どうして韓広が武陵太守と偏将軍に任命されたのは色んな理由が重なりなっていたのだ。
まずは保身のためと必死に前から送っていた賄賂だけど実は基本的に権力者に賄賂など送る余裕など基本的にないのでまずは余程に楯突かなければ良いだけなのに韓広は何をされるか分からない恐怖のあまりに必死に送っていた。
韓広からすれば三国志演義で劉備の先生とも言える盧植が十常侍に賄賂を送らなかっただけで罪人にされる場面を今でも覚えておりそしてそれが自分の身にも起きてしまうのではないかと怯えてこれは生きるために必要なことだと思って贅沢を控えて貯金をしてはそれらを十常侍に贈りつけていた。
その為に韓広は県令の立場であるが気に入られていた、そんな時に権力者たちつまりは十常侍の賄賂や洛陽に入る物資を狙って洛陽近辺または荊州方面に賊が異常なほどに発生したのだ。
でも軍隊を送って無駄なお金を使いたくないと思いながらも賄賂などの物資やお金をどうやって回収するべきかと十常侍が悩んでいた時に、韓広が洛陽に来る途中で賊を次から次へと倒しては輸送を復興させたのである。
十常侍たちからすれば何も依頼をしていないのに問題を解決してくれたのであり滅茶苦茶に有能であり使いやすい者としてかなりの好印象を与えていた。
そしてその韓広の妻と名乗っている陳珪と名乗っている少女から書簡と大量の金が贈られて来たのである、そして十常侍たちはその書簡の内容の確認をし始めたのである。
その内容はこう書かれていた。
私は陳珪、辰陽県の県令、韓広の妻で御座います。夫に代わりまして私が筆でお伝えしたい事がありまして伝えを致します。もし夫である韓広を今よりも出世をさせることが出来ましたら今よりも更に政治資金をご用意できると考えております。
その理由として今でも県令としてあり得ないほどの政治資金を渡しております。それは夫が辰陽県で必死に発展をさせて収益を増やしては十常侍様たちに献上金として納めようと必死に頑張っておりますがしかし、このままでは近い将来、限界がやってきます。
それは開拓できる土地が無くなりかけているからです、既に就任当時と人口を比べてみても8倍以上の人口が増えております。しかし、それだけに開拓できる土地が既に多くありません。
このままでは少しばかり増やしていた政治資金の額も止まってしまいます。その為に夫を武陵太守に任命をしてほしいのです。そうすれば武陵郡は広い郡ですので多くの未開拓の土地が多くあります。
それらを開拓すれば更に政治資金などが多く出せるようになりますのでどうかご検討の方をよろしくお願い致します。
これを受け取った十常侍たちは話し合いを始めていた。この者を出世させるかどうかを出身は農民でありそこら辺が気になるところであったが十常侍たちにとって一番大切なことは賄賂を出してしっかりと働く有能と言う点でありそれらを満たしている以上は出世をさせる事にした。
それにこの妻と名乗っている少女、陳珪は中原にある豪族の娘でもあるのでそこも問題はないと判断した。
それに武陵郡の太守と言っても所詮は田舎の太守でありそこまで一気に上がるものではない。むしろ、都に近い県令にさせてほしいと言われる方が実は困る。世間の目とかがうるさいが地方なら誤魔化しも可能でありこれぐらいなら今後のことを考えれば利益が大きいので容易いことだった。
なのでこの提案を飲み更に利益を生み出すために十常侍たちは韓広に出世をさせるという投資をしたのであった。
そして賊退治や彼の手腕を見てそれは成し遂げられるなと十常侍たちは密かに笑って韓広を異例の出世をさせたのである。
しかし、十常侍とはまた違う思惑を持っていた人物がいた。それは陳珪、燈であった。
燈はすぐに実家に書簡を送りつけたのである、その内容は韓広、雅と結婚を認めてほしいと言う手紙でありそして韓広と結婚する事は未来の投資になるとも書いて送っていた。
そしてその内容はこのように書かれてあった。
お父様、お久しぶりで御座います。いきなり家から出て行ってしまった時は驚いてしまったと思いますがこの燈は恋愛の他に雅には大きな利益になると私はそう考えて着いていきました。
あの時にいくら私が説明したところで恋で盲目としているとして却下をしていたでしょう。しかし、2年間ほどを経過すれば話を聞いてくれると信じて手紙を出しました。
お父様は中原にいるのですぐに耳に届くかも知れませんが韓広、雅が武陵太守並びに偏将軍に任命されました。異例の出世と呼べる程に雅は出世を果たしております。
私は韓広、雅・・・いや、我が家にとって彼は奇貨と呼べる存在かもしれません。今は武陵郡は韓広の元でかつてない程の経済成長を見せております。
いつかは中原の郡と並ぶほどに栄えてしまうと私は考えています。そうなればその太守である雅は大きな力を持つのは明白で御座います。ならばまだ価値が低いうちから買っておきましょう。
「奇貨居くべし」とお父様なら分かりますよね。秦の時代にあったあの出来事を私は彼がそれだと思っています。
しかし、失敗をするかもしれないと思いで投資などできないのも分かりますなので私と言う存在を投資にしてみては如何でしょうか。
これならば最小限の投資で最大限の利益を得ることが可能と私は考えております。そして幸いな事に雅は未だに誰とも付き合っておりません。
しかし、この度の話を聞けば我先へと婚約の話が出てくると思いますのでどうかご決断をお願いしますと書いて送っていた。
陳珪の父は確かに燈の言うとおりかも知れない彼は我が一族が天からの贈り物だったのかもしれない。我が家に繁栄をさせる存在であり娘はそれに気がついた。
そして燈はそのついでに雅の事が好きだったわけか。娘も成長したものだな、この話が本当なら雅は権力者たちに好かれている証拠でもあり将来は約束されていると言っても過言ではない。
ならば先手を打つのが上策と考えたわしはすぐに娘の燈に手紙を書いた。
ならばお前しか見えなくなる程に虜にさせてしまえと返事を書いて送り返した。それにしてもこれからの繁栄が楽しみで仕方がないのと同時に南の方にも勢力が広げる事ができて喜んでいた。
その理由は中原では不作が続いているのに政治は良くならずに中原そして華北は治安が悪化を始めておりここしか地盤を持たないのは危険だと考えておりまさか、娘の燈がそれを成し遂げるかもしれないとは夢にも思わなかったが・・・どちらにせよ、我が一族はそう簡単に滅亡はしない事だろう。
わしは夜空を見上げ見て星を観察していたが天文学に詳しいわしはあることに気がついたのだった。南に大きな勢力が誕生しようとしているしかも方角からしてそこは武陵であり自然と笑みが溢れるのだった。