OVERLORD:The Invisible Watchmaker   作:Stormgren

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転移後0日 VSツァインドルクス=ヴァイシオン(1)

 DMMO-RPG『YGGDRASIL(ユグドラシル)』、サービス終了直後――。

 

 ギルド拠点ごとの異世界転移に成功した俺は、さっそく身体機能や魔法・スキル・所持品を確認したり、ユグドラシルから連れてきた公式NPCたちを客室へ案内したりと気忙しく働くことになった。

 

 その過程で自家製NPCたちの力も少なからず借りたし、どうやら原作ナザリック勢同様、ギルドメンバーに対する忠誠心を持ち合わせているらしいことは確認している。しかし俺個人に対する認識はどうなのか、あるいはちゃんと設定文通りの思考・言動になっているか、なんてことを忙しい中で全員分チェックして回れるわけはない。

 

 仕方ないので初動が一段落した後、俺は心室(コアルーム)に主要なNPCたちを集め、オバロ読者にはおなじみの『忠誠の儀』を敢行しようとしていた。自分がやる方に回るとイタい儀式以外の何物でもないので気は進まないが、メリットがいくつかあるので省略するのも勿体ない。

 どうせやるなら嘘を感知できるマジックアイテムを装備しておき、言動と意思の一致しないNPCがいればマークしようと思っていたのだが――その矢先、拠点(シング)が揺れた。

 明らかに()()()()()衝撃で。

 

 おい嘘だろ。まだこの世界に来てから八時間くらいしか経ってないぞ。

 

「敵襲だと? ……リーギリウム、被害状況の確認を。

 カレルレン様、まことに残念ですが忠誠の儀はまたの機会に。いまは防衛戦の指揮を執らねば」

 

 最初に状況を看破し、対応に向けて動き出したのは神話的美形エルフ(外装のみ)のエルスワイズ。さすがに全部門のNPCを束ねる地位にいるだけあり、判断が早い。

 

 とはいえ俺たちはこの世界に来たばかりで、ここが()()なのか、今が()()なのかさえ分かっていない。

 

 たとえば原作開始時点の百年後とかに転移してしまい、大陸全土を征服したアインズ・ウール・ゴウン魔導国から領()侵犯の(かど)で攻撃されている、という可能性もある。その場合、下手に反撃してナザリックの拠点NPCを殺ってしまったりすると、その後は全面対立が避けられなくなるだろう。

 先制攻撃がモモンガ自身の指示とは考えにくい――あいつはこの拠点の外観も、家主(ギルドマスター)である()()()()()知っている――が、部下の暴発ならいくらでもあり得る話だ。

 

 もしくは今が原作五百年前の戦乱期で、八欲王や竜王(ドラゴンロード)の勢力にちょっかいをかけられているという線もある。もっと弱い現地人勢力による襲撃……は、考慮しなくていいだろう。少なくとも六十レベルはないと、この拠点を覆い隠している『衣雲(イズム)』を突破できるとも思えない。

 

 まずは敵の正体を探るところからだ。俺はエルスワイズの指示に便乗する。

「リーギリウム、損害確認ついでに外の様子も映せる? 敵軍の規模や編成が知りたい」

 水を向けると、諜報部門の長たる銀髪ショタっ子ダークエルフ(擬態)は力強くサムズアップした。

「オッケー、ちょうど両方捉えたトコだ。投影するぜ!」

 

 リーギリウムの情報的防御は装備効果と常時発動型(パッシブ)スキルだけでも鉄壁の域にあり、専門外の術者がやるように追加の魔法や巻物(スクロール)で反撃に備える必要は基本的にない。おまけに今はギルド拠点の防壁にも守られているから猶更だ。

 俺が指示する前から発動していたらしい念視系スキルの視界が幻術と結合し、心室(コアルーム)中央の空中に立体映像となって投影される。

 

「まず損害だけど、『シング』の外殻装甲が七層まで抉られて、表面積の十二パーセントにダメージ受けてる。表層を守ってた鱗甲虫(スケイル・ビートル)はだいたい三百体が一撃で蒸発。攻撃属性は[火]……いや[神聖]、それとも[光]かな? 撃つ瞬間を見ないとわかんないや」

 

 ダンジョン構造物を損壊させるのは簡単ではないはずだが、敵はギルド拠点に一発で巨大なクレーターを刻むような攻撃手段を持っているらしい。ついでに消し飛んだ鱗甲虫(スケイル・ビートル)もレベル八十台の傭兵モンスターであり、たとえ専業魔法アタッカーが三重最強化した〈現断(リアリティ・スラッシュ)〉でも、二回で殺し切れない程度には硬い。

 相手はそれをまとめて瞬殺する超位魔法クラスの火力を持つということ。間違いなく強敵だ。

 

「んで敵の方は、さっきまで『シング』の周りを飛び回ってたけど、鱗甲虫(スケイル・ビートル)の弾幕を抜けられなくて一旦射程外まで退いたな。いまは前方三キロの空中で止まってる。たぶんだけど、外殻吹っ飛ばしたあの攻撃の二発目を準備中だと思う」

 

 そして映し出された〝敵軍〟の姿は、たった一体のドラゴン。

 神々しいまでの威厳と造形美を兼ね備え、白金色の外皮鎧を身に纏う、ユグドラシル以前のどっかで見たようなその姿は――。

 

 ……アイエエエ!!?!? ツアー!? ツアーナンデ!?

 

 部下たちの手前、俺はなんとか叫び出すのをこらえる。記憶にある書籍やアニメのデザインよりちょっと細身に見えるが、ありゃ間違いなく〝白金の竜王(プラチナム・ドラゴンロード)〟――ツアーことツァインドルクス=ヴァイシオンさんじゃございませんか。

 

 出現したばっかで情報ゼロのギルド拠点に本体単騎カチコミとか、てめー正気か? アズスを捨て駒にしつつ鎧ドローン飛ばしてリモート小手調べに徹する原作での用心深さはどうしたよ。だいたい八欲王のギルド武器は? まだ()()()()()()()()()か? それとも()()()のか?

 

 原作知識が()()()()()()理解不能な状況だが、なんにせよ方針は決まった。パンパン手を叩いて注目を集め、俺はこの拠点防衛戦の前提となる勝利条件を伝える。

「おーしみんな聞けー。詳しい説明は省くが、あのドラゴンはこの世界における最重要人物のひとりだ。難しいことを頼んで申し訳ないけど、殺さず追い払うか――いや、できれば捕らえてもらいたい」

 

 ざわッ、とNPCたちの間に動揺が走る。さすがに来たばかりの未知なる世界で、「あいつが重要人物」なんて言われても信じられないか?

 と思っていたが、こいつらが反応したのはそこではなかった。

 

()()()()()などと! 御身は我らが至高の主人。いかなる難題も、ただお命じになればよいのです――それで失敗したならば、すべての責は御身の望みを叶えられぬ我らの非力にあります」

 

 切実な声と表情で訴えるのは、魔法研究部門統括・眼鏡魔女っ娘のミハネ。周りの奴らも同意を示すように頷いている。俺もつられて頷いてしまう。アッハイ。

 ナザリックの連中に比べ、主君への態度はかなりフランクになるよう調整を施したはずだが、ブラック労働を求めるNPCの本能みたいなものはうちの奴らにも標準搭載されているらしい。()()()()()()()()()()()()()()()()()()とか実際抱えてみるとこえーわ。カルトか?

 

 初見の敵の情報を何で知ってるんだよ、というツッコミはどうやら入らなさそうなので、俺は覚えている限りのツアーの情報を共有していく。

 推定一〇〇レベル級のドラゴンであること、位階魔法とは異なる体系の魔法を行使すること、使えることが分かっている魔法の効果など……

 

体力(HP)はオレたちより二桁ぐらい多そうだ。魔力(MP)は持ってないように見えるけど……ボスの話だと、体力(HP)消費で魔法使ってくるんだろ? やっぱ使うトコ見ないと読めねーな。

 レベルは……見えにくいけど、ボスの言う通り、たぶん一〇〇近くあると思う」

 ツアーのステータスに探りを入れていたリーギリウムからの補足情報。始原の魔法(ワイルド・マジック)が実際にHP消費で発動するのかどうかは微妙なので、いちおう不確定情報と注釈を入れておく。

 

 それら一通りを黙って聞いていたエルスワイズが、虚を衝くような問いを投げてくる。

「ひとつ確認ですが……彼を殺さず止めるとして、()()()()見せてよいのでしょうか?」

 こいつら(NPCども)と違い天才的知能の持ち主ならざる俺は意味を測りかね、「ふむ……」とか熟考するフリをしながらエルスワイズの言わんとするところを探る。

 ()()()()って何だ? 凡人相手に省略言語で話しかけるのはやめてほしい。

 

 幸いにしてエルスワイズが怪しむほどの時間をかけずに答えは出た。

 拠点の防備、戦力、技術、それから自家製NPCたちに詰め込んだ過剰なまでの高性能――殺してはいけない相手に対し、それらを()()()()開示してよいのか、ということだろう。なるほどこれはもっともな観点で、ツアーに記憶操作が通じるかどうかも分からん以上、全力戦闘なんぞ到底許可できない。

 

「基本的に、()()()は伏せて戦え。あいつには力押しでの勝利を諦めてもらわなきゃならないが、あとのことを考えると、過剰な脅威として見られるのもよくない。

 とりあえずフィールド変化系と広域破壊系、あと大規模構造物の召喚は無しだな……見た目が地味なやつとか、効果の解りにくいものなら使っていいかな?」

 

 俺がいくつか思いつきを並べていくと、途中でエルスワイズが手を挙げて遮った。

「そこまで指針をお示しいただければ、充分です。あとは我々で戦術を組み立てましょう」

 続けてエルスワイズは他のNPCたちに向き直り、指揮官らしく作戦を伝えていく。

 

「――先鋒はキャロル。敵が未知の転移魔法を使う以上、我々の持つ転移阻害手段で逃亡を封じられる確証はない。よって、まずは〈呪火(カーシング・ファイア)〉で心理的に退路を断つ。

 キャロルが着火に成功したら前衛をシズクにスイッチングし、作戦を第二段階に移行する。〈求不得(イッチャーヴィガータ)〉で敵の回復および強化(バフ)を封じ――」

 即興とは思えん迎撃プランがすらすら出てくる様に感銘を覚えていると、袖を引く小さな手の感触が。

 

「オレはこのまま拠点の中から援護だな! ボスはどうする?」

 何かを期待するようなリーギリウムのきらきらした目が眩しい。わかってるよ、俺もここで援護に徹するのが最適解だよな。強いて分類するなら俺のビルドは指揮官型その他役(ワイルド)だし、()()()()()ギルド武器もある。

 でもその前にやっておかなきゃならんことがあるんだ。

 

「お前たちが戦闘準備してる間に、ちょっと()()()()()わ。合図するまで追っかけてくんなよー」

「え?」

「は?」

「誰と――」

 

 困惑するNPCたちを残し、俺はさっさと〈上位転移(グレーター・テレポーテーション)〉で瞬間移動。

 

 行き先は拠点の外、雲の壁に囲まれた円い空の下。

 第二撃に向けてエネルギーを溜めているらしい()()()()()()()

 

「なに!?」

 世界に自動翻訳された渋い声で、白金の竜が驚きを表明する。悪くない反応だ。少なくとも意表を突くことには成功している。

 その隙に付け込むべく、俺はさらに畳みかける。

 

「鎮まれェー! 鎮まりたまえ! さぞかし名のある竜と見受けたが、何故そのように荒ぶるのか!?」

 

 なに言ってんだこいつ、みたいな顔をしてツアーが固まる。異世界の竜王すら瞠目させるとは、さすがはジブリ史上最高のイケメン(※諸説あり)が発した御言葉。パワーが違う。

 本来なら竜の表情なんか分かるはずはないのだが、『忠誠の儀』に備えて装備していたアイテムの効果か、人型とかけ離れた異種族相手でもある程度の感情表現を読み取れるようだった。これはツイてるかもしれん。

 

「……お前は、ユグドラシルから来た〝ぷれいやー〟なのか?」

 あくまで臨戦態勢を解かず、ツアーが問いを投げてくる。会話に応じてくれたというよりは、純粋に情報を引き出そうとしている感じだ。

 ま、いいけどね。意図があるのはこっちも同じだし。

 

「そうだよ。あんたは? 言葉通じるみたいだけど、このあたりに住んでる竜さん? 俺たち、ちょっと前まで別の場所にいたはずなんだけど、気付いたらここに飛ばされてたんだよね」

 

 俺はツアーのこともこの世界に転移するであろうことも知っていたが、しかし原作知識は基本的に秘匿事項だ。ここでは「何も知らず転移に巻き込まれたモブプレイヤーA」として振る舞わなければならない。

 後方の『シング』を指で示し、ゲーム気分が抜けきっていない能天気なプレイヤーを演じる。普段と大して変わらん気がするのはご愛敬。

 

「あの()()()()は俺たちの家なんで、さっきみたいな爆撃は控えてもらえると助かる。もしアレがこのへん流の挨拶だってんなら、ちょっとコミュニケーション方法の見直しを進言するけど――」

「お前が〝ぷれいやー〟であるなら、この世界のことを知る必要はない」

 

 竜の腹から全身に、葉脈のような碧い光が走る。

 見るからに大技の前兆。おそらくは、拠点外殻にクソデカクレーターを刳り抜いた攻撃――原作でも詳細不明だった、あの大爆発が放たれようとしている。

「ただ滅びろ。その力が、再び世界を汚す前に」

 

 どうも原作よりだいぶプレイヤーへの殺意が高い。これは十三英雄のリーダーに会う前の時系列と見た方がいいか? ツアーにも八欲王への恨みマシマシのやさぐれドラゴン時代があって、ちょうど今がそこなのかもしれない。

 

 大気を震わす膨大なエネルギーがいよいよ形になろうという寸前、俺は〈小転移(ショートジョウント)〉でさらに距離を詰め、ツアーの鼻先に出現する。

()()()()()()撃てるか!?」

 

 同士討ち(フレンドリーファイア)判定があるこの世界なら、至近距離の相手に爆発系の攻撃は使えないと踏んでの賭け。加えて俺も一応ワールドアイテム所有者なので、攻撃系の始原の魔法(ワイルド・マジック)なら無効化できるだろうという期待もある。

 

 まあ見込みが外れて直撃+無効化失敗したら多分即死するが、幸い俺には経験値ペナルティなしで復活する手段が豊富にある。ノーペナ死亡一回で敵の切り札を一枚見られる、と考えればパワープレイヤー的には充分アリな交換レートだ。()()()()()()()ではあるけど。

 

「ガァッ!」

 手の内を見せることを嫌ったわけでもないだろうが、ツアーは瞬時に爆撃を中止した。そしてわざわざ近接格闘レンジに入ってきた俺に対し、巨体を右回転させながら流れるような肉体武器の連撃を繰り出す。

 牙、爪、翼、尾、さらに裏拳気味の翼、爪。竜種の身体能力に頼った力任せではない。モンクめいた技を感じさせる武の舞踏。

 

 ()()()()を持ったドラゴンなんて厄ビルドはユグドラシルでも戦ったことがない。危なかった。普通に全部は避け切れてないし、俺が物理攻撃全般の無効化手段持ってなかったら今のワンセットで死んだかもしれん。

 

 フルコンボ空振りというせっかくの隙なので、反撃の代わりに位階上昇させた〈次元錨(ディメンジョナル・アンカー)〉を撃ち込んでおく。多色に光る魔力の鎖がツアーに巻き付き、すぐに見えなくなった。

 あの鎖は物理的な拘束力を発揮するもんではなく、〈次元封鎖(ディメンショナル・ロック)〉同様の転移阻害効果を単体目標に与えるもの。始原の魔法(ワイルド・マジック)による転移まで防げるかどうかは分からんが、やらないわけにもいかない。これも作戦の一部だし。

 

 そして連続攻撃が不発に終わったツアー氏はというと。

「無傷だと? 非実体か……いや、だとしても半分の威力は通るはず……」

 

 魔法武器で非実体クリーチャーを殴ると半減ダメージが入る、というのは確かにユグドラシルの仕様だ。高位のドラゴンの肉体武器はすべて神秘を帯びたものとして魔法武器扱いになるので、実際ツアーの格闘攻撃は非実体の敵にも有効だろう。

 

 ツアーがわざとらしく推測を口に出してみせたのは、こっちが得意になって無効化のカラクリをベラベラ解説するとでも踏んでのことだろうか。過去にそういう迂闊なプレイヤーがいたのかもしれない。俺はチキンなので種明かしなんて親切な真似はしてやれないが。

 

「さぁて、どうしてだろうね……ともあれ竜さんよ、何があったのか随分プレイヤーに怒り心頭みたいだが」

 すでにエルスワイズからは「準備完了」の連絡を受けている。頃合いだろう。

 俺はテレパシーで攻撃開始の指示を出しながら、底知れぬ強者っぽく見えるよう精一杯の虚勢を張り、両手でファックサインを掲げつつ言う。

 

「他人に〝滅びろ〟とまで言うなら、自分が滅ぼされる覚悟も、当然してるんだろうな?」

 

 俺の真後ろに〈転移門(ゲート)〉が開き、赤ゴス金髪ツインテールの少女が弾丸のごとく飛び出してくる。トップバッターを任された一〇〇レベルNPC、火力特化魔法アタッカーのキャロルだ。

 彼女と入れ違う形で、俺は前を向いたまま背中から〈転移門(ゲート)〉へ飛び込み、リーギリウムが待つ心室(コアルーム)へ帰還する。他の連中はそれぞれ作戦上の待機ポイントへ向かったらしい。

 

「……ボス! あんた何やってんだ、敵の前に一人で飛び出すなんて!」

 リーギリウムが美少年フェイスにマジな怒りを浮かべてポカポカ叩こうとしてくる、のだが物理無効がついてるせいで全部すり抜けてしまっている。言うことはもっともなので素直に謝っておこう。

「心配かけてごめんなー。対話の姿勢を見せれば戦わずに済むんじゃねーかと思ったけど、ありゃ覚悟キメて殺しに来てるわ」

 

 おかんむりのショタっ子をひとしきり撫でてやり、俺はふわふわっと飛んで定位置へ。ギルド武器を装備し、ユグドラシル時代から幾度となく仲間たちを勝利に導いてきた()()()()()()の準備を整える。

 

 さて。

 まさか転移初日から推定現地最強キャラと戦う羽目になるとは思わなかったが、幸いにしてここは自軍のホームであり、相手は単騎。ツアーがどこかに伏兵を忍ばせているか、あるいは本人がよほどの――それこそワールドエネミー級の――化物でもない限り、はっきり言ってこちらが負ける要素はなさそうに思える。

 懸念点があるとすれば性能限界不明の始原の魔法(ワイルド・マジック)くらいだが、一発でうちの拠点を消し飛ばせるなら奇襲の初撃でやってるはずだ。

 

 奴がいったい何を思って無謀な単騎特攻に及んだのかは後で訊き出すとして、この戦いはNPCの忠誠心や実戦性能を推し量るいいテストになる。悪いが利用させてもらおう。

 

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