俺の発現した個性が【オール・フォー・ワン】だったって、マジ?!!   作:AC6はいいぞ!!

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ep27:宝クジと表社会への進出

 

「なあエア、俺が使える金を増やす方法ないか?」

「レイヴン、資金ならあるじゃないですか」

 

 

確かに、組織で使えるお金はエアが運用してくれているおかげで今も増え続けている。なんだが

 

 

「レイヴンとしてではなく、陰奪 全部として使える金だ。表で使えるお金」

 

 

今まではオール・フォー・ワンにバレないよう、雄英入学まで大人しくするつもりだった。だが、オールマイトにやられてオール・フォー・ワンが日本から逃げたので、行動を起こしても問題ないと判断し、まず初めに資金を集めようと考えた。今後、ヒーローとして活躍するためにも金があるにこしたことはないのも理由だ。

 

 

「そうですね・・・色々と方法がありますが、要望はありますか?」

「まず組織とのかかわりがバレないのはもちろん、両親を含めた周りの人間に疑われないこと。疑われるぐらいなら諦める」

 

 

投資に関してはフロント企業を中心に行うつもりだが、手に入れる手段に関しては極力ブランチとのつながりを消したい。

 

 

「小学生の陰奪 全部がお金を手に入れる手段は限られています。そうなると・・・いい案があります」

 

 

おお、あるのか。さすがのエアでも無理だろうな、って思ってたんだが・・・

 

 

「どんな方法?」

「まず、レイヴンには・・・」

 

 

 

 

・・・・・・

 

 

 

 

「・・・本当に、こんな方法でいけるのか?」

 

 

俺が今、何をしているのかと言うと・・・

 

 

宝くじを買っている。

 

 

俺自身、神というものは・・・転生させた神のような何かの存在は信じているが、それ以外は信じていない。エアも考え無しで宝くじを普通に買えばいい。と言っていないとは思うが、それでも不安だ。

 

 

お金は小遣いから賄っている。宝くじは間隔を開けて数回購入してくれと言われているため、期間を開けて1枚ずつ購入している。そのため、ギリギリ小遣いで賄えている。

 

 

とりあえず、これで6回目の購入。最初に宝くじを買ったときは、周りからどうしたのかと尋ねられたものだ。両親はギャンブルにハマるのではないかと心配していた。もっとも、周りには「大金を持った時、自分はどう行動したいか考える予行演習をするため」とか「10回やって、ダメなら諦める」と言って、両親を安心させつつ、ちゃんと考え合っての行動だと誤魔化していた。

 

 

実際、大金を持った時にどう考えるのかを考える際、こういった"当たるかもしれない"という可能性がある宝くじがあった方が、意外と考えられるものだ。

 

 

「ゼンちゃんは宝くじが当たったら何に使うの?寄付?」

「寄付も悪くないが、まずは資金運用からだな。社会に還元したいなら資金運用して、お金を増やしつつ社会、そして最終的に自分のためになるようにする。そうしないと自分だけが損をするし、長続きしない」

「具体的には"将来伸びそうなサポートアイテムの制作会社に投資をする"とか、"貧困家庭へ支援を行っている団体への寄付"とかかな。寄付のほうはただ損をしているだけに見えるが"ヒーローとしての慈善活動のアピール"。言ってしまえば寄付を行うことが自分の実績ともなる。ただ、投資にしろ寄付にしろ、やるなら下調べは必要になるな」

 

 

エアが運用している会社とか。まあ、間違いなく伸びるだろう。問題があるとすれば、投資する資金がないことだが・・・

 

 

『安心してくださいレイヴン、今回は大当たりします』

『何を根拠に行ってるんだ?まさか裏工作とかしてないよな』

 

 

いくらなんでもそれはマズイだろ。

 

 

『いえ、そんなことはしてません。する必要がないんです。今回、レイヴンには"数字選択式宝くじ"の宝くじを買ってもらいました。』

 

 

購入者が申し込む数字を自由に選択できる形式の宝くじ。今までは選ぶ数字に指定はなかったが

 

 

『今回は数字の指定があったな。何でだ?』

『それは当選する宝くじにするためです』

『・・・なに?』

 

 

どういうことだ?さすがに抽選するまでどの数字が当たりなのかはわからないのに・・・まさか

 

 

『抽選で不正しているのか?』

『はい。特定の人物が高配当に当たることで高配当の当選がないことによる疑惑を失くし、同時に当選金の回収を行っています。自作自演ですね』

『・・・現物のボールを回して抽選しているが』

『あれは関係ありません。【個性】で入れ替えしているため数字は運営側で決められます』

 

 

まさかのイカサマ。そして質が悪いことに、当たりが出にくいだけで出ないわけじゃないからボールの入れ替えだけのこの不正に気付きにくい。

 

 

『まさか細工がされてるとは・・・今回もそうなのか?』

『はい。とある人物に高配当が当たるように仕組まれているので、出てくる数字は確定です。それでは確認してみましょうか』

 

 

そう言って、ネットの抽選動画を確認すると・・・マジで当たりやがった。

 

 

『おめでとうございます、レイヴン。4億円の獲得です』

『・・・ハハハ、ありがとうエア。でも素直に喜べない』

 

 

周りで葉隠と薫がメチャクチャ喜んでいるが、裏を暴露された後の当選を素直に喜べるほど、俺はメンタルが強くなかった・・・

 

 

 

 

・・・・・

 

 

 

 

「この会社ですか?」

「ああ、ベンチャーのサポートアイテム製作会社で立ち上げたばかりのため情報も少ない。だが、とある情報から今後の成長が見込める会社だとわかった。今投資する価値がある」

 

 

俺は今、薫と一緒に当たった宝くじの投資先を調べている。父さんにも協力を依頼して今後のことも考えヒーローとして活動していくための下地、人脈づくりも兼ねて成長しそうな会社に投資を行おうとしている。

 

 

「連絡を取ったら向こうから社内見学に来ないかと誘われた。上手くいけば数千万規模の投資が望める。向こうも必死だ」

「場所は・・・意外と近いですね」

「ああ、電車を使えば俺らだけでもいけるが・・・流石に母さんが許さないだろうから休日に父さんと一緒に行こう」

 

 

既定路線だが、これで投資を行う流れはできた。

 

 

投資をしようとしているサポートアイテム製作会社の名前は"NEXT"。次世代のサポートアイテムを作成するために作られた会社だ。そして

 

 

 

 

・・・・・・

 

 

 

 

「ようこそ、お待ちしていました」

「初めまして、陰奪 全部です」

「陰奪 薫です」

「私はこの会社の社長兼開発者の創生 名花です。よろしくお願いします」

 

 

創生がブランチの資金で作った会社だ。しかも、大学を中退して・・・この件に関してはものすごく反対だったのだが、すでに創生が大学を中退していたことや組織とのつながりを絶対に隠ぺいするとエアに押し切られ、仕方がなく許可を出した。ただ、勝手に大学を中退したことに関しては・・・さすがに罰を出した。

 

 

自由に使える開発費を半年間削減。厳しいように見えるが、実際はそうでもない。かなりの額の開発費を出しているし、今進めている研究で足りなくなれば追加で予算を出すことになっていたりと、処罰が少し緩かったりする。

 

 

『緩いどころか甘すぎます。レイヴンは身内に対して甘すぎます』

 

 

・・・まあ、それは否定しない。

 

 

「我が社では様々なサポートアイテム、それも次世代で使用されるアイテムの作成に取り組んでいます」

「次世代と言われると心躍りますが、そのようなものがそう簡単にできるのですか?」

「難しいですね。もっとも、革新的なアイデアによって新たな革命を起こしたサポートアイテムも少なくはありません。こちらを」

 

 

そう言うと、創生は俺たちに警棒のようなアイテムを渡してきた。

 

 

「これは?」

「電気を流すことで強度を上げる特殊な金属でできた警棒です。内蔵されたバッテリーを稼働させると固くなります」

「へえ~・・・いや、これ使えるのか?」

「お兄様、今試してみたのですが強度が上がると同時に重くなっています。スーツにも使えるかと思ったのですが難しそうです。武器としても重量のせいで扱いにくそうです」

「これ・・・下手をすると誤ってヴィランを殴り殺す恐れもあるな」

 

 

汎用性に優れているかと思ったが、実態は用途がかなり限定される欠陥アイテムだった。

 

 

「確かにその懸念はあります。それと、強度自体は少ない電力で上げることができるのですが、欠点として質量が倍以上になります。今はこの欠点を補うために研究中です」

「質量が変わらなければ色んな用途に使えそうだな・・・他には?」

「それ以外だとこちらがありますね」

 

 

俺たちはその後も色々なアイテムを見せてもらった。まだ実用段階には至っていないが、どれも可能性がありそうなものばかりだ。見覚えのあるアイテムもあれば、見覚えのないアイテムもチラホラある。

 

 

『エア、念のために聞くが解決法は見出しているんだよな』

『はい、他社員の作ったアイテムも含め、既に解決法は見つけています』

 

 

確か、大学の先輩とかも誘って立ち上げた会社なんだっけ?話を聞く限りでは変人も多く、そのせいで会社ともめて辞めた人もいるとか。

 

 

『見覚えのないアイテムもあるが、ほかの社員が作ったものか?』

『はい。大部分が元の会社で産廃扱いされていたアイテムですね』

 

 

産廃か・・・気持ちはわかる。実際に実用化できるか怪しいものばかりだし・・・でも

 

 

『実用化可能なんだよな?』

『ええ、実用化可能です。私の援助があれば問題ありません』

 

 

なら、問題ない。

 

 

「それで援助の件ですが」

「あ、援助します」

「お兄様、いくらなんでも軽率では」

「条件がある。それを呑んでくれるのなら」

「何でしょうか?」

 

 

俺は投資する代わりとして、いくつかの条件を提示した。細かい内容もあるが、簡単にまとめると

 

1.俺や俺の指定する人物をサポートアイテムのテスターにすること

2.【個性】の練習ができる施設を使わせてくれること

3.一定額のストックオプション(株をあらかじめ定められた価格で取得できる権利)をくれること

4.俺たちがヒーロー科に進学するとき、サポートアイテムを優先的に作成すること

 

 

まず1つ目に関しては、いろんなアイテムを今のうちから触れていればアイテムを使う練習になるし、今後どのようなアイテムが必要なアイテムもわかる。これはNEXT側との協議したうえでテスターを承認するという条件で承認された。

 

 

2つ目に関しては、会社内に該当する施設にヒーロー免許と教員免許を持っている人物がいたためすんなりと承諾された。意外と厳しい条件だと思われたが、一番簡単な条件だったことに驚いた。個性習熟道でも練習はできるが、さすがに建物内で派手な戦闘はできないため、そういった大技を練習する場所が欲しかったのでありがたい。平日は道場、休日はここに来て練習しよう。

 

 

3つ目に関しては、普通に承諾された。まあ、出来たばかりの会社だし、その程度で数千万円の融資をしてくれるなら儲けもんだろう。株価高騰が確定しているからこっちも儲けもんだけど。

 

 

4つ目に関しては、普通に承諾された。これも3つもと同じ理由だ。

 

 

と、理由を挙げたがあくまでもこれらは表向き。相手が創生である以上、断られることはない。完全な出来レース。

 

 

これで金銭問題の解決および今後使用するサポートアイテムの入手先を確保できた。新たな練習場所も手に入れたし安泰だな。あと、2割程度を貯蓄に回して半分程度はエアの運営している関連会社、残りはそれ以外の良さそうな会社に投資するか。

 

 

これで今後表側で活動する際の資金が増えるな。と、この時は軽い気持ちで考えていたのだが、創生はメイカーとして数々のやらかしをしてきた。そのことが頭から抜けていた俺は数年後、頭を抱えることになるとは、この時は思ってもみなかった。

 




最後までお読みいただき、ありがとうございました。


宝くじの不正疑惑は昔から存在し、今回はそれを題材にしてストーリーを描いてみました。
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