噓企画2024(フォーゼ反転物)   作:大島海峡

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12.

 後日、昼少し手前の屋上。

 四人のライダー・ユーナイト間で激闘があったはずなのに、相も変わらず何事もなかったかのように再生している。

 エレキは正体不明の行方不明。ロケットこと飛口結奈は……あれから目を醒ますことはなく、意識不明のまま、病院へと搬送されていった。

 その病院というのが財団の息がかかった場所というのは気に食わないものの、今より状態が悪化することはないと信じたい。

 

 その因縁の屋上で、僕と天火と、あと『ミチルちゃん』は、並んでジャンクフードやコンビニ飯をついばんでいる。

 

 当然、僕らの下では授業中で、絶賛サボり中ということだった。

 いけないことだとは分かっているものの、この狂った学校では真面目にテキストを開いていることさえ馬鹿らしい。

 

一応(ふぃふぃおー)、言っておくけど」

 カップ麺を一気にすすり込んでから、僕は言った。

「あんたらとはこの事件の元凶を確保するまでの関係だ。もし裏切ったり、そいつの力を悪用しようとか考えてるなら、僕は躊躇いなく手を引いてあんたらと戦うからな」

「なに、恩を仇で返そうってワケ? はん、どっかのプロフェッサーみたく、ベルトに自爆装置でも仕込んどけばよかったかしらね」

 

 ミチルの悪態を翻せば、そういう危険性はないということか。

 表情は出さないまま、変なところでの義理堅さには感謝する。感謝はするが親しむつもりは毛頭ない。

 

「その時が来たら、あんたを道連れにしてやるよ。ミチルちゃん」

「ミッテルつってんでしょうが陰キャライダー擬き」

 

 ラーメンの容器とイカフライを挟んで睨み合う僕らに、まぁまぁまぁと適当な感じで天火が天丼片手に割って入る。

 

「状況はサイアク。どうせ今すぐにでも死んじゃいそうな身空だよ? だったら、楽しもうよこの一瞬をさぁ」

 

 アホか。僕が思ったことをそのまま口にして、ミチルがそっぽを向く。

 僕もそれに倣って目線を外そうとしたところに、天火の屈託ない笑顔が割り込んで来た。

 

「つくしちゃんもさー、別に仲良くなりたくないのなら良いけど。せめてこれぐらいの歩み寄りはあっても良いんでない?」

 

 そう言った彼女は、おもむろに拳を軽く握って虚空に浮かせた。

 ……それが、何を意味するジェスチャーかは、読み取るだけの人情はある。

 

「あれれー? 散々ロケットととは殴り合ったのに、失敗作のミュータミットの細腕相手にはできないのかなー?」

 安い挑発だ。だけど、拒めばますますウザ絡みされるだけだ。無視するデメリットの方が大きい。

 

 僕は溜息一つ零すと、自分の拳を彼女のそれに、音もたてずに打ち合わせたのだった。

 

「で、まだちゃんと敵の正体聞いてないんだけど」

「鈍いねぇ、それともまだ気づかないフリしてる?」

 

 ――ヒントは、いくらでもある。

 フォーゼの所有したスイッチに酷似したアイテム。

 それと同じ場所に、如月弦太郎(フォーゼ)とよく似たヒトが、いる。

 彼は学年学級を超えて、すべての生徒、教員と接触できる立場にあり……そして飛口結奈と唯一無二の接点があった人物だった。

 

「六、七年前、悪魔だか超能力兵士だかなんだかが帰還しかけの宇宙シャトルを爆破したって騒ぎあったでしょ。そのドサクサに、落ちて来たモノがあってね」

「……それが?」

 ミチルの言葉に、僕は首を向けずに続きを促す。

 表情を変えないまま、財団の構成員は淡々と告げた。

 

「敵はその時爆散したはずの帰還船に付着していた、SOLUの変異種。一度はJAXAが確保したけど、知性を得たそれは人間の姿を模倣して脱走した。その時つけられていたコードネームは――」

 

 ~~~

 

「良いぜ、天火に、展葉。障害がある方が燃えるってもんだ。お前らともダチになってやるよ」

 意思のない生徒を無数に体育館に侍らせながら、その男は、異星からの来訪者は、腰を上げる。

 その手には、フォーゼドライバー。そして、弾道ミサイルの発射装置を想わせる、真っ黒な大型の

 

〈Danger! Danger!〉

 という警告音を無視して、彼は左から順にスイッチをオンにしていく。

 

 ――3!

 ――2!

 ――1!

 

 異口同音、一流オーケストラでさえそうはなるまいという、まったく同じタイミングで生徒たちは声を枯らしてカウントしていく。

 

 その虚ろな熱狂を満面の笑みで正面から受け止めて握りこぶしを顔の横で固めた弓束葉月は、かつてそうした男と寸分たがわぬ声色と熱意で、

 

「変身ッ!」

 と声を張り上げてレバーを引いた。その手を、宇宙へ向けて伸ばす。

 

 上から、下へ。

 コズミックエナジーが変換されながら降り注ぐ。黒い星のまたたきが、弓束葉月を騙る何者かを変容させる。

 

 さながら宇宙飛行士のごときスーツ、ではない。

 ちょうど多くの友人たちが知るそのマスクを上下逆さまにしたような、シンプルでありながらまるで未開の宇宙文明の蛮族のようなマスクに。

 逆鱗のように胸部以下はささくれ立ち、黒く染まっている

 

「宇宙から……キタァーッ!!」

 

 そしてその場に居る四十体近い傀儡たちとともに、高揚の叫びを張り上げたのだった。

 

 

 

 噓企画2024(フォーゼ反転物)

『仮面ライダーフォール×ローゼvs仮面ライダーU40(ユーフォーゼロ)

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