最弱の国の隠れた名将に   作:韓人

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第11話 待っていた報

 怪鳥、地に堕つ。

 

 その報が対秦戦後に領地に戻っていた俺の元に届いたのは、秦との戦が終わってから一月程後のことであった。

 蒙驁将軍の率いる秦軍が撤退した後、前線の城に兵を補充するまでの数週間の守りを任された俺達にとっては、領地に戻ってすぐに届いた突然の報であった。

 

「間違いないのか?」

「はっ。蒙驁軍が韓より撤退している最中に秦北東の地に侵攻した趙軍が、秦の王騎が率いる軍と馬陽で決戦となりました。数日の合戦の後、何らかの策にて王騎を誘き出し、伏せていた軍にてこれを討ち重傷を負わせたようです」

 

 戦で領地を離れた後の常で、相変わらず政務及び領地での会議に精を出していた俺は、突然飛び込んできたその報告に、会議を放り出して自室に戻り諜報員からの報告を受けていた。

 

「戦の内容はわかるか」

「初日に飛信隊なる隊が趙将馮忌を討ち取りました。その後戦の盤面は二日に渡って圧倒的な武力を発揮した秦将蒙武を中心に展開。その後四日目にして秦将王騎が全軍で趙本陣へと攻勢をかけ、これを馬陽の地から山間の地へと撤退させました」

「趙本国への撤退ではなく、か?」

 

 俺の問いに、諜報員からの情報をまとめる者は首を振って答える。

 なお彼らの情報は、各国の中枢に忍ばせている間諜によって集められたものであり、それすなわち戦場から本営への報告そのまま、ということである。

 故に本営にすら情報が隠されていない限り、その報が間違いである可能性はない。

 

 実際のところは、今回趙軍数万の存在が趙中央で一切話題に上がらなかったように、中央だけの諜報活動ではときに情報封鎖によって敵に穴をつかれてしまうのだが。

 

 故に俺は基本的に、各国の中央と、他に各国の有力な将軍や文官等の側にも人をやるようにしている。

 そこまでになると流石に対象が多すぎて諜報が徹底できていないが、今回も趙北部の軍に俺が秦よりも先に気づくことが出来ていたように、それが機能したときの利点は非常に大きい。

 

「趙軍はそのまま山間に撤退しつつ陣を張りました。王騎軍はこれを追撃し、その過程で趙将李牧の伏せていた兵の攻撃に合い、重傷を負ったようです」

「重傷か……。死んではいないんだな?」

「はっ。重傷ではあるもののかろうじて命はとりとめたとのことです」

 

 諜報員との会話を行いつつ、原作知識と実際の知識のすり合わせを行っていく。

 原作の知識をそのまま信じるのは、俺というイレギュラーが存在してしまっている時点で危険過ぎるが、かと言ってせっかく存在する原作の知識を活用しないのはもったいない。

 とはいえ今回の王騎落命未遂についても、ことが終わった後で思い出したので事前に何かを仕掛けるにはいささか遅くはあるのだが。

 

 それでも今後の他国の動きを予想するのに原作知識は有用だ。

 故にどの程度、今のこの世界にそれが当てはまっているのかを確認する必要がある。

 

「趙軍はどの程度の将を失ったかわかるか。討ち取った者と討ち取った情報についても分かる範囲で頼む」

「趙将は右翼を任された馮忌が初日に討ち取られました。討ち取ったものは飛信隊の信なるものです。特殊百人将として馬陽の戦いに参戦していたようです」

「百人将か……」

 

 これは原作にもあった通りだ。

 飛信隊の信、つまり原作の主人公の上げた大戦果ということになる。

 ただ、これは秦左翼の大きな損害と引き換えの戦果だったはずだ。

 

「しかし初日の戦で馮忌の率いる趙右翼は秦左翼を完全に粉砕していました。その中でどう飛信隊、信が馮忌を討ち取ったかはわかっておりませぬ」

「構わない。続けてくれ」

 

 それについてはおそらく原作と同じままだと考えられる。

 つまりは馮忌を手球にとった王騎の策と、農民上がりの百人隊にしては破壊力と突破力があった飛信隊の力が合わさり、馮忌を討ち取ったのだ。

 そして更にすり合わせを行うために、俺は続きを促す。

 

「はっ。二日目、三日目に関しては、将の損失は互いにありませぬ。ただ、秦副将の蒙武が二日目から圧倒的な武力を発揮し、対面した趙の李白軍及び公孫龍軍を大きく打ち破り、兵を削ったようです」

「守備の李白を抜いたか……。その戦い様はわかるか?」

「策を用いず、純粋な力のみで李白の防陣を粉砕した、と」

 

 これも原作通り。

 純粋な武力では中華でもトップクラスを誇る蒙武の破壊力だ。

 いくら防御に定評があるとは言え、たかが一将軍程度の李白と公孫龍では到底止められるものではなかった、ということだろう。

 

「それで、四日目か。王騎が全軍を持って趙本陣を狙ったのは」

「は。四日目に王騎が自分の本軍以外の全軍をもって趙本陣を攻め落としにかかりました。これに追われた趙本陣は山中に撤退、他軍も追随するように山中へと退き、そこに陣を敷きました。秦軍は蒙武軍を先頭にこれを追撃、こちらも元趙本陣のあった山に本陣を移した王騎の本軍を除いて、山中へと侵攻し陣を敷きました」

 

 ここも原作通りだ。

 そしていよいよ五日目、の前に四日目の夜である。

 

「四日目の夜のことですが、正確な情報はわかっておりませぬが、趙軍総大将の龐煖及び趙将万極の軍が、秦軍の一部を襲撃し、これを大きく打ち破ったそうです」

「総大将自らな……。それは策だったと思うか」

「……策には、思えませぬ。総大将自ら夜襲に出陣する意味がわかりませぬ故。それも狙いは王騎の本陣や副将蒙武ではなくただの一軍。馮忌をうった軍ではありましたが、馮忌と龐煖の間に深い親交があったというような話は聞いておりませぬ」

 

 となるとやはり龐煖は原作通りの宗教家か。

 ちなみに俺は龐煖のあれも蚩尤のあれも一種の宗教だと思っているので悪しからず。

 それぞれに好きな神様を信じれば良いのだ。

 

 さておき。

 

 そしていよいよ五日目である。

 

「五日目の戦は山中で行われた故、情報があまり入っておりませぬ」

「わかっている。その上でわかる範囲で構わん」

「はっ」

 

 もともとこの時代の戦争で、他所の動きを完全に調べて報告させるなんて流石に不可能だしな。

 人を密かに見に行かせたとしても、山中に入ってしまえば離れたところからでは見えなくなる。

 今回も、原作で李牧と遭遇している蒙毅や河了貂らが居た場所とは違う場所に人をやって戦場を確認させていたが、戦場が山中に移ってからは戦場の全体図を見失ってしまっている。

 

「まず五日目のはじめに蒙武軍が突出したようです。これが趙軍の罠で、蒙武は大きくその軍を討たれ孤立しました。これを懸念した王騎が本陣を離れて山中へと突入。それにわずか数刻遅れる形で、韓より撤退した王翦軍が、秦本営からの命令を受けて馬陽の戦場へと到着しました」

「王翦軍か。王翦はその後どう動いた?」

「はっ。王翦軍は一時停滞した後そのまま全軍の半分ほどを山中へと入れ、残りを王騎本人の麓に陣を敷かせたようです」

 

 なるほど。

 王翦が馬陽の戦いの現場にいたのか。

 これは俺が存在したことによるバタフライエフェクトということが出来るだろう。

  

 本来であれば、蒙驁の率いる秦軍二十万は、趙軍が秦北東部の馬央及び馬陽を攻めた段階では、未だに韓の奥深くまで攻め込んでいるはずであった。

 だが俺が大王に献策し、俺が領地で鍛えた軍も合わせて動かしたことで半月以上その撤退が早まり、更に秦の上げた成果が少なくなった。

 

 これ幸いと、秦は王翦の軍を王騎の援軍に向かわせたのだろう。

 この軍については別に蒙驁軍でも桓騎軍でも良かったが、つまりは他国に侵攻できるぐらいに鍛えられた精兵を王騎の援護のために馬陽の地へと送っていた、ということである。

 

 もともと韓に二十万の大軍を送っていた秦にとって、趙からの侵攻は寝耳に水であった

 趙からの侵攻は有り得ないという前提で韓への侵攻をしていたからである。

 故に、馬陽に侵攻してきた趙軍が精兵揃いであったのに対して、秦軍は、王騎軍と蒙武軍を除けば、徴兵された兵ばかりの弱兵の集まりであった。

 

 その弱兵の集まりで初戦から圧倒していた王騎と蒙武という二大将軍の能力は素晴らしいの一言に尽きるが、それはさておき。

 

 そして韓への侵攻が主に俺の練った策によって失敗に終わった秦はこう考えたのではないだろうか。

 

『元六大将軍の王騎は頼りになるし、勝つと信じている。しかしそれはそれとして、大軍を送りながら韓の領土を大きく切り取れなかった以上は、趙によって馬陽一帯を失うことなど、万に一つもあってはならない。故に、王騎軍に合わせて精兵揃いの韓侵攻軍から副将の一軍、王翦軍を送ることでその勝利を確実なものにし、趙の侵攻を跳ね返させよう』

 

と。

 

 実際のところ、韓の領土を大きく切り取りそこねたことが、秦国内でどう響いてくるかはまだはっきりとは見えてこない。

 韓侵攻軍は丞相の呂不韋の命で放たれたので、その失敗は呂不韋の権力を落とすことに繋がるようにも思えるが、そもそも大王陣営と呂不韋陣営では持つ権力の差が大きすぎて、大敗もしていないこの程度の失態ではなんら勢力差が変化するような様子は見受けられないのだ。

 

 故に、王翦を王騎の援軍に送るという考えが秦軍総司令官の昌平君から出た理由は、俺の完全な推測でしかない。

 あるいはもっと単純に、でかい兵力がほとんど無事で帰ってきたことだし、兵力差から苦戦する可能性のある王騎のところに送っておくか、ぐらいのつもりだった可能性も全然有り得る。

 

 さておき、そんなわけで、原作とは違って馬陽戦の最終日に王翦の軍が馬陽に到着し、更に王翦が何を嗅ぎ取ったのか軍をそのまま山中にいれるという思い切りの良さを見せた。

 あるいは王騎がなにか嗅ぎ取っていたように、知略に優れる王翦は策の存在を嗅ぎ取って軍を山中に入れたのかもしれない。

 

 結局それが、原作とは違う展開を呼び、重傷ながら王騎の命を救うこととなった。

 

「その後、山中に入った王騎が、趙荘の本陣を粉砕した後に、李牧が伏せていた軍に狙われ重傷を負った。そういうことだな?」

「はっ」

「その後趙軍はどう動いた?」

「重傷の王騎の息の根を止めんと追撃を行おうとしたようですが、山中に軍を入れていた王翦軍がこれを阻止しました。そこで戦闘にはならず、しばしの膠着の後に趙が軍を退きました。おそらくは趙荘の跡を継いだ李牧が決断したのでしょう」

 

 確かに原作では、王騎の死が確定的だったから追撃しなかった、という描写があった。

 それに対してこの現実では、王翦軍が到着したバタフライエフェクトかなにかで、王騎が確実に死ぬと確信できるほどの致命傷ではなく重傷を負うにとどまったために、王騎の命をこの戦の目的としていた李牧は追撃をしようとしたのだろう。

 

 だがそれは山中に数万の軍を進めてきた王翦軍によって阻まれ、結局王騎の息の根を止めることを断念して馬陽から撤退することを決断した。

 そう考えれば、全ての辻褄が合う。

 

「それで、李牧がこの戦で表に出たのはどの局面からだ?」

「平原部での決戦では趙軍全体の指揮をとったのは趙荘であり、総大将は龐煖でした。ここから考えるに、山中に軍を引き入れてからようやく李牧が指揮官として動き始めたのかと」

「あるいは、王騎をおびき寄せるところまでは趙荘に策を授け、自身は趙北部から南下させ伏せていた軍とともに馬陽の戦いの部隊に顔を出した、か」

 

 原作ではそうだった。

 結局韓からの撤退が早まり、そのまま馬陽に送られた王翦軍の存在によって王騎が重傷を負いながらも生き残ったことを除けば、全ては原作通り、と言ったところか。

 あるいは、李牧が王翦という隠れた傑物の存在に気づいた可能性もあるが、さてはて。

 

「そこまではわかりませなんだ。申し訳ありませぬ」

「良い。他国同士の戦についてこれほどまでに詳しく情報を集められたことは称賛に値する。今度も見事な働きであった」

「光栄の極みにございます」

「以後も李牧の周りの探りは続けてくれ。ただし、気づかれるほどには近づきすぎるな。動きがある、程度にわかれば良い」

「承知しました」

「では行け。褒美は後で送らせる」

「ははっ」

 

 取り敢えず李牧周りは今後も諜報網に張らせておくことにする。

 加えて今回のような情報封鎖をしてくる李牧相手に下手に近づかせすぎるでバレる危険性があるので、バレないながらも李牧がなにかをしようとすれば「何か企んでいる」程度にわかるぐらいの距離感を保つように指示しておいた。

 

 下手にバレて、俺が想定していない時期で表に引きずり出されても嫌だからな。

 

 にしても、事前から警戒していた通り李牧というのはある種の化け物であった。

 まだ戦術的な手腕は見えてきていないが、趙国三大天に就任した情報を流すことすらせず、その第一手で敵対国家である秦の武威の要であった王騎を狙った戦を仕掛けるという戦略巧者っぷりは、今後の中華の戦でもあちこちでその実力を発揮していくことになるだろう。

 

 加えて、原作通りの武力馬鹿らしい龐煖と共に三大天に就任している以上は、戦略規模だけでなく戦場規模、つまり戦術用兵術の面でもかつての廉頗や藺相如らに迫るほどの実力があると考えられる。

 

「……やはり実戦、そしてそれをこなせる敵だな」

 

 こうなると、李牧とともに匈奴に名の知れる馬南慈もまた相当な将である可能性が高い。

 この中華で最も危険な国は秦だが、李牧やまだ見ぬ趙北部の将を有する趙からは目を離せ無さそうだ。

 

 

 

 

******

 

 

 

 

 とはいえ、秦と趙で戦が行われたところで俺達の日常は変わらない。

 

「前線食らいつけえ! 人虎の陣だ! 紫詠の足を止めろ!!」

「「「おおおおおお!!」」」

 

 俺の指示に応えた兵たちが陣形を組み換え、こちらに突撃してくる紫詠率いる部隊の足止めにかかる。

 

「満寿、満暴、隊を率いて左右の挟み込みを防げ。会里、先導せよ。貫いて藍章様まで行くぞ」

「「「ハハッ!!」」」

 

 一方の攻め込んできた紫詠の軍は、隊を適切に分けつつこちらの防陣を攻略して攻め込んでくる。

 これ最近開発したばっかりの戦術なんだが、既に紫詠とその部下達が適切な突破方法を編み出しているのは何かの冗談だろうか。

 

「陣形変えるぞ! 龍満、龍士、起点を作れ! 土壁の陣だ! 突破させるな!!」

 

 更に突撃してくる紫詠等に合わせて陣形を変化させながら思う。

 

 正直今生の俺は、戦の才については、絶え間ない学習と現代的な発想、知能水準によって相当高レベルに仕上げてはいるものの、何でも人より容易く習得し、更に新しいものを生み出していく天才タイプではないと思う。

 子どもの頃から他の者達の何倍も学んできたし、今も暇さえあれば戦術のことや戦略のことを考えている。

 軍略研究所だって、俺一人では中華の未来図を描ききれないからと数と集合知を頼るために作ったものだ。

 

 それでもこうやって、俺が編み出した陣形をすぐさま紫詠によって切り裂かれている。

 もちろん更に陣形を組み換えることで突入を許しはしなかったし、今やっているのは演習なので、新しい戦術については失敗上等、実戦で使えるかどうかを試している段階ではある。

 

 それでも、とっさに紫詠を止められるような新しい策を生み出す才は、俺には備わっていない。

 つまるところ、俺の戦術方面の才はあって秀才タイプ。

 これまでの人類の叡智と今なお研究を続ける数多くの人間が時間をかけて理性で編み出した策を分析、理解、習得し操るものだ。

 努力の才がある、と言われればそうだが、それが無ければ凡庸な千人将程度で終わるような人間だったのではないだろうか。

 

 一方で紫詠は、とんでもない天才タイプだと思う。

 戦場の形をある種本能と理性で正確に捉えると同時に、戦術を練るのを、これまでに学んだ戦術という理性と、これまでの経験によって培われた本能という二つの方面から思考し、初見の策に対しても的確に最善手や、更にその先に繋げる手を打ってくる。

 

 その才は、今はまだ必死に努力してひた走る俺の後塵を拝してはいるものの、それは紫詠の恵まれぬ育ちによる学びの始まりの遅さが原因であって、そう遠くない未来に、紫詠は俺を越えるほどの怪物へと成長するだろう。

 

 もちろんこれは軍事、更に言えば一戦場での戦術方面の話で、戦略方面や内政方面では負けているつもりはないし、戦術についてもガチンコでやり合ったら後五年は負けてやるつもりはないが。

 それに単純な武力でも、勝てるとは言い切れないが負けるとも言い切れない。

 つまりは互角相当か俺の方が多様性でわずかに上を行く、といったところか。

 

 そんな二人がそれぞれに軍を率いて行う軍事演習なので、武器は偽物を使うとはいえ激しさはとんでもなく、終わった後の兵たちの疲労は激しい。

 

「今回も藍章様のところまで行けませなんだ」

 

 演習が終わった後、片付けをしている兵たちを眺めていると、今回の対峙する軍の将を務めた紫詠が話しかけてきた。

 

「守りを固めているのに抜かれてたまるか」

 

 今回の演習では、俺は防衛を固めて突っ込んできた紫詠を絡め取る策を、紫詠は攻撃的な機動によって俺の陣を切り裂き、俺の喉元まで槍を届かせる策をとった。

 といっても基本的に演習は軍を実際に動かしてみることと兵たちの鍛錬を目的としており、俺や紫詠のような将の武力を用いた一騎討ちという局面は目的としていないので、大抵良いところまでいったら仕切り直してまた違う形でやり直す、ということになるが。

 

「しかし、戦場では敵将の防陣を貫いて首を狙わねばなりませんから。もっとも藍章様ほどに防陣の硬い敵はほとんどいないでしょうが」

「いないと言い切れないところがこの中華の恐ろしいところだ。どれほど努力を重ねても、それを上回る才というものがある」

 

 こればかりは、本当に。

 俺も相当に強いつもりだが、それでも勝ちきれるか怪しい相手が複数存在しているのだから、中華というのは本当に魔境だ。

 最も李牧を見る限りは中華の外もまた魔境らしいが。

 

 俺達は、そんな魔境でも負けないように、いざというときのために己を鍛え続けるだけである。

 

「どうだ紫詠、この後軽くやり合うか?」

「それは良いですね。腕が鳴ります」

 

 取り敢えず、一騎討ちでも負けないように今はまず紫詠と一騎討ちの訓練をしておくこととしよう。

 

 その後は政務をやって、終わる頃には日は沈んでいるだろうから就寝をして。

 俺の領地における日常は、そんなふうに軍の調練と自己の鍛錬、そして領地の運営によって成り立っている。

 

 




ここから相当投稿ペース落ちます。
しばらくは毎日キングダム二次創作しかしていなかったのですが、他のこともする必要がありますので。
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