俺の発現した個性が【オール・フォー・ワン】だったって、マジ?!!   作:AC6はいいぞ!!

35 / 55

ep29の内容の一部をこちらのほうに移動および記載を修正しました。


ep33:エアの再誕と祈りの聖女

 

 

「これ、美味しいですね」

「だな、結構美味しいな」

 

 

俺は今、()()()()()()()()()()()()()。機械の身体のはずの彼女なぜ食事をとれているのかというと

 

 

 

 

・・・・・・

 

 

1年前

 

「レイヴン。本当にやるんですか?」

「ああ、何か問題でも?」

「問題だらけよ。倫理的に完全にアウトだし」

「それを言ったら人を殺している時点でアウトだ。今更だろ」

「それとこれでは話が違うわ」

 

 

イヴもかなり食い下がる。当然だ。俺が今やろうとしていることは禁忌中の禁忌ともいえるからな。とはいえ

 

 

「別にクローンを生み出そうってわけじゃない。化け物を生み出そうって訳でもな」

「いえ・・・だからって」

 

 

「エアに肉体を与えるための体を作るなんて」

 

 

「何か?そのためにエアの幸せを諦めろと?」

「いえ・・・だけど」

「エアは俺らといるとき凄く楽しそうにしているが、同時に羨ましく思っている。特に食事をしているときはそうだ。本人は隠しているが人間に憧れているんだ」

 

 

人間以上の知性を持っているから、なおのこと人間に憧れている。

 

 

「言いたいことはわかるけど・・・オール・フォー・ワンの生み出した人造生命体の技術を利用して身体を作り出そうとするのは」

「辞めた方がいいか?辞めてもいいが代案を出してくれ。イヴには悪いがこの件は簡単にあきらめるわけにはいかないんだ」

 

 

俺は全員の幸せのためにどんな手でも使う気だ。そうじゃなければレイヴンなんてやってない。俺はもう、迷うことはしない。キチンと意見を言って止めてくれることはありがたいが諦める気はない。

 

 

「代案・・・なら、こういうのはどう?」

 

 

そう言うとイヴは代案を出した・・・なるほど。

 

 

「そんな方法が・・・確かに、理論上は可能だ。だが、この方法はイヴに負担がある・・・悪いがこの案は」

「いえ、この案で行きましょう。私を心配してくれるのは嬉しいですが、人造生命体よりはマシです」

「マシって・・・本当に大丈夫なんだろうな?」

 

 

その方法なら、オール・フォー・ワンの人造生命体の技術を使わなくていい。技術が未完成なこともあるが、それ以上に兵器運用が前提のため突如生命活動を停止したり、暴走したりするリスクがある。だから、研究して問題なく使えるようにしようと考えていたのだが・・・今度はイヴが意見を変えない。他にいい方法があるなら言ってみろと言わんばかりに意見を変えない。

 

 

「この方法はエアの補助が必須。俺から話して協力したもらう」

「最悪、断られる可能性も」

「断らせない。エアには悪いがレイヴンとしての命令として聞いてもらう・・・本当はこんな手を使いたくはないんだが」

「エアもそれをわかってくれるわよ」

 

 

 

 

・・・・・・

 

 

 

 

「色々な困難が立ちはだかる。そう覚悟してたんだけどな」

「私もそう思ってました」

 

 

エア再誕計画。

AIであるエアに肉体を与える計画。現在使っているアンドロイドではなく、本物の肉体を与える計画だ。そして、この計画の要となるのは肉体をどうやって生み出すか。

 

 

ぶっちゃけた話。肉体だけ用意するだけなら死体を利用して、オール・フォー・ワンの生み出した脳無のように作り出すこともできる。だが、その方法では人としての機能がほとんどないことはもちろん、【電脳】を通じて本体に接続できたとしても、脳の処理問題でロクに活用できない。誰も幸せにならない結末を迎えるのは間違いない。

 

 

なら、それらの問題を解決するためには1から作り出すしかない。そちらもオール・フォー・ワンがある程度技術を確立させているが、不完全なうえに兵器としての存在を生み出すことが前提のため、技術の改良は必要だし、これもこれで誰も幸せにならない結末を迎える可能性は高い。

 

 

なら、どうやって作り出すのか。

 

 

スーパーコーディネーター。

とあるガンダムシリーズに登場した遺伝子操作されて生み出された人類であるコーディネーター。その上位互換ともいえる存在で、母胎による"遺伝子の不確定要素"を取り除くために人工子宮によって、さらに完全を目指したコーディネーター。

 

 

ここで重要となるのは不確定要素を取り除くという点。この方法で一番怖いのが肉体に乗り移ったときに発生する可能性がある拒絶反応や肉体を構築中に人格が生成されること。それを取り除くという点でも都合が良かった。

 

 

ただ問題となるのがこの世界でそのような遺伝子操作や意識を肉体に乗り移す技術が存在しないこと・・・なのだが

 

 

「俺の【変質】とイヴの【遺伝子操作】でそのあたりはクリア。まさか意識を肉体に乗り移すことも【個性】で何とかなるとは・・・万能すぎるだろ、【個性】」

「いえ・・・それは【オール・フォー・ワン】を持つレイヴンだから言えることです」

「それを言ったらエアだって同罪だろ・・・【個性】に関する情報を精査して、いくつかの【個性】を組み合わせることで意識を肉体に乗り移せる可能性を見出してるし」

 

 

俺だって"【個性】でそんなことできるかも"程度の認識だったのに、まさか具体的な方法を見つけてくるとは思わなかった。

 

 

技術面の問題もメイカーのおかげで普通にクリア。そんな感じで具体的な計画が定まってからは特に何事もなく計画は進み、エアに肉体を与えることができた・・・何事もなく計画が進んで嬉しいはずなのに、俺の覚悟を返せと思ってしまう自分がいる。

 

 

「それに物凄い【個性】も生まれたよな」

 

 

【想子操作】

 超心理現象の次元に属する非物質粒子かつ認識や思考結果を記録する情報素子である物質を操作する【個性】

 

 

想子は端的に言うと魔力の様なもので、それを利用することで魔法のような現象を発動させることができる。肉体を変質させつつ、色々な【個性】を与えていたのだが、あるときにそれらがすべて消えて、代わりにこの【個性】が存在していた。

 

 

「そう言えば、イヴから聞いたのですが、私は遺伝子上レイヴンとイヴの子供ではなくなっているのですか?」

「うん?・・・ああ、そうだ」

 

 

受精卵は俺の精子とイヴの卵子を使って作ったため、遺伝上は親子関係にあるはずだが、【変質】や【遺伝子操作】で結構遺伝子を書き換えたせいで遺伝子的に親子関係にはないことになっている。イヴとも親子関係がないことになっていた。

 

 

「遺伝子が書き換わっているのに、【個性】は普通に遺伝しましたね」

「遺伝してるのか?まだ発現すらしてなかっただろ?」

「いえ遺伝してます。【想子操作】で自身の情報を読み取ってみたのですが、生来持っていた強力な【個性】を核としていくつもの【個性】を統合して生まれたようです。」

「どんな【個性】を持っていたんだ?」

「それは不明です。発現する前の、【個性】として認識できない状態だったため、情報を読み取ることができませんでした」

 

 

与えた【個性】を全て統合したとはいえ、こんなチートじみた【個性】に進化するとは、一体どんな【個性】を持っていたのやら。

 

 

「しばらくは身体に慣れることに集中して、その後は【個性】の訓練だな」

「【想子操作】があればレイヴンの行っていた作業を肩代わりできるようになります。そうすれば組織運営もだいぶ楽になるでしょう」

 

 

そうなのだが、まさか転移まで代行する気じゃないよな。え?そのつもりだって?

 

 

【想子操作】が未知数とはいえ、さすがにそこまでできない・・・よな?

 

 

 

 

・・・・・・

 

 

 

 

「エアの体調は問題なし、遺伝的にも【個性】的にも異常はなかったわ」

「しばらくは体力づくりと【個性】訓練。その後は本人の要望通り、表で資産家として影響力を強めてもらおう」

「それがいいでしょうね。それと、わたしも外で活動したいと思っているのだけれど」

「治癒の聖女としてか?悪いがそれはもう少し待ってくれ。今はまだ影響力が弱いし、個性抑制剤の信用獲得の一助にもなってもらいたい。開始するのは個性抑制剤の販売を開始してからだ」

 

 

治癒の聖女

AS"パンドラ"を使った超法規的な治療活動を行う計画。イヴの【遺伝子操作】は触れた対象の遺伝子情報を操作する個性で、エアのサポートがあれば細かな操作も可能になる。最近では、それを利用して低価格で薬品を生成している。これらはエアに提供し、彼女の資産調達に活用してもらう予定だ。

 

 

パンドラ

イヴ専用のAS。元々、外での活動する予定出なかったため急遽作成された機体。他のASと異なり機械的な要素はないようにみえる。実際、外見は修道服に謎のオーラが展開されたような姿なのだが、機械的な要素も存在する。

 

 

オーラの正体はナノマシンで、イヴの個性因子情報が組み込まれているため遺伝子操作ができ、しかも自己増殖もある程度可能となっている。そのため、ナノマシンを展開し、人体に侵入させることで遺伝子操作を行うことが可能となっている。なお、ナノマシンは宿主であるパンドラから離れると1時間で消滅する。

 

 

ちなみに、メイカーもASをロールアウト済み。エアとレイも専用機を作成中だ。

 

 

「ほんと、民衆に知れ渡ったら色んな意味で大変なことになるな」

「だからこそ、裏でコッソリやるんですよね」

「ああ、レイヴンの仲間としてな。名が売れて、周囲から恐れられる存在になれば、そう簡単に手出しできなくなる」

 

 

そろそろ、小規模な破壊運動を辞め、国そのものを操っているヴィラン組織の撲滅に移行する。これが成功すれば、オール・フォー・ワンにも負けないほどの名声を得る。

 

 

「まったく、心配性ね」

「かもしれないが、それぐらいがちょうどいい。こんなことでイヴを失いたくない」

「・・・まあ、いいわ。計画はエアとも詰める。万が一の時の保険もちゃんと用意するわ」

 

 

冗談じゃない、他人のために仲間を失うなんて俺は御免だ。ただ、イヴもブランチのために役に立とうとしていることはわかる。反対はしないが、安全を重視して計画してくれ。

 





最後までお読みいただき、ありがとうございました。


エアの【個性】として登場した【想子操作】の元ネタは魔法科高校の劣等生です。乗り移る前の本体と情報をやり取り可能なため、CADなどの補助具がなくてもかなり細かな魔法を使えます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。