OVERLORD:The Invisible Watchmaker   作:Stormgren

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[notice]
原作からおよそ三百年前の時代に突入します。








ガテンバーグは燃えているか
百年の揺り返し(1)


 過ぎてしまえば百年もあっという間だ。

 

 実を言うと初めの頃、俺は自分の精神が長い時間の中で摩耗し切ってしまわないかと心配していた。

 わーお、原作開始時点まで四百年もあるじゃん。大丈夫か俺? 百年も持たないんじゃないの? ――そんなノリで不安をごまかしつつ、先行きも見えないまま大いなるプロジェクトに着手したのだ。無謀だったと思う。いくら戦力を充実させようと、指導者である俺の精神が破綻してしまえば組織は正常に運営できなくなる。

 

 幸いにして、俺の精神は自分で懸念していたよりも鈍感だったらしい。

 一日を三十回繰り返せば一か月。一か月を十二回繰り返せば一年。一年を百回繰り返せば、ほらもう百年だ。大きなイベントがなければ一日の密度なんてのは何もせずダラダラ過ごす休日と大差なく、それを何十回何百回何千回何万回繰り返そうと自覚できるほどの継続的ストレスは生じなかった。基本的に俺は望むだけ好きなことをやれる立場にいて、どっかの骨みたいに「理想的絶対支配者を四六時中演じ続ける」なんて頭のおかしい縛りも入れてないし。

 

 もっとも、これは()()()()の助けもあったかもしれないので、たとえば人間のアバターでこの世界に来たプレイヤーが同じようにお気楽な生き方をできるかというと微妙だが……まあ個人差や環境の違いはあるだろう。六大神はわりと大往生できた奴が多かったらしい。八欲王はご存じの通り全員が推定戦死。俺と同時期に来た連中でいうと、八重樫家の三人は今も『霧の王国(ミスティラント)』で元気にやっている。

 

 そうして転移から百年と少しが経ち、原作の時代からおよそ三百年前にあたる現在。

 俺はとある都市の一角、カフェのラウンジ席に陣取り、()()を読んでいる。

 

「やっぱ……()()()()だよなぁ、コレ」

 

 前々世の日本で配達員が毎朝投函してくれていたような、ボリューミーな紙束とは比べるべくもない。大判のペラ紙一枚に片面印刷された、当然モノクロかつ絵も写真も載っていない、ごく原始的な学級新聞レベルのもの。

 

 それも日刊や週刊ですらなく、月に何度か不定期で販売される程度の刊行ペースに留まっている。これは時代的な限界だろう。書く方の情報収集能力も製紙・印刷技術もまだまだ未熟で、とても安定した定期刊行なんて望めないから、ひとまず号外相当のイベントドリブン刊行で売り物になるネタだけを刷って刷って売りまくると。

 

 最低位の生産系魔法で作られたと思しき紙は非常に質が悪く、文字は見づらいし手触りもよくない。そもそも載っている情報からして、遥かに現代的な諜報組織を持っているうち(BW)からすれば、虚偽と誤認だらけの怪しい飛ばし記事が多い。

 それでもこの新聞はそこそこいいお値段で売られ、主に富裕層・知識人向けの新鮮な情報源として広く買い求められているという。

 

 さもありなん。品質にまだまだ問題はあれど、「同一内容で大量生産される印刷新聞」というのは、それだけで社会構造に変革をもたらす発明たり得るものだ。

 どこがどう革新的だったか説明し始めると、それだけで新書一冊分ぐらいにはなりそうだが……まあギルドの図書室にそういう文献の一つや二つはあるだろうから、ここで俺が考察するまでもない。実際、俺にとって重要なのは歴史的意義だけではないのだ。

 

 この新聞、うちのギルド(BW)や『霧の王国(ミスティラント)』で作られたもんではない。法国がテコ入れしたわけでもない。

 今いるこの国で発明され、販売されている、正真正銘現地製の物品である。

 

()の時点で()()に、()()()()が存在してたなら、未来の王国や帝国はもっと民衆の権力が強くなっててもよさそうなもんだが……やっぱ拡散する前に失伝したか?

 この国自体、()()()()()()()()はずだしな」

 

 通りに目を向ければ、服のデザインこそやや古めかしいものの、活気という面では未来の大都市に引けを取らない人々の往来。

 急速な発展途上にあり、上向いている国というのはやはり独特な空気がある。明日は今日より良くなる、十年後には今年より輝かしい時代が待っている――そういう未来への希望を、大衆が暗黙裡に共有していることで生まれる、楽観の明るさとでもいうのか。

 

 だがこの国は、ほどなく歴史から消える。――少なくとも、〝正史〟ではそうなっている。

 

 国の名はガテンバーグ。

 ()()()()()()に点在するいくつかの都市から成る、小規模な連合国家である。

 

 

 

 カッツェ平野に()()()()()()()ことは転移後の早い段階で把握していたが、そこに住む人々のこととなるとつい最近までノーマークだった。

 

 いや最初はちょっと興味持ったんだけどね? ただなんつーか、ごく普通の都市や村落が点々とあるだけで、べつに面白い技術とか傑出した人材とかがあるわけでもなく。

 プレイヤーの痕跡や、この世界の謎に迫るような発見も無さそうとなれば、あとはこの長閑な平原地帯が()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()だけが関心事項となってしまっても仕方ないだろう。

 

 それが一転して最重要監視対象に躍り出たのは、俺たちの転移からだいたい九十五年を過ぎた頃だった。

 

 隣接するいくつかの都市が連合して、小規模な国家を結成する。これは解る。大陸のどこでもやってるようなことだ。特に疑問を持ったり、注目するようなことでもない。

 

 各都市の上層部に『秘術評議会』と呼ばれる魔法詠唱者(マジック・キャスター)たちの組合(ギルド)が席を占めていて、彼らが〈伝言(メッセージ)〉の魔法で連絡を取り合うことにより、情報伝達の飛躍的な高速化に成功した。これもまあ解る。

 〝正史〟ではどうだったか知らないが、この歴史では俺たちが乗っ取って改造しまくった法国が魔法大国として名を轟かせており、〈伝言(メッセージ)〉による人力通信網も当然のごとく整備されている。やろうと思えば、すぐ近くのカッツェ平野にある国が真似することは不可能ではないだろう。伝送精度やネットワークノード密度では本家(スレイン)に遠く及ばないとしても。

 

 しかしその都市間連合国家が、当地の言語ではない〝ガテンバーグ〟なる国号を掲げる――ここに至って俺はひっくり返って驚き、ようやく事態を把握した。マジかよ()()()()()()()()()? という誰にも理解されないであろう驚愕。

 

 そして元オバロ読者の驚きも冷めやらぬうちに、新興国家ガテンバーグは高い魔法技術を活かしてあれよあれよと発展を遂げ――数年後、ある意味では〈伝言(メッセージ)〉通信網をも凌ぐ世紀の大発明・活版印刷を生み出す。

 それも、長年の研究の末に結実した技術とかではない。従来その地に影も形もなかった全く新しい技術が、()()()()()突然POPしてきたのだ。

 

 曰く、アイデアを提供したのは謎の天才覆面錬金術師・ガテンバーグ卿。『秘術評議会』が権力を掌握する過程で運動の中心となった人物であり、国名も彼に由来する。

 研究に専念したいと公的な立場を辞したガテンバーグ卿のために、せめてその功績を称え、建国の父の名だけは残そうと支持者たちが提案したのだとか。胡散臭すぎるし、きな臭すぎる。

 

「異世界にガテンバーグ(Gutenberg)を名乗る素性不明の怪人物が現れ、十年もしないうちに活版印刷技術を創始ねえ……。

 世界をまたいだ歴史の共時性(シンクロニシティ)、って考えられたらロマンだけど。時期的にも、どっちかというと()()()()()()()が疑わしいよな」

 

 ガテンバーグ。ドイツ語風に読み替えると()()()()()()()。言わずと知れた活版印刷の父の名である。まあ技術そのものは中国でもっと前に発明されてたらしいけど。

 その名を名乗り、地球の歴史を再現するかのように、いま金属活字による印刷革命をこの世界で起こそうとしている何者か。こいつが今代の転移プレイヤーだとして、目的は何だ? ……本好きなのか? 下剋上しちゃうのか?

 

 名も顔も知らない相手の思惑を見透かそうとする俺に、テーブルを挟んで向かい合う黒髪の幼女が、ぺこりと頭を下げた。

「申し訳ないであります。ご命令を受けてから二ヶ月も経つのに、トリエはまだプレイヤーの所在も掴めておらず……」

 

「あー、いいよ慎重にやってくれれば。相手がカンストプレイヤー想定なら、雑な人海戦術なんか打てないしな。影の悪魔(シャドウ・デーモン)どころか、上位二重の影(グレーター・ドッペルゲンガー)や忍者シリーズでも普通に見破られるだろ。リーギリウムの占術も、同格相手だと逆探知とかカウンターとか怖いし」

 

 トリエというのは彼女自身の名前である。うちの魔法研究部門統括NPC・ミハネを、文学少女ふうの儚げな美貌はそのまま、小学四、五年生くらいまで小さくしたような姿をしている。

 これは彼女の本来の姿ではない。ミハネの創造主でもある『盲目の時計職人(ブラインド・ウォッチメイカー)』ギルドメンバー、(シエラ)・シェリーの()()()()()姿()をわざわざ模してデザインされた外装に、変身しているだけだ。

 

 個人的には、()()()()()を残してくれたシェリーの姿を見ているだけで心がざわつくので、あんまり使ってほしくない外装だが……とはいえ人間種の国に違和感なく潜り込みつつ、いざというとき多様な魔法による状況対応力も確保できるとなると、この姿が最適解になってしまう。

 

 当然そんな変身ができるのは、ただの傭兵モンスターではあり得ない。

 変身能力に特化した一〇〇レベルNPC・二重の真影(マスター・ドッペルゲンガー)五人衆の一人。

 真名は『脆き幻燈のトリエ』。彼女はシェリーを含むギルメン四人の外装と、能力の九十五パーセントまでを再現することができる。

 

 こいつを含む五人姉妹は『忘却の壺』で最上位種族レベルだけを残し、あとは必要な技能に関わる職業(クラス)レベルを積み上げていって、全員がひたすらコピー能力者としての精度と汎用性を追求した超ガチビルドに仕上げられている。

 姿と能力をコピーする相手も実用的観点から厳選していて、ギルメン全員の面影を残そうなんて思い出アルバム機能は搭載していない。二重の影(ドッペルゲンガー)系列ではあるが、パンドラズ・アクターとはだいぶ設計思想が違う。

 

 彼女たちはどっちかといえば戦闘以外が本業であり、普段はギルドの様々な部門を渡り歩いて、万能助っ人キャラとして活躍している。

 一つだけコピー先を固定していない自由変身枠を使えば誰にでもなれるので、部門統括級NPCに変身して強力な固有スキルを複製し、職務の一部を代行するのが主な仕事だ。ちなみにこの枠はコピーする相手に触れなければならない制約があるため、現存していない人物への変身には使えない。

 

 ここしばらくトリエは諜報部門の指揮下に入り、ガテンバーグへ潜入して情報収集にあたっている。

 その成果について、俺は本日ここで新聞を読む一般通過カフェ紳士(都市迷彩じみたモブ顔)に化けつつ、見た目だけなら娘か孫かといった姿のこいつから報告を受けているわけである。

 別に〈集合体〉のテレパシー回線でリモート報告させてもいいんだけど、今回は俺が現地を見ておきたかったので、「現場の空気というものを感じなければ云々」と屁理屈をこねて現地開催としてもらった。

 

 出向先にいきなり訪ねてくるなんてのはリアル企業だったら迷惑上司ムーブのはずだが、NPCどもはこれをやると露骨に喜ぶので、金品による給与支給よりずっと安上がりな報酬として機能している。我はやりがい搾取マン。この百年で俺もすっかりこいつらの扱いが上手くなってしまった。

 閑話休題。

 

「ちなみにこの『秘術評議会』って魔法詠唱者(マジック・キャスター)集団は、プレイヤーとかNPCとかではなさそう?」

 

「違うと思われるであります。まずレベルが低すぎますし、個人情報の保護も()()()()()()()でしか行えていないようであります。彼らは家系図も追跡可能で、それぞれ過去を知る人々の話も整合性が取れているであります。

 完全に来歴不明、かつ徹底的に個人情報を隠匿しているのは、『ガテンバーグ卿』ただ一人であります」

 

「住所不定。〈伝言(メッセージ)〉も自分からの発信でしか使わず、明らかに長距離転移が使える神出鬼没ぶり。これは同格以上の敵を警戒してるよな……やっぱ法国にプレイヤーが現存すると思われてんのかな?」

 

「『人類憲章』の考え方は、この世界においては異質なものでありますゆえ。〝りある〟から持ち込まれた思想が背景にあると、同郷の方なら看破できておかしくないかと愚考する次第であります」

 

 あからさまに怪しい大本命のガテンバーグ卿にいきなり突撃するのは、ユグドラシルの高レベル情報戦を基準に考えると、「一本釣りしてくれ」と言ってるようなもんである。当然トラップや欺瞞情報は張り巡らされているものと想定しなければならない。

 おまけに相手の情報さえ手に入れば何でもいいわけではなく、仮にも()()()()である俺たちとしては、相手や周囲にこちらの存在を気取られないよう立ち回る必要がある。安全マージンを取ろうとすれば、どうしても迂遠な手順を踏んで周辺から、間接的に探っていくことになる。

 

 相手も高位の魔法詠唱者(マジック・キャスター)だった場合、こちらが下手に魔法的能力を使うだけで痕跡を辿られかねない。よってトリエには、通常手段では見破れないほどに強化された変身能力を主な武器としつつ、それ以外の面では可能な限り魔法を隠匿して任務に臨んでもらっている。現地住民と仲良くなって噂話を聞いたり、賄賂やハニートラップも駆使したりと、昔ながらのリアルスパイアクションをやるわけだ。

 

「べつに取って食おうというわけでもなし。向こうから接触してきてくれた方が、よほど話は早いのでありますが」

「まあ……ユグドラ動物園の治安の悪さを知ってるとな。それに、こっちが悪意害意を持ってないことの証明は難しいもんさ」

 

 相手の善意を信じてノコノコ出てきて、捕まったのがナザリックみたいな連中だったら高確率で一巻の終わりである。注意深く身を隠しているガテンバーグ卿(仮)の立ち回りは、ある意味で転移プレイヤーのお手本と言っていい。

 その割にリアル偉人名義の技術革新をいきなり起こして、国単位で目立ってしまっているのは解せないが……これは彼にとって〝どうしてもやらなければならないこと〟だったと見るべきか? 思想や行動指針を推し量るうえでの手掛かりにはなるかもしれない。

 

「それに俺たちだって、()()()()敵対するかもしれんわけだしな……」

 

 隠れ潜むプレイヤーが『人類』にとって有害な野望なり思想なりを持っていて、更生も転向も促せないようであれば、俺はそいつを処さなければならない立場にいる。場合によっては、ガテンバーグの滅亡イベントを()()()()()()引き起こさないといけないケースすら考えられる。

 

 積極的に敵対したいわけではないとしても、現時点では、どちらが先に相手の情報を手に入れるかというゲームの対戦相手である。本当に一人(ソロ)なのか、ワールドアイテムなどの切り札を持っているのかどうかも解らない以上、侮ってかかることはできない。

 

 ……などと長々説明してしまったが、トリエは俺より遥かに頭が回るので、そんなことはもちろん考慮済みに違いない。気合の入った様子で偽装幼女スパイが頷く。

 

「では……引き続き、気取られるリスクを最小限に抑えた諜報活動を行うであります」

「うん、頼むわ。近々こっちでもイベント起こすから、その件に反応がないかどうか注意して見といてよ」

「イベント、でありますか?」

 

 しばらくこの都市に潜入していたトリエには、ギルド拠点の方で動き始めた計画の詳細がまだ伝わっていなかったらしい。報連相の失敗というわけではなく、余計な情報を持たないことで万一の時の漏洩を防ぐ、セキュリティ上の安全策だろう。

 

 俺はモブ紳士の顔で、せいぜい得意げに見えるよう笑いながら、手にした新聞『ガテンバーグ新報』の紙面の一角を指さした。

 そこにはこう書かれている。

 

 ――南東の湖上に未知の塔状構造物が出現。大陸中央方面で続発せし〝禁域(ダンジョン)〟新成との関係は如何に?

 

「第二紀からは……〝ダンジョン運営〟をやります」

 










[memo]

■「マジかよこの国そこにあんの?」
・ガテンバーグがカッツェ平野にあったというのは本作独自設定。いちおう、300年後の帝国でもやけに詳細な情報が伝えられていたところから、地理的にさほど離れていなかったのでは? という推測に基づく。
・メタな話をすると、原作では敢えて曖昧にされている部分と思われるので、二次創作では国がどこにあったかも含めて自由に設定してよいということでもある。
・キャンペーンセッティング次第ではガテンバーグがカッツェ平野にあってもいいし、リュラリュースがレベル500億の化物でもいいし、トーチ・ポートがレイヴンロフトにあってもいい。君のオバロではそれが正しいのだ。(面白いかどうかは別として!)

■「〈伝言(メッセージ)〉通信網をも凌ぐ世紀の大発明・活版印刷」
・これはあくまでカレルレン個人の所感であって、何ら客観的な真理や事実ではない点に注意。
・カレルレンの価値観だと、文明の発展に最も寄与するのは非属人的な(つまり、特別な才能を必要としない)技術であり、純粋な物理工学のみで作成可能な活版印刷はその点かなり評価が高くなる。
・〈伝言(メッセージ)〉による通信網は、前提に魔法の才能を必要とする点が普及のネックとなる。仮にこれが「〈伝言(メッセージ)〉の機能を持たせたマジックアイテムの製法確立」だったら、評価はもう一段階上昇していた。携行可能なものであればさらに一段階上がる。
 (それでも前提に属人的技術である魔法が絡む以上、「非魔法的な携帯通信装置」ほどの大発明にはなり得ないのだが)
・実際には、〈伝言(メッセージ)〉をアイテムに仕込むのは当時のガテンバーグの魔法技術だとまだ難しく、仮に実現できても通信距離が短い・決まった端末間でしか通信できないなど課題が多い。
 また、ガテンバーグでは『秘術評議会』が〈伝言(メッセージ)〉通信網の独占を権力基盤の一つとしていたため、そもそも彼らに遠距離通信技術を一般化させる意図は当面なかったと思われる。

二重の真影(マスター・ドッペルゲンガー)五人衆
・ギルド『盲目の時計職人(ブラインド・ウォッチメイカー)』に属する一〇〇レベルNPCの一団。五人全員が二重の影(ドッペルゲンガー)系の最上位種族レベルを持ち、万能のサポートユニットとして機能する。
・当初はナンバーのみで個体名を持たず、標準形態の外装もほぼ共通の種族素体をベースとした簡素なデザイン(ハニワ顔)だったが、他NPC用の没データを再利用することで標準形態の外見に個性が生まれた。
 種族的には性別を持たない。しかし採用された外装が全員美女・美少女だったため、合わせて女性的な名とパーソナリティを与えられている。それぞれ個性はあれど、任務に応じて性別も種族も偽装する関係上、演技力は完璧と設定されている。
・本文中にも言及されている通り、ストックしておける変身バリエーションの数と引き換えに、一〇〇レベルキャラクターの能力すらほとんど完全に写し取る再現精度を得たコピー変身のスペシャリストたち。
 能力まで記憶しておける姿は五つ。一枠は随時新たな変身先と入れ替えて使用する自由変身枠。外見だけなら視認のみでコピーできるが、能力までコピーするには標準形態での接触が必要。
・全員が最高位の変身特化クラスを取っており、〈看破(シースルー)〉や〈完全視覚(トゥルーサイト)〉でも見破られない。より特化した索敵系上位クラスの能力や、超位魔法以上の効果であれば真の姿を看破可能。ほか変身を強制解除する類の効果も有効。
 ただし、BWの五人姉妹は「真の姿(基本外装)も一見すると人間そのもの」なので、種族まで特定する効果を併用しない限り、本当の意味での正体は看破できないという二重の罠が潜んでいる。
・余談ながら、自由変身枠で竜王(ドラゴンロード)の姿をコピーできるか試したところ、サイズ含め外装だけなら真似られるが、始原の魔法(ワイルド・マジック)を含む固有能力の複製には失敗したという実験結果が出ている。
 これがクリーチャーとしての規格が異なることによる不整合なのか、ワールドアイテム相当の効果を再現するには変身能力の性能が足りないのか、あるいはボスモンスター等と同様のコピー不能対象と判定されたのか……といった機序の面は目下分析中。
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