俺の発現した個性が【オール・フォー・ワン】だったって、マジ?!!   作:AC6はいいぞ!!

17 / 55
ep16:凄腕の諜報員の加入と新たな【個性】の収集

 

俺の組織には今、仲間が3人。トゥワイス、エア、創生。それぞれが実働・資金調達・開発を行ってくれているが、まだ勧誘にしていないナガンを除き、組織を始動させるために欲しい能力が2つある。

 

 

1つ目が諜報。エアが情報収集をしてくれているが、ネット上での諜報には限度がある。そのため、現地で情報を集めてくれる存在が必要だ。

 

 

2つ目が研究。分野は【個性】、【オール・フォー・ワン】を使って、仲間たちを複数個性持ちにする以上、副作用に気をつけないといけないし、【サーチ】である程度わかるとはいえ、素人の俺だけでは限界がある。

 

 

「そんなわけでエア、どっかにいい人材いないか?」

「人材なら山ほどいますが、組織に入れることができるとなると限られてきます」

 

 

まあ、うちヴィラン組織だし、相手側に大きな力を持つところとのつながりがないことなど厳しい条件がある。そう簡単には

 

 

「諜報に関して、1つ心当たりがあります」

「マジで?」

 

 

意外だ。まさか条件を達成している人材がいるとは

 

 

「原作のキャラか?」

「いえ、原作には出てない人物です。ヨーロッパに潜伏している元諜報員で、えん罪をかけられて逃亡しています」

「えん罪か・・・そいつ、優秀なのか?」

「それは保証します。プロフィールを見たのですが、天才諜報員と言われるほど優秀です」

 

 

そんな諜報員がえん罪をかけられて逃亡ね・・・逃亡出来てるだけ、優秀なのか?

 

 

「レイヴン、いくら優れた諜報員でも組織のしがらみとは無縁でいられません」

「そのしがらみのせいで逃亡か・・・その組織、大丈夫なのか?」

「国家の組織なのですが、日本でいうところの公安みたいになってますね」

 

 

腐ってんじゃん。国の組織が

 

 

「場所はヨーロッパなんだよな、【空間入れ替え】で飛べるか?」

「複製体で処理を分担すれば理論上は。ただ、精度の面でリスクがあるため、現地に行くのは複製体にしてください」

 

 

長距離移動のため、精度が悪くなるみたいだな。いや、普通に考えて日本からヨーロッパに1度に飛べる時点で凄いんだが

 

 

 

 

・・・・・・

 

 

 

あの後、複製体がヨーロッパに飛んで、見事に諜報員を確保した。名前はレオン。カメレオンに髪が生えたような顔の男で、元々はとある国の諜報員で、社会をよくするために活動していたらしい。

 

 

だが、任務中にヒーローが異形型の子供を見捨てようとしていたところを見てしまい、助けた結果、任務に失敗して組織をクビになってしまったのだ。そして運のないことに、上からスケープゴートにされかけ、命からがら逃がしたのだという。

 

 

結構長い期間逃走生活を続けており、諜報機関相手で後ろ盾がなければアッサリと捕まりそうだが、それまで逃げおおせたのは【カメレオン】の【個性】のおかげだ。身体を背景に擬態することが可能で、擬態で監視カメラなどを誤魔化しつつ逃走していたのだ。そんな彼を複製体の俺がどうやって見つけたのかと言うと、エアの情報収集と探知系の【個性】のゴリ押しである。

 

 

彼は保護してくれたことに感謝をしてくれてはいたが、組織に入ることにあまり前向きではなかった。それが自分の命を危険にする行為だと理解していてもだ。正直に過去の出来事を話してくれたのは、少しでもこちらの印象を良くするためだろうな。

 

 

「それにしても、組織にも罪を擦り付けられて逃走犯とは」

「ああ、なんとか容疑を晴らそうとしたが、結構上の人間が手を回しているらしくダメだった」

「仮に、今から容疑を晴らしたとしても」

「もうダメだろうな。証拠は消されているだろうし、仮に容疑を晴らそうにも真っ当な手段を取った瞬間に消されかねない」

 

 

諜報機関の人間に嵌められて、罪を擦られた挙句、裏で手を回されて完全に犯罪者・・・か。しかも嵌められた理由の1つが異形型だからというから驚きだ。

 

 

「話はどれぐらい聞いている?」

「自由に生きたい者たちが集まる組織だと聞いている」

「その自由には責任が付きまとう。無責任であろうとするなら」

「わかっている。俺だって裏の世界を情報員として渡り歩いてきたんだ。そういう覚悟はできている」

「ちなみに目的は聞いている?」

「大物を狙っていることは、大物の政治家でも狙っているんじゃないかと思っている」

 

 

大物政治家どころか魔王なんだが・・・それにしても、覚悟か。俺にはそんな覚悟などない。俺の目的は"平和な日常を過ごすこと"。背負った責任はできる限り果たそうとはするが、それ以上のことをしてやる気はない。特に有象無象相手にはな。

 

 

そうやって話をしていくうちに、レオンから本題を振られた。元々、ブランチに加入することに前向きではなかったが、ブランチについてザックリとした説明を聞くうちに、ある条件をのんでくれるのであれば、組織に入っても構わないと言ってきたのだ。

 

 

「組織に入って何を望む?」

「身の安全の保障。それと将来的に異形型が迫害されないようにしたい」

「それまた大きく出たな。迫害されないようにしたいとは・・・代償は高いぞ。しかも叶えられるかどうかわからない」

「覚悟の上だ。俺はもう表側で生きていくことはできないし、俺だけの力ではもう俺の望みをかなえることはできない。元々は組織を抜けて、ヒーローになって変えるつもりだったんだが」

「今はもう無理か。望みのためにお前は組織に入ると、いいように利用されるかもしれないぞ?」

「そう思っている奴はそんなこと言わないし、もしそうだとすれば」

 

 

そう言って、ナイフを俺に突き出し

 

 

「刺し違えてでもお前を殺す」

 

 

脅してきた。

 

 

「ハハ、悪いがそれは遠慮したいな」

「なら約束を守ることだな。それで俺は合格か?」

「その前に確認、異形型に関する社会問題の解決はこっちの目的でもあったから組織として動くつもりだったけど、いつ実行できるかはわからない。それでもいいか?」

「まだ手段がないからか?」

「それもそうなんだが、組織もまだ立ち上げたばかりだし、何より今は時期が悪い」

「どういうことだ?」

「悪いがそれは仲間にならないと言えない」

 

 

さすがにまだオール・フォー・ワンがオールマイトに倒されていない以上、表立っては動けない。あと2~3年以内には倒されるから、それまでは潜伏必須。

 

 

「・・・時が来れば実行するってことだよな。なら構わない」

「10年、いや20年後になるかもしれないよ」

「聞いた限りでは異形型の・・・いや、子供の保護はやるつもりだったんだろ、ならそれでいい」

「そうか・・・ようこそブランチへ、歓迎するよレオン」

 

 

 

 

・・・・・・

 

 

 

 

「なるほど、この計画はふざけているように見えて、よく考えられてるな」

 

 

俺は今、レオンにレイヴンの活動とASについて話している。最初はふざけているのかと思っていたようだが、話を聞いていくうちに本気だと認識したようだ。

 

 

「ASか、とても実用的なのはわかったが、軍事利用されないか?」

「されるね。というか流用させるつもりだし」

「何のために?」

「今の警察って"ヴィラン受取係"なんて言われてるだろ。あれって今の警察の装備ではヴィランとまともに戦えないと言っているわけで、逆に言えば、ヴィランと戦える装備があれば、結構な規模の組織がヴィランと戦えるってことだ」

「国家の機関を強化する気か?」

「もっとも、俺らが使うのよりは遥かにグレードダウンするし、俺らの装備に関しては保険をかけるけどな」

 

 

それでも、並みのヴィランなら単体で鎮圧可能。ある程度の格上相手でも数の暴力で押し切れるはずだ。軍事利用は怖いが、今後のことも考えると強化しておいた方がいい、廃価版の装備の流用は、オール・フォー・ワンの失墜後だな。

 

 

「どんな保険だ?」

「武装に関しては、まあしょうがないとして、ASにはある【個性】がないと起動できないようにする」

「矛盾してないか?あと、それだとお前がいなくなると組織としてまともに運用できなくなるんじゃ」

「そのあたりも考えている。まだ案の段階だけど」

 

 

この案を実現するためにも、レオンには協力してもらう。

 

 

「それで、どれぐらいで完成しそうなんだ?」

「そうだな・・・あと1年ぐらいかな」

「あと1年か、凄く早くないか?」

「早い。詳細見てないからわからないだろうけど、スペック通りなら圧倒的に早い。というか、普通に考えたら実現不可能。元々は開発期間2年で、それでもスペックダウンしての完成だと思ってたんだが」

「よくそんなものを作ろうと思ったな」

 

 

一応、AC6の世界ほどではないが、その手の技術はある程度この世界にも存在する、主にサポートアイテムとして。だから、素地となる技術はあるのだ。

 

 

「気になるなら開発現場を見てみるか?」

「いいのか?」

「いいよ・・・ただ、まあ」

 

 

「覚悟はしておいてくれ」

 

 

「なに?」

 

 

俺はそう言うと、不安そうにするレオンを伴って、工房に向かうことにした。

 

 

 

 

・・・・・・

 

 

 

 

「なあ、聞いてもいいか?」

「どうした?」

「【個性】どうやって集めてるんだ。奪っているわけじゃないんだろ?」

 

 

工房へ移動中、レオンから【個性】の集め方について質問された。

そう言えば、説明してなかったっけか?

 

 

「まず初めに【個性】の情報をエアが情報収集、具体的には国の管理サーバーにハッキングして、個性届の情報を入手している」

「あのAI、国のサーバーにもハッキングできるのか」

「いや、さすがにネット上からだと厳しいから、俺が直接サーバーのある場所まで行って、ツールを仕込んだ」

「お前・・・そんなことまでしてたのか」

 

 

いくら情報収集・解析が得意とはいえ、国の管理するサーバーへは簡単にアクセスできない。だからそこは物理的な方法も含めてハッキングさせてもらった。

 

 

「次に、個人情報も入手し、居場所を特定。後は俺が夜に現地に直行して、【透明化】【消音】【消臭】などで存在を隠し、念のため催眠ガスなどで完全に眠らせてから【オール・フォー・ワン】で個性を奪い、複製したら返却する」

 

 

稀に、複製までに時間がかかることがあるが、その時は【暗示】を使って次も楽に来れるようにして、休日の朝に個性を奪い、翌日の朝に返すようにしている。あと、そもそも警戒が厳しい場合は諦めている。I・アイランドとか、国家の主要人物の周辺とか。できないことはないが、リスクが高すぎる。転移で飛ぼうにも座標がわからんと無理だからな。

 

 

「それであんなに持ってたのか・・・よく今までバレなかったな。」

「そうだな、運もあったが、そのあたりはバレないよう慎重に立ち回ってたからな」

「慎重に・・・国に対してハッキングしてるのにか?」

「それはエアの仕業だから。あと、エアがいないときはデパートで【透明化】と【サーチ】で上手いことやってた」

「それが今や、何でも【個性】が複製できるようになったと」

「残念ながら、そう上手い事だけじゃない」

 

 

確かに【個性複製】は便利だが、すべての【個性】を複製できるわけじゃない。

 

 

「一部の個性。特別な【個性】は複製不可。【オール・フォー・ワン】とかな。あとは容量が大きすぎる【個性】も複製ができなかった。【新秩序(ニューオーダー)】などがそうだな。」

「おいおい、スターアンドストライプの【個性】も複製しようとしたのか」

 

 

アメリカのNo.1ヒーロー、スターアンドストライプ。対象に触れた後で名前を呼ぶことで、対象に新たにルールを2つまで設定出来る【個性】。これは物理法則にも干渉可能で、是が非でもゲットしたいところだが・・・

 

 

「運よく1回だけチャンスがあってな。試してみたが・・・容量がデカすぎて無理だった」

「そんなにか・・・もし【個性】が欲しいなら奪うしかないのか」

「いや、そっちも無理。俺の保有量じゃ足りない」

「お前でも足りないのか」

 

 

実際、一度【オール・フォー・ワン】で奪ったときに、脳機能が低下した。ラスボスはともかく、今の俺では奪っても使いこなせない。

 

 

そんなを会話をしていると、工房にたどり着いた。

中では複数人が作業をしていた。中には女性もいるのだが

 

 

「なんか、女性のほうは凄い形相になっているんだが」

「あれでも、ちゃんと労働基準を守らせてるんだが、時間内に色んな事をしようとメチャクチャ集中してやるから色々と凄まじいんだ」

 

 

時間に制限があるのなら、時間内は極限まで集中してやればいいというマリー・アントワネットも真っ青なことを現在実行しているのだ。

 

 

「この組織、大丈夫なのか?」

「たぶん、大丈夫・・・だと思いたい」

 

 

 

 

・・・・・・

 

 

 

 

「そんなわけで、彼女が開発担当の創生だ」

「創生です。よろしくお願いします」

「創生・・・ちゃんと寝ないと駄目だろ。少し疲れているようだし、行き詰ってるんだろ・・・後で手伝うから少し休め」

「大丈夫です。私の意志でやっているので、ちゃんと8時間は寝てます。それにこの時間は労働時間に含まないとのことなのでなおのこと大丈夫です!!」

「この組織、大丈夫なのか?」

 

 

ほんと、労働基準をちゃんと守っているのに、なんで労働基準を心配されないといけないのかね

 

 

「それで、今の開発状況はどうだ?」

「まだまだ開発しないといけない部品もたくさんある状態ですが、着々と出来上がってきています。予算もたくさんくれて"子供たち"をいっぱい作れています」

「子供たち?」

「彼女の作品のことだ。独特な表現だろこれも彼女の個性なんだ、受け入れてやってくれ」

 

 

結構紛らわしい発言だが、慣れれば別にどうってことはない。

 

 

「どんなものを作ってるんだ?」

「今、私が作ってるのはとあるヒーローのバックパックを参考に、スラスターを改良した試作のバックパックです。」

「想像以上にしっかりしていたもの作ってた」

「そうじゃなきゃ、スカウトしなければ予算も与えない」

「レイヴンは私の作りたい子も作らせてくれるので、とても気前がいいです」

 

 

モチベーションを保つためには飴も必要だ。それに彼女と一緒に開発を行うことがあるが、これが結構楽しい。創生も一緒に開発した方が楽しいと言ってくれるし一石二鳥だ。

 

 

「それにASは作っていて、すごく楽しいです」

「そうなのか、完成したら俺も乗ってみたいな」

「今、レイヴンの乗る機体、"ナイトフォール"を作ってるんですけど・・・」

 

 

「乗るのはオススメしません。ミンチになるので」

 

 

「・・・は?」

「あと、ジェネレーターがないのであなたでは動かせません」

「それは未完成だからでは?」

「いいえ、完成してもジェネレーターがないので動かせません」

 

 

レオンが不安そうな顔でこっちを見てきた。説明するからその顔ヤメロ。

 

 

「まず前提として、ナイトフォールは高速移動が可能なスーツで最大速度は音速を超える。しかも一瞬で最高速度に到達する」

「それ、中に乗っている人間は大丈夫なのか?」

 

 

普通に考えたら、ミンチなのは間違いないが

 

 

「問題ない。レイヴンの保有している【個性】は【機械化】とするからな。これを活用すればナイトフォールの高速移動にも耐えれる」

 

 

・【機械化】

  全身を機械化する【個性】。機械化した部位は修理をすることで修復可能。機械化した部位の機能が大幅に破損していなければ、修理後であっても機械化を問題なく解除できる。

 

 

「異形型の【個性】なのか?」

「元となる【個性】はそうだったが、それだと色々と困るから【変質】を使って複合型にした。そのおかげで、【個性】の発動前は人型、発動後に異形になれる」

「それは羨ましい限りだな」

 

 

異形型に対する迫害の問題を解決していくのなら、レイヴンは複合型とはいえ異形型としても見られる【個性】のほうがいい。異形型と複合型は違うタイプで関係ないと思われるが、複合型の中には部分的に常時異形型になるケースもあるため、複合型も異形型の社会問題の被害者となることが多々あるのだ。

 

 

「ミンチにならないのはわかった。なら、ジェネレーターがないのは」

「必要な出力を出すジェネレーターが小型化するのが難しかったから後回しにしている。一応、偽装でそれっぽいのは付けるけど」

「欠陥もいいところだな。肉体のほうは【機械化】で何とかなるかもしれないが、この資料を見る限りだと他にも【個性】が必要そうだから、【オール・フォー・ワン】がないと実質動かせないじゃないか」

「そうでもない・・・と言っても、まだ理論上の話になるけど」

 

 

そう言って、創生に礼を言ったあと、レオンと共に工房を離れて会議室に来た。

 

 

「さっき、理論上の話になるって言ったよな」

「ああ、言ってたが・・・それが?」

「レオンにやってもらいたいのは諜報活動。諜報機関にいた経験を活かしてある【個性】を探してもらいたいんだ」

「【個性】を探すならエアに頼めばいいじゃないか。」

 

 

レオンの言う通り、普通の【個性】ならエアに頼めばいい、だが。

 

 

「それが【無個性】として扱われていたら?」

「【無個性】・・・ただ所持しているだけでは意味のない【個性】か」

「その通り。そして俺が探してほしい個性は・・・」

 

 

「【個性】を譲渡する【個性】」

 

 

「【個性】を譲渡する【個性】だと?」

「ああ、【個性】を奪い、【個性】を与える【個性】があるのなら、ただ与えるだけの【個性】があってもおかしくないだろ」

 

 

【ワン・フォー・オール】のように。

 

 

「まさか、ほかの【個性】と組み合わせて」

「俺がいなくても、レイヴンの後継者にナイトフォールを動かせるようにする」

「【個性】がなくともある程度動かせるが、とある【個性】がないと動かせないと言った理由はこれか」

「ああ、【電脳】を筆頭にいくつかの重要な機能は【個性】依存。【個性】に依存しているが、特定の人物に正しく渡されれば実質、個人の生まれ持つ【個性】に依存しない機構ってことだ」

 

 

個人の生まれ持つ【個性】に依存しないようにしたいなら、必要な【個性】を渡せばいい。

 

 

「もしかして、レイヴン以外も特定の【個性】を引き継ぐようにするのか?」

「そうだが、基本的な部分だけだな。レイヴン以外は自身の能力や【個性】に合わせて機体をカスタマイズできるようにする」

「レイヴンもそうしないのか?」

「さすがに象徴たるレイヴンは引き継ぐ【個性】に完全に合わせた特殊仕様にする。【個性】がコロコロ変わってたら不変の象徴なんてできないだろ?」

 

 

周りはともかく、レイヴンは象徴。機体や【個性】がコロコロ変わっていては話にならない。だからこそ自由の象徴を作るために【ワン・フォー・オール】のような【個性】が必要となる。

 

 

「理屈はわかったが、普通にやって探すのは不可能だ」

「そこは【サーチ】を使えばいい。あとでいくつか【個性】を渡すからそれも活用して探してほしい。仮にも天才諜報員と言われていたんだ。できないことはないだろ」

「少し無茶ぶりが過ぎると思うが・・・時間はかかるだろうし、見つかるとも限らないぞ」

「それでいい、エアやトゥワイスにもサポートさせる。見つかれば良し、見つからなければその時はほかの手段を探すさ」

 

 

できるかはわからないが、【変質】なら【個性】を与えられるようにできるかもしれない。結構厳しいだろうが不可能じゃない。

 

 

「わかった。どのみち選択肢はないんだ、引き受けよう」

「すまない。主に海外で活動することになるだろうが、転送系の個性などで一定の頻度で拠点にも戻れるようにするし、手当も十分にはずもう」

「太っ腹だな。資金は大丈夫なのか?」

「エアが稼いでくれるから問題ない・・・そう考えると俺ら、なんかエアのヒモみたいになってるな、ハハハ」

「その発言は問題あると思うぞ」

 

 

そのおかげで君らは食っていけるんだ。気にしたら負けだ。

 

 

「渡す個性はメンバーに共通で渡している【電脳】【テレパス】【偽装】【身体強化】のほかに個別でいくつか渡す」

 

 

・【身体強化】

 身体機能を強化する【個性】

 

・【サーチ】

 相手を見ただけで、居場所、弱点などの情報が100人までわかる【個性】。1度に取得可能な人数を1人に限定。

 

・【透過】

 物質をすり抜ける【個性】

 

・【透明化】

 自身の姿を消す【個性】。自身の衣服や武器なども透明化の対象。

 

・【テレパス】

対象者の脳に言葉を直接伝達することができる【個性】。通信可能対象をブランチのメンバーのみに限定化し、"人間の理解できる言語"の代わりに"機械の理解できる言語"になっている。対象範囲は半径100km。

 

・【偽装】

【個性】保有者の情報を偽装できる【個性】。保有している【個性】の情報のみ限定。

 

 

「おいおい、多すぎやしないか」

「それも含めて説明するが、その前に聞きたいんだが・・・」

 

 

「【個性】を発現してからずっと、カメレオンの顔だったのは本当か?」

 

 

「本当だが・・・まさか」

「なら、素顔を誰も見たことが無い。【オール・フォー・ワン】で【個性】を奪えば容量も空くし、何より顔による身バレがない。諜報活動をした際も元居た組織からバレる可能性はかなり低くなる。問題があるとすれば、身バレした際の【個性】が変わっていることの発覚、あと【カメレオン】の【個性】を捨て去ることだが」

「身バレに関しては、遺伝子情報を含めた個人情報を消せばほぼバレることはない。【カメレオン】を捨て去ることは・・・正直な話、俺はこの【個性】に対して親しみを持っているが、同時に恨んでもいる」

 

 

まあ、【個性】のせいでカメレオンの顔になったら恨みもするか。逆に親しみを持っているのは、自分の人生において大きな力となっているからかな。レオンにとっては難しい選択だと思うが

 

 

「だが、必要とあらば切り捨てる覚悟はある。【カメレオン】が無くなれば身バレの危険性は減るし、代用の【個性】も貰える。問題はない。だが大丈夫なのか・・・流石に【個性】が多い気がするが」

「問題ない」

 

 

大前提として、レオンに渡す個性はすべて複製だ。もちろん、複製だけでもこれだけの数を与えれば廃人確定なのだが、渡す個性のうち4つの【個性】の機能を大幅に限定。それと【電脳】によるエアの補助によって脳への負担を肩代わりさせることで脳機能を低下させる課題もクリアした。身体のほうも【身体強化】することでクリアした。

 

 

【電脳】による補助は電波がないと機能しないのだが、それを解決するための方法として【テレパス】を利用した。テレパスは言葉を脳内でやり取りできるようにする【個性】なのだが、それを【変質】で変質させることで、【電脳】の補助に使えるようにしたのだ。機械語にしたのは言葉よりも多くの情報をやり取りできるし、エアの演算処理を行いやすくするため。また、【テレパス】の送受信可能な対象もブランチのメンバーに限定することで容量を減らすことにも成功した。送信のイメージとしてはこんな感じだな

 

 

対象A (テレパス)→ 複製体 (電波)→ エア

 

 

受信するときは、この手順を逆にすればいい。

 

 

「【変質】でそんなことができるのか」

「強い願いを抱く必要があるから、それはもう機械語の有難さをエアに四六時中覚え込まされたよ」

「それでも、上手くいったのは凄いじゃないか」

「変質するまでの1週間、マジで地獄だった」

 

 

組織として行動している際に電波が無ければ【テレパス】でやりとりするようにした。なお、【テレパス】を使用するには範囲内にいて、なおかつ電波がある場所にメンバーがいる必要があるため、そこをレオンの複製体で解決して欲しい。トゥワイスでもいいが、諜報活動となると少し不安だ。あと、トゥワイスは実働部隊を担ってくれているから諜報まで複製体を回せないという事情もある。数は揃えられるのだが、耐久性に問題が生じる。

 

 

レオンに触れて【カメレオン】を強奪、用意していた【個性】を付与した。パッと見た限りでは問題ないな。

 

 

顔もカメレオンから人の顔に戻っている・・・意外と美形でビックリした。

 

 

「思考がぼやけるなどの違和感はないか?」

「ないな。それにしても凄いな、【オール・フォー・ワン】は」

「そうだな、使い方によっては簡単に魔王になれる凄く・・・恐ろしい【個性】だ」

「お前なら大丈夫さ」

 

 

そう言うとレオンは早速【個性】を試していた。

単独で発動させたり、ほかと組み合わせたり、【電脳】を切ってみたりしたが・・・

 

 

「エアとの接続を切ると思考がぼやけるな」

「それは同時発動させてるからだ。【個性】が身体に合うよう鍛えていけば、いずれは問題なくなると思うが・・・今はサポートがないときなどは同時発動を控えれば問題ない」

「なら、頑張って鍛えるとしよう」

「そうしてくれ。中には合わない【個性】があったり、場合によっては変調をきたすこともあるかもしれないから、その時は言ってくれ。【変質】で何とかする」

 

 

もしも、【個性】が合わないときは身体に合うように調整しようと思うが、俺一人でどこまでできるか・・・やはり、この手の研究者も必要だな。

 

 

「あと、ヴィラン名を決めてくれ。そのまま名前を使うと身バレする可能性もなくはないから変えた方がいい」

「そうだな・・・シーカー。ヴィラン名はシーカーだ」

「探究者か。てっきり透過や透明を意味する名前にすると思ったが」

「さすがにそれだと手の内をバラすことになるからこれでいい」

 

 

まあ、本人が納得する名前なら何でもいいか。これで諜報活動を任せられる人材を確保できた。開発も始まったし他も並列して進めていかないと。

 

 

そんなことを考え、俺はエアと今後のことについて話すために【電脳】でエアと接続した。

 




最後までお読みいただき、ありがとうございました。


渡した個性多いだろ。と思わなくもないのですが、複製だったり、機能を限定したりなどしているため、トータルで個性2~3個分で、身体強化もしてるなら大丈夫かなと思っています。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。