そうしてここ最近、夷陵では雨も振らずに大地は乾燥してきっていた。更に暑さを凌ぐために敵軍は縦長い未だに展開をして動こうとはしてこなかった。しかも敵は雨が全くも降らないから河の水が減っても気が付かれないと明らかに天まで味方になってくれていた。
もちろんこちらも動きを見せずに陣営を固く守りを固めていたので相手はこちらが仕掛けてけるなんて思いもしていないだろう。
だからこそこの攻撃を予想はしていないから行けると俺はそう思いながら作戦内容をみんなに伝えた。
「みんな、とうとう敵大軍を倒す時が来たから今から俺と穏ちゃんの指令をしっかりと聞くように皆の働きが我々の命運を分ける事になるだろう」
そう言いながら俺と穏ちゃんは愛沙ちゃんたちに指令を与えた、俺ももちろん戦いに参加して敵軍を壊滅させるつもりだ下手に戦力を残したら後々に厄介に事になるからな。
そう考えながら俺たちは動き出したのであった、敵軍は相変わらずにこちらが動くとは思っていないのか見張りの兵達がぐっすりと眠っていた。
まあ、ここ数ヶ月は亀のように守りを固めていたから無理もないかもしれないけど思いながらも俺は兵士たちにドラムを鳴らせと言ってから次の瞬間に火矢を一斉に放った。陣営やその周りの草木は雨が降っていない影響で通常よりも早いスピードで燃え広がった。
他のところも作戦通りに敵陣営に火矢を放って焼き払っていた。そうして逃げ出してきた敵軍を弓矢などで追撃して予測通りに河がある方角に逃げていたので河までに向かう途中で伏兵を伏せておいた者たちが逃げている敵軍を更に攻撃をして数を減らしていった。
それでも背後に逃げても火炎地獄だから生きるために敵軍は前に進んで逃げていた。その先にも罠があることを知らずに・・・しばらくして敵軍はようやく河に辿り着いてから陣形を立て直して反撃の態勢を整えている最中に俺は上流にいる者に知らせた。
近くにあった縄を引っ張りすると着いていた鈴がなり、先の伝令兵に伝えて更にその伝令兵が同じように引っ張り、他の伝令兵に伝えてすぐに辿り着くようにして上流で河の水を堰き止めていた防波堤を破壊して下流に信じられない程に流れ出した。
河の真ん中で陣形を立て直していたせいで誰一人も逃げ切れずに俺が対峙していた厳白虎軍、王朗軍、黄祖残党軍は言葉通りに誰一人も逃げ切れずに全滅をしてしまったと思われていたが王朗軍に一人だけ生き延びている者がいる事が理解をした。
その者は王朗の血縁である王元姫と言う才女で彼女だけはこの陣営にいなく何処に向かったと思っていたら伝令兵が来てから俺に報告をするのだった。
王元姫は袁紹軍の陣営にいるらしくその袁紹軍は多少の被害のみで済んでおりかなり多くの兵士達が健在していると言うのだ。
その理由として伝令兵の話によれば王元姫は穏ちゃんの作戦や俺の水計があることを察知したらしく報告していたが袁紹以外は誰も耳を貸してくれずに袁紹だけは詳しい話を聞きたいからと言って陣営に招いてしたらしい。
袁紹殿が家臣に耳を貸すようになり成長してくれたことに関してはかなり嬉しいけどこんな場面でそれを感じたくはなかった。それにしても俺の作戦はともかく穏ちゃんの作戦を見抜くとはやはり相当頭がキレるなと感じながらもっと詳しい事を聞いた。
それなのに更に王元姫は火計で陣営が焼き払われていたのに河に逃げずに草原に逃げてから方陣になってから周りに火を着けてから軍勢で風を作り火を防いだと言うのだ。
なるほど確かに燃える前に相手が燃やせば届かないもんな・・・いやー、敵ながらお見事と言えるけどそこまで賢いとこのまま逃がすのは良くないかもしれないな。
幸いなことに孫堅軍も壊滅とは行かないけど戦闘は継続はできないほどに崩壊しており戦える状態ではなくそして陳珪軍は元々から戦意があんまりなくあっと言う間に降伏してきて捕虜にさせた。
この中に燈ちゃんもいるからそこは良かったけどもう一人肝心な司馬懿が未だに捕まっておらず逃走しているのだ。
絶対に捕まえて殺しておきたいし万が一に正史通りに司馬懿一族と王元姫が組んだら滅茶苦茶に大変なことになってしまうから司馬懿だけでも殺しておきたかった。そう考えながら俺は追撃態勢を整えるのだった。
王元姫視点
やはりこうなってしまったのねと私は溜め息と同時に何度も家族にはこの韓広との直接の戦いは避けてくださいとあれ程に進言したのに聞いてくれないどころかいいようにやられてしまうなんて情けない。
でも家族は家族だからしっかりと仇は取ってあげるから安心して眠って・・・さてと、やりますか。まずは目の前で混乱している袁紹軍を収めないと何も始まらないのですぐに袁紹殿に声を掛けた。
「袁紹殿、大将が慌てていたら下の者たちも慌てるものです。多少無理をしても落ち着いて下さい。私に対抗策程までは言いませんが何とかしてこの場から逃げ出して無事に南郡まで退却する方法なら思いついておりますが私を信用してくれますか」
「分かりましたわ、南郡に辿り着くまで指令権を王元姫さんに与えますわ。ですからどうか私達を助けてください」
「姫様!!宜しいのですか、いくら王朗殿の身内だからといってそんな大切なものを渡しても本当に良いのですか」
袁紹殿の家臣がそう言うと袁紹殿を守っている顔良、文醜もそうですよと慌てながら止めようとしたけど袁紹殿はすぐに反論した。
「良いですわ!私が指揮をしていたら先生には勝てませんわ、けれど目の前にいる王元姫さんは先生たちの考えを見抜いていましたわ。ならばこの後のことも分かっていると私はそう信じましたわ、ですから頼みますわよ王元姫さん」
私はこんな風に頼られたことがないから少しばかり照れくさいけど与えられた責任はしっかりと果たしますと言ってからまずはこの燃え始めた陣営から抜け出す事にした。
普通に考えれば河に逃げるのだけどそうすればきっと別の罠が待ち受けている可能性があるから私はあえて草原に逃げ込む事にした。
それを伝えるといきなり周りから反論が起きたけど袁紹殿が私の事を信じられないのですか、皆様と言うと黙り込んで従ってくれた。
するとやはり河に逃げる方向から伏兵らしい者たちが現れて私たちを追撃を始めてきた。それを見て袁紹殿は流石ですわねと言いながら信じて良かったと表情になってくれたのである。
そうして草原に逃げると追撃隊は火矢で草原を燃やして私たちを焼き殺そうとしてきたので私はすぐに逃げる方向に火を放ってと言うと周りはもうどうにでもなれと言いながら従ってくれたおかげで逃げる方向だけすぐに火が燃え終わって退路ができたのであった。
しかも敵は自分たちが放った火矢が燃え上がっていたので追撃はできない状況であったので誰一人も失わずに死地を抜け出す事に成功した。
その頃にはもう私の指示を文句言う人はいなくなっておりこれで助かったと周りは安堵していたけど私はまだですと言ってから説明を始めた。
「私達はまだ完全に死地から逃げ出した訳ではありません。すぐに敵大将、韓広が率いる部隊が追撃してくると思っております、まずは文醜さんはこの先にある谷の左右に伏兵としてお願いします、顔良さんは敵部隊が半分以上谷に入ったら落石で封鎖して下さい。袁紹殿は南郡側の方で谷から出てくる敵部隊を一斉攻撃をお願いします。そうすれば上手く行けば敵大将、韓広を討ち取ることも可能で御座います」
それを聞くと袁紹殿は少しばかり黙り込んでいたがわかりましたわと言って作戦通りに動き始めたのである。何か思うところはあるらしいけど今はそんなことを考えている暇はない。
敵は恐らく騎馬隊のみで追撃をしてくるだろうから谷間に入らないと追撃に間に合わない。けれどももしかしたら敵は罠に気がついてしまうかもしれない。
だからこそ敵に罠だと考える暇を与えないようにしなければならないけどそこはどうすればと思っている時に私たちにとある人物が逃げ込んできて私はまさにこの最後の役目に相応しい人が現れたので喜びながら私はその人に最後の役目をお願いするのだった。
もちろん相手は断ってきたけど名門家、袁家からこの度の指令権を貰っていますから断れば分かりますよねと脅して無理矢理に役目を受け入れさせた。向こうも北にある名士だけに袁家を敵に回したらどうなるか分かっているので泣く泣く従った。
これで後は私が間違いなく指示をすれば勝てると考えながらも私は出来る限りの想定をして待ち構えるのだった。