ、気高い信念を持った立派な人達なんだ!!腰抜けなんかじゃ無いッ!!!!」

 

『なんだコイツッ、急にキレやがった!!』

『ワケ分からねえこと言いやがってぇ!!そのクセー口を閉じなッ!!』

 

 もうダメだと思った俺だったが、そこにまさかの救援が現れるッ!!

 

 ソレは全身が金色で、外見は逞しい体つきをした人間型のモンスター(?)だった。

 

 三角形のマスクを被ったような顔で、背中にはタンクのような物体が付いており、手の甲にはやたらと目立つ時計のマークが付いている.....

 

「........え?ん、誰?」

 

 そのモンスターは俺を庇うように立ち塞がり、ゴロツキ達の拳をあっさりと受け止めていた。

 

「え、えーっと、どちら様でしょうか?」

 

【...................】

 

 俺が声をかけても、人型モンスターは返事をしてくれない。無視....?

 

「あ、あの.....聞こえてます.........?」

 

【........................】

 

「誰なのぉ!?怖いよお!!!!!」

 

 金色のモンスターには、まるで会話が通じない。俺が何度呼びかけても、仏頂面のままこちらを見つめ返してくるだけだ。

 

「ヒ、ヒイッ!!」

 

 思わず後ずさる俺だったが、そのモンスターは距離を一定に保ったままついてくる。

 

 しかし、何をするでもなく真顔で俺を見つめてくるだけだ。

 

 怖いッ!!!!!!!

 

 俺は訳もわからず、パニックに陥る。しかしソレは、俺に絡んでいたゴロツキ達も同様だった。

 

『なっ、何が起きたんだッ!!さっき俺がうったパンチは、空中に静止しやがったッ!!』

『俺もみたぜッ!!まるでッ、透明人間に受け止められたみたいだったッ!!』

 

 やたらと説明口調なゴロツキ達の言葉から察するに、このモンスターは俺にしか見えていないらしい。

 

 何ソレ、もっと怖いッ!!

 

 間違いないッ、この化け物は悪霊なんだ!そして俺はその悪霊に取り憑かれているッ!!

 

 自分が転生したディオ・ブランドーさんが、この作品世界の主人公だという事には薄々気付いていたが、まさかここまでの厄ネタを抱え込んでいるなんて....

 

【..........................】

 

 とにかくこの悪霊は、何をしでかすか分からんッ!!!危険だッ!!

 

『おいッ、ディオとかいうスカポンッ!!てめえ、何しやがったッ!?』

『妙なことしやがってッ!!タネを明かしやがれッ!!』

 

「いや、俺も何がなんだか...ちょっ、やめてぇ!!」

 

 再び俺に殴りかかってくるゴロツキ達。しかし奴らは、俺のそばに立っていた悪霊の“デコピン“を食らって、地面をすごい勢いで転がっていき、目を回して気絶してしまったようだ。

 

【.................】

 

 ゴロツキ達を片づけたモンスターは、くるりと身体を回して俺の方を見つめてくる。

 

 もしかして、”次はお前だ“と、そう言いたいのかッ!?

 

「や、やめろーーーッ、俺のそばに近寄るなーーーーッ!!」

 

 俺は恐怖にすくんだ足を何とか動かして、逃げるッ!!!

 

「クッソッ!!何なんだよッ、この展開ッ!!」

 

 最初の方はこの世界を、中世が舞台の日常ものだと思っていたのにッ!!

 

 意外ッ!!これはファンタジーバトル漫画ッッ!!

 

 あんなモンスターが急に現れるなんてッ!!作品のジャンル、急に変わりすぎだろッ!!!

 

「はあ、はあ...ヤッベ、行き止まりかッ!!!」

 

 俺の逃走経路は、大きな川によって遮られてしまう。それなりに深さがありそうで、金槌の俺では渡るのが怖い。

 

 飛び越すのも無理そうだ。橋はかなり遠くにあって、今から向かうのではそれなりに時間がかかってしまう。

 

「だ、だがッ、ここまで逃げれば!流石に奴も撒けたはず...ぎゃああッッッ!」

 

 金色のモンスターは影のようにピッタリと、俺の後をついて来ていた。

 

「うんぎゃあああああッッッ!!!」

 

 モンスターに驚いた俺は足を滑らせて、体勢を崩してしまった。そのまま頭から、川へと倒れ込んでしまいそうだ。

 

「やばっ、助けッ...」

 

助けを求めて伸ばした手。それを掴んだのは、他ならぬ金色の悪霊だった。

 

「ほえ?」

 

【.....................】

 

 こいつまさかッ.....自分の手で、俺を確実に葬り去る気かッ!?

 

 確かにバトル漫画って、水落ちした奴が8割方生き残る世界だからな。悪霊の奴め、どれだけ俺を殺したいんだッ!!

 

 今からでも抵抗をッ...いや、あの悪霊はデコピン一発で、ゴロツキ達を吹っ飛ばしていた。あの圧倒的なまでのパワーッ!!俺なんかが対抗できるわけがないッ!!

 

 ああ、詰んでる。俺はこんなところで死んでしまうのか...

 

 この世界に転生してからまだ1週間と少し。ジョースター卿にすら会えていないというのに...

 

「いや、こんなところで諦めてどうするッ!!!」

 

 俺の命は、俺だけのものではない!!俺が憧れる、父さんのダリオと本物のディオさんから託されたバトンを、ここで絶やしてなるものかッ!!

 

 恐怖はもう、充分すぎるほど知ったッ!!後はそれを、我が物とするだけだッ!!

 

 振り絞れッ、勇気をッ!!!

 

 あんな化け物に気圧されるなッ!!ハッキリ言ってやれ!!!

 

「離せーー、悪霊!!その薄汚い手で、気安く触るなよマヌケーーー!!尻尾を巻いて、とっとと失せろーーー!!」

 

 思いつくばかりの罵声を浴びせながら、ジタバタともがいていると、悪霊の姿はジョジョに薄くなっていき、やがて完全に消失する。

 

「よ、よく分からんが、勝ったーーーッ!?って、この体勢はまずいッ!!!」

 

 バランスを崩したままの俺の身体は、川へと吸い込まれてしまった。

 

「ゴボボボボボボボボボ...」

 

 やばいッ、何も見えないッ!!身体がどんどん沈んでいくッ!!思っていたより、ずっと苦しいッ!!

 

このままじゃ、溺れ死...

 

 

『ディィィィィィィオォォォォ!!!しっかりするだァーーーーーーーーッ!!!!』

 

 川に誰かが飛び込んできて、俺の身体を浮上させる。意識のぼんやりしていた俺には、命の恩人の真っ直ぐで純粋な目が、何よりも印象に残っていた。

 

 

 

 

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