十二鬼月・累の物語 〜Another〜   作:葵巴鈴蘭

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累視点になっただけなので、原作と似てる描写も多めですね。

炭治郎とか鬼殺隊視点の描写もちょくちょく入れていく予定です。


2話 本物の絆

(死んだか。まあ当然だよね。僕を守れない母親なんて必要ない)

 

 少し体に力が戻るのを感じる。当然だ。累は家族鬼に自身の血と血鬼術を与えている。それらの力は累のものであり、それが累に戻った今、血鬼術の強さは家族鬼が使った時とは比較にならない。

 

 指定した集合場所へ行くと、兄さんと姉さんが来ていた。父さんはまだか。

 

「どうしたんだ? 累」

 

「ねぇ、累。母さんがやられた! 逃げたほうが……いいんじゃない」

 

「は?」

 

 姉さんの顔が……元に……

 

 累は腕を振り上げると、姉さんを切り刻んだ。

 

「僕が一番嫌いなもの、わかるよね」

 

「ああっ! ……お願いだからやめて!」

 

 姉さんが悲鳴を上げる中、父さんがやってきた。

 

「鬼狩り、俺の腕、斬れなかった」

 

 当然だ。父さんには十二鬼月に匹敵する身体能力を与えてある。柱でもない鬼狩りが倒せる相手ではない。

 

()()()()()その気になれば下弦の壱くらいにはなれるしね)

 

「でも、刀。食い込んでたでしょ」

 

(父さんもいらないな。柱でも何でもない鬼狩りから一撃を受けるなんて。ここに来たのだって、母さんをやったあの鬼狩りと猪頭から逃げたって知ってるから)

 

 父さんの血鬼術を回収すると、その場に崩れ落ちた。

 

(力がみなぎる……まだだ)

 

「な、なぁ累……そこまでしなくても……」

 

 兄さんは顔を引き攣らせながら声を上げる。

 

「兄さんも。黄色頭のガキに頸を斬られかけてた。何やってるの?」

 

「で、でも……ちゃんと毒は打ち込んだ! 今ごろは蜘蛛になってる!」

 

「この気配……感じない? さっき柱らしき人間が黄色頭と合流した。消えかけてた黄色頭の気配が復活してる。解毒されたんだよ」

 

 兄さんからも力を回収する。

 

「あぁ……家族が姉さんだけになっちゃったよ。ならもう姉さんもいらないね。いいよもう。柱2人を家族にするから。気配からして男と女かな。これで両親ができた」

 

「な、何を言っているの累……! 姉さんを! 姉さんを見捨てないで!」

 

「黙れ!」

 

 姉さんの頸を切断すると、力を回収する。

 

(あぁ……結局1人になっちゃった。前にいた弟と妹だって使い物にならなかった。なんで毎回……でもいいや。どいつもこいつも役に立たない無能ばかり。そうだ、市松模様の羽織の鬼狩りと黄色頭、猪頭も鬼にしよう。それで……)

 

 人間の気配を感じ、累は頭を上げた。

 

「何見てるの? 見せ物じゃないんだけど」

 

 市松模様の羽織の鬼狩りと猪頭がやってきたようだ。

 

「何をしているんだ! 君たちは仲間同士じゃないのか⁉︎」

 

「お前が頭か!」

 

「仲間? そんな薄っぺらなものと同じにするな。僕たちは家族だ。強い絆で結ばれて……いや……あああ! なんなんだ‼︎ どいつもこいつも‼︎ 僕たち家族は強い絆で結ばれていたのに! 裏切るから‼︎」

 

「違う、家族も仲間も強い絆で結ばれていればどちらも同じように尊い。血のつながりがなければ薄っぺらだなんてそんなことはない! それに強い絆で結ばれている者には信頼の匂いがする!」

 

 市松模様の鬼狩りが叫ぶ。

 

 何を言っているんだ?

 

「だけどお前達からは恐怖と憎しみと嫌悪の匂いしかしない! こんなものを絆とは言わない! まがいもの……偽物だ!」

 

「お前……」

 

 顔を上げると、そこに新手の鬼狩りが現れた。

 

「おぉ! 丁度いいくらいの鬼がいるじゃねぇか。こんなガキの鬼なら俺でもやれるぜ」

 

「ちょっと待ってください!」

 

 市松模様の鬼狩りの言葉を無視し、馬鹿な鬼狩りがこちらへと進む。

 

「お前は引っ込んでろ! 俺は安全に出世したいんだよ。出世すりゃ上から支給される金も多くなるからな。俺の隊はほとんど全滅状態だが、とりあえず俺はそこそこの鬼一匹倒して下山するぜ」

 

「駄目だ! よせ!」

 

(ゴミが)

 

 次の瞬間、無数の糸に切り刻まれ、馬鹿な鬼狩りは跡形もなく粉々になる。

 

「何が起きた⁉︎ 見ていたか紋太郎! この子供、あの十二鬼月より強いのか‼︎」

 

 おめでたいやつだ。猪頭はどうやら父さんを十二鬼月だと勘違いしているらしい。

 

 累は市松模様の鬼狩りの方を見る。

 

「ねぇ、何て言ったの? お前今何て言ったの?」

 

 瞠目したまま、前に進む。

 

「お前、今言ったこともう一度言ってみてよ。ねぇ、言ってよ」

 

 目の前の少年は刀を構える。

 

「ああ! 何度でも言ってやる! お前の絆は偽物だ‼︎」

 

 偽物? 僕たちの絆が? 

 

「そう。お前は簡単には殺さないからね。じわじわ甚振ってから殺してやる」

 

 糸を一本飛ばす。殺さないようにゆっくり。しかし、その瞬間、鬼狩りが背負う木箱からや何かが飛び出した。

 

 少年の代わりに、それが代わりに糸を受ける。

 

「禰豆子! 禰豆子! 禰豆子!」

 

(何……? 背負っている箱から女が? でも気配が鬼だ。どういうことだ。さっきまでまったく気配を感じなかった。しかも、鬼狩りに鬼が協力してるなんて。どうなってる)

 

「兄ちゃんを庇って……ごめんな」

 

 は? お兄ちゃん? 鬼が……家族? 人間と、鬼が?

 

「お前……それ……その女……兄妹か?」

 

「だったら何だ!」

 

 少年はまっぷたつになりかけている女の胴体を必死に抑えている。人間をあまり食っていないようだ。再生がとても遅い。出血さえ止まっていない。

 

(兄妹……? 妹は鬼になってるのに……それでも一緒にいる……妹は兄を庇った……身を挺して……本物の絆だ! 欲しい!)

 

 これこそが本当の家族の絆だ! 欲しい欲しい欲しい!

 

 累は声色を優しいものに変え、歩み寄る。

 

「ねえ坊や、話をしよう。僕はね、感動したんだよ。君たちの絆を見て体が震えた」

 

 この感動を表す言葉はきっとこの世にはないだろう。

 今日は最高の日だ。ついに本物の家族の絆を見つけた。あの女を妹にすれば、人間のころの記憶が戻るかもしれない。

 

「でも君たちは僕に殺されるしかない。悲しいよね、そんなことになったら……でも一つだけそれを回避する方法がある」

 

 特別にこいつらを生かしてあげてもいい。

 

「君のその妹、君の妹を僕に頂戴。大人しく渡せば命だけは助けてあげる」

 

「何を言ってるのか……わからない……」

 

 察しが悪いな。助けてあげると言っているのに。

 

「君の妹には僕の妹になってもらう、今日から」

 

「そんな事を承知するはずないだろう! それに禰豆子は物じゃない! 自分の想いも意志もあるんだ! お前の妹になんてなりはしない!」

 

 僕は絆をつくれるんだ。無惨様から特別に許可されている。人間を鬼にできるし、鬼を強化できる。なんなら十二鬼月にしてあげてもいい。

 

「大丈夫だよ、心配いらない。絆を繋ぐから。僕の方が強いんだ。恐怖の絆だよ。逆らうとどうなるかちゃんと教える」

 

「ふざけるのも大概にしろ! 恐怖でがんじがらめに縛り付ける事を家族の絆とは言わない! その根本的な間違いを正さなければお前の欲しいものは手に入らないぞ‼︎」

 

 ぎゃあぎゃあうるさいな。やっぱり鬼狩りとは話が合わない。

 

「いいよ別に、殺して取るから」

 

「俺が先にお前の頸を斬る!」

 

「いいや俺様が斬る!」

 

 馬鹿なやつらだ。僕の正体も知らないで。

 

「威勢がいいね……できるならやってごらん」

 

 

 




「威勢がいいなあ……できるならやってごらん」
「○○○○である僕に……○○○○○○」

あれ、このセリフは……?

本作で、累はどれくらいの強さになって欲しいですか?

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