俺はそれから平和に零陵で暮らしていたのだけどある日にまたしても袁家から要望があり都にいる今度は姉の袁紹の面倒を見てほしいと言われたのである。
俺は家庭教師ではないのですけど!?しかもその上に家庭教師をするほどに頭が良くないはずなのにと思いながらもその理由を聞いて見ることにした。
この前の出来事で美羽ちゃんが大きく成長したのを受けてかなり嬉しかったらしく都で袁紹の教育を頼んできたのであった。
それでも俺はまだ地盤も安定していないから無理ですと答えると袁家の当主がなら地盤が盤石になれば来てくれるのだなと言ってきたのでそれはそこまで手助けをしてくれましたら向かいますけどと俺は言ってしまった。
それからすぐに袁家の当主は動き始めたのである、まずは留守の心配をしない為にも桃香ちゃんを安国将軍に任命させた上で俺が不在の時の零陵太守としての任も着けられた。
それで終わるのかなと思っていたら更にここで朱異、豹くんを虎威将軍に昇進して関羽、愛沙は偏将軍に張翼は牙門将軍に任命させられるのであった。
うん!?滅茶苦茶に一気に出世と言うか影響力が上がったのですけど俺の勢力の殆どが将軍クラスになったですけどと思ってみていた。
これならば都に来れるだろうと言ってきたけど袁家の当主はそれでは一年半後に呼ぶからそれまでは地盤を盤石にさせながら支度をするようにと言われたのである。
どうしてすぐではないのですかと聞くと俺と桃香ちゃんとの間に子供がもうすぐ生まれることは知っているらしく一年ぐらいはそばにいたいと思うのは親として思っている事だろうからそれぐらいは待っている事らしい。
その代わりに娘の袁紹をしっかりと頼むよと名族ポーズをして頼んできたけどなるほどこのような優しさもあるのかと感じてならば本当に袁家側に着くのもありかも知れないなと考えるようになった。
でも今はせっかく気を使ってくれた時間を無駄にしない為にも悔いがない様に過ごそうと決意をした。それから2ヶ月後に無事に子供は生まれたのである、元気が良い男の子で俺は才能はあんまり無くても良いから人として間違った子にならないで欲しいと思いながら優しく見守っていた。
赤ちゃんの子育ては先に産んでいた美花に色々と教えてもらいながらも皆で可愛がっていた。特に春ちゃんは歳が離れた弟のように優しく接してくれていた。
それにしても余程に母親がいないと不安なのかおんぶをしていないとすぐに泣き出してしまって困っていた。
おんぶをしていないと泣き出してしまうってそれって前世の俺の母親から聞いた話そのままじゃないかと理解をしたので俺は桃香ちゃんにごめんな、もしかしたら俺に似てしまったのかもしれないと伝えた。
すると桃香ちゃんがならとても嬉しいことですと言ってから雅さんみたいに優しい人になってくれるなら私はとても嬉しいですと答えてくれた。
そう言ってくれるとこちらもかなり嬉しいというか恥ずかしいというか何とも言えないような感じになっていた。でも桃香ちゃんならきっと人としては間違いないと思う・・・天然になってしまうかもしれないけど椿みたいになってしまうよりは遥かにマシだと思えた。
そうもして新たな生活になり桃香ちゃんは子育てで仕事ができない分は俺が負担しようとしたら子供といる時間を少しでも増やしてあげてくださいと言って春ちゃんを始め愛沙達も手伝ってくれていた。
そして南郡は朱異、豹くんが向かう事になり一人では無理だよと伝えると豹くんは自分は一人ではないですから実は幼馴染の一人が助けに来てくれるみたいなのでその二人で頑張りますからと言ってきたけどそれでも二人で郡を回すのは不可能だと伝えた。
すると豹くんが良く言いますよ前に大将は武陵を一人で回したのにと言われてしまった。確かに一人で回していたけどかなり大変だったからな。
それこそブラック企業に勤めていたあの頃を思い出さないとやって行けないからと言おうとしたけど信じてくれるとは思えないので黙っておく事にした。
ついでに誰が助けに来てくれるのかと尋ねてみると信じられない人物の名前が上がったのである。それは陸遜であり、陸遜といえば・・・夷陵の戦いで放火魔・・・ではなくて火計で蜀軍を壊滅させたのは覚えていた。
三國無双2の蜀軍シナリオでは真面目に鬼畜ステージだっただけに未だに覚えていた上にこう見えて俺は三国志で関羽が好きな武将だったのでやる側としても呉に対して怒りを覚えていた。
孫呉はマジで日本にも侵攻しようとしていた説まであるぐらいだから余計に怒りを感じていた。くそ、大喬と小喬が可愛かったから許すけど。
ついでに陸遜も最期を考えると恨むことができない最期を遂げているから特に恨みはないけどどんな人物なのであろうか。
豹くんが信用しているから大丈夫だと思うけど気になったので機会があれば会いに行こうと考えるのだった。
そうして俺は間違いなく俺が望んでいた日常が訪れた、約一年後には終わってしまうけど間違いなく今は幸せだと言える状況である。
毎日仕事をして家では家族が待っており平和な秩序、これがずっと続け場何も文句はない最高の人生なのになと思っていた。
それでもそうならないのがこの時代な訳であるけど・・・嫌なことは考えずに楽しいことを感じて満喫しようと決めた。
桃香ちゃんと息子の真名は紅と名付けた赤ん坊と三人で屋敷で夜空を見上げながらゆっくりとしていた。俺はある疑問を思いついたので聞いてみることにしたのである。
「なあ、桃香ちゃんはどうして俺なんかを選んだのかな。今思えば評判が悪くなっている時だったのにわざわざ俺を選んだ理由が知りたいのだけど教えてくれるかな」
「そうですね・・・優しいと感じたからでは駄目ですか。私は行く宛もない時に助けてくれました、それに雅さんは普通に格好いいですから。私を選んだ理由はどうしてなのですか・・・やっぱり見た目ですか」
「そうだな、正直に言えば見た目もそうだし後は中山王の末裔だと聞いてしまったからかな。国を安定させる為にとそれから付き合い始めたやつだけどやはり嫌かな、桃香ちゃん」
そう聞くと桃香ちゃんはいいえと言ってから気持ちを教えてくれた。付き合うきっかけはどうであれ今この瞬間に好きだという気持ちには偽りはないですよねと聞くとそれは当然と返すとなら私は気にしておりません。だから雅さんも気にしないで下さいと言われてしまった。
なるほど確かに今、桃香ちゃんの事が好きだという気持ちには変わりはないなと思った。本当に明るい子だな、そばにいるだけでも嫌な悩みなど忘れさせてくれる。
その時に桃香ちゃんが少しばかり悲しそうな顔をして燈ちゃんの事を聞いてきた。やはり今でも好きなのですかと聞かれたので答えることにした。
「そうだな、好きか嫌いかと言われると好きだろうな。今でも関係が戻ってきてくれるように祈っている自分がいるのもまた事実の事だからな。桃香ちゃん的には復縁はして欲しくないのかな」
すると桃香ちゃんは違いますと言ってからむしろ復縁をしてほしいと思っているのだ。やはり好きだった人とこのまま喧嘩別れなんてしてほしくないと言ってきたのである。
全くも桃香ちゃんには殆ど無関係なことなのに自分の事のように真剣に話してくれるなんて優しい子だなと感じた。だからこそ桃香ちゃんを選んだことに関しては間違いではなかったけど・・・俺にはどうしてもあの時にもし良い解決策があればどうなっていたのかと考えてしまう事もある。
しかし、それらをいくら考えたところで後の祭りでどうする事もできない。だからこそ今ある幸せだけはこの手から離れないように前よりも必死に努力をしておこう。
あの様な悔しい思いをするのは人生でも一度だけで良いからな。次こそはそんな目にならない様にしっかりとしておかないとそう決意をしながら満月の夜を見ていたら桃香ちゃんが少しばかり寒いので寄り添っても良いですかと聞いてきたので構わないと答えた。
すると桃香ちゃんは寄り添ってきてそのまま俺に体を任せてながら二人で静かな夜を満喫しているのだった。こんな状況になり甘いお菓子を作れるようになっていて良かったと思うのであった。