【完結】じゃんじゃかジャンカードーザー傭兵   作:白河童小鼠(人間)

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 俺が書いたら他の人への催促になるじゃないかと思いまして。
 AC6小説書いて♡
 怖くないよ意外と簡単だから書いて♡
 そろそろ読むか♤ってさせてください。
 待ってるよ……


借金と初依頼

 無敵のラミー、腕の骨折と打撲で全治一ヶ月。

 人間用ではない操縦席で全身をぶつけまくったにしては軽症だ。

 

「太っているので脂肪が衝撃を吸収したのでしょう」

「相棒の身体は操縦に最適化された体型だった……?」

 

「いえ、市販のパイロットスーツに身を包めなくなるので、ただの駄肉かと」

 

 かかりつけ医から辛辣な言葉がとびだす。

 なんて暴言だ。

 

 いや、ただの事実か。

 

 事故から今日で一週間。

 頑丈なACは掠り傷程度しか負っていなかったが、中の搭乗者は無事では済まなかった。

 

 非正規の整備が祟り、ショックアブソーバーが機能していなかったとか。

 これだから素人の整備は駄目なのだろう。

 

 幸い、相方はドーザーなので元気いっぱいだった。

 そのままACを操縦して共に帰還し、俺のかかりつけ医に受診させたら骨折と打撲が判明したぐらいだ。

 どうやらコーラルをキメて痛覚が馬鹿になっていたらしい。

 無敵か?

 無敵だったわ。

 

「ドーザーに鎮痛剤はもったいないのでコーラルを処方しておきますね」

「おい」

 

「どうせラミーさんは薬を飲まないので、薄めたコーラルを服用させるほうが大人しくなるでしょう」

「それもそうかなぁ……?」

 

 このかかりつけ医は闇医者だ。

 本人曰く、このルビコン3の外で活動していた正規の医者だったのだが、コーラルを使用した旧型強化人間手術を学ぼうと密航者に紛れて来訪したという。

 

 勤勉なのは頼もしい限りなのだが、噂では職場で惚れた腫れたのトラブルを起こしてルビコンに逃げ込んできたらしい。

 

「それで、ACの改造は上手くいきましたか?」

「入力装置に外部機器を接続しただけだから失敗しようがない」

「旧世代コントローラーの接続でACを操縦しようとするなど前代未聞でしょうに」

「シミュレーターだとちゃんと動いたんだ。想定はされてるはず」

 

 デュアルセンスコントローラー。

 PlayStati○n5のコントローラー。

 旧世代コントローラーとか呼ばれてはいるが、俺からすると、一番ACの操縦を簡単にしてくれる素晴らしい機器だ。

 技研ACはコックピットの操縦機器がもはや人間用ではないので、これでしか操縦できないとも言う。

 あれを有人で動かす場合は、恐らく人体で接続できる強化人間であることが前提になっていると思う。

 ついでにモニターもMTで使っていたモニターと交換した。

 シミュレーターで動かしてみたところ、ほんの僅かなラグで動けたのでそこそこ戦えた。

 

 そうそう、件の技研製無人AC『エフェメラ』だが、まだ売れないことがわかった。

 

 このACを手に入れたので傭兵支援システム『オールマインド』に登録はできた。

 

 できたのだが。

 

 なんでまだ売却できないかというと、ショップ機能が解禁されていなかった。

 

 登録の際に問い合わせてみたのだが、諸々の機能は活動実績ができてから解放されるらしい。

 つまり、一回はこの技研ACでミッションをこなさないといけないということ。

 それでも輸送ヘリとかを利用できるのはオールマインドの温情を感じる。

 

 しかし、相方は怪我をしてしまっている。

 今日も元気にコーラルをキメているせいで直接会えないが、ドーザーという生き物は強い。

 それでも出撃しようとしていたので医療費の話で説き伏せたが、一方でオールマインドには早くミッションをこなして実績をつくれと急かされている。

 ついでに言えば、相方の医療費で懐も寂しい。

 

 こうなればもう、自分が依頼を完遂するしかないというもの。

 

 幸い、オールマインドの整備サービスは受けられたので機体の準備は万全。

 一回のミッションで簡単に補填できる額とはいえ、修理のために借金までしてしまった。

 ラミーの完治を待つと利子でミッション二回分になってしまう。

 ついでに、ミッションで解禁されるトレーニングも、高等傭兵検定までやってACの内装を手に入れたい。

 急がなければ。

 

「まあ、武運を祈ります」

「ありがとうお医者さん。ミッションで怪我したらよろしく」

「沢山儲けて設備投資していただければ少しは優先しますよ」

「……頑張ります」

 

ーーーーー100%

 

『独立傭兵の諸君。

エルカノ・ファウンダリーからの依頼を公示する。

 

場所はベリウス地方のグリッド034。

依頼内容はここに集まりだしたドーザー達の排除。

 

ここはつい先日、崩落のあったばかりの危険地帯だが、どうにもドーザー共の動きが怪しい。

注意して依頼を進めるように。

 

なお、敵戦力が不明なため、倒した敵に応じて撃破報酬を設定した。

野心ある諸君。色よい返事を期待している』

 

ーーーーー

 

「このACがあったところじゃん」

 

 依頼された場所を確認すると、つい先日この技研ACとRaDの近接機体が戦っていた場所だった。

 

 もしかして、まだ儲ける事ができそうな何かが眠っていたのだろうか。

 この機体が技研製であることを考えると……まさかC兵器か?

 もしそうであれば、この機体構成だとC兵器を相手にするには不安がある。

 この依頼はドーザーだけ排除して早々に退散しよう。

 そうしよう、うん。

 

 C兵器にドーザーが乗ってた場合?

 ちょっと勘弁してほしい。

 

機体構成

 

右腕武器 IA-C01W6: NB-REDSHIFT

左腕武器 WB-0010 DOUBLE TROUBLE

右肩武器 IA-C01W3:AURORA

左肩武器 なし

 

頭部 IA-C01H: EPHEMERA

コア IA-C01C: EPHEMERA

腕部 IA-C01A: EPHEMERA

脚部 IA-C01L: EPHEMERA

 

ブースタ BC-0600 12345

ジェネレータ AG-J-098 JOSO

FCS IA-C01F: OCELLUS

 

 

 

『メインシステム 戦闘モード起動』

 

 輸送ヘリから降下され、接地直前に通常ブーストを起動するついでにクイックブーストを吹かす。

 かなりのGが身体にかかるが、まだまだ余裕がある。

 仕入れたパイロットスーツ様々だ。

 

 今回のアセンブルは完全にありあわせのものだ。

 ブースターとジェネレータと左腕武器は相方から借りてきた。

 メンテナンスが中途半端で劣化していたので、俺の負担で整備に出すことを対価として貸してくれた。

 

 月光剣ことIA-C01W2: MOONLIGHTは、EN負荷が重すぎるので残念ながら置いてきた。

 ただでさえMT並のジェネレータを使っているのに、あのEN負荷の重さはACの動きを鈍重にさせるだけ。

 バグが修正される前のゲームのように地形貫通攻撃があれば使用を検討したが、そんなものなど現実には無かった。

 残念ながら当然だ。

 

 IA-C01W3:AURORAこと光波キャノンを装備してはいるが、これはFCSのミサイルロック性能が低すぎてまず使えたものではない。

 接敵している時間の関係でおそらく大物相手にしか使えないだろう。

 

 FCSはAIに制御を乗っ取られることを危惧して自前の古いやつを使っていたが、オールマインドの整備でそんな心配は要らないことがわかったので装備。

 自前のMTに装備していたFCS-G1/P01/Cは戦闘用の調整では無かったので、FCSだけでも生き残っていてくれて助かった。

 

 人間用ではないことが玉に瑕だが、そこはまあコントローラーとモニターがなんとかしてくれた。

 

 なんでなんとかなったんだろう。

 これがさっぱりわからない。

 

 グリッド034は一部の崩落している箇所は見通しが良いが、基本は入り組んだ迷路のような閉所だ。

 

 接近戦が得意なこの機体の構成は、こういった狭い地形向きと言えるだろう。

 

 まあ、実弾に対して弱い実質軽量機自体が、こんな閉所での接近戦など向いていないことで、プラスマイナスゼロといったところか。

 

 それぞれ修理費用は相応にかかったが、この依頼で相殺できるよう奮闘しよう。

 

「COM、20秒ごとにスキャンをして、C兵器を検知したらマーカーをつけてくれ」

『了解、定期スキャンを開始します』

 

 MTでもそうだが、ACなどのCOMはかなり融通が効く。

 ゲームでもムービー中にあったオートパイロットを始めとする様々な機能があり、カスタム性もあってとても便利である。

 特に定期スキャンと識別タグのマーカー付けはお気に入りの機能だ。

 

『敵性反応。MT4、ドローン1』

 

 スキャンを開始して早々、接近しつつある敵影が5つ感知できた。

 二脚MTが4つ、先行する小型の飛行ドローンが1つだ。

 

 どうやら、俺の降下を察知して様子を見に来ているらしい。

 

「ドーザーのくせに耳聡いやつらめ……」

 

 近づいてきたドローンを無視してMTを撃破にかかる。

 どうせドローンに大した攻撃手段などない。

 バズーカを持っているかもしれないMTの方がよっぽど脅威だ。

 

「死にたくないなら離脱しろよ!」

 

 接敵した瞬間、一番手前にいたやつにコーラルライフルを撃ち、その後ろに居たやつをアサルトブーストから蹴り飛ばす。

 

 これで二機撃破。

 

 やはりキックは最高だ。

 無料で出せてMTぐらいは一撃で落とせるのは出し得だ。

 

『おい!ACが出てきたぞ!』

『あのブースターの色はコーラルじゃねえな』

『ってことはC兵器じゃねえのか!傭兵が来やがった!』

 

 

 混乱する残り二人。

 一人は盾持ちで鈍重なので動けていないだけかもしれない

 そのまま混乱していてくれ。

 今、ジェネレータのエネルギーを回復させたところだから。

 

 JOSOはMTのジェネレータとしては上等だが、ACとしては最低の性能。 

 

 エネルギーが回復しきったところで残り二人は再度のキックとチェーンソーで撃破した。

 

「意外といけるもんだ」

 

 定期スキャンでドローンを再捕捉し蹴り落とす。

 コントローラーを使うことによる操作ラグはあるが、それでも単純な戦闘だけなら十分やれそうだ。

 

 強そうな敵が出てきたら撤退するのは変わらないものの、これは自分の戦力評価を上方修正して良いかもしれない。

 

 しかし、さっきドーザーがC兵器に言及していた。

 狭いこのグリッドでC兵器に遭遇するのは洒落にならない。

 

 幸いなことに再度の定期スキャンでは反応が無い。

 さあ、慎重に進もうか。

 

ーーーーー

 

 最初の接敵から数えて30体はMTを撃破した。

 ドローンやガードメカとなるとそれ以上の数で数えていられない。

 ドーザーにしては大群過ぎて、既に任務開始から六時間が経過している。

 ドーザーとの遭遇が散発的かつ、こちらが物陰から奇襲する戦法をとっているので、思ったよりも機体の消耗は抑えられている。

 

 しなし、C兵器が出現しそうな情報があるせいで警戒し続けていたが、未だに遭遇していない。

 

 初陣に高揚していることに加えて、集中が途切れはじめていた。

 

 グリッド全体を探索するとなると、かなりの時間がかかる。

 長丁場は覚悟していた事ではある。

 それでも、精神的に疲弊してきている。

 撃破報酬がかなり美味しくても、新人独立傭兵に依頼が回されるだけの理由があったということだろう。

 

 脚も伸ばせない狭いコクピットにガチガチの座席。

 そして、至近距離でモニターを見続けなければならないという組み合わせも、肉体的な疲弊に繋がっている。

 身体が若いとはいえ限度がある。

 早く終わらせて思いっきり休みたい。

 

「COM、残りの探索エリアは何%?地図をモニターに映してくれ」

『マップを参照して算出。未探査エリアは約3%、崩落区画の深部となります』

 

「早く帰りたい」

『警戒を怠らないでください』

 

 無意識に本音が漏れ、COMに窘められる。

 

 これは、自分が組んだプログラムだ。

 弱音を認識したら警告するだけの簡単なプログラムだが、心の弱い自分にはぴったり。

 プログラミングもできるなんて我ながら天才的である。

 

 前世と比べてAIが発達したせいで、プログラミングの難易度が下がっているという種があるのだが。

 

 気合を入れ直してACを進ませる。

 グリッドの下層。

 障害物が多いが開けた空間になっている。

 深部にゆっくり降下し、探査をかけたところで反応が出た。

 

『敵性反応接近。不明1。マーカーを表示します』

「ようやくお出ましか……!」

 

 コントローラーを握る手に力が入る。

 モニターに赤のマーカーが表示され、敵の襲来を予告する。

 

 IA-C01W6: NB-REDSHIFTことコーラルライフルをチャージし、遭遇した鼻っ面にぶつけてやろう。

 ドーザーにはコーラルがお似合いだ。

 

『マッハで蜂の巣にしてやんよ!』

「クソドーザーがブッ殺してやる!!」

 

 威勢の良い通信と共に突撃してくる戦車モドキ。

 ガトリングと共に放たれたバズーカは、間一髪のクイックブーストで避けた。

 ブースターのBC-0600 12345は頭のおかしい名前をしているが、重量機体をかっ飛ばす出力なだけあってクイックブースト性能だけはガチだ。

 

 相手に負けじと反射的に殺意を滾らせ、すれ違いざまにチャージ攻撃を叩き込む。

 連爆するコーラルが戦車モドキを襲うが、流石はC兵器。

 機体がコーラルをキメているので怯みすらしない。

 

「なんだあれ」

 

 ここで一息つくついでに敵を確認する。

 IA-05: WEEVIL。

 ルビコン調査技研が製造したMTにして、コーラルを同僚にしたC兵器。

 

 しかし、右上の武装が無いし、背部に妙な出っ張りが増設されている。

 所々ジャンクパーツでツギハギに組み合わされているあたり、まさか改修して有人にしているのだろうか?

 

 ここまで気合の入ったドーザーをはじめて見た。

 オーバーヒートしたコーラルライフルが冷却にかかったことを確認し、敵を見据えて罵る。

 

「そんなコーラル臭い草履を履いて満足かドーザー!」

『独立傭兵ってのは学が無えなあ!ゾウリムシじゃねえゾウムシだってCOMに教えて貰えなかったのか!?』

 

 は〜?

 ふざけんなクソドーザーが。

 大体、C兵器に乗り込むとか頭コーラルかよ。

 相方だってやらねえぞそんなの。

 

 ドーザーに言い負けるとか末代の恥だ。

 ここで消さねばこのルビコンで培われたプライドが許さない。

 煽られて茹で上がった頭で悪態を吐き出す。

 

「テメェはここで殺す!死ね!」

『無学なバカ傭兵が!燃料しゃぶって野垂れ死ね!』

 

 急カーブを行い突っ込んでくる二度目の交差。

 ガトリングに多少被弾したがバズーカと突進の回避に成功。

 

 再度のコーラルライフルのチャージを済ませ、ようやく光波キャノンのロックオンもできた。

 

 三度目の交差を待つまでもなく、突撃してきた相手にタイミング良くブーストキックをぶち込んで勢いを相殺。

 光波キャノンを放ち、チャージしたコーラルライフルの追撃を入れてようやくスタッガー。

 

「DOUBLE TROUBLEをよろしくな!」

 

 トドメに相棒のチェーンソーを叩きつけて相手を解体しきった。

 完璧な仕事だ。

 C兵器が爆散し、途方もない満足感に浸る。

 

「ヒャーハハハハハ!正義は勝ぁつ!」

『警戒を怠らないでください』

 

 COMに慢心をツッコまれつつも、俺は初ミッションを完了した。




 IA-05:WEEVIL:ルビコニアンデスゾウムシ。ゾウリムシではない。本来は爆走しながらミサイルやグレネードを放ち、時折ライダーキックを放ってくる難敵。ドーザーが犠牲を払いつつ鹵獲した機体だが、改修が杜撰で戦力が落ちている。爆発属性の攻撃が弱点。
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