ガールズ&パンツァー 少年の女子高戦車生活   作:ダオダオ

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紳士淑女の嗜み

 

「本当に申し訳ございません、ジョンさん」

 

隣の部屋に行くと、オレンジペコは深々と頭を下げ、少年に謝罪した その声には、日頃の苦労がにじみ出ているようだった

 

「いや、構わない それにしてもあんたも苦労してるんだな…」

 

少年は、呆れたような、しかしどこか同情するような視線をオレンジペコに向けた 彼女とは何か近いもの感じた

 

「それで執事さん、どうすれば私はもっと優雅になれますの?」

 

部屋につくなり、待ちきれないとばかりにローズヒップが少年に尋ねた 

 

「…とりあえずは落ち着こうか」

 

少年は、まだかまだかとせっかちに問い詰める彼女に、諭すように言った 彼女の前のめりな姿勢に、少年は少しだけ戸惑いを覚える

 

「わっかりましたわ。それでまず私は何をすれば?」

 

ローズヒップはそう言った。どうやら少年の言った言葉が、彼女には伝わっていなかったようだ 少年は頭をかきながら思考を巡らせた この学園が紅茶に重きを置いていることを考えれば、やはりそこから始めるのが賢明だろう

 

「……そうだな ……まずは紅茶の淹れ方だな」

 

少年は、紅茶がこの学校の根幹をなす文化であることを鑑みて、そう告げた

 

「紅茶ならいつも淹れてるから問題ございませんわ」

 

ローズヒップは自信満々にそう言うと、ダイニングにある茶葉を文字通り大量にティーポットに詰め込み始めた 

 

「……」

 

ジョンは彼女の行動をただただ呆然と見ていた 彼女の予想外の行動に思考が一時停止してしまった

 

「だめです!入れすぎです!」

 

オレンジペコが慌てて駆け寄り、ローズヒップの手を止めた 

 

「大丈夫ですわ お湯も大量に入れれば問題ありませんわ」

 

ローズヒップは、確信めいた口調で言い切った 

 

「この量で釣り合いを取ると、紅茶が溢れてしまいますよ」

 

オレンジペコは呆れたように言った

 

「なるほど!さすがオレンジペコさん…」

 

ローズヒップは、オレンジペコの冷静な指摘に心から感心し、称賛した その純粋な眼差しに、オレンジペコは複雑な表情を浮かべる 少年は、その光景を目の当たりにして、深い溜め息を一つ漏らした

 

「…どうやら一から教えないとだめそうだな」

 

少年は、この先が思いやられるとばかりに呟いた 

 

「まず水は水道水ではなく軟水のミネラルウォータを使う」

 

 

ジョンは、慣れた手つきで軟水のミネラルウォーターを鍋に入れ、ガスコンロに火をつけた

 

「何で水道水ではいけないんですの?」

 

ローズヒップは、その理由が理解できないとばかりにジョンに尋ねた 彼女にとって、水道水とミネラルウォーターの違いがわからないのだろう

 

「安全性だ 最近では水道水も安全なところが増えてきたようだが、全てが安全というわけではない ここの水道水が悪いというわけではないがこっちの方が安全のは確かだ」

 

「それになぜ軟水の水を選んだのですか?」

 

今度はオレンジペコが、より専門的な視点から尋ねてきた 彼女の学びに対する意欲が伺える

 

「軟水はミネラル、特にカルシウムやマグネシウムの含有量が少ないから、紅茶の茶葉に含まれる「タンニン」などの成分と反応しにくいんだ これにより、茶葉が持つ本来の旨味や香りが損なわれなくなる 硬水の場合は、ミネラルとタンニンが結合し、味や香りが変化したり、渋みが強くなったりすることがあるからな」

 

少年は、化学的な根拠を交えながら丁寧に説明した 少年の知る紅茶の知識さに、オレンジペコは感銘を受ける

 

「なるほど…」

 

オレンジペコは感心したように頷いた 彼女の表情には、新しい知識を得た喜びが浮かんでいる

 

「それに硬水で紅茶を淹れると、ミネラルと紅茶の成分が反応して、紅茶液が濁ったり、表面に油膜ができることがある 軟水の場合は、透明で良い水色の紅茶を淹れることができる」

 

「勉強になります」

 

オレンジペコは、その言葉を忘れないようにとばかりに、真剣な表情でメモを取りながら答えた

 

「他には軟水は口当たりが軽く、飲みやすいという特徴がある だが、完全にミネラルのない超軟水、硬度30mg/L以下など、だと、かえって苦味成分が強く出すぎることがある 適度なミネラルを含んだ軟水、おおよそ硬度50mg~75mg程度が理想的だな」

 

ジョンはさらに踏み込んだ説明を加えた その詳細さに、オレンジペコはさらに深く頷く

 

「話が難しいでございますわ」

 

ローズヒップはそう答えた 彼女の顔には、専門的な説明に思考が追いつかない様子がはっきりと表れていた 少年はローズヒップの反応を見て、言葉を選ぶ必要があると判断した

 

「…要はストレートで飲む場合は、硬水よりも軟水の方が優れていると言うわけだ もちろん個人差はあるが…」

 

少年は、ローズヒップにも理解できるよう、極限まで簡潔に説明した

 

「なるほど、よくわかりましたわ」

 

ローズヒップは、ようやく腑に落ちたという顔で頷いた その表情には、理解できたことへの喜びが浮かんでいる

 

「ジョンさん、なぜこちらの電気ケトルを使わず鍋を使ったんですか?」

 

オレンジペコが、再度疑問に思ったことを少年に尋ねた 部屋の隅には、最新式の電気ケトルが置かれていた

 

「生憎とメカ音痴のおかげで、電気ケトルなんて便利なものは使ったことがないからな」

 

少年はとある人物を思い浮かべてながらそう答えた

 

「メカ音痴…ですか」

 

オレンジペコは不思議そうにそう答えた 彼女には何のことだかさっぱりわからないだろう

 

「ああ、この前も買ったばかりの洗濯機に……沸いたな」

 

少年がそう言いかけた時に、鍋が沸騰し出した 少年は、とある人物の過去を語るのを中断し、素早くガスコンロの火を止めた

 

「次は茶葉をティーポットにいれる量は13g〜15gが適量だ」

 

少年は、茶葉の入った入れ物をローズヒップに渡した 

 

「わっかりましたわ!あーっっ!」

 

ローズヒップが勢いよく茶葉を入れようとしたので、少年は素早く茶葉の入れ物を取り上げた

 

「茶葉を入れるときはスプーンを使って…な」

 

そう言い、少年はローズヒップにスプーンと再度茶葉を渡した

 

「そんなの洒落臭…」

 

「淑女はそんな言葉を使わない」

 

ローズヒップが淑女とは思えない言葉遣いをしようとしたので、少年はそれを厳しく呆れたように制止した

 

「…わかりましたわ」

 

そう言って、ローズヒップは渋々スプーンで茶葉をティーポットに入れていった その動きはまだぎこちなかった

 

「結構だ 次は沸騰した湯をティーポットに移して3分ほど蒸らす くれぐれもゆっくりと…」

 

少年は、釘を刺すようにローズヒップに言った 彼女の性格を考慮しての忠告だ

 

「わっ、わかりましたわ!ゆっくりとですわね」

 

そう言いながら、彼女は言われた通りゆっくりとティーポットにお湯を注いだ 

 

「あとはカップに注げば大丈夫だ どうだ感想は?」

 

少年はローズヒップに尋ねた 

 

「う〜ん、いつもとあまりやり方は変わりない割には、かなり遅かったですわ」

 

どうやら、彼女の感想は、彼の期待とは裏腹に、あまり効果を感じていないようだった 少年は軽く肩を落とす

 

「すまない、オレンジペコさん。どうやら俺では力不足だったようだ」

 

「そんなことはありません!今日はローズヒップさんはまだ紅茶を一滴もこぼしていません!」

 

オレンジペコは、力強く少年にそう言った 

 

「そういえばそうですわね!」

 

ローズヒップは、オレンジペコの言葉にハッとしたように言った 

 

「……」

 

むしろ毎日紅茶をこぼしているという事実に、少年は驚きを隠せなかった 

 

「それにしても本当に紅茶を淹れるのが上手なんですね。勉強になりました」

 

オレンジペコがジョンにそう言った 彼女の純粋な称賛に、少年は少しだけ微笑?だ

 

「…そう言ってもらえて何よりだ」

 

少年は、努力が報われ、安堵したように答えた 

 

「もうそろそろですわね」

 

ローズヒップが、待ちきれないとばかりに焦っているように言った 彼女の頭の中には、ダージリンたちが待っているという焦燥感が渦巻いている 

 

「ああ、もう大丈夫だろう あとはティーカップに紅茶を淹れて持っていくだけだ」

 

ジョンは時間を確認し、そう答えた

 

「わっかりましたわ!」

 

ローズヒップは、再び勢いよく紅茶を入れようとした その瞬間、オレンジペコの悲鳴が響く

 

「ああっ!ローズヒップさん!そんなに勢いよく入れてはいけません!」

 

オレンジペコが、間一髪でローズヒップを制止した 彼女の素早い対応は、長年の経験からくるものだ

 

「ローズヒップさん ゆっくり淹れるように」

 

少年は、オレンジペコの言葉を受けて、ローズヒップに諭すように言った

 

「う〜ん、そんなのかったるいでございますわ!ああっ!」

 

言った矢先、ティーポットから紅茶がこぼれ出した。ローズヒップの焦りが、またしても裏目に出た瞬間だった

 

「…言わんこっちゃない」

 

少年は、諦めと呆れが混じった声でそう呟いた

 

「申し訳ございません でもこのままではダージリン様たちが待ちくたびれて大変なことになってしまいますわ!」

 

ローズヒップが、切羽詰まった表情でそう指摘した。彼女の言葉には、ダージリンたちへの責任感と焦りがにじみ出ている

 

「そうなのか?」

 

「そんなことあるわけないじゃないですか!」

 

オレンジペコは、少年に鋭いツッコミを入れた

 

「はぁ〜、新しい茶葉を用意してきます」

 

オレンジペコがそう言って部屋を後にした その手慣れた様子に、少年は彼女が日常的にこのような状況に直面していることを察した

 

「ローズヒップさん。君は一生懸命なのは見てわかるが、気持ちが先走って空回りしている なぜそんなに焦っているんだ?」

 

少年は、素朴な疑問をローズヒップに尋ねた 彼女の行動の根源を知りたいと願う

 

「私、ダージリン様達に憧れていまして、私もいつかあのようになりたくて…」

 

ローズヒップは、うつむき加減に少年に答えた その声には、憧れと、それに対する自分の未熟さを痛感する悲しみがこもっている

 

「やはり、私には無理なのでしょうか…」

 

ローズヒップは、完全に落ち込んでしまった あって間もないが、彼女がこれほど落ち込んだのを初めて見た

 

「だろうな。それになる必要もない」

 

少年は、あえて突き放すように答えた 少年はローズヒップに自身が思うの「淑女」の姿を教えた

 

「えっ」

 

ローズヒップは、予想外の言葉に驚いたように顔を上げた 

 

「おそらくダージリンさんのような淑女にはなれないだろう だか彼女だけが淑女ではない 君には君の良さがある 確かに今の君には淑女とは程遠いだろう だが、誰よりも前向きなのは確かだいつか立派な淑女になることを願っているよ」

 

少年は、ローズヒップの可能性を信じ激励の言葉を贈った 

 

「執事さん…!わかりましたわ!私、もっと頑張るのでございますわ!」

 

ローズヒップは、元気を取り戻したように叫んだ 彼女の瞳には、再び希望の光が宿った

 

「…まあ、もう少し節度は持った方がいいがな」

 

少年は、その言葉に安堵しつつも、小さく呟いた 彼女の成長には、まだ時間がかかりそうだ

 

「お待たせしました、ジョンさん こちらを」

 

オレンジペコは、新しい茶葉とティーセットを持ってきて、少年に渡した 

 

「ありがとう ではローズヒップさん 茶葉をティーポットに入れてみよう 床や港ではなく」

 

少年は、ユーモアを交えて指導を再開した

 

「………」

 

「…何をおっしゃってますの?」

 

少年の発言に、オレンジペコは何とも言えない顔をしている 彼女は少年の冗談を理解しているようだが、ローズヒップは訳の分からない顔をしているので、この意味を分からなかったのだろう その対照的な反応に、少年はほくそ笑んだ

 

「悪かった。さっきと同じやり方でやってみよう。まずは…」

 

 

 

 

「随分と遅いわね」

 

紅茶のカップを眺めながら、アッサムがそう呟いた その声には少しの心配の色が混じっていた

 

「ええ、ローズヒップに苦戦しているのでしょう」

 

ダージリンが、アッサムの言葉に同意した 彼女の表情には、すべてを見通しているかのような含み笑いが浮かんでいる

 

「はぁ〜 何か粗相をしてなければよろしいのですが… それにしてもダージリン、なぜ急に彼をこの学園に呼んだのですか?」

 

アッサムが、ダージリンに尋ねた 

 

「こんな言葉を知ってる?『私は出会ったすべてのものの部分である』」

 

ダージリンは、アッサムに問いかけた

 

「…私はぺこではありません」

 

アッサムは呆れたように返した ダージリンの思わせぶりな言葉に、いつも通りうんざりしているようだ

 

「そう、残念ね 彼ならうまく返したでしょうに」

 

ダージリンはアッサムにそう返した 彼女の言葉には、ジョンに対する高い評価と、期待が込められている

 

「本当に彼は何者なんですか?」

 

アッサムは、再度ダージリンに尋ねた 少年の正体が、彼女の心を掴んで離さない

 

「そうね 彼に直接聞いてなさっては?」

 

ダージリンがそういうと、外からノックをする音が聞こえた ダージリンにはもう来るのがわかっていたようだ 

 

「どうぞ」

 

ダージリンの声に、扉が開く

 

「お待たせしましたわ、ダージリン様、アッサム様」

 

ローズヒップが、元気した声で部屋に入ってきた その手には、湯気の立つティーカップを二つ持っていた

 

「お待たせしました、ダージリン様、アッサム様」

 

「待たせたな」

 

続くように、オレンジペコと少年が部屋に入った 彼らの表情には、どこら疲弊しているように見えた

 

「遅かったわね。何かあったのかしら?」

 

ダージリンは、ほくそ笑みながら尋ねてきた

彼女は、すべてを知っているかのような口ぶりで、少年たちの苦労を察している

 

「多分あんたの想像通りだ ローズヒップさん」

 

少年は、ダージリンの問いに簡潔に返し、ローズヒップに合図を出した

 

「わかりましたわ!ダージリン様、アッサム様、ぜひご賞味くださいでございますわ!」

 

ローズヒップは、持ってきた紅茶を丁寧に二人に差し出した その手つきは、先ほどまでの彼女からは想像できないほど慎重だ

 

「まあ、紅茶が溢れていないわ」

 

ダージリンは、カップを見ながら驚いたように言った

 

「ええ、初めてです」

 

アッサムもカップを見てそう言った 二人の反応を見る限りでは、ローズヒップが紅茶を溢さなかったのは、本当に初めてのことらしい 

 

そして、二人は紅茶を一口飲んだ

 

「まあ!」

 

「これは…」

 

二人は紅茶を一口飲んで驚いていた その表情には、純粋な感動が浮かんでいる

 

「どうですか、ダージリン様、アッサム様?」

 

ローズヒップは、二人の反応を見て嬉しそうに尋ねた 彼女の顔には、達成感と誇らしさが満ちている

 

「見事よ、ローズヒップ」

 

「ええ、よくこれほどの紅茶を…」

 

二人は、心からローズヒップを称えた その言葉は、ローズヒップにとって何よりのご褒美だった

 

「やったでございますわ!ありがとうございます、執事さん!オレンジペコさん!」

 

ローズヒップは喜びながら、補助をしてくれたオレンジペコと少年に感謝した その声には、心からの感謝が込められている

 

「どうも」 

 

「よかったですね」

 

少年とオレンジペコは、肩の荷が降りたように安堵した 彼らの表情には、小さな成功を分かち合う喜びが浮かんでいる

 

「流石、世界名士の執事さん これぐらいは朝飯前かしら?」

 

ダージリンは、少年を見ながら挑発するようにそう言ってきた 彼女の言葉には、少年に対する期待と、彼を試そうとする意図が込められている

 

「勘弁してくれ 俺の手には余る」

 

少年は、呆れたようにそう言った 

 

「ふふっ。この様子だと、試合も楽しめそうね」

 

ダージリンは楽しそうにそう言った 彼女の瞳には、少年との対決を心待ちにしている光が宿っている

 

「…受けてくれるのか?」

 

少年は、歓喜しながら尋ねた。少年の声には抑えてはいたが隠し切れない興奮が混じっている

 

「勿論 受けた勝負は逃げませんわ」

 

ダージリンはキッパリと答えた 彼女の言葉からは揺るぎない自信が伺えた

 

(…なら俺は本当に何をしにきたんだ)

 

少年は、ふと頭によぎったが、彼女の性格を考えても答えは出ないだろうと思い、すぐに思考を切り替えた

 

「それで、試合の内容はどうされますの?」

 

「細かいルールなどは後に連絡するが大まかなルールは殲滅戦で申し込みたい」

 

「あら、殲滅戦でよろしいのですの?」

 

ダージリンは、少年が提案したルールを意外と思ったのかそう尋ねた おそらく、殲滅戦では自分たちが有利になると考えているのだろう

 

「ああ。何か不満でも?」

 

少年は、少し挑発するように尋ね返した 少年の瞳には、確かな自信が滲んでいた

 

「いえ、何も問題ありませんわ ただし、条件がございますわ」

 

ダージリンも、挑発し返すように条件を出した 彼女の表情は何か楽しそうであった

 

「…条件は?」

 

少年は、予想通りと言わんばかりに返した 少年の表情には、ダージリンの意図を見抜いているかのような余裕が伺える

 

「ええ。この試合…」

 

 

 

 

 

 

 

 

「何でああなったんだよ…」

 

少年は、ぐったりしたようにヘリに向かうのであった

 

「申し訳ございません あれがダージリン様ですから…」

 

案内してくれているオレンジペコが、フォローとも何とも言えないことを言って少年を宥めた 

 

「苦労してるんだな」

 

少年は、毎日彼女の相手をしているであろうオレンジペコに同情してしまった 彼女の日々の苦労が、少年の心にじんわりと染み渡る

 

「いえ、確かにダージリン様は少し変わっている所もありますが、素晴らしい人ですよ」

 

オレンジペコは、真っ直ぐな瞳でそう返した

彼女の言葉には、ダージリンへの心からの尊敬が込められていた

 

「確かにそう完璧な人間なんていないからな」

 

少年は、過去に出会った様々な人間を思い出しながらそう答えた 

 

「悪かったな わざわざ見送りまで来てもらって」

 

少年はヘリポートに着くと、ここまで見送りに来てくれたオレンジペコに礼を言った 

 

「いえ、こちらこそ。急にお呼びに応じてくれてありがとうございました。それに、色々勉強になりました」

 

「…次会う時を楽しみにしている」

 

少年はそう言うと、ヘリのコクピットに乗り込み、離陸の準備を始めた

 

「はい、それではお気をつけて」

 

オレンジペコがそう返すと、少年はヘリを発艦させ、大洗の学園艦に帰還するのであった

 

 

「…向こうが示した条件だ」

 

少年は、聖グロリアーナから帰ってきて、生徒会のメンバーに報告をした 少年の声には呆れが混じっていた

 

「…聞き間違いかもしれないから、もう一度言ってくれ」

 

河嶋が、頭をかきながら言ってきた 

 

「俺も試合に参加する それが向こうの条件だ」

 

少年は、相聖グロリアーナが差し出した条件を再度報告した その言葉に、生徒会のメンバーはなんとも言えない表情をした

 

 

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