ようこそ青春を目指す教室へ   作:雪印のフラン

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裏が先で表が後とはこれいかに?そんなこんなでオリ主視点でやっていきます。最後にオリ主のステータス表示があるので最後まで見てくださると嬉しいです。感想に書いてくれた人ありがとうございます。


ドキドキの初登校!!表

天嶺視点 

 

思えば人生において、バスというものに乗るのは始めてであった。問題ない、バスで学校に向かうと聞いてから、夜中何度も登校から入学、そして自己紹介の流れをシミュレーションをしてきた。そのシミュレーションのせいでから二週間ぐらい寝ていない。バスの中は数人が乗っているだけで、比較的空いていて、席にも難なく座れた。どうやら、公共交通機関には優先席というものが存在して、老人や子供、身体に何かしらの影響がある人を優先的に座らせるものがあるそうだ。まぁ、俺は優先席ではなく、その隣に座っているのだが。しばらくして、バスが出発する。心地よくゆらゆらと揺れる。車酔いは大丈夫そうだ。……というかゆらゆら揺れてだんだん眠くなってきた。予定ではここで自己紹介のシミュレーションを行う予定であったが。……まぁいいだろう、時間は沢山あるんだから5分くらい寝させて貰おう。

 

ねぇ、そこの君」

 

暗転した意識の中から、突如として声が聞こえてくる。俺の知り合いの声には該当はしなかった。

 

ぁぁん

 

やばい!!寝起きだから変な声が出た。しかし、なぜ急に知らない人から声を?体は寝ていても固定したため。急いで目を擦り、正面にいた少女に問わなければ

 

「……なんだ?」

 

「え!?……えっと、その……」

 

何故か少女の煮え切らない態度。もしかしたら寝てるときにでも寄りかかってしまったか?いや、寝ていたとはいえ、体は固定していたはずだ。一体何があったんだろう?俺は周囲を見渡す。空いていない席、声をかけてきた少女、優先席に座る金髪の男、立って震えている老婆。

 

はっ!?理解した!!

 

つまりこういうことだ。この少女はこの老婆に席を譲ってほしくて来たけど、優先席が空いておらず、どうにかしようとして寝ている俺に声をかけてきたのだろう。一見、健康そうに見える優先席に座る彼だが、きっと何かしら病気を抱えてるにちがいない。でなければ、あんな優先席で堂々となんてしていない。この推理を聞けばいつも俺のことをバカにする後輩も、考えを改めるに違いない。何でこの場にいないんだ……一つ年下だからか。ってやばい!!そんなことを考えてる場合じゃない。老婆の顔が青くなり震えはじめている。そこまでこのバスの揺れは老婆にきつかったのか。ここは俺が二週間シミュレーションしてきた効果をみせるときだ。そうして俺は席を立ち上がり、老婆に向けて自分の席を示す。……完璧だ、恐らくこれ程上手くいく経験はこれ以降はないだろう。……ってあれ老婆が震えているだけで座らないんですが? 

 

「……ん?どうぞ」

 

そういえば言葉を忘れていた。恐らく老婆から見たら俺は席をいきなり立って、座っていた席を示す変人になっていたのだろう。だが、この展開も既にシミュレーション済みだ。よし、成功したようだ。老婆は脱兎の如く、俺の座っていた席に座った。座る前に何か言っていたがまぁいいだろう。それにしても余程きつかったのだろう。老婆は座っている今でも震えている。すまない、お婆さん。俺がもっと早く気づくべきであった。しかし、座れたのでこれで一安心である。そうして俺は、老婆が座った姿を見て満足気に頷き。その場を離れるのであった。あぁ、これが社会貢献なのだろう。離れるときに前に結構な集団がいたが俺がそっちへ行くとモーゼのように道が空いた。なにゆえ?

 

 

しばらくするとバスは学校前についた。俺達学生はここで降りた。ここが高育かぁ。俺は期待の意味を込めて校門をくぐった。

 

クラスが発表されているそうなのでそれを見に行く。うーん、人が多くて見えない。

 

「ん?もしかして落合か?」

 

聞き覚えのある声がする。振り返るとそこには数少ない俺の同年代の知り合いである、神崎隆二(かんざきりゅうじ)がそこにはいた。

 

「何でここにいるんだ?……いや、ここにいて、その制服を着ていたら理由は一つしかないか」

 

「隆二の方こそ、この学校に入学したんだな」

 

「あぁ、それにしてもまさか外でお前に会う日が来るとはな」

 

隆二と俺が外で会うのは始めてであり、いつもは俺の家で会っていた。

 

「隆二が一緒だと心強い。色々と教えてくれ」

 

「まさか……俺がお前に教える日がくるとは……わかった、何かあったら気軽に相談してくれ」

 

友好関係が0から始まることを予想していのでこれは嬉しい誤算である。

 

「わかった頼りにしている」

 

「お前はやはりあれだな……表情には出ないが、顔には出るな」

 

「何の話だ?」

 

「いや、なんでもない。それよりクラスは確認したか?まだなら一緒に見に行かないか?」

 

「行く!」

 

そうして俺と隆二はクラスを見に行った。

 

「俺はBクラスのようだ」

 

「……Dクラスだ」

 

どうやら、隆二と一緒のクラスにはなれなかったようだ。非常に残念である。

 

「そんなに落ち込むな。クラスが違っても別に会えない訳じゃないんだから」

 

「……うん」

 

ついでに誰か知り合いがいないか確認したが、Aクラスに有栖がいた。残念ながら誰一人としてクラスに知り合いはいなかった。しょんぼりしながら、俺は隆二と教室まで歩いていく。

 

「お前は……あれだな、もう少し表情に出すのと、その謎の圧さえなければ友達ができるだろうな」

 

「善処する」

 

圧とは何かわからないが、恐らく表情が固いという意味だろう。

 

「俺はどうやらここのようだ。じゃあ、落合。また」

 

「あぁ、隆二も頑張ってくれ」

 

そうして隆二は先に一年Bクラスの教室へと入っていった。しばらく歩き、教室へと到着した。扉を開き、中に入る。すると何人かはこちらを向いてくる。あ、バスの中でこちらに声をかけてきた少女だ。目があった。しかし、すぐに逸らされてしまった。

 

……もしかして

 

『お前が早く起きとけば、お婆さんが苦しまなくてすんだだろうが、あぁん!!』

 

ということかもしれない。ごめんなさい、名も知らない優しい少女よ。今度から気をつけます。反省しながら、俺は自分の名前が書かれた席につく。俺の隣は眼鏡をかけた女子生徒であり、俯いている。きっと新しい学校に期待半分、不安半分ということなんだろう。わかる、俺もすごいわかる。ここは友達づくりのために声をかけるか。そう思い、少女の方を見る、すると少女もちょうど俺の方を向いたようなので目が合う。

 

ひいっ!?

 

小さな悲鳴とともに勢いよく目を逸らされた。……泣いていいだろうか。結局誰にも話をできないまま、始業のチャイムが鳴ってしまった。

 

「えー新入生諸君。私はDクラスを担当することになった茶柱佐枝だ。普段は日本史を担当している。この学校には学年ごとのクラス替えは存在しない。卒業までの三年間、私が担任としてお前たち全員と学ぶことになると思う。よろしく。今から一時間後に入学式が体育館で行われるが、その前にこの学校の特殊なルールについて書かれた資料を配らせてもらう。以前入学案内と一緒に配布してあるがな」

 

そうして先生は資料を俺達へと配っていく。内容は入学案内のときに配られたものと同じあるので穴が空くほどみた。なんなら本当に穴が空いた。簡単に纏めるとこうだ。

 

・ここではポイントを使ってものの取引をするよ

 

・外部とは学校の許可がない限り連絡がとれないよ

 

・学校の敷地外には基本出れないよ

 

・学校の敷地内には色々あるよ

 

まぁこんな感じだな。

 

「今から配る学生証カード。それを使い、敷地内にある全ての施設で利用したり、売店などで商品を購入できるようになっている。クレジットカードのようなものだ。ただし、ポイントを消費することになるので注意が必要だ。学校内においてこのポイントで買えないものはない。学校の敷地内にあるものなら、何でも購入可能だ」

 

先生は次に学生証の説明に移る。……『学校の敷地内にあるものなら、何でも購入可能だ』か。もしかしたらこの学校の創設者の銅像とかあっても購入できるのだろうか?何それめっちゃ欲しい、そして有栖にあげよう。

 

「施設ではこの機械に学生証を通すか、提示することで使用可能だ。使い方はシンプルだから迷うことはないだろう。それからポイントは毎月1日に自動的に振り込まれるようになっている。お前たち全員、平等に10万ポイントが既に支給されているはずだ。なお、1ポイントにつき一円の価値がある」

 

教室内がざわついた。それもそうであるいきなり10万円のお小遣いを貰えるのなら、誰だって浮き足立つ。

 

「ポイントの支給額が多いことに驚いたか?この学校は実力で生徒を測る。入学を果たしたお前たちには、それだけの価値と可能性がある。そのことに対する評価みたいなものだ。卒業して現金にすることは出来ないから思う存分に使え。仮にポイントを使う必要が無いと思ったものは誰かに譲渡しても構わない。だが、無理やりカツアゲをするような真似をするなよ?学校はいじめ問題にだけは敏感だからな」

 

『実力で生徒を測る』『それだけの価値と可能性がある』、この学校に入学できた時点でそれほどの価値があると新入生は判断されたようだ。

 

……ところで銅像は一体何ポイントで買えるのだろうか?

 

そんなことを考えていると先生と目が合う。だが、すぐに逸らされる。今日はよく女性に目を逸らされる日である。ハハハ……俺が何かしたか?

 

「質問は無いようだな。では良い学生ライフを送ってくれたまえ」

 

そう言って教室から先生は去っていった。教室では各地で談笑が起きている。……これだ、これを気に俺も隣の子へと話しかけ……

 

「皆、少し話を聞いて貰ってもいいかな?」

 

……妨害された、だと?

 

「僕らは今日から同じクラスで過ごすことになる。だから今から自発的に自己紹介を行って、一日でも早く皆が友達なれたらと思うんだ。入学式まで時間もあるし、どうかな?」

 

「賛成~!!私たち、まだみんなの名前とか、全然わかんないし」

 

その言葉を区切りにそれぞれが賛成の意思を示す。妨害されたとはいえ好都合である。ここで俺の名誉挽回、汚名返上のチャンスである。ここでビシッと成功させて、友達100人の第一歩を突き進む。そのためのシミュレーションだ。落ち着け俺、今日のために二週間前から寝ずに考えてきたじゃないか。俺はありとあらゆるパターンを想定する。ハイテンション、おちゃらける、ゆる~く……ダメだ一向に決まらない。しかし、俺に回ってくるのは聞く限り終盤の方である。なら焦ることはない。落ち着いて……

 

「俺らはガキかよ。自己紹介なんて必要ねぇよ、やりたい奴だけでやれ」

 

自己紹介をしている中、赤髪の不良のような生徒が割り込んでくる。不味い!

 

「僕に強制することはできない。でも、クラスで仲良くしていこうとすることは悪いことじゃないと思うんだ。不愉快にさせたのなら、謝りたい」

 

「自己紹介くらいいいじゃない」

 

「そうよそうよ」

 

赤髪の言葉によって自己紹介が終わってしまっては全てが水の泡になる。赤髪くん、今すぐやめるんだ。

 

「うっせぇ。こっちは別に仲良しごっこをするためにココに入っ……ッ!?」

 

なんか言おうとした赤髪であったが、こちらを向いた途端に顔が青ざめる。具合でも悪いのだろうか?

 

「な、何なんだよ!?」

 

「………」

 

俺の方に向いて言ってきた。

 

………

 

………

 

あ?これもしかして俺に向かっていってる!?

 

「……チッ!!」

 

赤髪くんは急いで教室から出ていった。俺、まだ何も言ってないのに……本当に具合悪かったのかな?お大事に。ってあれ?赤髪くんが教室から出ていったのを機に何人かの生徒が教室から出ていく。……なんだ?皆そんなに具合悪かった?

 

「……じゃあ、いろいろあったけれど残った人達で自己紹介を続けようか」

 

自己紹介を提案した好青年、平田はアクシデントにも負けず自己紹介を続けていく。助かった。これでまだ俺にも友達作りのチャンスってあれ!?いつの間にか結構進んでいる!!不味い、早く考えなくては……

 

 

「私の名前は高円寺六助。高円寺コンツェルンの一人息子にして、いずれはこの日本社会を背負って立つ人間となる男だ。以後お見知りおきを、小さなレディたち、そしてそこのボーイ」

 

なんか癖強いのいた。というかそれよりも、もう俺の番次じゃんやばいやばいどうしよう。

 

「あ、ありがとう。気をつけるようにするよ。じゃあ次をお願いできるかな」

 

来てしまった、俺の番。もうどうにでもなれ!!

 

「……落合天嶺。特に決まった趣味はないが色々と興味がある。気軽に話しかけてくれると嬉しい」

 

決まった……さて、周りの反応は?

 

 

 

誰も反応してくれないんですけど!?

 

「なるほどね、落合……よろしく頼むよ落合ボーイ」

 

高円寺、君は良い奴だ。自己紹介ちゃんと聞いてなくてごめん。

 

「えーっと、次の人……そこの君、お願いできるかな?」

 

「え?」

 

どうやら次で最後だろうか?窓側の一番端の生徒が平田に指名される。

 

「えー……えっと綾小路清隆です。その、えー……得意なことは特にありませんが、皆と仲良くなれるよう頑張りますので、えー、よろしくお願いします」

 

なんか彼にシンパシーを感じた。というか……自分の自己紹介を考えていて、他の人の自己紹介を殆ど聞いていない。ごめんよ、皆。……綾小路?何処かで聞いたような?確か松……

 

なんか皆拍手をしているので俺も拍手をしておこう。きっと綾小路に向かってだろう。それにしても……友達できるかなぁ?

 

入学式が終わった。結果は……何の成果も得られませんでしたぁ!!誰も話しかけてくれなかった。なんなら俺が話しかけようとしたら早足で去っていた。高円寺とかは終わってすぐ何処か行っちゃった。仕方ない、隆二のところにでも行こう。そうして俺はBクラスの教室に向かった。途中にCクラスの教室を覗いたが、なんか揉めていた。原因は教壇にいるロン毛であり、そいつに反発しているやつが何人か。入学早々学級崩壊の危機!?たしかCクラスの担任は坂上先生だったか?御愁傷様です。まぁいいか大丈夫だろ。

 

Bクラスを覗く、どうやらクラス内で話し合いをしていて、纏まっている。Cクラスとは大きな違いだ。隆二は?……なんか前で女子と一緒に話している。

 

「………」

 

流石にこの中に入るのは無理だな。仕方ないあきらめて一人で帰るか。

 

「おや、そちらにいるのは」

 

聞き覚えのある声、響く杖の音、振り返るとそこには。

 

「久しぶり、有栖」

 

「お久しぶりです。天嶺くん」

 

隆二と一緒で昔から交流がある有栖であった。

 

「父からこの学校に入学することは聞いていましたが、それでも驚きましたよ。まさか、あなたが家から出てくるなんて」

 

「その言い方は悪意がある。俺が出ないんじゃなくて、出させて貰えないだけ」

 

「失礼、少しからかっただけですよ」

 

有栖は人をからかう癖があり、おまけに頭もいい、隆二も被害にあっていたそうだ。

 

「ところで天嶺くんは、何をBクラスの様子を覗いていましたが?」

 

「隆二と一緒に帰ろうと思ったが……」

 

「あぁ、神崎くんと……でも今日は無理そうですね」

 

「残念ながら、おとなしく一人で帰ることにする」

 

「よろしければ私と一緒に帰りませんか?手伝って欲しいことがありますし。駄賃も出しますよ」

 

「……わかった」

 

そうして俺は有栖と共に校舎を出た。有栖のペースに合わせてる為、スピードはゆっくりである。

 

「ところで気づきましたか?」

 

有栖が突然質問を投げ掛けてくる。流石は有栖、彼女も疑問に思ったんだろう。

 

「……あぁ、どこにも学校長の銅像がない」

 

「……はい?」

 

そうである、さっきからずっと探しているが全然見つからない。俺の見た本では学校の何処かには学校長の銅像が設置してあるのだが、一通り見たけどそのようなものは見つからなかった。

 

「……天嶺くん。この学校には銅像なんてありませんが」

 

「無いのか!?」

 

「そもそも、銅像なんて見つけて何をするつもりなんですか?」

 

「有栖にプレゼントしようと」

 

「要りませんよ!?」

 

要らないのか!?

 

何で要ると思ったんですか!?

 

だってほら……

 

「有栖って寂しがり屋さんだから、部屋にお父さんかお祖父さんの銅像あれば寂しくないかなって」

 

「銅像が部屋にあっても逆に怖いだけですよ!!そもそも私は寂しがりではありませんから!!」

 

そうか、残念だ。まぁいいや今度先生に銅像については聞いておこう。そして、誕生日辺りにサプライズでプレゼントしよう。

 

「はぁー、なんか疲れました、そういえば貴方はそういう人でしたね」

 

なんか急にバカにされた気がする。

 

「……ところでなぜ銅像が買えると?」

 

「ん?うちのクラスの担任は言っていたぞ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()とそれなら文字通り何でも購入可能だろう、成績だろうと銅像だろうと」

 

「!?……なるほど、面白い着眼点ですね。確かに私のクラスの担任からも同じ説明がされました。あと、銅像のことは一旦忘れてください。しかし、それだけでは根拠が薄いのでは?」

 

「いや、確実だろう。同じ説明をDとAが受けている時点でCとBもきっと同じ説明を受けている。それにそういう取引をするためのポイント……いやSシステムだろう」

 

「取引ですか」

 

「あぁ、これを普通の現金で行った場合は裕福層が勝つ。単純なマネーゲームになる。そんなのではとても()()()()()()()()()

 

「その様子なら、もう気づいているようですね、監視カメラについても」

 

え?

 

え?

 

監視カメラ、全然気づかなかった。

 

「……貴方って、本当に頭は良いんですが……何処か抜けてますよね」

 

 

 

手伝いの内容は単なる荷物運びであり、そこまで時間がかからなかった。

 

「ありがとうございます、お陰で助かりました」

 

「構わない」

 

有栖は先天性疾患を患っており、杖を使って生活している。そのため、荷物を運んだりするのすら一苦労である。そういうことであるのなら幾らでも手伝う。そして今は、お礼ということで有栖と一緒にコンビニに来ていた。

 

「ここが、コンビニ!!」

 

初めてのコンビニにより、気分はいま最高潮である。

 

「うふふ、天嶺くんって表情には出ませんが、本当に顔には出ますよね」

 

「隆二にもそう言われた」

 

そんなに顔に出ているだろうか?

 

「はい、初めは怖いですが、ある程度関わってくると犬みたいなものですね。まるで大型犬です」

 

「……大型犬」

 

「はい、ドーベルマンですね、ドーベルマン天嶺くんです」

 

「……俺は人間だぞ」

 

「そう怒らないでくださいよ、皆怖がってますし。お礼としてアイスを一つ買ってあげますから」

 

「……なんだと」

 

俺はアイス売り場へと小走りで向かう。

 

「フフフ、やっぱり犬ですね……あら?」

 

俺はアイスを吟味する、今までこういう風にアイスが売っているところは見たことがなかった。よし、これにしよう。

 

「すみません、天嶺くん少し用事が出来たので、アイスはまた今度でいいですか?」

 

「ん、大丈夫か一人で。あれだったら付き添うぞ」

 

「ご心配なく、それではまた今度」

 

「……あぁ、また」

 

そうして有栖はコンビニから出ていき、さっきコンビニを早足で出ていった女子を追いかけていった。なんなんだろうか?

 

「……まぁいいや」

 

そうして俺はソーダ味のアイスをレジに持っていこうとする。

 

「ん?」 

 

レジに行く途中で立ち止まる。そこには無料商品と書かれたワゴンが並んでおり、お一人様、3品までと書かれていた。

 

「………」

 

その中から俺は、歯ブラシと歯磨き粉を取って、レジへと向かった。コンビニを出て購入したアイスを頬張った。

 

「……美味いな」

 

かつての生活ではこんなものを食べるなんて考えれなかった。どんな食事も管理されており、栄養重視であったからだ。

 

「これからが楽しみだな」

 

そうして俺は帰路へと向かっていった。

 

 

 


 

落合天嶺(おちあいあまね)

1年D組

部活動 無所属

誕生日 11月17日

 

学力     A

知性     A

判断力    B+

身体能力   A

協調性    E

 

面接官からのコメント

 

入試時点で、国語以外全教科満点という歴代でも高水準の学力や知性を有しており、身体能力も同様である。面接時の態度も良好。この点だけならAクラスへと配属されたが、協調性がとても欠けており。また、小中学校への登校が一度もない点、そして理事長自らの要望によりDクラスへと配属とする。

 

担任メモ

成績、授業態度、共に良好ではありますが、クラスメイトから怖がられてい節があります。今後の協調性の向上を期待します。

 

 

 

 

 




今回でようやく、1日目が終わりました。次回からはクラスメイトと関わる……かも?それでは最後まで見ていただきありがとうございました。
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