俺の発現した個性が【オール・フォー・ワン】だったって、マジ?!! 作:AC6はいいぞ!!
ブランチが本格的に活動を始めて半年がたった。いくつかの計画がすでに進行しており、日本を中心に世界各国で裏工作を進めている。
「影響力を強めることはできていますが、想定より進んでいません」
「まあ、ブランチやレイヴンの名前を全面的に押し出しているわけじゃないからな」
一般人はもちろんのこと、ヴィラン達ですら人身売買やトリガー関連でなければ知らない奴も普通にいる。
ただ、段々と俺の実績と共に噂も広まってきており、ヒーローよりも恐ろしい正体不明のヴィジランテとしての地位を着々築いている。
オール・フォー・ワンも使っていた手だが、やはり"正体不明の存在"というのは裏で暗躍する際に都合がいいことが多い。まあ、オール・フォー・ワンが意図してやっていたかは不明だが・・・そう言えば
「オール・フォー・ワンに動きはあったか?裏で手を回して妨害しているが」
「現在は思うように動けないでいます。現地の警察組織も頑張っているようで組織の拡大はできていません」
警察組織も頑張っているとは、裏から結構な額をポッケにナイナイさせた甲斐があったってもんだ。真っ当な警察官でないほど金で頑張ってくれる。
「日本にいる信者たちに接触したりは?特に青山の家族とか」
「ありません。さすがに接触によるリスクを考え、現時点での接触はないかと」
信者たちを洗い出した際に判明したことだが、青山は元【無個性】でオール・フォー・ワンから【ネビルレーザー】の【個性】を与えられていたことが判明した。原作でも疑われていただけに、やっぱりかと思った。ただ、青山一家は完全にオール・フォー・ワンに怯えており、恐怖による服従のため自分から何かするわけではないのが幸いだ。
裏で手を回したおかげでオール・フォー・ワンはロクに情報を集めることができないから情報を集めるために信者には接触すると思ったんだが・・・思ったより我慢強かったみたいだな。これは少し予想外だった。
ワンチャン、信者経由で偽の情報を流してハメられないかと思ったんだが、考えが甘かった。ただ、悪いことばかりではない。向こうからリスクを取って情報収集しないってことは、情報を集める手段がほぼないのと同義。大規模かつ不特定多数に情報を発信するテレビやラジオなどからしか情報を集めることができない。こちらの情報が漏れることもまずないということだ。
「それなら"自由の象徴計画"以外の計画もそのまま進めても問題ないな」
「その前に出動です、レイヴン」
「わかっていたこととはいえ、多いな」
「まだ始まったばかりですから」
「"
量子化してブレスレッドに格納していたASを展開し、起動させる。
元々は実装されていなかった機能だが、前世の知識からフワッとした情報を伝えただけで俺の個性因子を利用したなんちゃって空想科学でメイカー実現させた。この話を聞いたときに思わず頭を抱えてしまったが、ブレスレッドなどの小物にASを格納させることができるメリットは凄まじく、今では必須機能となっている。
『戦闘システム、起動』
・・・・・・
【Side:とあるヴィラン】
「クソ野郎が!!」
なんでこうなった!!
俺たちは今、港で仲間から受け取った商品を密輸船に乗せようとしていた。商品は"トリガー"という個性増強薬で裏ではかなり重宝されている代物だ。だからこそ、もうけも凄まじいことになるのだがここ半年、トリガーの密輸船や密売所が襲撃されることが増加した。
"レイヴン"
自由の象徴を名乗るクソ野郎が襲撃しているって話だ。たった1人で襲撃しているって時点で眉唾物だが、襲撃自体は嘘ではないため俺たちも高い金を払って護衛を雇うなどの対策をしていた。なのに
「おい、グレムリンはどこ行った。あいつには高い金を払ったんだぞ!!」
「グレムリンならもういねぇ!!あのクソガラスに殺されちまった!!」
ふざけんな!!高い金を払ったんだぞ!!
あの野郎、ヒーローかと思ったら重火器を装備して容赦なくこちらを撃ちやがる。しかも全部実弾。仲間も次々と死んでいき、もう残りもすくねぇ。
海に飛び込んだ奴も容赦なく消され、降参しようとしたやつも吹き飛ばされた。こうなれば
「くたばれクソ野郎!!」
俺は【巨大化】の【個性】を使い、屋内に入ってきたクソ野郎に襲い掛かった。飛行能力があろうが止まっていればこっちのもんだ!!そう思ったが、巨大な音と共に奴の姿が消え、いなくなったことに気づいて周りを見回した時には
「畜生」
奴はこちらの手の届かない上空に退避しており、結局俺はどうすることもできず、そのまま蹂躙され命を落とした。
・・・・・・
「結構潰しているんだが・・・全然密売は収まらないな」
「確かにまだ数は多いですが、これでもだいぶ減っています」
「そう感じないんだよな・・・人身売買のほうもそうだ。トゥワイス、ナガンも手伝ってくれてるんだが」
支援を行ってくれているトゥワイスとナガンにそう言って話を振ると、苦笑気味に頷いた。密売所を襲撃し、商品を焼き払ったりしているから減っているのだろうが、元々の数が多過ぎるせいで減っている気がしない。ちなみに、シーカーは拠点のあぶり出しを行っており、実働部隊には加わってない。
「まあ、これらの行動も最終的には大本を潰すため」
「でもさ、これもこれで結構大変だぜ」
それはわかっている。だがこれを怠ると国を乗っ取ったときに大義名分が無くなる。なくても支配はできるだろうが、大義無き支配なんて絶対にロクなことにならん。そういった意味でも実績作りは大事だ。
「それにしても大変だね。レイヴンって存在も」
「これでも【平行存在】を生み出せたおかげで、まだ活動は楽な方なんだけどな」
・【平行存在】
もう1人の自分自身生み出す【個性】。複製した【2倍】が変質したことによって生み出された【個性】で増やせる対象が自分自身になる代わり、死亡しない限り永続的に存在し続ける存在を生み出せる。なお、【2倍】と違い能力も弱体化している。また、1体しか生み出せず、再出現させるためには莫大なエネルギーが必要となる。本体とは経験・記憶は常に共有している。
複製体には骨折以上のダメージを受けると消えるという問題点が存在していたため、ナイトフォールでの全力戦闘を行うなら本体である必要があったが、1体限定とはいえ全力で戦闘を行うことができる複製体を生み出せるのはデカい。
また、全体的に弱体化しているとはいえ、ナイトフォールを着ればほとんど問題ない。【個性】に関しては、単体での能力だったり全体の容量は下がっているが、そちらもレイヴンとして活動に支障はない。
「レイヴンという存在が大変そうに言っているが、あらゆるものが抑圧されたこの世界に対して自分の意志で"自由に選択"しているんだ。それは大変に決まってるだろ」
「ブランチやレイヴンは元々ゲームのキャラや組織だって話だが、そいつら大変だったんじゃないか?」
「いや、大変というよりただのはた迷惑。主人公はレイヴンの名を借りた存在だったんだが、本物のレイヴンがそれはもう"レイヴン"という名前の意味をはき違えたアホだった。ブランチも同じだな」
あいつら、自由の意味をはき違えて何でもかんでも好き勝手やってたからな。あれじゃあ、企業の連中とかわらない。俺はレイヴンの名を使っているが、だからと言って原点をはき違えるような真似はしたくない。まあ、レイヴンの名を利用していた可能性を考えると一概には言えない部分もあるが。
「じゃあ、なんで組織の名前をそんなやつらの組織を名前と同じにしたんだ?」
「レイヴンを中心とした組織にしたかったから、ある意味丁度良かったんだ」
ブランチは"レイヴンのための組織"であり、俺が組織に求めるものと合っていた。
「だが、それだとレイヴンがいなくなったときに大問題だよな。その時、私たちはどうすればいいんだ?」
「普通に考えれば解散。それか新しいレイヴンを見つける。この二択かな、今だと解散一択だが」
さすがに今、俺がいなくなると新しいレイヴンを見つけても意味ないため解散しかないが、引き継ぎが可能な状態にしておけば組織を継続させることも可能になる。
「レイヴン。考えたのですが、あなたはいずれレイヴンの地位を別の誰かに引き継ぐのですよね?」
「ああ、表でヒーローになるためにな。それが?」
「でしたら、今から後継者を探し、育てませんか?」
後継者ね・・・え、今から?まだ組織が本格的に活動して半年しかたっていないんだが?
「おいおい、さすがに気が早くないか?まだ自由の象徴としての地位も確立できていないんだが?」
「でもいずれは必要になるだろ?それに【平行存在】で自身を増やせたとしても、誰かに引き継ぐ気だろ」
まあ、そのつもりではあった。いくら表と裏の生活を両立できるといっても限度がある。手数を増やすという意味でも後継者は必要だ。
だが、裏社会での名声は高まっているとはいえ、まだ確立できたわけじゃない。最低でもオール・フォー・ワンと対立できる程度にならないと。
「言いたいことはわかるが、今見つけて育てても上手くいくか?特にこの間手に入れた【ワン・フォー・オール】がとびっきりの問題児だ。それを対処しないと話にならん」
「そうか?案外、上手くいくんじゃないか?」
トゥワイスは能天気に賛同しているが、ナガンは俺の言いたいことが分かっているため、苦虫を嚙み潰したような顔をしている。だいたい、今見つけるにしてもどうやって探すんだ。レイヴンを受け継ぐということは並大抵の存在では無理。それに【個性】を引き継ぐ関係上、【個性】の容量・適正も必要だし、最悪自分の持っている【個性】を捨てないといけない。それに
俺が手に入れた【ワン・フォー・オール】のひな型はかなり特殊のため、さらに困難を極める。
・【ワン・フォー・オール】
ストックされた力を譲渡可能対象に譲渡する【個性】。譲渡可能対象の選定は保有者の願望に大きく影響される。
俺の【オール・フォー・ワン】が微妙にオール・フォー・ワンの【オール・フォー・ワン】と違ったように、俺の持つ【ワン・フォー・オール】もオールマイトの【ワン・フォー・オール】とかなり違っていた。
最大の違いは"譲渡可能対象"、つまり相手を選ぶという点だ。これを知ったときには本当にビックリした。思わずシーカーに問い詰めたほどだ。なお、シーカーも俺が伝えるまで知らず、調べたときにはそんな条件はなかったという。
そして適合する確率だが、なんとビックリ数千万分の一、話にならん。【変質】使って譲渡可能対象を増やそうとしたが、根本的な部分を変質する必要があり、完全な状態で力を受け継ぐことができなくなることが判明したため諦めた。その際に判明したのだが、なぜか俺は譲渡可能対象だった。
【変質】のおかげかと思ったが、そう考えたとしても偶然と考えるにはあまりにもできるぎている。それにシーカーが調べた時にはなく、俺が取得したときにこのような条件になっていた。これらから考えられるのは
自分を助けたレイヴンに何らかの影響を受けた。ということだ
譲渡可能対象の選定は保有者の願望が多く反映される。当人の記憶は既に封印しているが、忘れたわけじゃない。レイヴンという存在が何らかの影響を及ぼした。これがたぶん、一番正解に近いだろう。
どのような方向に転ぶかわからない以上、オリジナルの【ワン・フォー・オール】を下手に変質させたくない・・・そう考えると、そうだな
「候補者が1人いるが・・・それでいいなら試してみるか?」
「お願いします」
・・・・・・
ここが例の孤児院か。エアが海外での諜報活動用の拠点を作ると同時に子供を保護できるように作ったと報告にあったが、なかなかに良さそうな孤児院だな。質素だが、清潔感がある。
俺は今、透明化して真夜中の孤児院に忍び込んでいる。正直、コソコソするのはどうかと思うが、レイヴンとして話をする以上、正面から堂々と尋ねるわけにもいかない。とはいえ、下手な騒ぎになるのもダメだから慎重に行動しないいけない。
今回会いに来た相手は【ワン・フォー・オール】の元保有者。相手は子供だし、色々と思うところはあるが、元保有者ということもあって間違いなく【ワン・フォー・オール】に適合する。それに彼女の望みが反映された結果が今の【ワン・フォー・オール】であるのなら、彼女はレイヴンにするのもアリだと思った。
彼女が寝ている部屋の前まで来た。他の孤児も部屋で寝ているため、外に連れ出さないといけない。拉致するだけなら簡単だが、後々のことを考えると悪手。どうするか。そんなことを考えていると中から誰かが出てきた。
銀髪でロングヘヤ―の女の子が中から出てきた・・・この子がそうか。それにしても銀髪とは・・・AC6の主人公:"強化人間:C4-621"は銀髪の女の子。なんてネットミームがあったな。ACではキャラの姿が登場しないからこそ出たネットミームだが、今回に関しては嫌なデジャブを感じるぞ。
それにしてもこんな時間に外に出るとは・・・トイレか?そんなことを考えながら様子を見ていると、トイレとは逆方向に向かっている。どこへ行くのか気になっていると物置部屋に入っていった。
なにをしているんだ?
俺は【透過】も使用し、物置部屋に入ると彼女は何かに向かって祈っていた。木彫りで不格好だが、特徴的な大きな翼はわかった。そうか・・・彼女は
「君は記憶を封印されてなかったんだな。いや、封印されたが自力で解いたのか」
「?!!」
あの救助作戦で助けた子供たちは全員記憶封印処置を行った。そこに例外はない。なのに彼女は覚えていた。おそらく、記憶封印処置を行った後に強い思いによって解けたのだろう。創生の時もそうだったが、記憶封印処置はなんらかの強い思いによって解けることがある。彼女の場合、レイヴンへの崇拝がそうなのだろう。
「私の・・・記憶を消しに」
「いや、それとは別に話をしに来た」
彼女もわかっているのだろう。自分が思い出してはいけないことを思い出していることに。
「色々と話す前に、まずは自己紹介からかな。知っていると思うが、私は1年前に君たちを助け、この孤児院に保護させた者、レイヴンだ」
「私は・・・"レイ"です」
だいぶ警戒されているな。少し警戒を解くか。
「レイか。いい名前だな」
「施設の人がつけてくれました。それまでは番号で、"621"で呼ばれてましたから」
呪いかな、レイヴンの。冗談抜きで身の危険を感じてるんだが。AC6の主人公は強化人間"C4-621"。しかも、物語ではレイヴンを名乗り、そしてレイヴンを倒して自分がレイヴンとなった。俺、彼女に殺されないよな。
彼女の警戒を解くはずが、逆に俺が警戒する羽目になるとは。若干身の危険を感じつつも彼女と話し合った。彼女について、孤児院について、そして
「私は・・・どうなるんでしょうか?」
「記憶を再度封印する。その方が互いのためだ」
彼女が封印された記憶を思い出したせいで色々と苦労をしているどころか、たまに悪夢にうなされるという。精神的なことを考えても封印一択だろう。だが
「そう・・・ですか」
「ただ、あくまでも"普通なら"だ。そろそろ私がここに来た本題を話そう」
「私の記憶を封印しに来たんじゃないんですか?」
「違う。君の記憶封印処置については今日知った。単刀直入に聞く」
「私の後継者にならないか」
「それは・・・どういう」
「私は自由の象徴として世の中を良くしていくつもりだ。だが、それはあくまでも自分のためであり、いずれ私は自分のためレイヴンの地位を別の誰かに渡そうと考えている」
「それを・・・私が」
「簡単なことじゃない。ハッキリ言って修羅の道だ。敵は星の数ほどいるが、味方は少ない。しかも、まだ活動を始めたばかりで実力はあるが地位・名声は全然ない」
場合によっては世界の敵になることもあり得る。半端な気持ちでできない。
「君はレイヴンに憧れている。何故憧れているのか。それは何物にも縛られず、力強く自由に生きる姿、巨大な力に屈しない姿に憧れたからだ。自分が自由を奪われ、屈したから、なおのこと」
だから、【ワン・フォー・オール】に願望として反映された。自分の理想とする存在に、力を渡せるよう、その一部となれるよう。
「答える前に聞かせてください。あなたにとって、レイヴンとはなんですか?」
「自分の望みを叶えるための手段」
予想外の答えだったためか、がっかりしたような表情だった。まあ、彼女にとってのあこがれを手段だと断言されたからな。
「もし、その答えが不満ならこう考えればいいんじゃないか?レイヴンの名に相応しくない奴からレイヴンの名を奪い返し、相応しいものにする」
「レイヴンの・・・名を」
「ああ、私も自分がレイヴンに相応しいと断言できるわけじゃない。その名に恥じないようにはしているのは間違いないが・・・もし、相応しくないと思うなら自分がふさわしい存在になり、その名を受け継げばいい」
実際問題、レイヴンとしての地位を適切に受け継いでくれるなら、俺としてはレイヴンの名を奪われたとしても問題ない。
「・・・」
「それで、どうする?」
「なります。私はあなたの後継者になります」
決意を振り絞るように、言葉を紡ぐ。これでもう後戻りはできない。だが、彼女はこの選択を死ぬまで後悔しないだろう。そう思わせるほど、まっすぐな瞳でこちらを見ていた。
彼女が俺からどのようにレイヴンの名を受け継ぐかはわからないが、彼女なら、きっとレイヴンの名にふさわしい存在になる。そう思わせるには十分だった。
・・・・・・
【Side:レイ】
私は生まれた時から自由がなかった。
家にいた時も、施設にいた時も不自由だった。大人たちに抑圧され、周りの子供たちも段々といなくなり、私もいずれいなくなる。そう思っていた。
施設から助け出されたとき、大きな翼と金属の身体を持つ存在を見た。それは自由に飛び回り、降りかかる暴力をものともせず、誰にも縛られない。そんな姿を見て、私は
心の底から憧れ、あのように生きたいと思った。
・・・・・・
施設から助けられて半年がたった。
施設から助けられた後、私たちは記憶を消された。でも、私は半年かけて、記憶が戻った。周りは記憶が戻らないのに私だけ戻っていた。
理由はわからない。施設にいた頃の記憶は苦痛でしかなかった。でも、それ以上にあの存在のことを忘れたくもなかった。
また忘れないために、私はそのあたりにあった手頃な廃材を使って木彫りの像を作ることにした。また忘れた時に思い出せるように、そして、また会えることを願って
・・・・・・
レイヴンの後継者として、ブランチの本拠地にやってきた。ここ数日、驚きの連続だ。
まず、レイヴンの正体が私と同じ年の外国人だとわかった。そのほかにもオール・フォー・ワンと呼ばれる人物と同じ【個性】を持っていること、将来ヒーローになることなど驚きの連続だったが、一番驚いたのはレイヴンが彼にとって本当に自分の目的のための手段でしかなかったことだった。自分の幸せのためにやっていることに驚いた。
自分の幸せのために世界中に存在する問題を解決していくなんて、馬鹿げている。そう思った。実際、ブランチのメンバーもそう思っていたらしく、それなのになぜついていくのかエアに聞くと。
「私たちがブランチに入った理由は色々ですね。孤独が嫌だったから、自分を生み出した組織からの足抜け、研究環境を求めて、異形差別をなくすため、行き場がなくなったから。様々な理由でブランチに入りましたが、みんな足抜けは考えていません。私の場合、彼がどこまでできるのか見てみたくなったからという理由もありますね」
そう言うと、私が来る前にレイヴンがとても悩んでいたことを話してくれた。自分のことを信じて疑わないと思っていただけに、自分のことを疑っていたことにとても驚いた。そして、メンバーを足抜けさせて自分だけですべてを行おうとしていたことに"狂っている"そう思った。
でもエアは「狂気に身を置いてなお、自分の意志を貫くことができることが彼の強みでもある」と言っていた。私もそうなる必要があるかと聞いたら「それはレイが自分の意志で決めること」と言われた。
レイヴンの名を継ぐためには、自分の意志で判断し、自分の意志を貫く必要がある。そのためには力をつける必要がある。力が無ければ周りに流され、自分の意志を貫くことができないと。
その後もやりとりをしているうちにあることを思った。レイヴンはいずれ、日本の雄英高校に入学する。そして、私と同い年。なら、力をつけて自分の意志を貫くことができるようになったら私も雄英高校に入学できないかと。
その言葉にエアは驚いていた。正直、雄英高校自体に興味はない。でも、レイヴン・・・いや、陰奪 全部という人物がどんな存在なのか、知りたかった。身近にいて確かめたかった。レイヴンの名を彼から受け継ぐためには、彼のことをもっと知るべきだと思った。
エアは少し考えた後に、レイヴンの後継者としてふさわしい実力を身に付けること。それができればレイヴンを説得すると約束してくれた。レイヴンは想像以上に身内に甘い部分がある。
ただ、それは甘やかすという意味ではない、きっとふさわしい実力を身に着けることができなかったら許可は出さないだろう。逆に言えば、実力を身に着けることができれば許可を出してくれるはずだ。
それなら私は、レイヴンの後継者としてふさわしい実力を身に付けるだけ。改めてレイヴンの後継者としてふさわしい存在になることを心の中で誓った。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
今回はレイヴンの後継者としてレイが登場しましたが、元ネタはAC6に登場するレイヴンことC-621です。ちなみに、容姿は本編でも語られた通り銀髪で、そちらはネットミームが元ネタになっています。