桃香視点
私の旦那様、雅さんが都に行ってからしばらくして私に対してある書簡が届いたの。
内容は南にある諸侯が集まって宴をしながら仲を深めて連携しやすくしようと武陵太守の陳珪さんが提案して私は旦那様が不在だからどうしようと考えていたら代理として来てくだされば構いませんからと陳珪さんがそう伝えてきたので私は残っているみんなで相談をしたの。
「ねぇねぇ、愛沙ちゃん、美花ちゃん、春ちゃん、穏ちゃん、時鳥さん、豹さん。皆んなはどうしたら良いと思うか教えてくれると嬉しいな」
すると春ちゃんがこれは出来る限りに断ったほうがよろしいかと思いますと答えてきた。気になった私はどうしてなの春ちゃんと言うと答えてくれたの。
「桃香様、私は以前に陳珪さんと一緒に暮らしていたので性格は何となく理解をしているつもりです。これは罠だと私はそう考えております、明らかに雅様がいない時に書簡を持ってくるなんて可笑しいです。おそらく狙いは桃香様の命だと私はそう感じます。ですので出来ればこれは断って下さい」
「春ちゃん、ありがとうね。でもこれには他の諸侯さんたちも参加するし何より名門家の袁術ちゃんも来るみたいだから断るのはあんまり良くないよね」
すると春ちゃんはそれはそうかも知れませんが命の危機がある以上は慎重にした方が宜しいかと考えますと答えてくれたの。
そうしてみんなが出した答えは向かうにせよ備えておくことには越したことはないとして五千の兵士たちとそれを指揮するのは愛沙ちゃんに豹さんに万が一の為として穏ちゃんも着いてきてくれた。
子供はまだ幼いから一緒に連れてきてもよろしいですかと尋ねると構いませんよと返事が来たので連れてきていた。
その場に辿り着くと私は何とも言えない空気に襲われてしまった。ここに居ると危険だとそんな変な感覚にだからやはり調子が良くないからと言って謝ってから立ち去ろうとした時に陳珪さんが出迎えていてくれたので私は挨拶だけでもと思って声を掛けた。
「こんにちは陳珪さん。零陵太守代理の劉玄徳、只今到着いたしました。いきなりで陳珪さん、大変申し訳ありませんが体調が旅の途中で崩してしまったらしく宜しくないので私の陣営で休んでから皆様に挨拶だけしたら帰国致します。本当にごめんなさい」
「あら、そうなの玄徳ちゃん?せっかくここまで来たのだから少しばかり休んでからでも私は構わないわ。それに他の諸侯はまだ到着してもいないのだから焦る必要はないわ」
そう言ってきていた陳珪さんの顔は不気味に笑っているようにも感じてしまった。何か良くないことを考えているとこんな鈍感な私でも気がついてしまうぐらいに嫌な感じをしていた。
本当に春ちゃんの言うことを素直に聞いておいて仮病でもしておくべきだったと後悔をしていた。でもさいは投げてしまったから後は私が何とかするしかないと考えてこの状況をなんとかしようとしていた。
それでも陳珪さんは私を逃がすつもりはないらしく医者なども用意して私をここから逃げる口実を全てなくして逃さないようにしていた。これに私は愛沙ちゃん達にどうしたら安全にここから逃げ出せるかと相談を始めたの。
そうしたら多少の報復は覚悟の上でこのまま帰るのが一番安全で雅さんに対しても被害がないと思いますと愛沙ちゃんが言っていたけどでもそんな事をしてしまえば雅さんが朝廷から何と言われて罰せられてしまうかと思うと行動に移せないよと伝えると穏ちゃんが話し始めた。
「桃香さん〜、私は素直に逃げたほうが良いと思いますよ〜確かに桃香さんの言う通りになるかもしれません〜けれど命あってのもの種ですから〜」
それを聞いて私は分かった、出来るときにそうやって帰ろうと決めたのは良いけど他の諸侯も集まっていたのですぐにこの5千程の兵士たちが隠せるほどに隠密に行動が出来るのかと言われちゃうと私にはできる方法は見つからなかった。
その時に豹さんからとても信じられない内容の作戦が提案をされたのである。それは一部だけ私と一緒に帰還して他の者たちはこの場に残って対応すると言うの。
それは残った4千の人たちが可愛そうだよと言ったけど豹さんは真剣な顔で私に対して伝えてきたのであった。
「桃香さん、俺はこれと全ては命の大恩人に恩を返すためにしている事です。ここに来た5千も元々はどこにも行く宛もなく流浪して死ぬはずだった者達ばかりです。それを雅様は生かしてくれるだけではなく、これ程に生きていて良かったと思える時間を我々に与えてくれました。大将のためなら命を投げ出す者達ばかりです、ですから逃げてください。それが我々の恩返しとなりますから」
そう言って豹さんは私に頭を下げてきたのであった、私はそうして豹さん達にそれでお願いしますと伝えるのだった。
覚悟をしている人たちを止める方法なんて私にはなかったから素直に従う事にしたのであった。そうして宴を場内で行われてたある日に私達はひっそりと引き上げ始めたの。
私たちは殿に豹くんを置いて引き上げ始めたのだけどここまで敵は予測していたらしく帰り道に山賊を装っている軍隊が襲撃かけてきたのである。
私の軍勢は一瞬だけ怯んだけどすぐに立て直して応戦を始めてくれたのだけど敵は想像以上に多く押され始めていた。
これを見ていた愛沙ちゃんが私と紅だけでも逃げて下さいと言われて私は紅を抱いてその場から抜け出す事に成功した。
だけど相手の方が上手で逃げた先にも敵が待ち構えていた。私はどうしてそこまでして私達を殺そうとするのですかと尋ねても相手は何も言わずに弓矢を放つ準備をしていた。
私はこんな所で終わってしまうのか、そう思ってもせめて子供だけでも生きてほしいと思って守ろうとして丸くなった。
しかし、いくら待っても弓矢は放たれることは無かった上に向こうから騒がしい声が聞こえてきたので私は恐る恐るそちらを向いてみると敵弓兵を一人でなぎ倒している一人の男がそこにいたのだ。
見たこともない人であったので私はあなたは誰なのですかと尋ねると男はこちらに対して言ってくるのだった。
「俺?別に大したこともない何処にでもいる悪党ですよ、だから気にせずにお嬢さんとその子を共に逃げてください。ここは俺が足止めをしますから!!」
そう言って男は愛沙ちゃんの武器に似ている武器を持って敵兵を倒してこちらに来ないように足止めをしてくれていた。
私はその人に感謝をしながら逃げ出し始めた、相手はこれ以上の伏兵がいないのか必死に追撃をしてこようとしていたけどそのたびに男が立ち止まって戦ってくれていた。
そうしている中で私は国境の警備兵と合流することに成功して私はすぐに状況を説明してから一息をついてから先程の男にお礼を言おうとしたら時にその男は既にその場にいなくどこに行ってしまったのかと考えていたけど疲れてもいたのでその場所で休んでいると次から次へと帰ってきてくれたのであった。
半数以上はこうして辿り着くことに成功したけど二千ほどは亡くなってしまった。私は本当に申し訳ないと思ったのと同時に愛沙ちゃんたちもなんと私と同じような男に助けられたらしくお礼を言おうとしたら既にその場にいなかったと言うの。
私も同じだと伝えるとあの男はなんて名乗っていましたかと聞かれたけどそれは教えてくれることはなかったけどみんなもあの人から悪党だからと言っていたことぐらいしか分からなかった。
ともかく私は引き上げて今宵の件に関して色々とやらないといけないと思いながら零陵にたどり着いた時に私は信じられない話が舞い込んできたのである。
それは江夏郡太守、黄祖が討ち取られて更に陳珪軍並びに孫堅軍が半壊状態になってしまったというの。あの夜に襲われたのはきっとその3勢力だから分かるけど私達にそんな余裕はなかった。
ならその3勢力を壊滅させたのは誰なのと私たちは信じられないとその情報を聞くのであった。