俺の発現した個性が【オール・フォー・ワン】だったって、マジ?!!   作:AC6はいいぞ!!

27 / 55
ep25:今後の計画と不協和音

 

ブランチが本格的に活動を始めて1ヶ月がたった。

 

 

今、レイヴンを自由の象徴として確立させる"自由の象徴計画"について話し合っている。

 

 

「今後はレイヴンの、ブランチの活動を本格化させる。元々の計画では海外を中心に日本での活動を控えるつもりだったんだが、予定を変更して日本でも活動を行う」

「いきなりの計画変更だな。で、なんでだ?」

「オール・フォー・ワンが日本にいないからだ」

「・・・え、マジで?」

 

 

それが大マジなんだ。原作と違って配下や信者を軒並み排除したせいで、日本に居続けるのは危険だと判断したのか海外へ脱出していた。東南アジアを選んだのはヴィラン組織が群雄割拠していて組織を拡大するのに都合が良かったからだろう。

 

 

「どうやってそのことを知ったんだ?」

「そこは知覚系の【個性】を複数使って調べた。ちなみに、潜伏先は東南アジアのどこか」

「随分とザックリとしているな。細かな場所はわからないのか」

 

 

無理だな。知覚系の【個性】でも感知できないものがあったり、中にはカウンターを喰らいそうになったものもあった。なので、現時点ではこれが限界。まあ、慎重に調べていたこともあって、カウンターを喰らったとしても"居場所を調べられている"程度しか知られないから問題はないだが、これ以上精度を上げようとすると最悪、俺の仕業だとバレる可能性がある。なので、もう少し調べてある程度範囲を絞れたら捜査は打ち切りだ。

 

 

「調査は打ち切るがそれで終わりじゃない。今度はその地域に情報が集まらないようにすることで対応する」

「そうすることで情報戦に勝つつもりか」

「ああ、俺らの情報も極力集まらないようにする」

 

 

そうすれば日本での活動はもちろん、海外での活動もほとんど入らないだろう。本来であれば、その程度の妨害では何の問題にもならなかっただろうが、俺らが介入したせいでオール・フォー・ワンの没落は凄まじい。原作以上だ。

 

 

海外での拠点はあっても、メインは日本だったため伝手はあっても施設や戦力が全然ない。いくつもの組織が乱立している戦国時代のような状態のため、攻め込んで戦力拡大を狙っているのだろうが、そこは俺らが裏から手を回しICPO(国際刑事警察機構)や現地の警察組織に情報を流すため、組織の拡大は無理だろうな。

 

 

情報は公安の会長経由にしよう。一斉摘発のおかげで株が上がっていて、それにプラスしてこの情報を流せばさらに立場が良くなるだろう。もっとも、洗脳したとはいえ常時洗脳状態だとボロが出るから基本的には洗脳前の状態で行動させ、いざとなったときに洗脳状態にして利用している。そのため、相変わらず悪事も続けていて立場は良くなったが長持ちするかは少しばかり怪しいが。

 

 

「異能解放軍のほうはどうすんだ?あいつらもなかなかにヤバいだろ。組織の規模もデカいし」

「そっちは情報収集のみに留めて放置する」

「対応しないのか?」

「しない、というかできない」

 

 

異能解放軍は実質テロリストだが、目的が【個性】の、異能の自由行使を目的とした組織で自由を求める部分に関してはブランチと似ている。原作のようにヴィラン連合と迎合するようなヤバいことをしない限り、こちらから手出しできない。俺らも似たようなことをしているし、何より大義名分がないのだ。

 

 

「ありそうだけどな・・・大義名分」

「人を殺したりしているが、それだけでは個人の問題にされる。どうやっても組織がらみにはならない。相手は政界にも通じているし、色んな所に信者がいる。それにそいつらよりも先にヴィラン連合のメンバーのほうを何とかしないといけない」

「・・・お前と会わなかったら、俺が入っていた組織か」

 

 

足取りは今から追うことになるが、今後のことを考えると荼毘だけは絶対に対処しないと後々マズいことになる。

 

 

「それは追々やるとして・・・まず最初にやるべきは地位・名声の確立。武力は揃っているから後は手段だ。どのようにして確立するかが重要になってくる」

 

 

表ではエアがある程度足場を固めてくれているが、裏社会では俺らは新米。武力はあってもそれ以外が足りていない。そのためにまずは実績を作らないといけないのだが。

 

 

「やり方を選ばないといけないから手段は限られるね」

「今考えているのは薬物や人身売買の撲滅。さすがに全部は無理だが、規模を大幅に縮小させたい。そのために大規模組織の撲滅を行いたい」

 

 

前世でも人身売買はあったが、こっちでは【個性】を目的とした人身売買がかなり横行している。薬物に関しても【個性】を強化する"トリガー"があり、かなり蔓延している。各国が取り締まりを行っているが、完全に後手に回っている状態だ。

 

 

「トリガーに関してはオールマイトのおかげでマシだったとはいえ、日本でも普通に流れてきていたからな」

「人身売買はアフリカを中心に横行している。そう言った意味でも海外で活動するのがベスト」

「でもさ、これ人手は足りないだろ」

 

 

トゥワイスがそう言う。確かに小規模組織であるブランチでは圧倒的に人手が足りない・・・なんていうと思ったか。

 

 

「お前、何のためにいると思ってるんだ?」

「トゥワイス、ついにボケが始まったか」

「んなわけないだろ!!」

 

 

俺とシーカーの発言にトゥワイスが喰ってかかるが、周りをよく見ろトゥワイス。完全に呆れられてるぞ。

 

 

「トゥワイスの【2倍】で人手は解消できるだろ。ASの開発には【2倍】が活躍してるし、ASを着ければ見た目がロボに見える。複数体同じ機体がいたとしても量産型の自立型戦闘ロボにも見えるからトゥワイスのことが露見する可能性は低い」

 

 

そう言われて気づいたのか、トゥワイスが納得した顔をした。

 

 

倒されて泥になるリスクもないわけじゃないが、サドンデスは耐久お化けだ。中身も余程の攻撃を受けない限り、骨折以上のダメージを受けることはないから考慮しなくていい。というか、それほどの実力を持つ相手が出たらトゥワイスを下げさせて俺が出る。

 

 

「トゥワイスはこういうところで抜けていますね」

「このために組織を作る際には絶対に仲間にすると決めてたほどだぞ」

「え、そうなのか?」

 

 

トゥワイスが驚いた顔で聞いてきた。そう言えば言ってなかったっけ?

 

 

「この組織のメンバーを集めるとき、絶対に仲間にすると決めていた人物が2人。1人がナガン。そしてもう1人がトゥワイスだ」

 

 

ほかメンバーに関しては情報がなかったということもあるが、最低限必要な能力を持つメンバーとして、"戦闘員"、"狙撃手"、"諜報員"は必要だと考えていた。戦闘員は【2倍】で自らを増やせるトゥワイス。狙撃手は【ライフル】で高精度な狙撃を行えるナガン。諜報員に関してはネット上で情報収集を行えるラブラバーが有力候補だったが、学生だったこともあり断念した経緯がある。なお、ほか候補にスケプティックもいたが、そっちは性格に難があるために辞めた。

 

 

「狙撃手なら他にもいそうだが」

「ナガンほどとなると話は別だ。それに公安の会長の件もあって、仲間にできる勝算が高かった」

「そう言えば、私に関しては思い付きのAS計画のために白羽の矢が立ったんでしたね」

「思い付きって、確かにメイカーを仲間にした理由はASで偶然もあったことは否定しない。だが、今考えれば運が絡んでいたとはいえ、仲間に出来たことは幸運以外の何物でもなかったと断言できる」

 

 

最近では実働部隊のASをロールアウトして余裕ができたからか、ASのバージョンアップ、警察組織への横流し用の廉価版ASの開発のほか、サポートアイテムを始め様々なものを開発して組織に貢献している。

 

 

「意外とサポートアイテム作成も悪くないです」

「それもいいが、大学のほうは大丈夫なんだろうな?本体も開発に携われるようかなり優遇しているが・・・まさか卒業できない。なんて言わないよな?」

 

 

そう言うと、メイカーは目を逸らした。お~い、創生としてちゃんと大学に通ってるんだよな。こっち見ろ。

 

 

「こんなんじゃ、就職もロクに出来んぞ」

「それは大丈夫です。会社を立ち上げるので」

 

 

いやそんな金ないからうちに来たんだろ。

 

 

「それなんですがレイヴン。彼女に資金を提供したいと考えています」

「え、それマジで言ってんの?」

「はい、表で彼女にはサポートアイテムの開発者になってもらい、実績ができたら横流し用の廉価版ASの開発者になってもらいます。そうすることでブランチの影響力を強めてもらおうと」

「いや・・・色々言いたいことはあるが、俺らとのつながりが露見するともう表側に戻れない。却下だ」

 

 

俺が大学に行かせたのは万が一足抜けした後に生活に困らないようにするためであって、こんなことをさせるためではない。会社立ち上げは百歩譲っていいとしても、ブランチとの接点は極力切るべきだ。

 

 

「だいたい、それはエアもわかっているだろ。なんでそんな提案したんだ?」

「いえ、提案したのは私です」

 

 

メイカーが提案したのか?

 

 

「廉価版ASを流すなら裏からではなく表からですし、信用できる人物が重要な立ち位置にいた方がコントロールもしやすいでしょう」

「いや・・・だが」

「私もブランチの一員です。私の作ったASを使ってメンバーがヴィランを退治・・・いえ、殺害している以上、私も当事者です。そこから逃げるつもりはありません。組織の役に立つならこの程度のことはします」

「いや・・・でもな」

「組織に加入した当初は、覚悟があったかと言われると全然ありませんでした。ですが、皆さんの活動を映像越しとはいえ見ていましたから・・・嫌でも覚悟が足りない、組織に居続けるなら覚悟をする必要があると理解させられました」

 

 

社会的に見れば非合法な活動を続けるヴィラン組織と変わりない。そう言った意味でも色んな覚悟は必要だ・・・とはいえ

 

 

「創生、お前はうちに入ったことを後悔しているか?もししているなら」

「あ、組織を抜ける気はありません。それに入ったことも後悔してません。レイヴンの個性因子の件もそうですが、ここ以上に私の力を発揮できる場所があるとも思えないです。レイヴンは積極的に支援してくれるし、開発も手伝ってくれるから・・・気の合う人と一緒に開発するの、意外と楽しいんですよ。それに、つながりが露見して表社会にいられなくなることも覚悟しています」

「・・・なら、この件は保留だ。具体的な案をエアとまとめてから俺に提案してくれ。他にも色々な計画を立案しているからそれらも踏まえたうえで判断する」

 

 

考えたうえで、不採用にすれば問題ないだろう。

 

 

「それで話を戻すが、人身売買と薬物売買を止めるための人手は足りている。あとはどのように撲滅していくか」

「国を乗っ取るのはどうですか?」

 

 

エアさん、いきなりどうした?!!てか、それ一番やっちゃいけないだろ。何をどう考えたらそうなるんだ?

 

 

「エア、さすがにそれは結論を急ぎ過ぎですよ」

「そうですね。順を追って説明しましょう」

 

 

イヴは内容を事前に聞いていたためか驚きはない。それ以外のメンバーは・・・仰天してるな。

 

 

「まず、名声を集めるためにも密売所や密売組織を襲撃しましょう」

「それは良いんだが、それが何故国を乗っ取ることに繋がるんだ?」

「・・・私、話が見えてきたかも」

 

 

え、今のでわかったのかナガン。俺全然わからないんだが?

 

 

「世界には表立って語られていませんが、ヴィラン組織に裏から支配された国があります」

 

 

国家基盤が弱く、超常黎明期には過去の問題や民族問題も相まって紛争が至る所で発生した。紛争は昔よりは少なくなったが、まだ消えておらず、そのせいでヴィラン組織が暗躍していると聞く。だが、まさか裏から支配された国があるとは思わな・・・いや

 

 

「メキシコか?」

 

 

前世でもマフィアに支配された国だった。こっちでも普通にヴィランに支配されている可能性は高い。

 

 

「メキシコもそうなのですが、アメリカに近すぎます。私が考えているのはアフリカの国です」

「それらの国の裏にいるヴィラン組織は人身売買と薬物販売の大本となっています」

「それらの大本を絶つためにも裏で支配しているヴィラン組織を排除し、国を乗っ取っる・・・か。武力だけなら・・・まぁいける。大義名分も作ればいい。だが、その後の統治はどうする気だ?その後も酷い状態だと俺らの名声が地に落ちるし、復興前提で考えると食料・物資、その他諸々色んなものが足りん」

 

 

普通に考えれば絶対に却下する案だが、逆に成功させることができれば・・・これほど名声を集めることができる手段もそうそうないな。ただ、難易度がメチャクチャ高い。

 

 

「そこは潤沢な資金や裏工作で対応します。ブランチの資金だけでは少し不安がありますが、フロント企業も活用すれば対処可能です。また、国を掌握できれば製薬工場も作ることができます」

「製薬工場・・・今秘密裏に進めている"あの計画"か。そこは誘致でも良さそうだな。ヤバそうな製薬会社を誘致して、工場を建てさせた後にヤバいこと始めたらそれを口実に乗っ取ればいい」

 

 

探せば普通に見つかるだろう。元がヴィランに裏から支配されていた国ならなおさら。

 

 

「なんだ、俺らに秘密にしてることがあるのか?」

「ああ、ある薬をイヴと作ってるんだがまだ試作の段階でな。完成してから周知するつもりだったんだ」

「私とレイヴンで"個性抑制剤"を作っているわ」

「そんなものを作っていたのか」

 

 

個性抑制剤。

文字通り【個性】を抑制する薬だ。ただ、薬を投与後すぐに効果が発揮するタイプではなく、継続的に投与することで段々と【個性】が抑圧され、1~2週間後に【個性】が抑圧されるタイプだ。効果は1ヶ月ほど続くが、継続的に投与することで効果期間を更に延長できる。

 

 

効果が表れるまでに時間がかかるほか、個性因子を意図的に通常以上に活性化させると【個性】が問題なく使用できるため、犯罪に使われるリスクはかなり低い。

 

 

それだけ聞くと"何のための薬か?"と思われるが、この薬のターゲットとなるのは常時発動型の異形型。異形型は常時個性因子が継続的に活性化し、姿が変わるため迫害の対象となることがある。

 

 

個性抑制剤は【個性】を意図的に使用しようとしない限り、人としての姿での生活が可能になる。つまり、迫害される可能性を大幅に減らすことができる。

 

 

実際、異形型の【個性】を活性化させた複製体の1人に試作の薬を投与してみたところ、1週間ほどで効果が表れ人間の姿になった。また、変調をきたすこともなかったことから効果だけ見れば完成といっていいのだが

 

 

「ただ、この薬真っ当な製薬会社じゃ作れない」

「何が問題なんだ?」

「問題点は3つ。1つ目がコスト。製造するための設備が結構かかる」

 

 

特殊な設備が必要になるため初期投資がかなり必要になる。ただ、これに関してはどうとでもなりそうではある。

 

 

「2つ目が"【個性】を抑圧する"という点。超人社会において【個性】そのものを否定しかねないこの薬を社会は許容できないだろう。だから受け入れられない可能性が高い」

「たとえ、異形型の苦しみを無視してでもな」

 

 

今までも無視してきた以上、ほぼ確実に無視されるし、それが原因で原作以上に対立が深刻化しかねない。

 

 

「そして3つ目が・・・材料に俺の血液が使われていることだ」

「メイカーの空想科学と同じパターンだね。遺伝子情報から身元がバレるか」

「いや、それは問題ない。元々、メイカーが俺の血を使って作ったものに関しては、【遺伝子操作】などで何重にも偽装を行っている。だからバレる可能性はほぼない。生産量に関しても【2倍】でなんとかなるから問題はない。ただ、俺がいなくなると生産が不可能になる」

「なので、レイヴンの血が無くても生産できるようにしなければいけません」

 

 

生産できるようになるかは・・・ぶっちゃけわからん。例えできるようになったとしてもコスト面がどうなるか不明。それに、現時点で個人に依存する薬とかとてもじゃないがまともな製薬会社では作れない。

 

 

「どうすんだ。それ使えねぇじゃないか!!」

「表ではな。だから裏から広める。問題は生産ラインを整えることができない点だが」

「国家を乗っ取れば解決です。元はヴィランに裏から支配されていた国家。国民の満足度を高め、報酬アリの献血で国民から血液を集めさせておけばカモフラージュもできます」

 

 

随分腹黒いがまあその通りだ。実際問題、国民は自身の生活が良くなるのなら多少のことは目を瞑るだろう。元が酷ければ酷いほど、報酬が旨ければ旨いほど口をつぐむはずだ。

 

 

「話をまとめると、薬物密売を撲滅するために最初は密売所、密売組織を排除。ある程度の名声が集まったら大本となる組織を打倒。そして国を乗っ取る。並行して人身売買も排除しておきたいな」

「ちなみに期間はどれぐらいを考えているんだい?」

「最短で半年、最長で3年ですね」

「名声集めとと国や組織の情報収集で最低半年。準備に最大3年ってところか」

 

 

個性抑制剤のほうもまだ臨床は必要だし、販路も作っておきたい。それにほかにも計画を進めたいから調整も必要。そう考えると、丁度いい準備期間だな。

 

 

 

 

・・・・・・

 

 

【Side:レディ・ナガン】

 

「なあ、あいつ。メイカーの提案を受け入れると思うか?」

「受け入れないでしょうね。既にイヴが似たような提案してますが、色々と理由をつけて保留にしてますし」

「足抜けを提案しようとしていたが・・・まさか」

「いえ、邪魔だということはないです。むしろ、いないと困る人材です」

 

 

だよな。最近はASの拡張機能の追加なども行っていて、結構忙しそうにしている。足抜けされたら絶対に組織が回らない。なのに、なんであんなことを言ったんだ?困るのはレイヴンだろうに。

 

 

「・・・少し前に、イヴにも足抜けを示唆するようなことを言ってました。本人は断ってましたが」

「何で今さらそんなことを?」

 

 

必要だから引き入れたんじゃないのか?

 

 

「それが・・・どうも彼女たちを引き入れたのは間違いなんじゃないか。今すぐにでも表社会に戻すべきなんじゃないかと考えているようでして」

「今更だろ」

 

 

騙して連れてきたわけじゃないんだし、何を言ってんだ。

 

 

「だいたい、それを言ったら私たちはどうなんだ?まさか表社会に復帰できるメンバー限定ってか?」

「いえ・・・それが、私たちもそうすべきなんじゃないかと考えているようでして」

「そこまでくると病気だねェ」

 

 

だいたい、私なんて公安に目をつけられるだけだし、もう表側に戻る気もない。あいつもそのことはわかっているはずなのに

 

 

「なんで今更そんなこと考えだしたんだ?まさかビビッてるわけじゃないだろ?」

「・・・少し前に【オール・フォー・ワン】について説明がありまして、その時に【オール・フォー・ワン】の影響でオール・フォー・ワンのようになる可能性があると言われまして」

「まさか本気にしたのか?あいつかなりオール・フォー・ワンのことを嫌ってるだろ」

 

 

何度かオール・フォー・ワンについて聞いたことがある。能力は認めているが、能力をロクに使えてないと鼻で笑ってた。それこそ反面教師にしていると言ってたほどだ。

 

 

「【オール・フォー・ワン】を持っている以上、可能性はゼロにならないと」

「まったく、いつもは頼りになる男なんだけどね。意外と不甲斐ない部分もあったんのか・・・このままじゃ、組織が空中分解するんじゃねェか?」

「もしくは、私たちを全員足抜けさせて自分一人だけですべてを行う」

「狂気の沙汰だね。でもある意味、レイヴン・・・いや、陰奪 全部ならやりかねないね」

 

 

実際、義理の妹を助けるためにヴィランもろとも虐待していた父親を殺し、ムチャクチャな交渉で養子にさせた。組織始動前にも裏の活動で何度か似たようなことをしている。助けると決めたらあらゆる手段で助けようとする狂気を兼ね備えているのは間違いない。

 

 

「陰奪 全部として表でいつも一緒にいるあの子たちの好意に応えようとしないのは、自分の狂気に巻き込んで不幸にしてしまうと思っているからかもしれないね」

「レイヴンは自身の幸せのために行動しています。ですが」

「このままじゃ、確実に幸せになれないね」

 

 

ほんと、このままじゃ精神が疲弊してボロボロになるよ。あんた、それでもいいのか?

 

 

「私は・・・彼に幸せになって欲しいと思っています」

「それは私もだよ。なんだかんだ、助けられてこの組織に入れてもらえたことに感謝してるからね」

「・・・どうすればいいんでしょうか?」

「そうだね・・・まずは情報集めだね。今の話は推測も混じってるし、情報を集めないことには始まらない」

「そうですね。早速行動に移しましょう」

 

 

この件はメンバー全員の協力が必要だね。まったく、うちのボスは手がかかる困った奴だよ。

 




最後までお読みいただき、ありがとうございました。


オリ主の様子がおかしくなってますが、これは前々からです。時期的にはep20からですね。


今になって問題が表面化したのは、今まではオール・フォー・ワンの影響力を排除するために奔走していたため、あまり考える余裕がなかったからです。オール・フォー・ワンの影響を削ぐことに成功し、考える余裕が出てきてしまい、問題が表面化しました。


オリ主はまだ子供ですが、レイヴンとしての経験があるためぶっちゃけ、そこらの大人よりも色んな意味で経験豊富です。ですが、人生において重要な幼少期から青年期の人生経験が不足しているため、ところどころ穴抜けのようになっており、それも問題を加速させた要因の1つとなっています。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。