てゆか縁壱さんに投票してる人多いですね⁉︎
今回はコロコロと視点が切り替わるので読みづらいです……
「下弦の、肆!」
炭治郎は刀を構えた。階級だけなら那谷蜘蛛山で戦った、下弦の伍より強いということになる。
(おれにやれるのか⁉︎ 下弦の伍にすら手も足も出なかったのに……それどころか、偽物の陸にも……)
「いや、やれるかじゃない! 俺が、俺たちがやるしかないんだ‼︎」
炭治郎は、くるみを安全なところへと移動させる。いや、本当に安全なところなどないに等しいが、十二鬼月に近づくよりはましだろう。
「くるみちゃん、木の影に隠れているんだ。あと、これから離れるな。いざという時は、助けてくれる」
炭治郎は禰豆子が入っている箱をくるみに託した。
「紋治郎、紋逸! 俺様に続け!」
そうこうしているうちに、伊之助が前に飛び出す。
「獣の呼吸 参ノ牙 喰い裂き!」
「くっ……!」
伊之助の二刀により繰り出される一撃に、下弦の肆は少し焦ったような表情を見せたものの、氷の盾のようなものを腕に展開して、攻撃を防ぐ。
「血鬼術 冷突!」
氷の槍が伊之助を取り囲む。
「水の呼吸 参ノ型 流流舞い!」
槍の合間を縫い、槍の軌道を逸らした。
「伊之助! 前に出すぎるな!」
「雷の呼吸 壱ノ型 霹靂一閃」
善逸が下弦の肆に肉薄する。その速度は鬼を上回り、頸へと刀は到達したものの、それ以上刃が進むことはなかった。
「速いわね……でも、わたしの頸を斬れるほどの力はない」
胴に蹴りを受け、善逸は地面に叩きつけられる。
「善逸!」
「お前ら全員鬱陶しい! 死ね! 血鬼術 酷霜薄」
数えきれないほどの氷の玉が宙に現れた。善逸は先程の一撃で気を失ってしまったようで、攻撃の対象にされていない。
良かった。
「水の呼吸 玖ノ型 水流飛沫・乱!」
無尽蔵に辺りを駆け回り、できるだけ血鬼術を避けながら鬼へと近づいていく。
伊之助も鬼に接近しようとしているようだが、血鬼術に苦戦を強いられているようだった。
(戦えてる! 十二鬼月と! 行ける、このまま距離を詰めれば!)
「くそ! なんなのよ! お前ら! 死ね! 死ね死ね死ね‼︎」
(雪玉の速度が増した! このままだと捌き切れなくなる! ……もう一度やるんだ。あの時の、あの技を)
炭治郎はより深く息を吸った。全集中の呼吸を常中できるようになってから、少しずつだが、日々体力が向上しているのが分かる。今ならやれる。
「ヒノカミ神楽!」
呼吸を切り替え、ヒノカミ神楽を舞う。あの時ほど体に負荷は掛かっていない。
「灼骨炎陽‼︎」
宙に円を描くように振るった日輪刀の焔が血鬼術を祓う。
(まだ……! 鬼の頸を! 斬る‼︎)
「ヒノカミ神楽! 円舞‼︎」
間髪入れず繰り出される神楽に鬼は対応できず、下弦の肆の頸は空を舞った。
「あ……あ゛……」
「伊之助! 伊黒さんに助太刀するぞ!」
下弦の肆に勝ったが、まだ終わっていない。陸がいる。
(こいつ……頸を斬っても死なない……全ての頸を一通り斬ったが、どれも再生した)
『無駄だ! 柱! 俺は完全無欠の鬼となった!』
「俺以上にねちねちしつこいな……」
巨大過ぎて、胴体を輪切りにすることもできない。もう、打つ手なしだった。
「完全無欠? 確かに耐久力はあるようだが、俺にまともな攻撃を当てられてない。雑魚だな」
音波攻撃は近づかない限り、ダメージはほぼ受けない。
一瞬、下弦の陸は怒りを見せたものの、すぐに表情が変わる。
『お前のほうが雑魚だ。なぜなら……俺はまだ全力じゃない!』
その手には……下弦の肆の頸。
「は?」
『無駄だ! 柱! 俺は完全無欠の鬼となった!』
(柱の攻撃は俺に致命傷を与えられない)
「完全無欠? 確かに耐久力はあるようだが、俺にまともな攻撃を当てられてない。雑魚だな」
だが、こちらの攻撃も当たらないのは事実だった。
『ねぇ、右』
頭の中に、下弦の伍の声が鳴り響く。血鬼術だろうか。
右を向くと、何かが飛んできた。
(肆の頸⁉︎ やられたのか⁉︎)
『頸を斬られる直前に僕が切断したから。死んではないよ』
(なら早く治せば……)
『お前が吸収しろ。分かってるだろ? 肆は柱でもない鬼狩りにやられた。そいつらも今からお前を殺しにくる』
このままでは柱に加えて3人の鬼狩りを相手にすることになる。仕方ない。
『お前のほうが雑魚だ。なぜなら……俺はまだ全力じゃない!』
釜鵺は、零余子を吸収する。
「な、なに、を……」
遺言を残すこともできず、下弦の肆は釜鵺の体に沈む。
「は?」
「お前ら全員鬱陶しい! 死ね! 血鬼術 酷霜薄」
下弦の肆・零余子は鬼狩りと戦っていた。先程、自爆してかなり体力を消耗してしまったが、柱でもない剣士が相手なら問題ないはずだった。
「水の呼吸 玖ノ型 水流飛沫・乱!」
しかし耳飾りの少年は零余子の血鬼術に対抗して、頸に迫りつつある。
「くそ! なんなのよ! お前ら! 死ね! 死ね死ね死ね‼︎」
零余子は冷静さを失いつつあった。
金髪の素早いガキと猪はそこまででもないが、耳飾りの少年は2人よりも強かった。
(無惨様が命令なさるだけのことはある……! このままじゃやられる……⁉︎)
血鬼術の精度を上昇させる。より硬度のある雪玉が辺り一帯を駆け回るが……
「ヒノカミ神楽! 灼骨炎陽‼︎」
(な、何が起きたの……? 血鬼術が全て吹き飛ばされた……?)
一瞬にして雪玉が霧散する。今までとか比較にならない一撃に、零余子は、この少年が今まで本気ではなかったのかと疑わざるを得なかった。
「ヒノカミ神楽! 円舞‼︎」
(速い、反応できなかった……わたし……死ぬの?)
刀が頸に差し掛かるのと同時に、うなじに鋭い衝撃を感じた。
「あ……あ゛……」
前からと、後ろからの不意打ちに零余子の頸は胴体に別れを告げる。すると、直接脳内に声が聞こえた。
『大丈夫? 死ぬところだったね』
(下弦の伍?)
『死ぬ前に後ろから頸を斬ってあげたんだよ。感謝してね。じゃあ』
(ありが……え?)
いつの間にか巻きついていた不可視の糸が、頸を下弦の陸のほうへ導く。
下弦の陸はこちらに気づくと零余子の頸を捕まえた。
『俺はまだ全力じゃない!』
「な、なに、を……」
ずぶずぶと零余子は釜鵺に取り込まれていく。
直接頸が鬼狩りの刀に切断されたわけではないものの、零余子は自身が死ぬということを理解した。
体の感覚が消える。再生できない、力が弱まる。
(これが、死……?)
零余子の脳裏に、いつかの記憶が蘇る——
零余子ちゃん早くも……
次回、明かされる零余子の過去——