噓企画2024(フォーゼ反転物)   作:大島海峡

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 仮面ライダーフォール。そう名乗った慈白展葉に、その背で満足げに零星天火は頷いた。

 

「やっちゃいなよ、つくしちゃん」

 と本人に聴こえるか聴こえないかの声量で指嗾する。

「使い方はC4回路を開けば分かる。じゃ、良い旅を」

 

 それを受けてか知れないが、展葉こと仮面ライダーフォールは声勇ましく駆け出した。

 そして飛び上がった。

 また脚部から生じた風に乗り、一度は畳んだ背の翼が展開され、旋回する。

 

 空中戦だった。

 

『やっぱり貴方も飛びたいのね!』

 いの一番に組みついた彼女に、結奈は浮かされたような調子で笑う。

「あぁ……けど、僕は、僕自身の意思で飛びもするし、落ちもする!」

 

 肉体と言葉の応酬。その諍いは、両手の自由を確保しているフォールにこそ軍配が上がる。

 その形勢有利の合間に、連れ去られていた不良の身柄を確保する。

 

「天火!」

 そしておそらく初めて、彼女の名を呼んでその方向に向けて投げ下ろす。

「おっと」

 つい助けるつもりも義理もないのに、反射的にキャッチする。

 ただ、そのあとはぞんざいにその『ゴミ』を捨てる。展葉にしても親しむつもりはないはずだ。最低限の命さえあれば文句はないだろう。

 

 しかし……と、天火は空の戦いを見上げる。

 

「あんな堂々と悪堕ち宣言しといて、まずやることが人助けとはねぇ。やっぱ、つくしちゃんは面白い!」

 だから、と声音を変えて背後の給水塔を顧みる。

 

「今いいとこなんだから、邪魔するなよ」

 そのタンクの上から、その影が降り立った。

 着地と同時に、その足裏から電光が迸る。

 

 それもまた、異形の鉄人だった。

 危険色を表す毒蛇のごとく、くすんだ黄色に黒い亀裂の入った重装甲。

 頭の左右双極にアンテナが立つ。腰にはメカニカルなバックル。剥き出しの配線に繋がれた黄色のスイッチが、他のユーナイトとは一線を画す特異性を示している。

 物々しい武装の割に、その顔立ちは簡素で、目とも鼻ともつかない長細い孔が三つ。プラグを差し込むもののように開いている。

 

「ただその分かりやすさはイイね! 『エレキ』」

 肯定的な意見を無視して、推定エレキユーナイトは手にした無骨な棒を天火の鼻先に突きつけた。

 その無骨なスタンロッドを。

『邪魔なのは貴様らだ……財団Xの、そのまた搾りカスども如きが、我々の実験場に立ち入るな』

 だいぶハウリングで輪郭をぼやかしてはいるが、声は男のものだった。

 この女子校で、男。

 

「へぇ、誰だか知らないけど……ココがあんたらのエリア51ってワケ? ()()? その割には手作り感満載のベルトでいらっしゃること。顧問はDIY部かな?」

 

 と、ことさらに煽るような物言いに、それ以上の問答は受け付けず、彼は電流渦巻くその鈍器を振りかざした。

 初撃を体幹をずらしてかわし、二撃目に対して飛び退く、三撃目が来る前に無造作に変身のためのアイテム一式、中空へ放り出す。

 自らの頭上を通過していくそれらに気を取られているうちに、自身も跳躍してエクステンドライバーをセットする。

〈Step1:Lighting Orion〉

〈Step2:Projecting Scorpion〉

 宙返りをしながらスイッチを拾い集め、そして天地逆さまの状態で、指先で星をなぞりあげてそのキーワードを告げる。

 

「変身」

 

 言うと同時に着地。そして装着。ローゼのアーマー、その肩口に、ロッドが叩き込まれる。

 

「さぁ、星に願いを」

 それを受け止めながら、指先を電光の化身へ向けて突きつけた。

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