pvも4000回突破感謝です!!
炭治郎たちが来る少し前。
鬼はいい。どれだけ四肢を裂いても、抉っても再生する。
ここは俺の縄張り、近くの人間共は、“奇怪林”なんて呼んでいるらしい。
俺は時折、人間や鬼を攫っては、血鬼術で改造している。
鬼舞辻様は、俺が鬼を改造していることを良くは思っていないようだが、何か直接言われたことはないから、黙認なさっているのだろう。
「あ、がが……」
薄暗い部屋には手術台が複数台設置されている。それぞれその上には金具で固定され、身体中がぼろぼろになった鬼がいた。既に再生ができなくなりつつある。
「や、めろ……同族……だ、ろ」
「うるさいな。まだ手術の途中だろ?」
そういうと、拷問紛いのことを行なっている鬼……下弦の陸・釜鵺は顔を上げた。
「まったくいい趣味してるよね」
「下弦の伍か。どうだ、鬼狩りは来たか?」
扉に寄りかかり、こちらに背を向ける鬼……下弦の伍だ。俺はこいつと下弦の肆と手を組み、鬼狩りの柱を迎え撃つべく準備をしている。
釜鵺は隣の手術台に張り付けにされている人間の死体の腕をもぐと、中央の手術台の鬼の肩に突き刺した。
「うぐ⁉︎ な、にを……」
「見れば分かるだろ? 腕を増やしてやってるんだよ……血鬼術 魔魍怪魎・局」
釜鵺が血鬼術を発動されると、突き刺した腕から触手が伸び、手術台の鬼を侵食し始めた。
鬼は目を剥き、悲鳴を上げるが侵食は止まらず、腕に飲み込まれる。
少しすると手術台の鬼は人と同じくらいの大きさの、巨大な腕に変貌していた。
「腕になっちまったか……まあいいか」
「その気色悪い腕、ちゃんと戦えるのよね?」
下弦の肆・零余子が部屋を覗き込む。悲鳴に反応してやってきたらしい。
「知らんわ。それで鬼狩りの柱は?」
改めて下弦の伍に声をかける。
「あぁ、ちゃんと餌に釣られたみたいだよ。もう数日もすればここに辿り着く」
釜鵺と零余子は不敵な笑みを浮かべる。このために数ヶ月間、準備をしてきた。
「柱を殺せば、俺たちも鬼舞辻様に認めてもらえる。柱……そして、耳飾りの鬼狩り……俺のところまで生きてこられるかな?」
なのに。
『水の呼吸 壱の型 水面切り‼︎』
俺の技術の全てを込め作り上げた、身体能力だけなら十二鬼月にも匹敵する鬼は耳飾りの鬼狩りに頸を切られる。
ガクッと釜鵺は膝をついた。
ある程度は感覚を共有しているため、こちらにもダメージが響いてしまうのだ。
下弦の伍は家族鬼と称する手下の鬼に自身の能力を分け与えることによって、鬼を従属させ、強化している。
釜鵺の場合はそれとは違う。単純に鬼を改造して強化する。だから手駒として扱うことはできなかったのだが、何とか意識を繋げ、操作できる鬼を作り出すことに成功していた。
(くそ……あれが最高傑作だったのに……っ!)
「だが、いい」
ならば、俺自ら殺しに行くのみ。
こちらの戦力は、鬼の最強格である十二鬼月が3人。対して、鬼狩りの戦力は柱1人と耳飾りの鬼狩り、そしてその仲間だけ。何か妙な気配を感じはするが、気のせいだろう。
(負けない。これだけの戦力差だ。下弦の伍は一度柱とやり合ったというし)
「お前の切り札は死んだみたいだけど」
いつの間にここにいた下弦の伍は釜鵺に冷たく言い放つ。
「お前が勝てるって言ったから仕方なくその作戦に乗ってあげたのに」
まあいいよ、と累は付け足した。
「やっぱり僕の作戦でやるべきだね。これなら柱を出し抜ける——」
この後の行動を累から聞いた釜鵺は、地面に拳を叩きつけた。
「貴様、何故その血鬼術のことを⁉︎ それに、俺に死ねというのか⁉︎」
「そんなこといってない。この方法ならお前は死なないんだろ? それで僕は——」
釜鵺は冷や汗をかいた。上手くいかなかったら、自分が最初に死ぬことになる。だが。
(実際、アレをやれば俺はほぼ無敵になる……それで、こいつがちゃんと働けば柱に絶対に勝てる)
「……わかった。お前の案に乗ってやる」
「うん。それでいい。最初からそうしておけば良かったんだ」
妙に上から目線な言葉に腹が立つが、自分の作戦が失敗したのも事実だから、何も言えなかった。
「下弦の肆はどうするんだ?」
「あぁ、あいつは適当に臨機応変に立ち回ってもらうよ。それで十分——」
今回の話は奇怪林編の最初にいれようと思ってたんですよねー。何かの手違いか忘れてたので、ちょっと再編して今日投稿です()
はい。釜鵺はマッドサイエンスティストです。やばば