俺の発現した個性が【オール・フォー・ワン】だったって、マジ?!! 作:AC6はいいぞ!!
2024/07/12 更新
1話内に色々と話を詰め込みすぎたのでタイトルも含め大幅に修正しました。
「彼女たちを俺の恋人にする」
そう言うと、父さんが唖然とした顔でこっちを見た。
「この子たちのことを好いているのは知っていたが」
「父さんは複数の女性と関係を持つのはどうかと思っているようだけど、考えを変えるつもりはない。どちらも選ぶか、どちらも選ばないかだ」
「いや・・・だが」
「その前に父さんたちに伝えておきたいことがある。俺は"転生者"だ。5歳の時から前世の知識・経験を持っている」
「「「?!!」」」
父さんたちはだいぶ驚き、困惑している。だが同時に腑に落ちたという感じでもあった。
「・・・」
「化け物と呼びたいならそうすればいい。だが、前世があろうと俺は俺だ。そして、俺は2人と共に生きる」
「化け物などと呼ぶ気はない・・・だが、まいったな」
困惑した様子でこっちを見た。色々と状況が追い付いていないようだが俺のことを人として見ていることが分かった。最悪、人と見られないことを覚悟していただけに、本当にありがたかった。
「知識・経験を持っていると言ってたが、記憶は?」
「持ってない」
「大人びていたのにどこか子供っぽいところがあったのはそれが原因か」
子供っぽかったか?
「いくつか質問する。構わないか?」
「答えられる範囲でなら」
「なぜ今になってこのことを話した?」
「父さんたちは俺について結構疑念を持っていたから、今後のことも考えると話しておくべきだと思った」
「他にも秘密があるのか?」
「ある。だけど生涯誰にも話す気はない」
「薫を助けたのは何故だ?」
「助けたいと思ったから。打算的な理由もあったかもしれないが、あの時は今以上に精神的に未熟だったから、純粋にそう思ったのが理由の大部分を占めていたと思う」
「あの事件で薫の父親が失踪したが、何か知っているか?」
「知らない。ヴィランにでも殺されたんじゃない?」
「そうか・・・なら、最後の質問だ。私たちのことをどう思っている?」
「最高の両親。異端な俺を信じ、息子として大事にしてくれたかけがえのない存在。これからもそうであってほしいと願っている」
薫の父親の件に関しては嘘をついたが、それ以外に関しては正直に答えた。あとは・・・両親次第だ。
「あなた、全部は全部よ。信じましょう」
「ああ・・・だが心の整理が追い付かなくてな」
「なら、こう考えましょう。全部は前世の知識・経験を引き継ぐことができる【個性】持ちだって」
母さんメンタル強いな。まさかここまでアッサリ俺のことを受け入れるとは・・・いや、この母、何かと一度決めたらテコとして変えない傾向にある。俺のことを信じると決めた以上、信じることにしたんだろう。
「ふう・・・前世の件はこれで終いだ。だが、恋人の件は」
「あら、いいじゃない」
・・・母さん?
「いや、だが」
「別に法律に違反しているわけじゃないし、今どき愛人なんて珍しいことでもないでしょ。私はいいと思うわ、結婚しなくても人生を共に歩むことはできるから」
母さん、それマジで言ってんの?父さんも唖然とした表情で母さんを見ている。薫の養子を頼んだ時もそうだったが、こういうところでぶっ飛んだこというな。俺、もしかしたらそういった部分は母親似かも。
「それともあなた、何かいい解決法があるのかしら?もちろん、みんなが幸せになる方法よ」
「・・・」
まあ、あったら苦労しないよな。
「・・・少なくとも大人になるまでは節度を持つこと。これだけは約束してくれ」
「善処します」
まあ、できる限りは守るようにするよ。
「さて、話は済んだことだし本題」
「え、まだなんかあるの?」
「渡我の件だよ。それが本題だろ」
「忘れてた」
まあ、さっきまでの話がインパクトが強かったし、忘れるのも無理はないか。
「渡我の件に関して、実はこんな方法があって」
そう言って、父さんたちに説明した。
「全部、それ本気で言ってるのか?」
「本気も本気。結構かかりそうだけど」
「あら、いいじゃない」
「まあ、さっきの話よりはマシでしょ」
「・・・どこで教育を間違えたんだ」
教育しても無駄だったと思うよ。ただ、父さんが反対しない以上、割と勝算はあるみたいだな。とはいえ、かなりぶっ飛んでいるのも確かだ。
・・・・・・
交渉の結果は・・・大成功。
いや~、まさか"渡我との婚姻"を行う羽目になるとは・・・破棄前提だが。
俺がやった作戦の内容はこうだ。
まず渡我の家に行き、渡我の両親と話をした。案の定、両親は周りの目が気になるらしく、渡我のことを面倒に感じていたらしい。前者はともかく後者に関しては予想外だったが、そのおかげもあって勝算はかなり上がったと思う。なぜなら、俺渡我との婚姻を提案したからだ。
婚姻後はうちで生活し、学費などもすべてこちら持ち。要するに札束ビンタ、金ががあるので札束でぶん殴ってやったのだ。渡我の両親としても金で娘を売るようなことに躊躇したが、こちらが娘を欲しがりなおかつ大切に扱うと言ったこと。細かな条件も調整すること前提だが周りの目を気にせず厄介払いできるため最終的に合意に至った。
「数千万使うことになるが、まあ問題ない。婚約破棄は高校卒業までに行うと違約金が発生するが、高校卒業後にやれば問題ない」
「ええっ?!!婚約破棄するんですか!!結婚しましょうよ」
「ダメだ。薫と透がいるのにできるか。というか、結婚に前向きだな。好きでもない相手との結婚だぞ?」
「私、ゼン君のこと好きですよ。言ってませんでしたか?」
「・・・」
聞いてない。今回の件だって、ヴィラン化を防ぐと同時に破棄後に俺らのサイドキックとして活躍してもらおうという算段だった。なのに、嫁になることに前向きだったとは。
「俺、結婚する気はない」
「なら恋人にしてください」
「・・・俺、もしかして女難の傾向にある?」
「みんなを誑かしておいて何を言ってんの?」
「いやいや、そんなことしてないよ」
「無自覚ですか・・・タチが悪いですね」
薫に透までそんなことを・・・俺、別に女性を誑かしてないと思うんだけどな・・・
・・・・・・
「そうか、思ったよりも早く吹っ切れたんだね」
「良かったです。色々と手段を用意しようとしてたのですが、早々に解決して助かりました」
「心配をかけた」
ブランチのほうで今、メンバーに対して謝罪している。
だいぶ迷惑をかけたが、むしろ吹っ切れたことに喜んでいた。あと、恋人の件では男性陣が驚き、女性陣は何とも言えない顔をしていた。俺、ナガンに後ろから撃たれないよな?
「撃たねえよ。シーカーと違ってちゃんと責任は取るんだろ。ならいい」
「うちのボスもやるねぇ」
「シーカーもちゃんと責任取るようにすれば」
「断る。私は今のままでいい」
そんなんだから、ナガンに嫌われるんだよ。
「私も恋人に立候補していいですか?」
「ダメだ。メイカーの場合は個性因子が目的だろ」
「あら、私はアリだと思ったんですが?」
「イヴもか。血液なら渡すから別にそれでいいだろ。むやみやたらに自分を使うんじゃない。もっと自分を大事にしろ」
まったく、悪ふざけにも程があるぞ。
・・・・・・
「と、いうことで被身子も参加することになった。近日中にうちに引っ越してくるから平日も俺らと訓練をすることになる」
「全部君、君本当すごいことしてるね」
週末、訓練に来た緑谷に驚かれた。一連の騒動を話したのだが、まるで人ではない何かを見るような目でこっちを見てきた。それは傷つくぞ。
「まあ、被身子に関してはいったん保留にしたが・・・色々あって受け入れた。ぶっちゃけた話、彼女のこと好いているからな」
ここ数年、主にチャットでだったが頻繁にやり取りしていたし、時折会ってもいた。そのおかげもあって結構良好な関係を築いていたし、薫と透も賛成している。断る理由がなかった。
「まあ、普通じゃないがやろうと思えば誰にでもできる。出久もやればいい」
「できるわけないでしょ!!」
ヘタレめ。そんなんじゃ麗日とくっつくことができんぞ。
「女性と関係を作るのも大切だが、その後のことも考えると金と立場は必要。あと、円滑な関係を作りたければコミュニケーションはもちろんのこと、力関係を均等にすることも重要だ。どちらか一方に力が集中しすぎれば、もう片方は搾取されるだけの存在になる」
今回の件で俺たちはあるルールを取り決めた。端的に言えば"俺の言うことは聞け"というもので家父長制だ。ハッキリ言って、時代錯誤も甚だしいが、リーダーとなる人物の力が弱いと何かあったときに統率が取れなくなる。今後の騒動のことも考えるとそれは非常にマズい。
ただ、俺の力が絶対的な特権を持てば彼女たちは搾取される存在となってしまう。それは俺も望むことではない。だから、彼女たちに反撃の手段を与えることにした、それが
「全財産を・・・渡す?」
「あの手この手で将来的に俺の財産は3等分して彼女たちにこれから渡すつもりだ」
「何のために?!!」
「そりゃあ、俺が嫌になったら逃げるためだ。俺といるときは彼女たちに分散した資産は実質俺のもんだが、俺から離れれば彼女たちのものになる。それに、彼女たちが一斉に離反すれば立場は完全に逆転する」
俺は絶対的な特権を手にしているが、あくまでも彼女たちがそれを認めた場合に効力を発揮するもので、不服がある場合は資産を持って逃走、あるいは団結して反抗することができる。
それにこれは万が一の時の保険でもある。俺がレイヴンだとバレた時、彼女たちが俺から離れるための、俺がいなくとも生活に不自由をしないための。
「なんか・・・色々と凄いね」
「やるのなら徹底的に。だいたい、これぐらいしても周りが納得しないことだってあるぞ。事実、透の両親を説得するのに苦労した。土下座戦法に始まり資産を分与することや絶対に幸せにすることも言った・・・それでも納得せず、しまいには透が絶縁まで言い出した時には大慌てだった」
「それは・・・僕にそんな真似できないよ」
「それと、このことはあまり言いふらすなよ。聞かれたとしてもはぐらかせ」
「うん・・・わかった」
すべて隠ぺいするのは無理だが、派手に拡散されるのも困る。幸いなことに俺は学校で彼女たちといることも多い。誤魔化しは効くだろう。
「被身子は身体づくりと【個性】の練習。俺の血を使ってやらせる」
「血液を・・・大丈夫なの?」
「造血機能を強化すれば割と量を出すことができる」
その分エネルギーを使うが・・・それと俺の【オール・フォー・ワン】がバレることか。一応、いくつかの【個性】を組み合わせることで偽装はしている。そのため、もし"好きな人の【個性】を使える"ようになっても使える【個性】は【強化】だ。それに【個性】の進化自体はまだ先の話で
「ゼン君、なんか私から出ました。変なのが出てます」
「ええっ?!!ゼンちゃんのオーラ、何で?!!」
前言撤回、なんでもう使えるの?!!
原作では異能解放軍との戦闘を経てようやく使えるようになってたよね?!!
『エア、状況は把握してるな。どうなってんだ?』
『・・・あくまでも仮説ですが、原作とは違い、彼女は【変身】の訓練をしています』
『いや、だがそれだけで【個性】の進化には至らんだろ』
『忘れましたか?【個性】は肉体もそうですが、それ以上に精神による影響を大いに受けます。レイヴンへの好意が更に強くなり精神に、【個性】に影響したとすれば』
『半ばこじつけ気味だな』
『【個性】とはそう言うものでしょ』
あの後、色々と調べた結果、どうやら被身子の他者の【個性】を使用できる能力は俺限定で発動できるらしい。ただ、デメリットがないわけじゃない。身体への負担が大きく、持続時間もかなり短い。原作ではもっと先で取得していた能力であることも含め、ある意味当然と言える。
『不完全な覚醒ってところか』
『ですが、きっかけは掴みました。ここから大きく飛躍するでしょう』
『まったく、ここまで大きく化けるとはな。今はまだ俺だけだが』
『いずれはほかの人の【個性】も使えるようになるでしょう』
不完全な覚醒か・・・エアの言う通り【個性】は精神状態に影響を受ける。そう考えると、人生の分岐点になる大きな出来事によって、精神に何らかの影響があった可能性は高い。
だが、【変身】の進化は原作では異能解放軍との戦闘、精神が極限の状態に追い込まれたことによる進化だったはずだ。今回の件で
「・・・」
わからないな。俺への好意のおかげで進化した可能性もないわけじゃない。今後はそのあたりも要確認だな。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
今回、ついにオリ主が転生者であることを明かしました。理由はこれ以上隠しても不審を招かれるだけで意味がないからです。あと、結構子供らしからぬ行動をしていたと自覚していたこともあって、このタイミングでカミングアウトしました。
オリ主の渡我への好意の有無ですが、薫と透ほどではないですがあります。親友以上、恋人未満ですね。渡我がオリ主を好きになった理由は単純に自分の理解者で自分を助けてくれた人だからです。