ちゃんと大トリでやばいことやらかすので安心してください……?
9話 くるみという名の少女
鬼はいい。どれだけ四肢を裂いても、抉っても再生する。
ここは俺の縄張り、近くの人間共は、“奇怪林”なんて呼んでいるらしい。
俺は時折、人間や鬼を攫っては血鬼術で改造している。
鬼舞辻様は俺が鬼を改造していることを良くは思っていないようだが、何か直接言われたことはないから黙認なさっているのだろう。
「あ、がが……」
薄暗い部屋には手術台が複数台設置されている。それぞれその上には金具で固定され、身体中がぼろぼろになった鬼がいた。既に再生ができなくなりつつある。
「や、めろ……同族……だ、ろ」
「うるさいな。まだ手術の途中だろ?」
拷問紛いのことを行なっている鬼が顔を上げた。瞳には数字が刻まれている。
「柱……そして、耳飾りの鬼狩り……俺のところまで生きてこられるかな?」
「きゃぁあ!」
(鬼の匂いだ!)
「善逸! 伊之助!」
人の悲鳴が聞こえ、炭治郎は走り出した。
炭治郎たち3人は、ここ“羽上生”という町に来ている。夜であるとはいえ、異様なほど静まり返ったこの町では、ここ最近、人が失踪しただとか、異形の化け物を見ただとかいう通報が相次いでいるらしい。
「うがぁぁぁ‼︎」
「水の呼吸 壱の型 水面切り!」
腰を抜かし、後ずさっている少女に襲いかかっている鬼の腕を切り落とす。だが……
(⁉︎ 腕が3本ある!)
両腕を落とし、安心してしまっていた。その鬼は、胸のあたりから3本目の腕が生えており、炭治郎は後方に下がり、鬼の攻撃から逃れる。
「獣の呼吸 参ノ牙 喰い裂き!」
伊之助が3本目の腕ごと、鬼の胴体を輪切りにした。その隙に炭治郎は、鬼の頸を切り落とす。
「てめぇ! 紋治郎! 俺様の獲物を!」
「女の子が襲われていたんだ! 助けるのが先だ! ……大丈夫かい?」
炭治郎が鬼の頸を斬ったことに不満を漏らす伊之助を一蹴すると、12歳ほどであろう栗毛の少女に優しく語りかける。
「あ、ありがとう……」
おどおどと少女は口を開いた。
「君、どうしてこんな夜中に外にいるんだい? 夜は危ない。お父さんやお母さんも心配しているはずだよ」
「お、お父さんも、お母さんも……帰ってこないぃぃぃぃ! えぇぇぇぇん‼︎」
そう言うと、少女は泣き出した。
慌てて少女を泣き止ませようとし、しばらく奮闘すると、しだいに少女は泣き止んでいった。
「落ち着いたかな? 何があったか話してくれ」
「え、えっとね……」
「そうか……そんなことが」
“くるみ”と名乗る少女の話を要約すると、数日前に母親が突如行方不明になっならしい。その日、父親は怪我をして帰ってきて、母を助けに行くと言い残しどこかへ向かった父親も帰ってこなかったそうだ。だから彼女は1人で両親を探しに行こうとしていたらしい。
そこを襲われたとのことだ。
「お父さん……剣道っていうのをやってて。悪いやつを懲らしめてくるって……」
(鬼だ。鬼に攫われたんだ。だとしたら、この子の両親はもう……)
暗い事実が頭をよぎる。でもそれは、この子に今言うべきことではない。
「くるみちゃん。俺たちがくるみちゃんの両親を助けだす。だから安心して、家で待っててくれ」
「いや! あたしも連れてって! あたしもお父さんとお母さんを助けに行く!」
「だめだ。鬼がいるかもしれないんだ。そんなところに連れてはいけないよ」
「いやいやいや!」
どうしてもついて行くと言って、くるみは譲らない。
「どうする? 炭治郎」
善逸も困った様子だった。伊之助はどうでもいいといった様子だ。
「連れてって!」
再び泣き出しそうな、くるみの様子を見て、しぶしぶ炭治郎たちは少女を連れて行くことにした。
このまま彼女を置いていったら、再び1人で両親を探しに行こうとしてしまうだろう。
「わかった。くるみちゃんも一緒に行こう。でも、本当に危ないところなんだ。絶対に俺たちの言うことを聞けるかい?」
「うん!」
元気な返事を聞くと、くるみを連れ炭治郎たちは歩き出した。
オリジナルの新章開幕です!
各章を全10話ちょいの構成で予定してるんですけど、もっと引き伸ばした方がいいですか……?
奇怪林編は9割方書き終わってはいます。
もっと長くしろ はよ更新せいって思った人はコメントで私に喝入れてください……笑
あと評価付けてくれると嬉しいです(*'▽'*)