【完結】じゃんじゃかジャンカードーザー傭兵   作:白河童小鼠(人間)

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ドーザーと初出撃

 輸送ヘリの一角にある廊下。

 俺はそこに三人のドーザーを集めて一騒動起こそうとしていた。

 

「急な招集に参じてくれてありがとな。大好きだぜ暇人ども」

 

 今の自分は指示棒の代わりにノコギリ槍と散弾銃を握った完全武装した大豊野郎。

 

 俺がノコギリ槍と散弾銃を携帯しているのは常日頃のことなのでコイツらは気にしていないが、自分はもしかすると使用することになるかもしれないという緊張で背筋に汗が流れた。

 

「急にどうしたっすか」

「頭おかしくなったか?」

「暇人ではない」

 

 一人目はナスティ・ロビン。

 前から散々自分に付き合わさせている次期D&Jのリーダー。

 シミュレータでしごきまくって俺のミッションの見学をさせたりしたら鬱憤が溜まったのか、ここ最近は俺の金でかなり豪遊しやがった。

 お灸を据えようと思っているところだ。

 

 二人目は自慢の相棒インビンシブル・ラミー。

 相棒はそろそろ休暇の時期だったので、ジャンク漁りのついでにRaDからお越しいただいた。

 

 ここ最近RaDで働いているとある親友からの情報だと、コーラルのキマり過ぎで記憶障害が悪化してきているらしいが、会って話した印象では特に変わった様子はなさそうだった。

 元々、悪化しようがない馬鹿だったとも言える。

 

 今回はめでたく一機目のマッドスタンプが壊れたとのことで出稼ぎに来たらしい。

 元気そうでなにより。

 

 三人目はレイジ・レックという名の男だ。

 2m超えの長身かつエグい剃り込みの角刈りが外見的な特徴的だが、自分がこの男を呼び集めたのには理由がある。

 レイジ・レックは旧世代型強化人間だ。

 それも失敗作。

 

 体格が良すぎて予算内で身体の強化が行えず、とりあえず頭に脳深部コーラル管理デバイスを突っ込んだだけのなんちゃって強化人間がレイジ・レックという男だ。

 動機が脳から直接コーラルをキメたかったからと聞いたときは爆笑してしまい、怒ったコイツにしこたま殴られたことが懐かしい。

 

 故に、彼の肉体はほぼ生身である。

 口さがないやつらは『"Failure" Leg』とか『首から上が本体』とか言いたい放題ぬかしているが、頭だけでも強化人間なだけあってパイロット適性はコイツが一番マシだったのだ。

 性格はマシだが口がとても悪いやつなので要注意。

 ぶちこまれた脳深部コーラル管理デバイスのおかげでドーザーにしては計算ができるというのはせめてものプラス材料か。

 

「ラミーさんちーっす」

「就職したらしいな。調子に乗るなよ」

「おう、お前ら元気そうじゃねえか」

 

「おいおい、俺は無視かよお前ら」

「愚図め。お前はラミーより目上か?」

「そんなわけないだろ」

「然り!頭の鍛錬が足らん低脳が調子に乗るな」

 

 頭上からの拳骨をステップで回避する。

 昔のガスマスク姿だったら甘んじて受けていたが、今の宇宙服は頭部に大事なパーツが密集している。

 その拳骨程度なら問題なさそうだが、レックは追撃を狙ってくるので万が一ということもある。

 長身故に疎かになっている足元にヤクザキックを叩き込んで悶絶させてやれば静かになるだろう。

 

「ぬ、ぐぉぉお!?調子に乗るなよ小童めがぁ……!」

「レックさんまた負けてるっすね」

 

「負けてなどいない」

「やーい、ざーこざーこ」

 

 蹲るレックをロビンが腹立つ変顔で煽る。

 ちっ、馬鹿ドーザーどもが。

 もの静かに一服キメてる相棒を見習えってんだ。

 

 うん?相棒が自分の近くでコーラルキメてるってことはまた俺のこと忘れたのか。

 

 昔は自分のこと気遣ってなるべく吸わないでいてくれたんだけどな。

 今は宇宙服があるから問題ないけど。

 

 こんなやつらを使おうとしてる自分も含めて、どいつもこいつも馬鹿ばっかじゃん。

 

 やっぱりドーザーってアホだな。

 なんでこんなことになったんだろうな。

 

「ゆけ小童。生意気なコマドリに制裁を与えてやれ」

「ちょっ、それは反則っすよ!?」

 

「なんでも良いから静かにしてくれねぇか」

「落ち着けお前たち。ロビンは味方を煽ったから後で折檻な」

 

 カスどもが喧嘩することしばらく、一服の余韻から戻ってきた相棒が注意を行う。

 巨大かつ恰幅の良い相棒が不機嫌をあらわにすると中々の威圧感がある。

 

 相棒を正しく怖がることのできる本能的に長寿タイプな馬鹿どもは、その喧騒の矛先を自分に向けてきた。

 いちいち相手にしていては時間の無駄なので、適当に流しつつ輸送ヘリの航路設定を行い離陸させる。

 

「暴力反対っす!」

「そうだ!今どき野蛮かつ低俗でしかない暴力を振るうなぞ恥を知れ!」

 

「それじゃあ出発するぞ」

「話を聞け小童!話を、聞かんか!」

「このヘリどこ行くっすか!?」

 

 プロペラの駆動する騒音で不安げな眼差しを向けてくる馬鹿ども。

 安心してほしい、今からやるのは安心と信頼の伝統的な試験なのだから。

 

 追加で輸送ヘリに増設されたジェネレータが化け物みたいな唸り声を上げ、二人は震え上がり抱き合っている。

 この騒音はお医者さんの助言を受けて輸送ヘリに装備したAC用ジェネレータの雄叫びだ。

 

 この輸送ヘリは、展示会で安売りされていたジェネレータAG-J-098 JOSOを二つ設置し、同じく安売りされていたブースタであるAB-J-137 KIKAKUを装備しているのでAC並みの速度でアサルトブーストができる。

 

 ちなみに仮にクイックブーストをすると輸送ヘリが空中分解する。

 輸送ヘリはACじゃないから仕方ないね。

 

「ではミッション内容を再生する!一字一句聞き逃すな!」

「はぁ!?もしかして初実戦っすか!?」

「ええい、いったいどういうことだ!」

 

ーーーーー100%

 

『ミッションを説明しましょう

依頼主はベリウス・アプライド・ウェポン・システムズ社、通称BAWS

目的はベリウス地方の汚染市街に展開する惑星封鎖機構SG部隊の排除となります

 

敵主戦力は高性能MTの歩哨部隊、そして大型武装ヘリです

あなたの腕前ならそう手こずる相手ではありませんが、状況次第で追加で大型武装ヘリが増援に来ることが予想されています

とはいえ、所詮融通のきかないシステムの傀儡にすぎませんが

 

また、依頼主は協力機との協働をご希望です

最終的にはそちらの判断ですが、お仲間に経験を積ませる良い機会となるでしょう。

 

説明は以上です

これはBAWSとの繋がりを強くする好機です

そちらにとっても、悪い話ではないと思いますが』

 

『ここからが本題だ

これからナスティ・ロビンとレイジ・レックには大量展開される封鎖機構のMT数十機を相手してもらう

そのためのACは用意しているので思う存分ガラクタに変えてやれ

 

大型武装ヘリについては、俺達ベスティー・ナイトシェイドとインビンシブル・ラミーで発着基地に強襲を仕掛けるから気にしなくて良い

 

これは試験だ

お前たちの力、ここに示せ』

 

ーーーーー

 

「な、なにをする小童!」

 暴れるレイジ・レックをACのコクピットに投げ込み、頸部にある接続部に端子を差し込む。

 

 よし、これでACの使い方が脳にダウンロードされると説明書には書いてあった。

 仮にも強化人間、神経接続による機体情報の読み込みによって一発で動かせるようになるはずだ。

 

 執刀したお医者さんが『そういうふうにした』と言っていたから間違いない。

 

「ACから、光が逆流する……!おあーっ!?」

 

 情けない悲鳴と共に数秒ほど痙攣。

 泡を噴いて動かなくなったことに焦ってスタンガンを持って近づくと、飛び起きたレックに真正面から顔面を殴られた。

 だが残念、そこは鉄の塊だ。

 

「ぐうっ、指が……!この小童めが、ミッションが終わったらその顔を一発殴らせろ!」

「成功したらいいぞ。精々犬死にしないよう頑張ってくれ」

「ほざいたな小童め!」

 

 口汚い罵倒を遮るようにコクピットのハッチを閉ざす。

 これで一人目は乗せることができた。

 

 もう一人のナスティ・ロビンはと言うと、相棒と一緒に一服キメている。

 

 もしかするとこれが最後の一服になるかもしれないのだ。

 それを邪魔するのは野暮というものだろう。

 

 胡乱な目つきをした相棒が千鳥足で歩いてきて、床に倒れ伏して話しだす。

 

「おい」

「どうした相棒。ロビンは乗ったか?」

「逃げたぞあいつ」

「やりやがったなクソが!」

 

 あいつ逃げやがった!

 相棒を脇にどけてから駆け出す。

 

 せめて一服させてやろうという心遣いを無下にしやがったロビンを捕捉するべく、ACを4機も積載しているため輸送ヘリの隅に追いやられた探査MTを起動。

 

 広域探査をかけるとすぐに見つかった。

 こいつ、保存庫に作り置きしてた豆菓子を貪ってやがった。

 豆は珍しくルビコンで栽培可能な植物とはいえ、それでも美味しいのでけっこうな値段がする。

 それを食われた。

  

 ざっと俺の食費1週間分だ。

 

「事情や言い訳があるなら聞こうか」

 

 食べ物の恨みはその内晴らすとして。

 胸の内に去来する怨恨を抑え、背中に散弾銃を突きつけホールドアップを促す。

 ACに乗り込ませつつ、軽快にケラケラと笑うロビンに理由を問うた。

 

「追われたら逃げたくなるのが人情っすよ」

「軽口を叩ける余裕があるなら大丈夫そうだな」

「任せてほしいっすよ。バッチリ屑鉄を増やしてくるっす」

 

 美味いものを食べてロビンはやる気に満ちている。

 

 複雑な気分だ。

 食事でモチベーションを高くできるなら良いのだが、それはそれとして自分もけっこう楽しみにしていた。

 人工甘味料でほんのり甘いだけの炒り豆。

 俺も食べたかったなぁ。

 

 いや、今は感傷に浸るときではない。

 出立するロビンを激励しよう。

 

「よーし、行ってこいリーダー!」

「行ってくるっすお頭!おみやげ期待して待ってると良いっす!」

「戦利品持とうとして武器をパージするなよ」

「わかってるっすよ〜」

 

 ハッチを閉じて自分の愛機へと向かう。

 途中、微睡んでいる相棒をマッドスタンプに放り込んでおくことも忘れない。

 

 さあ、自分は自分の作戦を全うしよう。

ーーーーー

 

パイロット:ナスティ・ロビン

 

右腕武器 MA-E-210 ETSUJIN

左腕武器 HML-G2/P19MLT-04

右肩武器 EARSHOT

左肩武器 VP-61PS

 

頭部 AH-J-124 BASHO

コア DF-BD-08 TIAN-QIANG

腕部 AC-2000 TOOL ARM

脚部 2C-3000 WRECKER

 

ブースタ BC-0600 12345

FCS FCS-G2/P05

ジェネレータ AG-J-098 JOSO

 

パイロット:レイジ・レック

 

右腕武器 WR-0555 ATTACHE

左腕武器 WB-0000 BAD COOK

右肩武器 BML-G1/P20MLT-04

左肩武器 BML-G3/P04ACT-01

 

頭部 AH-J-124 BASHO

コア DF-BD-08 TIAN-QIANG

腕部 AC-2000 TOOL ARM

脚部 2C-3000 WRECKER

 

ブースタ BC-0600 12345

FCS FCS-G2/P05

ジェネレータ AG-J-098 JOSO

 

ーーーーー

 

『メインシステム 戦闘モード起動』

「相棒、作戦開始だ!ゴーゴー突撃!」

 

『んぉ?おぉ、ここが誰のシマだかわかってんのか?見ててくださいよボス、この無敵のラミーが客人を饗してやりますんで……!』

 

 目が覚めたばかりで寝ぼけている相棒を封鎖機構の駐屯基地に投下し、撹乱を任せる。

 

 いつもよりちょっと声に覇気が無いが大丈夫か?

 ここがRaDの拠点と勘違いしているようだが、まあそこは良いか。

 錯乱はドーザーの常だし。

 

 そして所詮SGなど雑兵。

 相棒の敵ではない。

 

 そして自分は正面を相棒に任せ、着陸中でACSの作動していない大型武装ヘリを叩く。

 

 起動していない兵器など、この世界では鉄屑同然。

 そうら、もう一機目がぶっ壊れたぞ。

 

『コード15!AC単機!』

『見るからに既存パーツの寄せ集めだ……叩き潰すぞ!』

『待て、応援要請……!?歩哨部隊も襲撃を受けているだと!』

『敵は……AC二機だと? コイツらどこの所属だ!』

『詮索は後にしろ。コード18、迎撃を開始する』

 

 どうやら相棒もアイツらも動きはじめたらしい。

 

 襲撃の報告を受けて大型武装ヘリに乗り込もうとしている封鎖機構の装甲車を破壊し、起動を阻止する。

 この作戦は如何に大型武装ヘリを無力化するかが要だ。

 見渡せば10機ほどのルビコプターが鎮座している。

 既に3機壊しているが、仮に1機でも起動されるとそっちの対処で手一杯になってしまう。

 正々堂々戦わなくて悪いけどこちとら独立傭兵なのでね。

 

 消えてもらおう。

 

『ヒャーッ!インビンシブルだあっ!』

 

『クッ、このAC侮れんぞ』

『コード78、本部に応援を要請。……なんだと?』

 

『コード31C、武装ヘリが全て落とされた。こちらも何者かの襲撃を受けている』

『コード31C!システム、応答を!』

 

『支配者面してのさばりよってからに!封鎖機構よ、コーラルと共にあれ!』

『上から団体様っす。輸送機から降りてくる前に叩くっすよ』

 

『相変わらず囀るよなコマドリ風情が。檻の中で飼われていれば良いものを』

『それが実家から追い出されたんすよねぇ』

 

『囀る暇があるなら撃て!殺せ!その鳴き声で耳鳴りをくらわせてやれ!』

『イヤーショットは降りてきた時の切り札っすよー!あっ降りたぶっ殺す』

『おあーっ!?危うく巻き込まれるところだったぞ!』

『撃てと言われたから撃ったっす。文句があるなら言ったクソ野郎に言ってほしいっす』

『おのれ小童ァ!』

「冤罪だ!」

 

 喧喧囂囂と敵味方の通信が鳴り響く中、合間合間に通信妨害を入れて封鎖機構を撹乱する。

 ウォッチポイント・アルファへのハッキングで手に入れた上位権限を用い、特にデータ送信だけは確実に阻止していく。

 

 システムにデータが送信されてしまった場合、やりすぎると徹底的に対策をとられて特務機体が派遣されてしまう。

 

 強力な有人機体を相手にするのは拙い。

 特に、パイロット適性に恵まれないアイツらだと良いように翻弄されてしまうはずだ。

 

 まあ自分と相棒は問題ないけどな!

 なんて言ったって自分と相棒だし!

 

「よしお前ら!大型武装ヘリは潰しきった。名前と戦況を報告しろ」

『ロビンっす。増援にLCやHCは含まれてないっすね』

『レイジ・レック機体損傷軽微。コマドリが喧しくてかなわん』

『なにおう』

 

「それで、戦況はどうだ?」

『今二人で敵を追い込んでるとこっすね』

『じきに片付く。ラミーはどうだ』

 

『……あァ?おい相棒、ここはどこだ』

「おはよう。ここは封鎖機構の駐屯基地、相棒はRaDから出稼ぎで作戦中。今は敵の数を教えてくれ」

『あと3機ぐらいじゃねえか?』

「随分と暴れたものだな。さすがは無敵のラミー!」

『俺とマッドスタンプにかかれば当然よぉ!』

 

 あのMTと大差ないマッドスタンプで戦果を挙げた相棒を褒め称えていると、ロビンから個人通信が入ってきた。

 

『で、何機逃げたっすか?』

「二機逃げてきたから撃破した。俺はこのまま追撃に移る。あとの指揮は任せたぞ」

 

『任されたっす。ちなみにこのミッションってどれぐらい稼げるんすか?四機も出撃してたら儲けになるっすかね』

 

 ふむ、やはりロビンは金勘定が気になるか。

 金勘定を通して組織のことを考えることができるというのはリーダーの素養でもある。

 良い兆候だが、これは少し答えにくい問題でもある。

 

「知らん」

『えっ』

 

 だって、受ける依頼はノーザークとお医者さん、あと大豊の峨眉山さんに任せたから報酬なんて知らないし。 

 

「ただ、かなりのCOAMが入ってくることは間違いない。追加報酬は大型武装ヘリ1機につきどれぐらいになるだろうな?」

『お頭の頭の中だとどれぐらいになってるっすか』

「60000×10プラスお前たちの討伐した分」

『ひえーっ、こりゃ今夜はパーティっすね!お頭はなに食べたいっすか?』

 

 パーティか。

 良いなそれ、落ち着いたらお疲れ様会でもやりたいなあ。

 

「いや、この報酬はほぼパーツ代に使うからあんまり余裕は無いぞ。これから2日に一回は依頼に出るから忙しくなるぞ」

 

『……冗談っすよね?2日毎に出撃するとか身体が保たないっすよ。それに修理も間に合わないはずっす』

 

 困惑したような、迫りくる絶望と不意に遭遇したかのような。

 縋るような声色で希望を語るロビン。

 ところがぎっちょん、そう上手くいかないのが現実なんだよね。

 

「なに言ってるんだお前。予備の機体ぐらい用意してるに決まってるだろ。3日あれば修理はできるし後は中身の人間次第。俺は既に4機用意して毎日出撃する体制を整えている。相棒も二日酔いしてなかったら毎日出撃するぞ」

 

『ひ、ひえええぇっ!マジなんすか!?お頭がラミーさんに話を通してるってことは大マジっすよね!こっちはそんなクソスケジュール勘弁っすよぉ!死ぬ、死んじゃうっす!』

 

 死なん死なん、大丈夫だって。

 

「安心しろロビン!ちゃんとお医者さんの監修のもと組み立てた計画だ。ヤバそうならドクターストップがかかる。俺以外は」

『お頭!?』

 

 いやあ、困った困った。

 こんな無茶な日程を通した代償に、自分達の予定は1ヶ月先までギチギチに詰まってしまった。

 

 下手に不履行すると諸々の依頼予定に影響が出てヤバいから、自分だけ毎日出撃で帳尻を合わせないといけないんだよね。

 

 コイツらを招集する直前に面談したお医者さんから、自分にドクターストップなど無い1ヶ月ノンストップ出撃を告げられた時は気が遠くなったものだ。

 一緒に面談してたノーザークからは爆笑された。

 アイツ転んで骨折すれば良いのに。

 

 大豊広報の峨眉山さん?

 あの人もあの人で中々面白いことになってるよ。

 主に大豊上層部の陰謀と製造部門の奮起、無能らしいベイラム上層部と脅迫してくるレッドガンへの怨恨に振り回されてとんでもないことになっている。

 

 大豊へのプレゼンの際にノーザークのプロデュースで演技したら上層部から爆発的な反応があって怖かった。

 やたら細かい演技の指定があって覚えるのが大変だったが、画面越しでも暴動を煽動したかのような恐ろしい反響があった。

 

 なんだよあの人心掌握。

 俺にはノーザークが悪魔に見えてきた。

 味方だから頼もしいことこの上ないが、仮に敵対したら真っ先に殺さなければならないだろう。

 

「寝る時間は確保されてるし死にはしないって」

『でも、傭兵って些細なミスで死ぬものっすよね』

 

「大丈夫だって。俺を殺したいならヴェスパー1とかレイヴンぐらい持ってこいってんだ」

『……レイヴンってなんすか?V.Ⅰの方は都市伝説で知ってるっすけど』

 

「そうだなあ。なら後で昔話をしてやるよ。今と変わらず、世界が破滅に向かっていた頃の話さ」

 

『長くなりそうっすか?長いならラミーさんにでも聞かせたら良いっすよ』

「酷い!せっかく現代にも続く伝説について講釈してやろうってのに酷いなぁ!」

『興味ないっすからね』

 

「そう言わず聞いとけ。レイヴンってのはたぶん恩人だよ。本当かどうかは知らないけどね」

 

 不活性コーラルで色褪せた大地をACが進む。

 さあ、楽しくなってきたぞ。




インビンシブル・ラミー:一機目のマッドスタンプが破壊されたことでRaDから出稼ぎに来た。RaD産の質の良いコーラルを常飲しており、止める奴も居なかったことから常に酩酊状態に陥っている。D&Jのメンバーからは元リーダーよりかなり慕われているかもしれない。

ナスティ・ロビン:傭兵への真面目な動機とは裏腹にかなり金遣いが荒いクソドーザー。出撃へのストレスから秘蔵のお菓子を喰らいやる気が漲った。帰投後、膝カックンからのアイアンクローを長時間受けて気絶した。頭が馬鹿。

レイジ・レック:首から上だけ強化人間なドーザー。コーラルを用いた旧世代強化人間には間違いないものの、執刀医の未熟で手術術式が渾然としているため世代が不明。口が悪く手が出るのも早い暴力的な男だが、合流前は強化人間の特性を活かしMTの教習所で教官として働いていた。頭が馬鹿。

峨眉山:大豊の広報担当だったはずが中間管理職をすることになった苦労人。現場を知らない上層部と暴走しがちな生産部門を宥めつつD&Jに依頼を発行している。

お医者さん:BAWSからの依頼を斡旋するついでにノーザークを牽制することになった闇医者。今回の依頼はこの人が担当している。仲介料でかなり儲ける見込みが立ったので絶賛被検体募集中。

ノーザーク:逃亡生活で依頼を熟し難いのでミッションを横流しし始めた借金王。身元を偽って大豊に政治的工作を行い、上層部からD&Jへの手厚い支援を確約させた陰の功労者。仲介料を元手にした投資でボロ儲けしており、D&J第二のスポンサーになるかもしれないと噂されている。

コールドコール:桁違いの仲介料が入金されて何度も問い合わせている。儲かる小遣い稼ぎとしてイグアス坊やを独立傭兵に誘いはじめた。

ベスティー・ナイトシェイド:デスマーチの調整で余裕が無い。帰投後に受けたレイジ・レックの拳骨で昔使っていたガスマスクが破損してしまった。距離の近さから微妙にD&Jの奴等からなめられている。頭が馬鹿。

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