俺の発現した個性が【オール・フォー・ワン】だったって、マジ?!! 作:AC6はいいぞ!!
「ついに見つかったぞ」
シーカーからの定時報告で、ついにその報告を受けた。
彼には世界各国を飛び回り"【個性】を与える【個性】"を探してもらっていたのだ。これが彼が加入したのが1年前のことだから、1年で見つかったのか・・・想定よりも早く、と言うか早すぎだ。こちらとしては10年以上、下手すれば見つからないと思っていただけに嬉しい誤算だ。人海戦術のおかげかな。
「そうか、場所はどこだ?」
「中東だ。とある組織に捕まっている子供が持っていた。今すぐどうこうされることはないと思うが、早めに助けた方がいい」
「それなら丁度いい。ASの試験運用もできそうだ」
「あれができたのか。でも大丈夫なのか?確かあれは」
「シーカー・・・それ以上は言うな」
「まさか、想像以上のものを・・・というか、想像以上にヤバい代物を作り出すとは」
「想定以下よりはマシだと思うが」
「色々と問題大ありだぞ」
「まあ、そうだな」
「それはそうと、機能のほうはどうなってるんだ?色んな機能を組み込んだと聞いているが」
「・・・」
「お前も大概だと思うぞ」
ハハハ、今回ばかりはシーカーの言う通りだよ。何が問題かと言うと・・・色々だ。
「オーパーツ的な技術も組み合わせていると聞いている」
「反省はしている。だが後悔はしていない」
「馬鹿を組み合わせた結果がこれか」
馬鹿とは失礼な。だが正直、創生を舐めていた。まさか架空の概念をあそこまで実現できるとはな。
「フェイズシフト装甲なんて、どうやって実現させたんだ?」
「そこは【密度操作】と【活性化】を利用した。ヒーロースーツでも遺伝子を利用して【個性】の効果対象に適応させることがあるだろ。あれみたいな感じで特殊金属に組み込まれた【密度操作】の個性因子を【活性化】で活性化状態にすることで、電力を流すと衝撃に対して相転移を起こす特殊な金属を作り出した」
「何でもアリだな」
【個性】ってそういうものだぞ、シーカー。
「できたものは仕方がない、早速試運転だ」
「一応聞くが、起動実験はしたんだろうな」
「まあな、【機械化】が無ければ間違いなくミンチだった」
「あんな大きな翼がついているのに、そんな急加速ができるのか?」
「逆だ。翼があるから急加速できるんだ」
ナイトフォールにはワタリガラスの翼のような巨大な翼が背面に取り付けられている。これは飛行を補助する物でもあるが、翼そのものが特殊なスラスターとしての機能が備わっており、飛行能力と加速性能を大幅に向上させている。
調子に乗って、室内でも高機動を維持できるようにしたせいで、垂直移動や急停止などを頻繁に行い、Gがえげつなかった。まあ、そのおかげで室内でもバカげた機動力を確保することに成功した。
「確か、俺らの機体も用意するって話だが」
「さすがにデチューンはする。実際、トゥワイスの機体、
「あれか、なんか物凄い重装甲の機体になっていたが」
「【2倍】を利用して数の暴力で押し切るコンセプトだから、複製体がやられないようにするためにも防御力は高くなってくる。あと、火力も欲しかったから、弾幕を張れるよう重武装となっている」
重装甲な上に複数のシールド、複数の重武装。フェイズシフトも備えているから防御面は問題なし、ただ機動性は問題があって、飛ぶこともできなくないが、すぐにガス欠する。おまけに動きもかなり遅い。そのため、移動は基本的にホバー移動にすることで最低限の機動力を保っている。
それと、今回はトゥワイスにも参加してもらう。機体は1機しかないが、【2倍】で無限増殖させればいくらでも増やせるし今回のような救助作戦にはうってつけだ。もっとも、武装に関してはかなり外して軽量化を図るけど。そう思いながら俺はエアに指示を出し、救助の準備を進めた。
・・・・・・
『あれが該当の施設です』
「この施設、割とヴィラン同士の抗争が多い地域の近くにあるな。でも、その割に結構いい建物のように見える」
『とある企業が所有している建物のようです。表向きは製薬会社となっています』
「【無個性】の子供を捕まえて利用だけど何しようとしてんだ?」
『シーカーの話では、個性因子を取り出したり、取り出した【個性】を植えつけて発現させる実験を行っているみたいです』
「個性因子の取り出しは現在の技術では不可能なんじゃ」
『はい、なので個性因子のような何かを取り出し、【無個性】の子供に無理やり植え付ける実験を行っています』
「胸糞悪いな。準備はできてるか?」
『おうよ!!任せとけ!!』
作戦としては俺が単身で突撃し、警備に穴ができたところでトゥワイスに救助させる。シンプルだがエアのサポートもあるから問題ない。
「念のため言うが、情けは無用だ。被験者の子供たち以外は目撃者は全員消せ」
『大丈夫だ!!任せとけ!!』
少し不安だが、ここはトゥワイスを信じよう。
『戦闘システム、起動』
・・・・・・
【Side:とある研究員】
「警備はまだ来ないのか」
俺はそう叫んだ。いつもはすぐに来るってのに・・・
ここは【無個性】の身内のいないガキを捕まえて管理している施設だ。そして今、この施設は襲撃を受けている。
「どこの組織の連中かは知らないが無駄なことを」
最初はそう笑った。実際に近くのヴィラン組織が襲ってくることがあるため、ヒーローこそいないものの、かなりの防衛設備が配備されている。それこそ非合法な重火器とかも。この辺りでは自己防衛、自己責任の意識が強く、例えヴィランを殺害しても黙認されることが多い。だから今回もいつもみたいにヴィランを殺すか逃げるかして終わるはずだったのに
「なんで、なんであんな化け物が来るんだ!!」
今回ばかりは相手が悪かった。そいつは空中から現れた。巨大な翼を持ったロボットのような姿から、最初はヒーローかと思ったが、重火器を装備していることからヴィランだと判断した。
今回は珍しいタイプのヴィランだったな。最初はそう思った。ヴィランはあまり装備に金をかけない傾向にある。というかかけれない。だから、全身を装甲で覆ったヴィランは珍しい。金になりそうだから後でパーツを拾っておくか。
そんなことを考えていると、過剰防衛と言えるほど搭載されている機関銃や対空ミサイルなどが発射され、すぐに撃墜される・・・はずだった。
機関銃の攻撃を避けるどころか全弾命中し、こけおどしかと思ったが、煙幕が晴れた時に気づいた・・・全く効いていない。その後、対空ミサイルが撃ち込まれたが、今度は凄まじい勢いで逃走。ミサイルにビビって逃げたか、と笑ったとたん、今度は自分から突っ込んでいき、あり得ない速度でなおかつ最小限の動きで躱した。
あり得ないと思った。あんな速度で動き回ったら中のやつはミンチになるはずなのに・・・まさか無人兵器か。そう思った俺は、仲間に指示を出しEMP兵器を起動し、奴にぶつけた。
すると、奴の動きは止まり、続けて発射されたミサイルは全弾命中した。
これであいつはおしまいだ、そう思っていたのに・・・奴は無傷だった。傷1つついてなかった。機関銃どころかミサイルすら効かない。
「なんだよあれ、あり得ないだろ」
「ゆ、夢なら覚めてくれ」
あり得ない光景に仲間も現実逃避し出した。だが現実は待ってくれなかった。
俺たちが奴に対処している間に別のところから似たような奴が数十人規模で侵入していた。近場にいた職員は全滅。どうやら奴らはガキどもを保護する気だ。
「ハハハ、それならガキどもごとミサイルをぶっ放せば」
「悪いがその前に」
俺が驚いて振り返ると、いつの間にか侵入者が背後に立っていて
「お前らには消えてもらう」
逃げることもできず、俺の体を弾丸が突き抜け、俺は死んだ。
・・・・・・
「そっちはどうだ?」
『問題ない。それにしても凄いなこの機体』
「そうだな。俺はほかにも用事があるから先に撤退しろ」
今回の試運転の結果だが・・・かなり良かった。
フェイズシフトの物理攻撃の耐久性は試せたし、
『エア、施設を消滅させる。隠ぺいの準備を』
『了解です。レイヴン』
施設ごと証拠を全て消す。
この周囲は電波障害を起こしているし、監視衛星も対処済みのため、証拠さえ残らなければ、俺らにたどり着くことはない。そのあたりはエアが情報操作して、周辺のヴィランの仕業だと思われるだろう。
・・・・・・
『ニュースです。先日、中東の○○のとある施設で大規模な爆破テロが発生しました。製薬会社○○の発表によりますと、先日未明に施設との連絡が途絶え、施設にいた職員は全員行方不明とのことです。そのため、大規模な爆発に巻き込まれたために死亡したのではないかという見方が強まっており、現地の調査によりますと・・・』
「随分と派手にやりましたね」
「まあな、証拠は残せないし、下手に残す可能性があるなら全部吹き飛ばした方がいい。おかげで訓練では使えないような【個性】の組み合わせも試せた」
【個性】は手に入れられたし、保護した子供はエアが作った施設に記憶を封印した状態で保護させたし、結果は上々。あとは子供の存在が露見しないよう、存在を知っている奴らを企業ごと潰す準備もしないとな。
「これである程度の試験も完了し、あとは最終調整を残すのみです」
「ほかのメンバーの機体の試験運用も急がないとな。そろそろ」
「ええ、もうすぐにオール・フォー・ワンがオールマイトによって倒されます」
「そうなれば暗躍前提だが組織として本格的活動を開始することになる。急ぐぞ」
そう、ここからが本番だ。色んな幸運が重なって前倒しできたが、ここからオール・フォー・ワンを倒すため、超人社会の時限爆弾を解除するために行動する。
密かに覚悟を決めながら、俺は来るべき時のために下準備に奔走した。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
製薬会社なのになんで過剰な防衛設備が、と思うかもしれませんが、非人道的かつ色々とヤバい実験をしていたのである意味当然かと。イメージとしては、バイオハザードのアンブレラ社ですね。あいつら都市に核ミサイルを撃つほどヤバいやつらなので・・・
それと今回からメンバーの乗る機体の登場です。【個性】との併用になるけどやっぱACと比較しても破格の性能してると思う。
・サドンデス《延長戦》
搭乗者:トゥワイス
【2倍】の個性による物量戦を前提とした機体。名前の由来は「本体がやられない限り、永遠と戦いが続き、勝敗がつかない」ということから。
機体自体は、自身の身体の一部(服などと同じ要領)で増やしており、【2倍】の弱点として耐久性の低下があるが、フェイズシフト装甲や複数のシールドを搭載することで補っている。なお、移動速度はどうしようもないもよう。
【2倍】の【個性】は物質を複製した場合の耐久性に関しては明言されていないが、人物がそうであったので、物質も同様だということにしました。