ようこそ青春を目指す教室へ   作:雪印のフラン

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雪印のフランです。みなさんは二年生編12巻は買いましたか?自分は買って、今呼んでいる最中です。龍園VS坂柳、どちらが勝つのか気になるところですね。それではまだ原作1巻すら終わっていないこの小説をどうぞ。


ししょーができる

堀北side

 

クラスの誰も彼もが落合くんの言葉を理解できない様子だ。当然私も理解などはしていない。ここには様々な人間がそれぞれ進路を叶えるために来たのである。それを彼は青春なんていう下らないものを目指すために来ただと。ふざけるのもいい加減にしてほしい。私はこの学校に入学するために必死に勉強をしてきたのだ。全ては兄さんに……

 

「ハハハハハハ!!」

 

クラス全員が沈黙しているなか高円寺くんが声高らかに笑う。

 

「ここまで愉快な日は久しぶりだよ。落合ボーイ、君には道化の才能がある。将来が決まっていないのなら芸人でも目指してみてはいかがかな?」

 

「候補に入れておく」

 

「笑い話では無いのだけれど」

 

私は彼らの会話に割り込む。そうだこれは笑い話なんかなのでは断じてない。

 

「あなたたちはこの状況を本当に理解してるのかしら?」

 

「しているつもりだ」

 

「なら尚更理解できないわ。あなたは本当に()()なんていう不確かなもののためにここに来たのかしら」

 

「そう言ったつもりだが」

 

「そう……あなたには失望した」

 

「……そうか残念だ」

 

常人にはあり得ないような身体能力、今回の小テストの点数、全てにおいて彼はこのクラスで最も優秀な生徒だと判断していた。とんでもない才能を持っていた。そんな人間だからきっと大層な志を持ってこの学校へ来たのかと思ったら青春のため、本当に心底下らない。

 

 

 

松下side

ホームルームが終わりそこからクラスは非常に荒れていた。まぁそれも仕方ないか。今月のポイントはもう振り込まれない。私たちのクラスは落ちこぼれ扱い。感情の整理が追いついていないのだろう。昨日の落合くんの話を聞いていなかったら私もまだ現実を受け止められていないだろう。

 

(青春というものを目指すためか……)

 

彼がクラスのなかで堂々と宣言していた言葉。他の皆こんなときにふざけているとそんな風に考えているのかもしれない。実際堀北さんはそう言っていたし。でも昨日関わったからこそ私にはわかる。きっと彼は真面目にそう言ったのだろう。そう思うとまた笑いそうになる。実際、茶柱先生が言っていた銅像を買おうとしていたところでは少し笑ってしまった。何故か一緒に笑っていた高円寺くんのお陰でごまかせたけど。

 

それにしても……銅像なんて()()()何をするつもりだったんだろう

 

そもそも銅像なんて聞くまでもなく買えるわけないのに。

 

……あれそうだよね、買えるわけがないよね。そもそも銅像なんて普通にいらないし。じゃあ銅像自体には意味なんてない。

 

※落合は銅像を本気で購入しようとしていました

 

じゃあ意味があるのは()()の方?

 

茶柱先生の言い方では落合くんは疑問を持って質問をしてきたはずだ。疑問、彼はきっと先生の発言から疑問を見つけたはずだ。彼は先生の発言を正確に覚えているくらい記憶力が良い。じゃあそれは一体?

 

 

「松下さん!!」

 

「ッ!?どうしたの?」

 

急に声をかけられて驚いてしまう。声をかけてきたのは佐藤さんだった。

 

「ごめん、何回か声かけたんだけど全然反応しないからさ」

 

え、これで初めてじゃないの?すっかり考え事をしていて全然話を聞いてなかった。

 

「それはごめん、ちょっと考え事してた」

 

「うん、そうだよね。それでさ放課後平田くんが……」

 

佐藤さんの話によると放課後にクラスで話し合いをするそうだ。話し合いかぁ……

 

(ひょっとして来るつもりかな落合くん)

 

彼は放課後の話し合いに参加するつもりだろう。今回の件で堀北さんとは違った感じで彼は周りからのヘイトを買ってしまっている。まぁ本人は全く気づいてなさそうだけどね。

 

(参加しないようにメッセージ送らないとな)

 

 

 

 

落合side

 

昼休みに俺はベンチで自分で作ったお弁当を食べていた。何故だろう、前より視線が少しきつくなった。堀北からは凄く睨まれるし、話しかけても無視してきた。ここは放課後の話し合いで名誉挽回しようとしたら松下からメッセージでで『参加しないほうがいいよというか参加しないで』ときた。

 

「俺が何かしたのだろうか?」

 

「げ」

 

「あ」

 

Aクラスの神室が現れた

 

「何でちょっとRPG風なのよ」

 

RPG(Rocket-Propelled Grenade)?」

 

「……何でそっちになるのよRPG(Role-Playing Game)に決まってるでしょ」 

 

あぁ、そっちか。

 

「ったく、他に場所が無さそうだからここ座るわよ」

 

「どうぞ」

 

ベンチに座り、思いっきり溜め息をつく神室。

 

「なにかあったのか?」

 

「色々とね、アンタのクラスの方も大変なんじゃないの?」

 

「あぁ、大変だ。まだクラスでできた新しくできた友達は一人しかいない」

 

「その話じゃないわよポイントの話よ」

 

「そっちか」

 

「何だったらポイント貸してあげるわよ、利子は三割ぐらいでどうかしら?」

 

「違反だろ。あと別にポイントに困っているわけではない」

 

「つまらないわね」

 

興味をなくしたのか神室は持っている袋からパンを取り出して食べる。俺も弁当の続きを食べる。

 

「そういえば一人だけか。有栖と橋本と鬼頭は?」

 

「アンタは私たちがいつも一緒にいるとでも考えてるの?」

 

「違うのか?仲良しだろ」

 

「はぁー、あいつらは食堂にでもいるんじゃない」

 

「一緒に食堂行けばよかったのに」

 

「嫌よ、どうせまためんどくさいのに絡まれる」

 

「大変そうだな」

 

「本当にお気楽ねアンタ。自分のクラスがやばいって自覚あるの?」

 

「別に死ぬわけじゃないだろ」

 

0ポイントの人間でも生活できるように学校はしている。だから特に焦ることはない。今俺が焦るべきはクラスメイトから避けられているこの現状だ。

 

「確かに死にはしないけど。今のDクラスこっちを親の敵みたいに見てくるわよ」

 

「それは神室が本当に親を……」

 

神室に思いっきり足を踏まれる。

 

「……冗談なのに」

 

「そう、全くおもしろくなかったわ。将来芸人は目指さないほうがいいわよ」

 

「そんな!?芸人を目指したらどうかって今日言われたのに?」

 

「そいつの感性がどうかしてんじゃない。ったくめんどくさい奴らから離れたのにもっとめんどくさい奴に絡まれるなんて」

 

「褒め言葉として受けとる」

 

「貶してるのよ」

 

 

放課後、俺も話し合いに参加したかったけど友人の頼みは断れない。おとなしく教室を出るとしよう。そうだ綾小路でも誘って今日は帰ろうそうしよう。休み時間に話したときにどうやら放課後の話し合いに参加する気がないそうだしな。そうして俺は綾小路に話しかけようとした。するとそこには先客がいて、綾小路は櫛田と話していた。

 

そうか……アイツってクラス内に友達いないわけじゃないのか。そういえば山内とかとも話していたりしたし、もしかしてDクラスに馴染めてないのって……俺だけ?

 

 

帰ろう。ついでに図書室で新しい本でも借りよう。次こそ新しい作戦を考えるんだ。有栖たちに相談したいけど、神室から今は忙しいみたいなことを言っていた。隆二は『今日は一緒に帰れないすまない』と授業が終わってからすぐにメッセージがきた。Cクラスは少し覗いてみたが空気が重かった。まるでお通夜だ……参加したことないけど。

 

 

図書室には思ったより人がいた。見てるかぎりではほとんどが勉強をしているようだ。そういえばもうすぐテストだったな。

 

これはいわゆる勉強会というやつか!?

 

これが本物の青春イベント。まさしく俺が求めているもの。やりたい、今度誰かを誘ってやってみよう。勉強会を横目で見つつ、俺は本を探す。

 

「おい、なんだよあいつこっちをすごい目で見てるぞ」

 

「バカ、目をあわせるな。殺されるぞ!?」

 

「なんなんのあの人!?」

 

おぉ、小声でなんか話している。おそらく図書室だから他の人の迷惑にならないようにしているのだろう。素晴らしい配慮だ。少しノートを書くペースも早くなってるように見える。

 

俺も一緒に勉強するような友達を作れるように頑張るぞ。

 

「そこの今にも人を殺しそうな目をした人」

 

「ん?」

 

急に少女の声が聞こえる。それよりもそんな奴がいるのか、一体何処に?俺は辺りを見渡すが誰もいない。

 

「いや、あなたのことですよ」

 

少女は俺を指差した。

 

「……俺のことだったのか」

 

「そうですよ、もしかして自覚なしですか」

 

 

 

 

 

一之瀬side

 

クラスの子から図書館に怖い人がいるからきてほしいとメッセージがあったので私は今図書館に来ていた。怖い人ってなんだろう私一人で大丈夫かな?本当はさっきまで一緒にいた神崎くんにも一緒にきてほしかったけど。

 

『……すまない一之瀬、俺は今から落合を探しにいかなければならない。もしかしたらポイントがなくてひもじい思いをしてるかもしれないからな。待っていろよ落合!!』

 

と言ってどっかに走って行ってしまった。神崎くんの話に度々出てくる落合くんってどんな人なんだろう?たしかDクラスの子らしいけど。そんなことを考えていたら図書室に着いた。私は一呼吸をおいて、覚悟を決め扉を開けた。図書室には何人かの生徒がおり、勉強をしていたのか机の上には参考書からノートがあった。しかし生徒たちは誰一人として勉強はしておらず、ある方向じっと見つめていた。その見つめる先にいたのは両手と膝を床についてうなだれている男の子とそれを愉快そうに見下ろしている女の子がいた。

 

「どういう状況!?」

 

私はここが図書室だということを忘れて思わず叫んでしまった。

 

「あ、帆波ちゃん」

 

こちらに気づいたのか友達であり、私をここに来てほしいと頼んできた麻子ちゃんが私のほうへときた。

 

「えっと……どういう状況なの?」

 

「実はねそこの二人、多分初対面なんだけどね、最初は普通に話してたんだけどさ

 

<回想>

 

『刀削麺って知っているか』

 

『ああ、あの、片手に生地、片手に包丁を持って湯の沸いた 鍋の前に立ち、生地を細長く鍋の中に削ぎ落としてゆでる 奴ですね』

 

「なにこれ!?これが初対面でする会話なの?」

 

『知っていますか、カバの汗はピンクなんですよ』

 

『そうなのか、今後の参考にする』

 

「何の参考にするの!?」

 

女の子がとある話をしてから雲行きが怪しくなったんだよね。

 

『そういえばこんなことは知っていますか、タコライスにはタコは入っていません』

 

何だと

 

そうして今こうなってるところ」

 

「これだけで!?」

 

タコライスにタコが入ってないってだけで今こうなってるということだけで彼はこんな風になっているの?

 

「そんなあなたにさらに残酷な真実を伝えなけらばなりません」

 

「……ゴクリ」

 

「それ自分で言っちゃうんだ!?」

 

女の子の方が、うなだれている男の子の方に手を置いてさらなる残酷な事実?を告げようとしていた。というか男の子の方がゴクリって自分で言っちゃうから思わず反応しちゃったじゃん!?

 

「市販されているかき氷のシロップの味は一部のものを除き全て同じです」

 

俺は今日から何を信用すればいいんだ!?

 

「そこまで深刻になることなのかなそれは!?」

 

男の子の方がこの世の終わりのような雰囲気を醸し出している。かき氷にとてつもない思い入れがあるのかな?

 

「信じていたものに裏切られて、とても辛い思いをしているでしょう。しかし立って歩きなさい、前に進みなさい。あなたには立派な足がついてるではありませんか」

 

「うん、どっかで聞いたことあるよ!?」

 

女の子のセリフが鋼の○金術師の主人公のセリフだったもん。思いっきりパクりだもん。なのに男の子の方は感動しちゃってるし。

 

「ところであなた名前は?」

 

「落合天嶺」

 

「なるほど、私の名前は森下藍(もりしたあい)。親しみと敬意を持って『ししょー』と呼ぶことを許可します」

 

「何で!?」

 

「ししょー!!」

 

「君も素直に呼ぶんだね!?」

 

「行きますよ弟子一号、私たちの戦いはこれからなんですから」

 

「はい!!」

 

「もう、最初から最後までずっと意味わかんない!?」

 

「ところでそこのあなた」

 

急に話が変わり、女の子はとある方向を指差す。指された方向にいるのは……

 

「私!?」

 

「さっきから少し喧しいですよ、ここは図書室なので節度のある行動を心掛けてください」

 

 

 

「君たちだけには言われたくないかなぁ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




あんまり、クラスメイトについて描写ができませんでしたし、なんかししょーができましたね。というか落合くんがDクラスなのにDクラスに馴染めてなさすぎる。これは今後で挽回できるように頑張らなくては。それでは今回はここまでです、最後まで見ていただきありがとうございました。次回はもしかしたら番外編をやるかもしれませんがそちらも見ていただけると嬉しいです。
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