神室side
「ねぇねぇあそこの猫カフェ行ってみた?」
「行ったよ、もう超可愛かった!!」
前の二人の会話が耳に入ってくる。
「どうかしましたか、真澄さん?」
「……別になんでもない」
猫カフェか……
「落合、黙って着いてきなさい」
「………ん?」
落合が首を傾げている。まぁそんなのは関係ない。とっととこいつを連れていくとしよう。私は落合の腕を掴んで廊下まで引っ張る。
「待ちなさい、神室真澄」
後ろから声がかけられる。こんな呼び方をする奴なんて一人しかいないが一応振り返る。
そこには私と同じAクラスの森下とその後ろに同じくAクラス山村がいた。
まぁそれは置いといて、そんな二人が私を引き留めてきた。いや、正確には森下だけだが。
「弟子一号を連れてどこへ向かうつもりですか?」
「……別に、アンタには関係ないでしょ」
「関係あります。何故なら私はししょーだからです」
胸を張って宣言する森下。正直に言って意味がわからない。というかコイツの行動を理解できたことなんて一回もない。言うなれば森下は、【女版落合天嶺】なのだ。コイツと落合の二人が揃うと面倒なことが確実に起きる、全く傍迷惑な師弟コンビだ。
「……ちなみに山村は?」
森下の対処法は無視が一番である。厄介な奴には話しかけないこれが一番。
「わ、私は落合くんと一緒に料理を……」
山村はどうやら料理をしようと誘ったらしい。この二人、料理が趣味らしく、落合の部屋で料理の研究をしている。しかもこの研究というのが思ったよりも本格的だ。一回だけ食べたことがあるのだが、高級レストラン食事並みに美味しかった。そんな私の反応を見て安心する山村と得意気な落合。取り敢えず落合は蹴っておいた。
森下はともかく、山村の方は断りにくい。
森下はともかく
「そもそも弟子一号を連れてどこに行く気ですか?」
「……別にアンタには関係ないでしょ」
「ありますよ、だって今日は弟子一号と一緒に……一緒に……一緒に?……何をする予定でしたっけ?」
「知らないわよ!?」
本人も知らないのに私が知るわけ無いでしょ!?
「もう、なんかいいです。神室真澄どこに行くんですか、しょうがないから私たちも同行してあげますよ」
「頼んでないけど!?」
なんでこんなに上から目線なのよ!?
「……
「当然です、山村美紀。不満ですか?」
「とっても嬉しいです」
「ちょっと……まだ何も言ってないんだけど」
「いいんじゃないか、皆で遊んだほうが楽しいだろ」
「……後で文句とか言わないでよね」
はぁ……山村はともかく森下も来るのか。そもそも私は落合と……
「どうした神室、何かあったか?」
「うるさい」
少し止まっていると落合から心配される、こっちの気も知らないその顔が無性に腹が立ったので蹴っておく。
「放課後に友達とお出かけって青春してますね」
「だな、青春してる」
目的の場所に向かっている途中、落合と山村が会話をしている。コイツらこの学年でも上位に入るくらいに頭がいいのに会話はアホみたいね。
「ところで神室真澄、我々はどこに向かっているんですか?」
「うっ」
そういえばたが、私たちが猫カフェに向かっているということをコイツらは知らない。
落合と山村の二人もそういえばと、興味津々にこちら見てくる。
今さらだが、私は猫カフェに行くのがあいつらに知られるのが恥ずかしいから、わざわざ落合だけを誘ったというのに。
「なんですか、言えない場所なんですか?」
「うっ」
「……もしかしてこの方向」
森下、こいつもしかして気づいたか。
「あなた、東京ドームの地下にある闘技場とか行きませんよね?」
「行かないわよ!?」
どこのグラップラーよ?そもそも歩いて行けるわけないでしょ!?
「行くなら、前もって言っておいてくださいよ。ポップコーンとジュースを買わないといけないので」
「だから行かないって言ってるでしょ。というかアンタ、あれを映画感覚で見るつもりなの!?」
おもいっきり血とか出るんだけど!?なんなら食欲失せると思うんだけど!?
「……グラップラー○牙か」
「グラップラー刃○?……えぇと漫画でしたっけ?」
「そうだな、山村は見てないのか?」
「はい、外伝の猪狩VS斗羽の方は見たんですけど」
「それ楽しいの!?」
本編を見ずにあのプロレスラーの対決を見て何が楽しいのだろうか?そもそも何故それだけ読もうと思ったのか。私は少し山村が怖くなった。
「じゃあ結局どこに行くんですか?」
「……猫カフェよ」
「?……声が小さくて猫カフェとしか聞こえませんが」
「はっきり聞こえてるじゃない!?えぇそうよ猫カフェよなにか文句あるかしら!?」
クソ、なんでこんな恥ずかしいことを私は大声で叫ばないといけないのかしら。
「猫カフェですか、猫カフェ。あなたがね……うぷぷ」
真顔で某白色と黒色が半々の熊*1のように笑っている森下。一発蹴ってもいいだろうか?
「かわいいですよね猫、私も好きですよ」
山村からフォローが入るが逆に辛い。
「猫カフェ……行ったことないな」
落合は感慨深そうに呟く。こいつ本当に何処にも行ったことないわね。大抵の場所が初めて行ったか、数回行ったことがある程度。こいつ、好奇心は3歳児なのに部屋から出たことないのかしら?
「そういえば猫カフェといえばこんな特別なルールはご存知ですか?」
「「「?」」」
突然変なことを言い出した森下は鞄を漁り始める。猫カフェの特別なルールとは何だろうか?確かに、猫カフェにはルールが存在するが別にそんな特別というわけでは無いし、そもそも鞄を漁る意味がわからない。
私がそんなことを考えているうちに森下は鞄から3つの猫耳のカチューシャを取り出した。
「は?」
「猫カフェに来店をする際にはこれを着けていないといけないルールがあるそうですよ」
「ちょっと待ちなさい!?」
「なんですか?」
「おかしいでしょ!?」
「何処が?」
「全部よ、全部」
なぜ猫耳のカチューシャなんて持っているのか、なんで三つも鞄の中に入れているのか、そもそも猫カフェにそんなルールは存在しないとか、言いたいことはたくさんある。
「ししょーに神室よ」
なによ、こんなときに。私は落合の方へと振り返る。
「こんな感じでいいだろうか?」
「えへへ、ちょっと恥ずかしいですね」
そこには
堂々と立っている落合に対して、恥ずかしそうにしながらもどこか嬉しそうにしている山村。
「なんであんた達は着けてるのよ!?」
「……え、そういうルールじゃないのか?」
そんなわけあるか!?
そんな落合と山村の様子を見て拍手をしている森下。本当にコイツはなんなのよ!?
「似合ってますよ、弟子一号、山村美紀。さぁ神室真澄あなたも」
「嫌よ」
「何故ですか、あの二人が着けているというのに」
「そもそもあんたのでしょうが!!あんたが着けなさいよ」
「嫌ですよ、人前で猫耳なんてバカみたいじゃないですか」
「あんたが着けさせた元凶でしょうが!!」
私と森下による猫耳の押し付けあいが始まる。
「はぁ、仕方ありませんね。神室真澄の猫耳姿はまた今度にしときます」
「しないわよ、絶対にしないわよ」
意外とすんなり諦めた。
「それより、こちらですね。弟子一号、山村美紀。こちらに来てください」
「ん、了解した」シュパパパパパパパパパパパパパパ
「はい、わかりました」シュパパパパパパパパパパパ
「いや、なにやってるよあんたら!?」
超高速で手を動かす、謎の儀式のようなものをこの二人はやっていた。
「「アルプス一万尺だが(ですが)?」」
「そんな高速で手動かす遊びじゃないわよ!?」
「まぁまぁ神室真澄、私の手なら空いてますから」
「別にアルプス一万尺がしたいわけじゃないわよ!?あと誰があんたとやるか!!」
「それで、どうかしたのか?」
「こちらに向いて二人で猫ポーズをよろしくお願いします」
「何を要求してるのよ!?」
「「こうか(こうですか)?」
「あんたたちって将来不安になるくらい素直よね!?」
「ふっ、やはり私の目に狂いは無かった」パシャ
真顔で猫ポーズをしている落合。少し恥ずかしそうに顔を赤くしながらやる山村。それを撮る森下。
……ん?ちょっと待て
「何をやっているよ、あんたは!?」
森下の肩を掴む。
「何って写真撮影ですよ」
「なんでよ!?」
「折角させたんですから、撮らないと損でしょう」
これって損得の話なの?
「安心してくださいよ、ちゃんと送ってあげますから」
「そういう話じゃないわよ!?」
「じゃあいらないんですか?」
「……別に、いらないとは言ってない」
「ん、つまりどういうことでしょうか?」
コイツ、わかっててやってるだろ。
「欲しい、欲しいわよ、あとでよこしなさい」
「わかりました。まったく素直になればいいものを」
こいつ一発ぐらい蹴っていいだろうか?
<数分後>
なんやかんやあってようやく猫カフェに着いた。
「なんかここに来るだけですごい疲れたわ」
「実際、ここに来るだけで3000文字以上使ってますからね」
「そういう話しないでもらえる!?」
森下はどうしたら静かになってくれるだろうか。
「よし、それじゃあ入るか」
そうして私たちは店内に入った。
「いらっしゃいま……せ?」
女性店員が笑顔でこちらに接客してくれようとしたが、今は何故かこちらを向いて止まっている。具体的に言うなら、落合と山村の頭上……
あんた達まだ着けてたの!?
「……えぇっと……その……入居希望の猫ちゃんでしょうか?」
「「?」」
なんか店員の対応がおかしくなってる!?
「落合、山村、今すぐその猫耳外しなさい」
落合と山村に猫耳を外させて、そのまま店の中に進む。
「猫さんがいるぞ」
「いますね」
「いますよ、猫カフェ名乗ってるのにいないわけないじゃないですか」
そこからは店員からの軽い注意点の説明があった。猫耳は着けなくていいのかと聞いたバカがいたが、ご自由にどうぞと軽く流していた。
「それでは早速触れあってみてください」
「ニャー」
よし、早速私は猫の元へ向かおうとする。
「………」
「………」
「………」
……なんでこの三人は動かないだろう。今回はタイミングがよく他の客もいないというのに。
「………」ジッー
「………」ジッー
「………」キョロキョロ
なんなら落合と森下はずっとこっちを見てくるし、山村はキョロキョロとこちらとあいつらで視線が行き来している。
「……なによ、さっさと猫のところに行きなさいよ」
「「「接し方がわからない(です)」」」
……まぁそうか、初めてきたのならわからないか。
「あ、そうですよね。それでは猫ちゃんの紹介をしていきますね」
そう言って店員さんは猫を三匹連れてきた。
「左から紹介しますね、黒色の子が信長くん」
「ニャー」
「白色のこの子が秀吉くん」
「ニャー」
「茶色の子が慶喜くんです」
「ニャー」
「そこは家康じゃないの!?」
「……徳川だからいいんじゃないか」
「名案みたいに言うんじゃないわよ」
「どの子も人に慣れてますのですぐに仲良くなれると思いますよ」
思わずツッコんでしまっが、まぁいい。人馴れしているといっているのだから流石のコイツらでも大丈……下手したらコイツらの方が人馴れしてないから問題かもしれない。
「では俺からいこう」
手を挙げて、先陣をきった落合。……ものすごく不安である。落合はゆっくりと黒猫の信長に近づいていく。
「………」ゴゴゴッ
vib:1》
信長「シャーッ」
「………」ゴゴゴッ
信長「シャーッ!!」
「………」ゴゴゴッ
信長「シャーッ!!!?」
信長がものすごい速度で走り去っていった。
「え……」ガーン
一人残された落合の背中はものすごく寂しかった。
「じゃあ……次は、わ、私が行きます」
次に山村が白色の猫、秀吉くんのもとへ行く。
「ひ、秀吉くーん」
秀吉「………」スタスタ
「え、ちょっと秀吉くん?」
秀吉「……ニャー」
秀吉が山村のほうを一切見ずにあくびをしだした。しまいには
「ひ、秀吉くん?」
秀吉「……zzz」
山村に一切反応することなく眠りについた。
「………」ガーン
「………」ガーン
猫に構ってもらえなかった高校生二人が落ち込んでいた。
「ふっ、まだまだですね二人とも。ここは私が本当の猫との交流の仕方についてお手本を見せてあげましょう。いきますよ家康」
慶喜「ニャ?」
「慶喜です」
「そうでしたね、では改めていきましょうか、光國」
「だから慶喜です」
「私たちの長年培ったコンビネーションを見せましょう、家光」
「慶喜ですって。あとお客様今回来るのが初めてですよね!?」
「まずはお手からです、ミトコンドリア鈴木!!」
「慶喜ですって!?あとミトコンドリア鈴木って誰ですか!?」
慶喜「………」スタスタ
「そんな……一体なぜ!?」ガーン
「いや、十中八九お客様が原因では!?」
私もそう思います。
森下の対応が終わった店員がこちらにやって来る。
「猫の対応するより疲れた。……あの、お客様はマトモですよね」
普段だったらどんな質問かと思うけど、まぁコイツらの後だとそうなるでしょうね。
<数分後>
「………」ナデナデ
信長「ニャーン」スリスリ
秀吉「ニャーン」ゴロゴロ
慶喜「ニャーン」チャパチャパ
懐かれた
いや、チャパチャパはよくわからわないがとても懐かれた。
「そうですよ、こういうのを求めていたんですよ」
店員がなんか感動していた。
「……何がいけなかったというんですか」
「アンタの場合は何もかもよ」
森下がとても不思議そうに言う。ミトコンドリア鈴木とはまじで何なんだ。
???「………」スタスタ
そんなことを話していと私たちの横を通りすぎる一つの影。その正体は
「まだ猫がいたようですね。どうせまた神室真澄の餌食になるんでしょうけどね」
「言い方に悪意ありすぎでしょ」
「この猫たらし!!」
「そんな太字にして強調するところなの!?あと猫たらしってなによ!?」
「猫たらしって猫じゃらしみたいな語感してますね」
「そうだな。ちなみに猫じゃらしは俗称で正式名称はエノコログサというらしい」
「「「へぇ~」」」
「落合少し黙ってなさい」
コイツらが変なことを言うせいで、何の話をしていたのか忘れたじゃない。
「また脱走しちゃったんですね、あの猫ちゃん」
「また?」
「はい、さっきの紺色の猫ちゃん、実は最近来たばかりで誰にも懐いてなくて、ゲージからもどうやってかすぐに脱出しちゃうんですよ」
「なるほどね」
まぁそういうこともあるだろう、猫なんだし。
「名前とかないんですか?」
「はい……店長も来たばかりなので名前が思い付かないそうです」
「本当にあるんですね、夏目漱石もびっくりです」
山村が猫の名前を聞くが、どうやら猫にはまだ名前はなかったらしい。本当に最近来たらしい。
森下は無視だ。こいつに構っていると日が暮れてしまう。
「……そうだ!!お客様達であの子の名前を決めてみませんか?」
「え?」
「いいでしょう」
「おもしろそうだな」
「ですね」
「いや、ちょっと待ちなさい!?」
そんな気軽に言っていいの?そしてコイツらもコイツらでなんでこんな乗り気なのよ!?
森下とか絶対変な名前つけるでしょ!!
数分後
「できたぞ」
「ですね」
「自分の才能が恐ろしいです」
「ではまずはお兄さんから」
なんでこの店員も乗り気なんだろう。
【落合の場合】
「俺からはこれだ」
落合がホワイトボードをこちらに向けるそこには【ジョン・タイター】と大きく書かれていた。
「未来人なの!?」
「未来人?何を言っているんだ?」
「すっとぼけんな!?知らないのに思い付くわけないでしょ!!」
【山村の場合】
「わ、私からは【家康】とかどうですかね?」
「まぁ、いないものね」
「インパクトに欠けますね」
「そ、そんな!?」
「別に猫の名前で競ってるわけじゃないんだけど」
【森下の場合】
「真打ち登場です」
「不安しかない」
「では私からは【寿限無、寿限無五劫の擦り切れ海砂利水魚の水行末 雲来末 風来末食う寝る処に住む処やぶら小路の藪柑子パイポパイポ パイポのシューリンガンシューリンガンのグーリンダイグーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの長久命の長助】です」
「は?」
「だから【寿限無、寿限無五劫の擦り切れ海砂利水魚の水行末 雲来末 風来末食う寝る処に住む処やぶら小路の藪柑子パイポパイポ パイポのシューリンガンシューリンガンのグーリンダイグーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの長久命の長助】です。これくらいインパクトがあれば誰も忘れないでしょう」
「いや、長すぎて誰も覚えられないわよ!?
【店員の場合】
「どれもいい案ですから、いっそのこと全部繋げてみればどうですかね?」
「「「なるほど」」」
「名案みたいに言うんじゃないわよ!?とんでもないモンスターが生まれるわよ!?寿限無入ってるんだから!!」
「つまりこの猫は【ジョン・タイター家康・寿限無、寿限無五劫の擦り切れ海砂利水魚の水行末 雲来末 風来末食う寝る処に住む処やぶら小路の藪柑子パイポパイポ パイポのシューリンガンシューリンガンのグーリンダイグーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの長久命の長助】となるわけですね」
「もし本当にこの名前が着いたらそこらのキラキラネームも霞んで見えるわよ」
そんな哀れな被害者……被害猫?は今、座っている落合の膝の上で寛いでいた。
「あれ?珍しいですね。その猫ちゃん私の知る限りでは誰にも懐かなかったのに」
「いけるんですかね……痛ッ!?」
落合の膝の上にいる猫を撫でようとした山村が噛まれた。
「駄目ですよ山村美紀、しっかり名前で呼ばなくてはジョン・タイター家康・寿限無、寿限無五劫の擦り切れ海砂利水魚の水行末 雲来末 風来末食う寝る処に住む処やぶら小路の藪柑子パイポパイポ パイポのシューリンガンシューリンガンのグーリンダイグーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの長久命の長助……何故私まで!?」
森下も噛まれた、というか森下はよく噛まずに言えるわね!?
その例の猫だが、今落合に撫でられて嬉しそうにしている。
「これが……命か」
「なんでSF映画のロボットみたいな反応してるのよ?」
そんな話していると急に森下が考える仕草をしている。
「……他の人にはツンツンして、弟子一号に対してはデレる」
森下は私と猫を交互に見て、やがて名案が閃いたかのように口を開く。
「この猫の名前【マスにゃん】なんてどうですか」
「は?」
「かわいらしい名前でいいと思いますよマスにゃん」
「そうですね、正直自分で言っといてあれですけど繋げるのは無理あるかなって……」
なら提案するな!?
「……じゃなくて、どいういうつもりよ森下!?」
私は思わず森下に掴みかかる。
「どういうつもりって……見たまんまですよ。何か意見でもあるんですかマスにゃん…間違えた神室真澄」
「アンタふざけてるでしょう!!」
「至って真面目です」
クソむかつく!!
「落合もなんか言いなさいよ!!」
「フワフワだ」
「
「………コホン」
「そのわざとらしい咳払い止めなさいよ森下!!」
「ふふふ、怒りで誤魔化そうとしても無駄ですよ。この藍ちゃんイアーには確かに聞こえましたよあなたがその猫を【マスにゃん】と言ったのを。はい、マスにゃん決定です!!」
その後、私と森下のキャットファイトはしばらく続いた。ここで森下だったら猫カフェだけにとかつまらない駄洒落を言っていたんだろう。
「なんで癒される場所に行くのに疲れが溜まるのよ!?」
「ドンマイ」
あれから私たちは猫カフェを出て、夕飯の買い出しに行っていた。森下と山村とは別行動している。
森下いわく「力仕事はそちらの二人がするべきでしょう」だとさ。やっぱりアイツは一回懲らしめたほうがいい。
「落ち着け神室、今日はお前の好物を作る」
「慰め方が小さい子供なのよ!?」
「……ねぇ、落合」
「ん?」
「どうだった……猫カフェ」
「楽しかったぞ、猫とあんなに間近で触れあうなんて初めてだったからな」
「……そう」
落合は表情は全く変わらないが、とても楽しそうに言ってきた。
「落合、今度は二人で行くわよ」
「二人?……別に山村とししょーなら一緒でも」
「いいから二人でいくの!!」
「…わかった」
「ふん、じゃあさっさと買い物終わらせるわよ、変に長引かせると森下から何を言われるか」
「了解」
アホだから……こいつには打算なんて一切ない、友達になりたいとなったらこいつはどんな奴でも例え龍園みたいな悪党とでも橋本みたいなクズとも仲良くしようとする。
アホだから……私みたいな奴にも何度でも話かけ、遊びに誘ったり、ご飯に誘ったりしてくる。
私の本性も知らないで……アホだからずかずかと踏み込んでくる……だからいつの間にか気を使わなくいい自分を出せるそんな存在になってしまう。
あぁ、本当にアホだなぁ。
いつのまにかこの小説が投稿されて一年経過しており、まだ1巻の内容すら終わっていません。それなのによう実本編はもう三年生編になってしまっています。みなさんこんな小説を楽しんでいただきありがとうございます。これからも投稿をペースがゆっくりながらも頑張っていきますので応援よろしくお願いします